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JIS K 6940:1998 規格概要
この規格 K6940は、腐食環境下で使用する鋼製タンク,塔槽類などの内面に施したガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜について規定。
JISK6940 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K6940
- 規格名称
- ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜
- 規格名称英語訳
- Glass flakes vinyl ester resin lining films
- 制定年月日
- 1998年4月20日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.220.60, 53.080
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- プラスチック II(材料) 2021
- 改訂:履歴
- 1998-04-20 制定日, 2002-08-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 6940:1998 PDF [17]
K 6940 : 1998
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ビニルエステル樹脂
附属書2(規定) ガラスフレーク
附属書3(規定) ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS K 6940 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 6940 : 1998
ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜
Glass flakes vinyl ester resin lining films
1. 適用範囲 この規格は,腐食環境下で使用する鋼製タンク,塔槽類などの内面に施したガラスフレー
ク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜(以下,皮膜という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 0211,JIS K 5500,JIS K 6900,JIS Z 0103,
JIS R 3410によるほか,次のとおりとする。
(1) ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜 液状ビニルエステル樹脂中にりん(鱗)片
状のガラスを加え,必要に応じて顔料,充てん材,硬化促進剤などを加えて混和し,液状又はペース
ト状に調製する。これに硬化剤を加えて,はけ(刷毛),ローラー,こて,スプレーなどで塗布して硬
化させた皮膜。
(2) 目標膜厚 施工上の目標とする皮膜厚さ。
3. 種類 種類は,目標膜厚及び適用温度範囲に応じて表1のとおりとする。
表1 種類
種類 目標膜厚 内容物温度 主な用途
1種 2.0mm 90℃以下(液相) 排煙脱硫用塔槽,排ガス処理用塔槽
130℃以下(気相)(1) 水処理用塔槽,酸又はアルカリ塔槽など
2種 A 600 60℃以下 石油タンク,海水タンク,水用タンクなど
B 400 40℃以下
注(1) 気相とは水分10wt%以下の場合
4. 材料 材料は,次のとおりとする。
(1) ビニルエステル樹脂 附属書1による。
(2) ガラスフレーク 附属書2による。
(3) ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂 附属書3による。
5. 施工 施工方法は,次のとおりとする。
(1) 素地調整方法 鋼板面に付着しているさび(錆),ミルスケール,その他有害な異物は,JIS Z 0310 4.
(ブラスト処理法)によって除せい度をJIS Z 0313 3.2(除せい度の評価)のSa2・1/2以上に仕上げ
る。
――――― [JIS K 6940 pdf 2] ―――――
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K 6940 : 1998
(2) ライニング方法 素地調整を終わった鋼板表面に,直ちにビニルエステル樹脂用プライマーを塗布し,
附属書3に規定するフレーク入りビニルエステル樹脂をエアレススプレー,こて,刷毛,ローラーな
どを用いてガラスフレークの分散,配向が十分になるように,また,気泡を含まないように繰り返し
注意深く施工する。
6. 品質 品質は,7.によって試験をしたとき,表2の品質を満足するものとする。
表2 品質
項目 種類
1種 2種
A B
外観 気泡,きず,異物の付着などの有害な欠陥がないこと。
皮膜厚さ 1.5mm以上 400 上 250 上
ピンホール 火花を発生するピンホールがないこと。
7. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
7.1 一般事項 試験において共通する一般事項は,JIS K 0050,JIS R 3503,JIS R 3505及びJIS Z 8401
による。
7.2 外観 目視によって欠陥の有無を調べる。
7.3 皮膜厚さ試験
(1) 要旨 電磁式膜厚計を用いて皮膜厚さを測定する。
(2) 装置 電磁式膜厚計JIS K 5400,3.5(2)(a)による。
(3) 操作 表3に示す測定箇所ごとに電磁式膜厚計によって3回測定し,その最低値を皮膜厚さとする。
備考 施工形状,施工面積などによって測定位置,測定箇所数は,受渡当事者間の協定によってもよ
い。
表3 皮膜厚さ測定箇所数
種類 測定箇所数
1m2
1種
5
1m2
2種
10
7.4 ピンホール試験
(1) 要旨 皮膜全面にわたり放電式ピンホールテスターを用いて検査し,ピンホールの有無を調べる。
(2) 装置 放電式ピンホールテスター (AC) (2)
(3) 操作
(a) 走査前にアースコード,プローブコードをそれぞれ接続する。
(b) 表4の試験電圧にセットし,火花放電テストを行う。
(c) 皮膜の上を,プローブ先端のブラシを当てながら掃くように走査する。走査速度は30cm/秒程度と
する。
(d) ピンホールがあるときは,ブラシの先端からスパークし,同時にネオンランプの点灯又はアラーム
が鳴る。
注(2) 高周波放電式は除く。
――――― [JIS K 6940 pdf 3] ―――――
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K 6940 : 1998
表4 ピンホール試験重圧
種類 電圧V (AC)
1種 6 0008 000
2種 1 0002 500
8. 検査 検査は7.によって試験し,表2の規定に適合しなければならない。適合しない場合は,受渡当
事者間の協定によって補修を行うことができる。ただし,補修後再度7.によって試験したとき,表2の規
定に適合しなければならない。
9. 報告 注文者から要求された場合,施工業者は表2に対応する7.の試験成績を提出しなければならな
い。
10. 表示 表示は,施工対象製品の外面に次の事項を表示しなければならない。
(1) 規格の名称
(2) 種類
(3) 施工業者名又はその略号
(4) 施工年月
――――― [JIS K 6940 pdf 4] ―――――
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K 6940 : 1998
付表1 引用規格
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7601 上皿天びん
JIS C 2202 鉛蓄電池用ガラスマット
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 5400 塗料一般試験方法
JIS K 5500 塗料用語
JIS K 6850 接着剤の引張りせん断接着強さ試験方法
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 6901 液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法
JIS K 6911 熱硬化性プラスチック一般試験方法
JIS K 6919 繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂
JIS K 7113 プラスチックの引張り試験方法
JIS K 7203 硬質プラスチックの曲げ試験方法
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8680 トルエン(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS R 3410 ガラス繊維用語
JIS R 3413 ガラス糸
JIS R 3420 ガラス繊維一般試験方法
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS R 3645 ガラス棒
JIS Z 0103 防せい防食用語
JIS Z 0310 素地調整用ブラスト処理方法通則
JIS Z 0313 素地調整用ブラスト処理面の試験及び評価方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801 試験用ふるい
――――― [JIS K 6940 pdf 5] ―――――
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JIS K 6940:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.60 : 有機被覆
JIS K 6940:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISB7601:1983
- 上皿天びん
- JISC2202:1995
- 鉛蓄電池用ガラスマット
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK5400:1990
- 塗料一般試験方法
- JISK5500:2000
- 塗料用語
- JISK6850:1999
- 接着剤―剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法
- JISK6900:1994
- プラスチック―用語
- JISK6901:2008
- 液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法
- JISK6911:1995
- 熱硬化性プラスチック一般試験方法
- JISK6919:1992
- 繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂
- JISK7113:1995
- プラスチックの引張試験方法
- JISK7203:1995
- 硬質プラスチックの曲げ試験方法
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISR3410:2006
- ガラス繊維用語
- JISR3413:2012
- ガラス糸
- JISR3420:2013
- ガラス繊維一般試験方法
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISR3645:1998
- ガラス棒
- JISZ0103:1996
- 防せい防食用語
- JISZ0310:2016
- 素地調整用ブラスト処理方法通則
- JISZ0313:2004
- 素地調整用ブラスト処理面の試験及び評価方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8801:1994
- 試験用ふるい