JIS K 6940:1998 ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜 | ページ 2

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附属書1(規定) ビニルエステル樹脂
1. 適用範囲 この附属書は,ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜の作製に使用する
ビニルエステル樹脂について規定する。
2. 品質 品質は,3.によって試験をしたとき,附属書1表1の品質を満足するものとする。
附属書1表1 品質
項目 品質
外観 異常がないこと
酸価 18以下
粘度 (Pa・s) 0.312
常 ゲル化時間 (分) 1040

硬 最小硬化時間 (分) 2070

性 最高発熱温度 (℃) 100180
3. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
3.1 試料の採取方法 試料は,ロットを代表するように合理的な方法によって採取する。
3.2 外観 外観は,JIS K 6919の5.1.3(外観)によるほか,次のとおりとする。
(1) 器具 試験管18×165mm
(2) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料を内径約18mmの清浄な試験管に深さ約100mmまで採り,異物の有無,液の分離など異常の
有無を目視によって調べる。
3.3 酸価 酸価は,JIS K 6901の4.3(酸価)による。
3.4 粘度 粘度の試験は,JIS K 6901の4.4.1(ブルックフィールド形粘度計法)によるほか,次のとお
りとする。
(1) 器具
(a) 容器 ビーカー500ml又は内径約10cm,高さ11cmのふた付き丸缶。
(b) ストップウォッチ 0.2秒が測定できる精度のもの。
3.5 常温硬化性 常温硬化性は,JIS K 6901の4.7(常温硬化特性)によるほか,次のとおりとする。
(1) 装置及び器具
(a) 常温硬化性試験装置 25±0.2℃に調節できるもの。一例を附属書1図1に示す。
(b) 完全互換性温度計 精度全目盛幅の±1.0%以内の温度計。
(c) ビーカー又はポリエチレン製コップ100ml若しくはデスカップ100ml。
(d) ガラス棒 JIS R 3645(ガラス棒)に規定するもので,径5mm,長さ300mmの両端に丸みを付け
たもの。
(e) 上皿天秤,JIS B 7601に規定するもの。
(2) 操作 操作は,JIS K 6901の4.7(常温硬化特性)による。

――――― [JIS K 6940 pdf 6] ―――――

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附属書1図1 常温硬化性試験装置の一例

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附属書2(規定) ガラスフレーク
1. 適用範囲 この附属書は,ガラスフレーク入りビニルエステル樹脂ライニング皮膜の作製に使用する
ガラスフレークについて規定する。
2. 用語の定義 この附属書に用いる主な用語の定義は,JIS R 3410による。
3. 種類 種類は,中心粒径に応じて附属書2表1のとおりとする。
附属書2表1 種類
種類
中心粒径(1) ( 用途
CF600 600 1種用
CF140 140 2種用
注(1) 中心粒径とは,積算質量50%における短径と長径の平均値をいう。
4. ガラスフレーク ガラスフレークは,JIS R 3413に規定する含アルカリガラスとする。
5. 品質 品質は,6.によって試験したとき,附属書2表2及び附属書2表3の品質を満足するものとす
る。ただし,受渡当事者間の協定によって,耐薬品性,水分率を省略することができる。
(1) F600
附属書2表2 CF600の品質
項目 CF600
外観 使用上障害となる汚れ,異物混入などの欠陥のないこと
厚さ ( 37
粒度 ふるい 1 700以上 0
分布 目開き 1 700150 80以上
(wt%) ( 150以下 20以下
かさ密度 (g/cm3) 0.3±0.1
耐薬品性 耐酸性 (wt%) 3以下
耐水性 (wt%) 3以下
水分率 (wt%) 0.2以下

――――― [JIS K 6940 pdf 8] ―――――

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(2) F140
附属書2表3 CF140の品質
項目 CF140
外観 使用上障害となる汚れ,異物混入などの欠陥のないこと
厚さ ( 37
粒 ふるい 1 700以上 0
度 目開き 1 700710 1以下
分 ( 710300 4以下
布 30045 70以上
(wt%) 45以下 25以下
かさ密度 (g/cm3) 0.7±0.2
耐薬品性 耐酸性 (wt%) 3以下
耐水性 (wt%) 3以下
水分率 (wt%) 0.2以下
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
6.1 試料の採取方法 試料はロットを代表するように合理的な方法によって採取する。
6.2 外観 外観は,試料約100gを採取し,照明の下で目視による。
6.3 厚さ
(1) 器具 ダイヤルゲージJIS B 7503に規定するもの。
(2) 操作 試料10枚を採取し,ダイヤルゲージを用い,1枚ごとに 定する。
(3) 計算 平均値を求め,JIS Z 8401によって整数位に丸める。
6.4 粒度
(1) 装置 装置は,次のとおりとする。
(a) ふるい JIS Z 8801に規定する試験用ふるい。
(b) 自動ふるい機 衝撃回数165回/分,回転数290回/分のもの。
(2) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料約100gを採り,0.1gのけたまで量る。
(b) 直径200mmのふるいを目開きの大きい順に重ねたふるいの最上段に試料を入れる。
(c) 試料を15分間自動ふるい機にかける。
(d) それぞれの粒度に分けられたものを,0.1gのけたまで量る。
(3) 計算 粒度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって整数位に丸める。
W1 W0
S 100
WS
ここに, S : 粒度 (wt%)
W1 : ふるいの質量 (g) +ふるい分けられた試料の質量 (g)
W0 : ふるいの質量 (g)
WS : 試料の質量 (g)
6.5 かさ密度
(1) 器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。
(a) メスシリンダー JIS R 3505に規定する500ml。
(b) かさ密度測定機 上下振幅28mm,上下振動回数100回/分のもの。
(2) 操作 操作は,次のとおり行う。

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(a) 試料約100gを採り,1gのけたまで量る。
(b) メスシリンダーに試料を静かに入れる。
(c) かさ密度測定機にメスシリンダーをセットする。
(d) 3分間振動させた後,体積をメスシリンダーから読み取る。
(3) 計算 かさ密度は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
W
B
V
ここに, B : かさ密度 (g/cm3)
W : 試料の質量 (g)
V : 試料の体積 (cm3)
6.6 耐酸性 耐酸性は,JIS C 2202 3.4(耐酸性試験)によるほか,次のとおりとする。
(1) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 乾燥器 換気装置を備え,110±5℃に調節できるもの。
(b) ウォーターバス 80±5℃に調節できるもの。
(c) デシケーター シリカゲルなどの適切な乾燥剤を入れたもの。
(d) ビーカー JIS R 3503に規定する300ml。
(e) ガラスフィルター JIS R 3503に規定するもの。
(2) 試薬
(a) 硫酸 (10wt%) IS K 8951に規定する硫酸を蒸留水又はイオン交換水で10wt%に調製したもの。
(3) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料約5gを採り,1mgのけたまで量る。
(b) ビーカーに10wt%の硫酸200mlを入れた後,試料を浸す。
(c) 80±5℃に調節したウォーターバスにその容器ごと浸し,24時間その温度で保持する。
(d) この液をガラスフィルターでろ過し,蒸留水で試料を繰り返し洗浄する。洗浄は洗液がリトマス試
験紙に対して酸性を示さなくなるまで行う。
(e) 試料を乾燥器中で乾燥し,デシケーター中で放冷した後,質量を1mgのけたまで量る。
(4) 計算 耐酸性は,次の式によって算出し,小数点以下1けたに丸める。
W W1
A 100
W
ここに, A : 耐酸性 (wt%)
W : 試料の質量 (mg)
W1 : 試料を硫酸に浸せき処理後,乾燥しデシケーター中で放冷し
た後の質量 (mg)
6.7 耐水性
(1) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 乾燥器 換気装置を備え,110±5℃に調節できるもの。
(b) ウォーターバス 80±5℃に調節できるもの。
(c) デシケーター シリカゲルなどの適切な乾燥剤を入れたもの。
(d) ビーカー JIS R 3503に規定する300ml。
(e) ガラスフィルター JIS R 3503に規定するもの。
(2) 操作 操作は,次のとおり行う。

――――― [JIS K 6940 pdf 10] ―――――

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