JIS K 8660:2018 銅(試薬) | ページ 2

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K 8660 : 2018
6) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水
和物3.93 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水
を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25
mLを加え,水を標線まで加えて混合する。
b) 装置及び器具 主な装置及び器具は,次による。
1) 電解ビーカー ほうけい酸ガラス製で,図1に示すもの。
2) 円筒状白金陰極 白金製で,図2に示すもの。
3) らせん状白金陽極 白金製で,図3に示すもの。
4) 半円形時計皿 ほうけい酸ガラス製で,図4に示すもの。
5) 定電流電解装置 図5に示すもの。
6) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもの。
7) 電気定温乾燥器 約80 ℃に調節できるもの。
8) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
注記 斜線部分は,すり合わせとする。
図1−電解ビーカー及び蓋の例 図2−円筒状白金陰極の例
図3−らせん状白金陽極の例
図4−半円形時計皿の例

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A : 定電流電源装置
B : 円筒状白金陰極
C : らせん状白金陽極
D : 電解ビーカー
E : 半円形時計皿
F : スターラー
G : かき混ぜ機
図5−定電流電解装置
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 陰極に電着した銅の質量
1.1) 円筒状白金陰極は,硝酸(1+1)150 mLに数分間浸し,約40 ℃約60 ℃で1時間加熱する。
水で洗浄し,続いてエタノール(99.5)で洗浄後,約80 ℃の電気定温乾燥器中で2分間から3分
間乾燥し,デシケーター中で放冷する。その質量を,0.01 mgの桁まではかる。
1.2) らせん状白金陽極は,硝酸(1+1)150 mLに数分間浸し,水で洗浄し,続いてエタノール(99.5)
で洗浄後,約80 ℃の電気定温乾燥器中で2分間から3分間乾燥し,デシケーター中で放冷する。
1.3) 前処理を行った試料5.0 gを0.1 mgの桁まではかる。
1.4) はかりとった試料を電解ビーカーに入れ,硝酸−硫酸混液57 mLを加えた後,蓋をして静かにか
き混ぜる。反応が穏やかになった後,注意して約80 ℃に加熱し完全に溶かすとともに,窒素酸化
物を追い出す。
1.5) 蓋の内面及び電解ビーカーの内壁を水洗いした後,水を加えて液量を約150 mLとし,かき混ぜて
溶液を均一にする。
1.6) 円筒状白金陰極及びらせん状白金陽極を電極とし図5に示す状態に組み立て,試料溶液につ(浸)
け,2個の半円形時計皿で電解ビーカーを覆い,液温を20 ℃30 ℃に保ち,0.3 A0.4 Aの電流
を約5時間通じた後,0.6 A0.7 Aの電流を15時間から17時間通じて電解する。
1.7) 電解液が無色になったとき,半円形時計皿の下面,電解ビーカーの内壁及び電極の液面上に露出
した部分を水洗し,電解液面を約5 mm上昇させ,更に約1時間電解を続ける。
1.8) 電解液面を約5 mm上昇させた円筒状白金陰極部分に銅の電着が目視で認められなくなったとき
は,0.6 A0.7 Aの電流を通じたまま両電極を水洗しながら徐々に引き上げる。両電極は水を入れ
た他のビーカーに速やかに浸した後,電流を止めて,円筒状白金陰極を外し,よく水洗する。円
筒状白金陰極をエタノール(99.5)を入れたビーカーに浸した後,約80 ℃の電気定温乾燥器で2
分間から3分間乾燥し,デシケーター中で約30分間放冷する。
1.9) 銅が電着している円筒状白金陰極の質量を0.01 mgの桁まではかり,円筒状白金陰極の質量との差
から電着銅の質量を求める。電解ビーカー中の溶液(以下,“電解残液”という。)は,2)の試験
に用いる。
2) 電解残液中の銅の質量
2.1) 検量線溶液の調製は,適切な容量の全量フラスコを5個準備し,それぞれに硫酸(1+1)20 mL
及び適切な容量の電解残液を正確に加え,ピストン式ピペットで,表2に示す銅標準液(Cu : 0.01
mg/mL)の体積を5段階加え,水を標線まで加えて混合する(それぞれ,Y0液,Y1液,Y2液,Y3
液及びY4液とする。)。

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表2−採取する標準液の体積
標準液 mg/mL 採取量 mL
Y0 Y1 Y2 Y3 Y4
銅標準液(Cu) 0.01 0 5 10 20 30
2.2) 試料溶液の調製は,作成した検量線の範囲内の吸光度になるように,硫酸(1+1)20 mL及び電
解残液を検量線と同じ容量の全量フラスコに正確に入れ,水を標線まで加え混合する(X液)。
2.3) フレーム原子吸光分析装置の一般事項は,JIS K 0121による。
2.4) フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめアセチレン−空気フレームの状態を最適にしておき,
Y4液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,324.8 nm付近で吸光度が最大となる波長を設定し,
吸光度を測定できる状態にする。
2.5) 液,Y0液,Y1液,Y2液,Y3液及びY4液をそれぞれアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,吸
光度及び標準液の濃度から作成される検量線の直線性をJIS K 0121の9.1 a)(検量線法)によって,
銅(Cu)の含有率(質量分率 %)を計算する。
d) 計算 銅(Cu)の純度は,次の式によって算出する。
m2 m3
A 100
m1
ここに, A : 銅(Cu)の純度(質量分率 %)
m1 : はかりとった試料の量(g)
m2 : 電極に電着した銅(Cu)の質量(g)
m3 : 電解残液中の銅(Cu)の質量(g)

6.3 硫黄(S)

  硫黄(S)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
4) 硝酸(1+1) 6.2.3 a) 2)による。
5) 硫黄標準液(S : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,硫黄標準液(S : 0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム5.44
gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この
液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種Cのもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,有害な硝酸及び一酸化窒素が発生するため,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料50 gをビーカー1 000 mLなどにはかりとり,硝酸(1+1)400 mLを加え時計皿で覆い,発生
するガスが無色となるまで熱板(ホットプレート)上で加熱して溶かす。冷却後,全量フラスコ500
mLに移し,水を標線まで加えて混合する(S液)(6.4及び6.5の試験にも用いる。)。

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2) 試料溶液の調製は,S液30 mL(試料量3 g)をビーカー100 mLなどにとり,“塩酸(2+1)10 mL
を加え,沸騰水浴上で蒸発乾固する”(3回行う)。冷却後,塩酸(2+1)1.5 mLを加え,水を加え
て60 mLにする(A液)。A液20 mL(試料量1 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2
+1)0.3 mL及びエタノール(95)3 mLを加える。
3) 比較溶液の調製は,A液20 mL(試料量1 g)をビーカー50 mLなどにとり,塩化バリウム溶液(100
g/L)2 mLを加えて,沸騰するまで熱板(ホットプレート)上で加熱する。1時間放置後,ろ紙を
用いてろ過する。ろ液を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)0.3 mL及びエタノール(95)
3 mLを加える。
4) 試料溶液に塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加え,比較溶液に硫黄標準液(S : 0.01 mg/mL)2.0
mLを加え,水を加えて30 mLにし,1時間放置する。
5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃
くないとき,“硫黄(S) : 質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。

6.4 銀(Ag),アンチモン(Sb)及び鉄(Fe)

  銀(Ag),アンチモン(Sb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+1) 6.2.3 a) 2)による。
2) 銀標準液(Ag : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,銀標準液(Ag : 0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8550に規定する硝酸銀1.57 gを全
量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mL
を全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) アンチモン標準液(Sb : 0.1 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,アンチモン標準液(Sb : 0.1 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8533に規定するビス[(+)-
タルトラト]二アンチモン(III)酸二カリウム三水和物2.74 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりと
り,酒石酸溶液(200 g/L)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液100
mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,酒石酸溶液(200 g/L)25 mLを加え,水を標線まで加
えて混合する。
4) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム
鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて
溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸
(1+2)25 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
b) 装置 主な装置は,次による。
1) 水浴 6.3 b) 3)による。
2) フレーム原子吸光分析装置 6.2.3 b) 8)による。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表3に示す。

――――― [JIS K 8660 pdf 9] ―――――

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表3−分析種の測定波長の例
分析種 測定波長 nm
銀(Ag) 328.1
アンチモン(Sb) 217.6
鉄(Fe) 248.3
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,6.3のS液50 mL(試料量5 g)を全量フラスコ100 mLにとり,水を標線まで
加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,6.3のS液50 mL(試料量5 g)を全量フラスコ100 mLにとり,銀標準液(Ag :
0.01 mg/mL)10 mL,アンチモン標準液(Sb : 0.1 mg/mL)2.5 mL及び鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)
15 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) 空試験溶液の調製は,硝酸(1+1)40 mLをビーカー100 mLなどにとり,沸騰水浴上で約5 mLま
で蒸発し,全量フラスコ100 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(Z液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表3に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれアセチレン−空
気フレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1,Y液の指示値n2及びZ液の指
示値n3を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いたn1−n3をY液の指示値からX液の指示値を
引いたn2−n1と比較する。
e) 判定 d)によって操作し,n1−n3がn2−n1より大きくないとき,“銀(Ag) : 質量分率0.002 %以下(規
格値),アンチモン(Sb) : 質量分率0.005 %以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率0.003 %以下(規格値)”
とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によっておおよその参考値を求めることができる。
n1 n3
B
n2 n1
A 100
1 000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 %)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m : X液に含まれる試料の質量(g)

6.5 鉛(Pb)及びビスマス(Bi)

  鉛(Pb)及びビスマス(Bi)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %30.0 %,特級)の体
積2と水の体積3とを混合したもの。
2) 温アンモニア水(1+10) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %30.0 %,特級)
の体積1と水の体積10とを混合し,40 ℃60 ℃に加熱したもの。
3) 温塩酸(1+50) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積1と水の体積50とを混合し,40 ℃
60 ℃に加熱したもの。
4) 硝酸(1+1) 6.2.3 a) 2)による。
5) 硝酸鉄(III)溶液 JIS K 8559に規定する硝酸鉄(III)九水和物2.0 gを水50 mLに溶かしたもの。

――――― [JIS K 8660 pdf 10] ―――――

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JIS K 8660:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8660:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK0970:2013
ピストン式ピペット
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8012:2006
亜鉛(試薬)
JISK8044:2014
三酸化二ひ素(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8101:2006
エタノール(99.5)(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8136:2017
塩化すず(II)二水和物(試薬)
JISK8155:2017
塩化バリウム二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8230:2016
過酸化水素(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8374:2007
酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
JISK8533:2012
ビス[(+)-タルトラト]二アンチモン(III)酸二カリウム三水和物(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8559:2018
硝酸鉄(III)九水和物(試薬)
JISK8563:2018
硝酸鉛(II)(試薬)
JISK8566:1994
硝酸ビスマス五水和物(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8580:2011
すず(試薬)
JISK8777:2017
ピリジン(試薬)
JISK8913:2006
よう化カリウム(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8962:2008
硫酸カリウム(試薬)
JISK8982:2008
硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JISK8983:2016
硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JISK9512:2013
N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ0701:1977
包装用シリカゲル乾燥剤