JIS G 4321:2022 建築構造用ステンレス鋼材

                                                                                   G 4321 : 2022

pdf 目 次

ページ

•  1 適用範囲・・・・[1]
•  2 引用規格・・・・[1]
•  3 用語及び定義・・・・[2]
•  4 種類の記号・・・・[2]
•  5 製造方法・・・・[2]
•  6 化学成分・・・・[2]
•  6.1 溶鋼分析値・・・・[2]
•  6.2 製品分析値・・・・[3]
•  7 機械的性質・・・・[3]
•  7.1 0.1 %耐力,引張強さ,降伏比及び伸び・・・・[3]
•  7.2 へん平性・・・・[3]
•  8 耐食性・・・・[4]
•  9 表面仕上げ・・・・[4]
•  10 形状及び寸法並びにそれらの許容差・・・・[4]
•  10.1 断面形状・・・・[4]
•  10.2 標準長さ・・・・[4]
•  10.3 標準寸法・・・・[4]
•  10.4 寸法,形状及び長さの許容差・・・・[5]
•  11 外観・・・・[8]
•  12 質量・・・・[8]
•  13 試験・・・・[9]
•  13.1 分析試験・・・・[9]
•  13.2 機械試験・・・・[10]
•  13.3 腐食試験・・・・[10]
•  14 検査・・・・[11]
•  15 表示・・・・[11]
•  16 報告・・・・[11]
•  附属書A(参考)鋼材の断面形状,寸法,単位質量及び断面特性・・・・[12]

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――――― [JIS G 4321 pdf 1] ―――――

           G 4321 : 2022

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本鋼構造協会(JSSC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規
格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規
格である。これによって,JIS G 4321:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
  なお,令和5年3月21日までの間は,産業標準化法第30条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 4321:2000を適用してもよい。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

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――――― [JIS G 4321 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                              G 4321 : 2022

建築構造用ステンレス鋼材

Stainless steel for building structure

1 適用範囲

  この規格は,建築構造物に用いる次のステンレス鋼材(以下,鋼材という。)について規定する。
a) 熱間成形H形鋼
b) 熱間成形等辺山形鋼
c) 熱間成形溝形鋼
d) 冷間成形等辺山形鋼
e) 熱間鋼棒及び冷間仕上鋼棒(丸鋼,角鋼,六角鋼及び平鋼)
f) 円形鋼管及び遠心力鋳鋼管
g) 角形鋼管
h) 熱間圧延鋼板及び鋼帯
i) 冷間圧延鋼板及び鋼帯

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)
    JIS G 0202 鉄鋼用語(試験)
    JIS G 0203 鉄鋼用語(製品及び品質)
    JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
    JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
    JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
    JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
    JIS G 0571 ステンレス鋼のしゅう酸エッチング試験方法
    JIS G 0572 ステンレス鋼の硫酸·硫酸第二鉄腐食試験方法
    JIS G 0573 ステンレス鋼の65 %硝酸腐食試験方法
    JIS G 0575 ステンレス鋼の硫酸·硫酸銅腐食試験方法
    JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管
    JIS G 3466 一般構造用角形鋼管

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G 4321 : 2022
    JIS G 3468 配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管
    JIS G 3475 建築構造用炭素鋼鋼管
    JIS G 4303 ステンレス鋼棒
    JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
    JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
    JIS G 4317 熱間成形ステンレス鋼形鋼
    JIS G 4318 冷間仕上ステンレス鋼棒
    JIS G 4320 冷間成形ステンレス鋼形鋼
    JIS G 5121 ステンレス鋼鋳鋼品
    JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
    JIS Z 3121 突合せ溶接継手の引張試験方法
    JIS Z 8401 数値の丸め方

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0201,JIS G 0202及びJIS G 0203による。

4 種類の記号

  鋼材の種類は,4種類とし,その種類の記号は,表1による。
                                        表1−種類の記号
                                           種類の記号
                                            SUS304A
                                           SUS304N2A
                                            SUS316A
                                          SCS13AA-CFa)
                           注a) SCS13AA-CFは,遠心力鋳鋼管だけに適用し,
                                記号“CF”は,遠心力鋳鋼管を表す。

5 製造方法

  製造方法は,次による。
a) 製造業者は,この規格で要求する品質に適合するように,適切な製造方法で製造しなければならない。
b) 受渡当事者間で協定がある場合には,協定した製造方法による。

6 化学成分

6.1 溶鋼分析値

  鋼材は,13.1によって試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。

――――― [JIS G 4321 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
                                                                                   G 4321 : 2022

6.2 製品分析値

  注文者が製品分析を要求する場合,13.1によって試験を行い,その値は,表2の値に,JIS G 0321の表
5(ステンレス鋼及び耐熱鋼鋼材の製品分析の許容変動値)による許容変動値を適用する。
                                         表2−化学成分
                                                                                     単位 %
     種類の記号  C     Si    Mn     P     S     Ni     Cr    Mo      N     その他
    SUS304A     0.08  1.00  2.00  0.045 0.030 8.00   18.00    −     −      −
                 以下  以下  以下  以下  以下  10.50   20.00
    SUS304N2A   0.08  1.00  2.50  0.045 0.030 7.50   18.00    −   0.15   Nb : 0.15
                 以下  以下  以下  以下  以下  10.50   20.00          0.30    以下
    SUS316A     0.08  1.00  2.00  0.045 0.030 10.00 16.00    2.00     −      −
                 以下  以下  以下  以下  以下   14.00  18.00  3.00
    SCS13AA-CF  0.08  2.00  1.50  0.040 0.040 8.00   18.00    −     −      −
                 以下  以下  以下  以下  以下  11.00   21.00

7 機械的性質

7.1 0.1 %耐力,引張強さ,降伏比及び伸び

  鋼材は,13.2によって試験を行い,その0.1 %耐力,引張強さ,降伏比及び伸びは,表3による。
                           表3−0.1 %耐力,引張強さ,降伏比及び伸び
     種類の記号 0.1 %耐力a) 引張強さb) 降伏比c)                   伸び
                   N/mm2      N/mm2       %                        %
                                                           JIS Z 2241による試験片の種類
                                                    4号,5号,10号,11号,    14A号,14B号
                                                  12A号,12B号,12C号,13B号
    SUS304A      235以上    520以上  60以下d)           40以上e)             35以上
    SUS304N2A    325以上    690以上  60以下d)            35以上              30以上
    SUS316A      235以上    520以上  60以下d)            40以上e)            35以上
    SCS13AA-CF    235以上    520以上  60以下             40以上               35以上
      注a) 0.1 %耐力とは,引張試験において,0.1 %の永久伸びを起こすときの力(N)を平行部の断面積(mm2)
           で除した値で,JIS Z 2241によるオフセット法によって求めた値とする。
      注b) 円形鋼管は,溶接部も引張強さを満足しなければならない。角形鋼管は,受渡当事者間で協定した場
           合,溶接部も引張強さを満足しなければならない。
      注c) 降伏比とは,引張強さに対する0.1 %耐力の割合をいう。
      注d) 冷間成形のままの山形鋼,平鋼,円形鋼管及び角形鋼管の降伏比は,80 %以下とし,種類の記号の末
           尾に“-C”を付ける。
      注e) SUS304A及びSUS316Aの円形鋼管及び角形鋼管の伸びは,35 %以上とする。

7.2 へん平性

  円形鋼管の溶接部は,13.2.3によって試験を行い,表4による平板間の距離になるまで試験片に割れを
生じてはならない。ただし,厚さが外径の10 %以上の場合には,へん平試験における平板間の距離は,受
渡当事者間の協定による。

――――― [JIS G 4321 pdf 5] ―――――

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