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5.6 密度
5.6.1 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) はかり 0.01gまで量れるもの。
b) 比重カップ JIS K 5400の4.6.2(比重カップ法)に規定するもので,図2に示す形状・寸法で,内容
量が100mlのもの。材質は,黄銅製クロムめっき仕上げ又はステンレス鋼で,カップの質量は200g
以下とする。
なお,吹出しあなは,試料の流動性に応じて適宜なものを選ぶ。
c) 恒温槽 20.0±0.5℃に保つことのできるもの。
図2 比量カップの一例
5.6.2 操作 操作は,次のとおり行う。
a) 比重カップの容量測定
1) 比重カップ及びふたをよく洗浄し,乾燥させて,その質量を0.01gのけたまで量る。
2) 約20℃に調整した水を比重カップに満たし,気泡が入らないようにカップのふたをする。
3) 20℃の恒温水槽中に首部まで浸せきし,約1時間静置する。
4) ふたにあふれた水を清浄な布片でふき取り,比重カップを引き上げて周辺の付着水をふき取り,乾
燥後,直ちに質量を量る。このとき手の熱で膨張して,水があふれないように注意する。
5) 比重カップの容量を,次の式で計算する。
M2 M1
W3
d
ここに, W3 : 比重カップの容量 (cm3)
M2 : 水を満たした比重カップの質量 (g)
M1 : 比重カップの質量 (g)
d : 20℃における水の密度 (0.998 20g/cm3)
b) 1種の場合は,次によって密度を測定する。
1) 比重カップに入れられる程度に試料を加熱溶解し,あらかじめ質量を量った比重カップに試料約8
分目9分目を23回に分けて空洞ができないように充てんする。
――――― [JIS K 2236 pdf 6] ―――――
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2) 比重カップにふたをして,20℃の恒温水槽中に首部まで浸せきし,約1時間静置する。
3) 比重カップを引き上げて周辺の付着水をふき取り,乾燥後,直ちに質量を0.01gのけたまで量る。
4) ふたを開け,試料の上からあらかじめ20℃に調整した水で比重カップを満たし,その後,ふたをし
て,あふれた水をふき取る。
5) 比重カップの表面を自然乾燥後,直ちに質量を0.01gのけたまで量る。
6) 計算 密度は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
W5 W1
W4
d
W1 W2
S
W3 W4
ここに, S : 密度 (20℃) (g/cm3)
W1 : 比重カップに試料を入れたときの質量 (g)
W2 : 比重カップの質量 (g)
W3 : 比重カップの容量 (cm3)
W4 : 比重カップに入れた水の容量 (cm3)
W5 : 比重カップに試料と水が入ったときの質量 (g)
d : 20℃における水の密度 (0.998 20g/cm3)
c) 2種の場合は,次によって密度を測定する。
1) あらかじめ20℃でa) 1)に従って,比重カップの質量を量る。
2) カップに入れられる程度に試料(8)を加熱溶解し,あらかじめ質量を量った比重カップに試料約100g
を空洞ができないように充てんし,試料が固まらない内にふたをした後,あふれた試料をふき取る。
注(8) 空洞ができないよう充てんし,泡などが見受けられる場合は,数回に分けて充てんし,ふたを
した後,過剰な試料をふき取る。
3) 20℃の恒温水槽中に首部まで浸せきし,約1時間静置する。
4) 比重カップを引き上げて周辺の付着水をふき取り,乾燥後,直ちに質量を0.01gのけたまで量る。
5) 計算 密度は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
W1 W2
S
W3
ここに, S : 密度 (20℃) (g/cm3)
W1 : 比重カップに試料を入れたときの質量 (g)
W2 : 比重カップの質量 (g)
W3 : 比重カップの容量 (cm3) は,a) 5)による。
d) 3種の場合は,次によって密度を測定する。
1) 試料(8)に泡が入らないように注意して,a) 1)に従って量った比重カップ一杯に入れ,ふたをして,
ふたの穴から吹き出した余分の試料をぬぐい取る。ただし,試料は20℃以下のもの。
2) 20℃の恒温水槽中に首部まで浸せきし,約1時間静置する。
3) 比重カップの質量を0.01gのけたまで量る。
4) 計算 密度は,c) 5)の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
5.7 pH値
5.7.1 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) H計 JIS Z 8802に規定するもの。
b) ガラス容器 コニカルビーカ又は広口共栓瓶で,pHの測定に適するもの。
――――― [JIS K 2236 pdf 7] ―――――
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c) 水浴 ガラス容器の加熱に適するもの。
5.7.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。
a) 水 JIS K 8001の3.6(3)(二酸化炭素を含まない水)に規定するもの。
b) エタノール(95) IS K 8102に規定するもの。
c) アルコール混合液 エタノール(95)と水とを体積比8対2で混合し,0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液で
pH値7.0±0.1に調整したもの。このアルコール混合液1l当たり0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液4ml
以上使用してはならない。
5.7.3 操作 操作は,次のいずれかによって行う。
a) 水溶性又は乳化性(9)のものは,試料約2gをガラス容器に量り取り,水100ml中にかき混ぜながら加
え,5分間混合し,その液を25℃に調整し,pH計を用いてJIS Z 8802の7.(操作方法)によってpH
値を測定する。この操作を2回繰り返す。
なお,測定中の液温は±1℃以上の変動があってはならない。
注(9) 乳化性の場合,W/O型のものは非水溶性として処理する。
b) 非水溶性又は油性及び固形のものは,試料約2gとアルコール混合液100mlとをガラス容器に量り取
り,十分に混合し,その液を25℃に調整した後,pH計を用いてJIS Z 8802の7.によってpH値を測
定する。この操作を2回繰り返す。ただし,固形のものは,水浴を用いて加熱しても差し支えない。
なお,測定中の液温は±1℃以上の変動があってはならない。
5.7.4 計算 2回の測定値の差が0.2以下のときは平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下1けた
に丸める。ただし,2回の測定値の差が0.2を超えた場合は,試験を1回だけやり直し,その値と前回の測
定値のいずれかと0.2以下であるときは,その値との平均値を取る。前回の測定値のいずれとも0.2を超え
る差を生じたときは,装置及び容器を点検し,試験をやり直す。
5.8 光沢増加度
5.8.1 試薬,装置及び器具 試薬,装置及び器具は,次のとおりとする。
a) エタノール(95) 5.7.2 b)に規定するもの。
b) 光沢度計 JIS Z 8741に規定する鏡面光沢度測定装置で,60°鏡面光沢度を測定できるもの。
c) 磨き出し装置 固定台板及び磨き板を試験片の上で長軸方向に運動距離22cm以上,1分間に50±15
往復できる装置を備えたもので,往復運動にかかる力ができるだけ磨き板に影響しないもの。固定台
は中央部に試験片を置き,長軸方向の前後に,ほぼ同じ厚さ,同じ幅で長さ約100mmの板を,運動
の同軸方向に直列に並べて,試験片を固定させることができるもの。
なお,磨き板は厚さ約15mm,幅約70mm,長さ約80mmの木台の下面に,厚さ約5mmの同寸法の
軟らかいゴム板を接着剤で張り,木台の上面に同じ幅と長さの金属製おもりをねじで留めて,全体の
質量が450±25gになるようにしたものを用いる。
d) 布片 綿製片面ネル又は綿製両面ネル及び綿製ネルのいずれか。
e) 洗浄液 JIS K 3370に規定する洗剤1を水99の割合で希釈したもの。
f) 耐水研磨紙 JIS R 6253に規定する研磨紙。
5.8.2 試験片の作製 試験片の作製は,次のとおりとする。
a) 材質は,JIS G 3141に規定する鋼板SPCC-SDで,厚さ約0.7mm,幅約70mm,長さ約150mmのもの
3枚を用いて,耐水研磨紙180番にJIS K 8102に規定するエタノール(95)を浸して研磨した後,JIS K
5538に規定するラッカーシンナーで脱脂したものを使用するか,又はJIS G 3141に規定する鋼板
SPCC-SDで,厚さ約0.7mm,幅約70mm,長さ約150mmのもの3枚を用いて,りん酸塩処理した後,
――――― [JIS K 2236 pdf 8] ―――――
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電着塗装した塗装板。
なお,電着塗装の膜厚は,20 上とする。
b) )の電着塗装板以外の場合は,鋼の両面に,JIS K 5591に規定するオイルサーフェーサーをJIS K 5400
の3.3(5)(試料の薄め方)によって薄め,3.3(7)(塗り方)によって3回塗り重ね,常温で3時間以上
放置し,塗膜の乾燥状態が指触乾燥以上になった後,50±2℃に保った乾燥器に2時間入れて硬化させ
る。硬化させた後,取り出して常温で1時間放置する。次に塗面を耐水研磨紙400番を用いて平滑に
なるまで水研ぎした後(10),洗浄液及び水で洗浄し,乾燥させる。電着塗装板の場合も,耐水研磨紙
400番を用いて平滑になるまで水研ぎした後(10),洗浄液及び水で洗浄し,乾燥させる。
注(10) 平滑に研磨したとき,金属表面が露出してはならない。
c) 研磨した塗面に,JIS K 5651に規定するアミノアルキド樹脂エナメルの1種の黒をJIS K 54100の
3.3(5)によって薄め,3.3(7)によって3回塗り重ね,水平にして常温で20分間放置し,次に120±10℃
に保った乾燥器で30分間焼き付けた後,取り出して常温で1時間放置した後に測定した塗膜の厚さが
2030 とする。
乾燥した上塗り塗装板(11)を24時間放置する。この面を試験面としたものを塗装板とする。
なお,試験面の裏面及び周辺をあらかじめ同種の塗料で2,3回塗り包んでおくことが望ましい。
また,上記のはけ塗り塗装の代わりに,エアスプレーや静電塗装を施して,塗膜の厚さが2030
にしたものを使用してもよい。
注(11) 上塗り塗装板の塗面の60°鏡面光沢度は,JIS K 5400の7.6(鏡面光沢度)によって測定したと
き,中央部の任意の5点の測定値が,90以上でなければならない。
d) 上塗り塗装板を平らな板の上に置き,耐水研磨紙2000番を用いて軽く研磨した後,水3に対して粒度
34 珪)藻土を1の割合(12)でよく分散させる。その分散液を布に付け,軽く均一に研磨
する。次に,洗浄液で洗い,更によく水洗いして水を切り,乾燥後,中央部の任意の5点の60°鏡面
光沢度が60±5になるように塗面を調整したものを試験片とする。
注(12) 水とけい藻土の分散割合は,吸油量の大きい場合は,4 : 1の割合で研磨することが望ましい。
5.8.3 操作 操作は,次のとおり行う。
a) 試験片を磨き出し装置の上に固定する。
b) 三つ折りにした約70×100mmの布片を磨き板にびょうなどで固定する。この場合,磨き面側に折り
端がこないように注意する。
c) 磨き面の布片に試料約4g又は4mlを取り,試験片上を100往復して磨いた後,更に試料約2g又は2ml
を追加して100往復する。
d) 磨き終わった試験片は,そのまま2040分間放置した後,四つ折りにした約100×100mmの布片に
取り替えて十分につやが出るまでふきあげる。
e) つや出し操作後,試験片3枚の中央部の任意の5点の60°鏡面光沢度を測定する。
5.8.4 計算 光沢増加度は,次の式によって算出し,小数点以下1けたに丸める。
a) 試験片3枚のそれぞれの光沢増加度は,次の式によって算出する。
GB−GA
ここに, 光沢増加度
GA : 操作前の試験片の60°鏡面光沢度の平均値
GB : 操作後の試験片の60°鏡面光沢度の平均値
b) 3枚の試験片光沢増加度のうち,近似する2個の値の平均値を光沢増加度とする。
――――― [JIS K 2236 pdf 9] ―――――
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5.9 安定性
5.9.1 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) 恒温槽 50±2℃に保つことができる空気浴装置。
b) 低温槽 −12±2℃に保つことができる低温装置。
c) 透明ガラス製平底試験管 内径約20mm,高さ約120mmのもの。
5.9.2 操作 操作は,次のとおり行う。
a) 高温安定性
1) 1種及び2種の試料は,抜き取った製品容器を,ふたをしたまま50±2℃に保った恒温槽に4.0±0.5
時間入れた後取り出し,常温で2時間放置した後ふたを取り,表面の状態を目視及び手ざわりで調
べる。1種については,目視によって,溶剤や成分の分離など著しい状態の変化及び容器を横向き
に倒したときに中身の流出の有無を調べる。
2) 2種については,目視によって溶剤や成分の分離など著しい状態の変化の有無を調べる。
3) 3種の試料は,透明ガラス製平底試験管に約100mmの高さまで入れて栓をする。50±2℃に保った
恒温槽に1時間入れた後,取り出し,常温で1時間放置する。この操作を3回繰り返した後,軽く
振り混ぜて,溶剤や成分の分離など著しい状態の変化の有無を目視によって調べる。
b) 低温安定性
1) 1種及び2種の試料は,抜き取った製品容器を,ふたをしたまま−12±2℃に保った低温槽に4.0±
0.5時間入れた後,取り出し,常温で4時間放置してからふたを取り,試料の表面の状態及び内部の
状態を目視で,溶剤や成分の分離など著しい状態の変化の有無を調べる。
2) 3種の試料を,透明ガラス製平底試験管に約100mmの高さまで入れて栓をする。−12±2℃に保っ
た低温槽に1時間入れた後,取り出し,常温で1時間放置する。この操作を3回繰り返した後,軽
く振り混ぜ,溶剤や成分の分離など著しい状態の変化の有無を調べる。
5.10 金属に対する腐食性
5.10.1 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) 恒温槽 5.9.1 a)による。
b) 広口共栓瓶 JIS R 3503に規定する容量500mlのもの3個。
c) 耐水研磨紙 JIS R 6253に規定するAA又はCCの320番。
d) デシケーター 市販の適宜なもので,乾燥剤としてシリカゲルを入れたもの。
e) 布片 5.8.1 d)による。
5.10.2 試薬 アセトンJIS K 8034に規定するもの。
5.10.3 試験片 試験片の寸法は,90mm×13mmで,材質は次のとおりとする。
a) アルミニウム板 JIS H 4000に規定するA2024P,厚さ約2mm。
b) 黄銅板 JIS H 3100に規定する黄銅板C2801P,厚さ約2mm。
c) 亜鉛めっき鋼板 JIS G 3302に規定するSGCC,厚さ24mm。
5.10.4 試験片の準備 試験片の表面を水で洗い流しながら,耐水研磨紙(13)で,表面の汚れがなくなるま
で磨き,水洗後アセトンで洗い,室温でデシケーター中に1時間以上放置する。ただし,亜鉛めっき鋼板
は,研磨を行わず,水洗後アセトンで洗い,室温でデシケーター中に1時間以上放置する。
注(13) 研磨紙は,異種金属ごとに取り替え,清浄にした試験片は,きず,汚れなどが付かないように
注意して取り扱う。
5.10.5 操作 操作は,次のとおり行う。
――――― [JIS K 2236 pdf 10] ―――――
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JIS K 2236:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 75 : 石油及び関連技術 > 75.140 : ワックス,瀝青物質及びその他の石油製品
JIS K 2236:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISB7753:2007
- サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7754:1991
- キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
- JISC2338:2012
- 電気絶縁用ポリエステル粘着テープ
- JISD0205:1987
- 自動車部品の耐候性試験方法
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3302:2019
- 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
- JISH3100:2018
- 銅及び銅合金の板及び条
- JISH4000:2014
- アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK2207:1996
- 石油アスファルト
- JISK2220:2013
- グリース
- JISK2397:1991
- 自動車用解氷剤
- JISK3370:2019
- 台所用合成洗剤
- JISK5538:2002
- ラッカー系シンナー
- JISK5591:2003
- 油性系下地塗料
- JISK5600-1-1:1999
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
- JISK5600-2-2:1999
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第2節:粘度
- JISK5600-2-4:2014
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第4節:密度(ピクノメータ法)
- JISK5600-4-7:1999
- 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第7節:鏡面光沢度
- JISK5651:2002
- アミノアルキド樹脂塗料
- JISK6253:2006
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方
- JISK6873:1975
- ABS樹脂板
- JISK6922-1:2018
- プラスチック―ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料―第1部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8839:2007
- 2-プロパノール(試薬)
- JISK8937:2020
- リグロイン(試薬)
- JISR3202:2011
- フロート板ガラス及び磨き板ガラス
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISZ2381:2017
- 大気暴露試験方法通則
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態
- JISZ8741:1997
- 鏡面光沢度―測定方法
- JISZ8802:2011
- pH測定方法