JIS Z 3324:2010 サブマージアーク溶接によるステンレス鋼溶着金属の品質区分及び試験方法 | ページ 2

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表2−溶着金属の機械的性質
溶着金属の化学成分の 引張試験
記号 引張強さ MPa 伸び %
S308 520以上 30以上
S308L 480以上 30以上
S309 520以上 25以上
S309L 510以上 25以上
S309Mo 550以上 25以上
S310 520以上 25以上
S312 660以上 17以上
S16-8-2 550以上 30以上
S316 520以上 25以上
S316L 480以上 30以上
S316LCu 480以上 30以上
S317 520以上 25以上
S317L 480以上 25以上
S347 520以上 25以上
S347L 510以上 25以上
S410 a) 440以上 15以上
S430 b) 450以上 15以上
注a) 試験片加工前に730760 ℃の温度で1時間加熱した後,1
時間当たり110 ℃以下の冷却速度で315 ℃まで冷却し,そ
の後空冷する。
b) 試験片加工前に760790 ℃の温度で2時間加熱した後,1
時間当たり55 ℃以下の冷却速度で595 ℃まで冷却し,その
後空冷する。

5.3 溶着金属の耐食性

  溶着金属の腐食試験は,特に注文者からの指定があった場合,表3に示す溶着金属に適用し,6.5の方法
によって硫酸・硫酸銅腐食試験を行ったとき,試験片の曲げられた外面に粒界腐食割れがあってはならな
い。
表3−硫酸・硫酸銅腐食試験を適用する溶着金属の化学成分の記号
S308L S316L S316LCu S317L S347 S347L

6 試験方法

6.1 ロットの決め方

  溶接材料のロットは,JIS Z 3423に規定するロットサイズによる。

6.2 試験一般

6.2.1  試験板
溶着金属の分析試験及び引張試験に使用する試験板は,表4による。ただし,JIS Z 3111の規定によっ
てバタリングを行う場合には,引張試験に使用する試験板はJIS G 3101のSS400又はJIS G 3106のSM400
のAC若しくはSM490のACを使用してもよい。

――――― [JIS Z 3324 pdf 6] ―――――

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表4−試験板の種類
試験板
溶着金属の化学成分の記号
JIS G 4304 JIS G 4305
S308,S308L SUS302B,SUS304,SUS304L SUS302B,SUS304,SUS304L
S309,S309L,S309Mo SUS309S SUS309S
S312
S310 SUS310S SUS310S
S16-8-2 SUS316,SUS321,SUS347 SUS316,SUS321,SUS347
S316,S316L,S316LCu SUS316,SUS316L SUS316,SUS316L
S317,S317L SUS317,SUS317L SUS317,SUS317L
S347,S347L SUS321,SUS347 SUS321,SUS347
S410,S430 SUS410,SUS430 SUS410,SUS430
6.2.2 試験用ワイヤ
試験に用いるワイヤは,JIS Z 3321に適合するもの,又はこれに準じるものとし,ワイヤの径は,3.2 mm
又は4.0 mmとする。ただし,受渡当事者間の協定によってこれら以外の径で行ってもよい。
6.2.3 試験用フラックス
試験に用いるフラックスは,JIS Z 3352に適合するもの,又はこれに準じるものとし,あらかじめ製造
業者の推奨する条件で乾燥を行う。
6.2.4 溶接条件
溶接は,製造業者の推奨する電流範囲の最大値の7090 %で行い,電流の種類は交流又は直流(ワイヤ
プラス)とする。

6.3 溶着金属の分析試験

  溶着金属の分析試験は,次によるほか,JIS Z 3184による。
a) 溶着金属は,厚さ19 mm以上,長さ150 mm以上,幅75 mm以上の試験板上に4層以上の肉盛溶接を
行う。ただし,低炭素系溶着金属(Lの記号の付いたもの)において,試験板にJIS G 3101のSS400
又はJIS G 3106のSM400のAC若しくはSM490のACを使用する場合には,5層以上肉盛溶接
するものとする。
b) 溶接は下向姿勢で行い,パス間温度は150 ℃以下とする。
c) 分析試料は,4層目以上の溶着金属から採取する。ただし,低炭素系溶着金属の場合で,試験板にJIS
G 3101のSS400又はJIS G 3106のSM400のAC若しくはSM490のACを使用する場合には,5
層目以上から採取する。
d) 溶着金属の分析試料として,c)の代わりに6.4の試験によって破断した引張試験の平行部の残材又は
平行部該当位置を分析してもよい。
e) 溶着金属の分析方法は,次のいずれかによる。
JIS G 1201,JIS G 1211,JIS G 1212,JIS G 1213,JIS G 1214,JIS G 1215,JIS G 1216,JIS G 1217,
JIS G 1218,JIS G 1219,JIS G 1237,JIS G 1253,JIS G 1256及び/又はJIS G 1257

6.4 溶着金属の引張試験

  溶着金属の引張試験は,次によるほか,JIS Z 3111による。
a) 試験板の厚さは,19 mm又は20 mmとする。
b) 開先角度は,30゜とする。
c) 予熱及びパス間温度は,化学成分の記号S410及びS430の溶着金属については150250 ℃とし,そ

――――― [JIS Z 3324 pdf 7] ―――――

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れ以外の化学成分の記号の溶着金属は15150 ℃の温度で各パスの溶接を始める。ただし,各パスの
溶接開始時に試験板の温度がパス間温度を超えた場合には,空冷する。
d) 410及びS430の溶着金属の熱処理は,試験片加工前に表2の注a)又は注b)に示す条件で行う。
e) 引張試験片の形状は,JIS Z 3111に規定するA0号とする。

6.5 溶着金属の腐食試験

  溶着金属の腐食試験は,次による。
a) 試験材の寸法及び試験片採取位置は,図1に示すとおりとする。
単位 mm
図1−硫酸・硫酸銅腐食試験用試験材の寸法及び試験片採取位置
b) 溶接開始時の試験板温度及びパス間温度は,15150 ℃とする。
c) 腐食試験片は,スタート部及びクレータ部を除いた部分から,厚さ5 mm以下,幅10 mm以下,長さ
3070 mmのものを2個採取する。
d) 腐食試験の方法は,JIS G 0575による。

7 検査方法

  溶着金属の検査方法は,次による。
a) 溶着金属の検査項目は,JIS Z 3423に規定する試験スケジュールによる。
b) 検査は,溶接材料のロットごとに,JIS Z 3423に規定する試験スケジュールに従い,箇条6によって
試験し,該当する箇条5の規定に適合しなければならない。
c) IS Z 3423に規定する試験スケジュールに従い,箇条6によって実施したいずれかの試験結果が,箇
条5の規定に適合しなかった場合には,適合しなかったすべての試験について倍数の再試験を行い,
そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この場合の再試験のための試験片は,当初
の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験材から採取する。また,分

――――― [JIS Z 3324 pdf 8] ―――――

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析試験において,当初の試験結果が規定に適合した成分は,再試験を行わなくてもよい。
d) 試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きを行っていない試験を含み,試験結果が合否の判
定に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかか
わらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c)に規定する再試験の対象とはしない。

8 溶着金属の品質区分の表示

  溶着金属の品質区分の表示は,箇条4によって行う。使用するワイヤ及びフラックスの組合せを併せて
示す場合の表示の例は,次のとおりとする。
例 YW S308−(YS308−SFMS1)
JIS Z 3352によるフラックスの種類(記号)
JIS Z 3321によるワイヤの種類(記号)
溶着金属の化学成分の記号
サブマージアーク溶接

9 記録

  試験記録を作成する場合は,次の事項を記録する。
a) 試験年月日及び試験場所
b) 溶着金属の品質区分
c) 使用するワイヤの種類及び径,並びに使用するフラックスの種類及び粒度
d) 試験板の鋼種,寸法及びバタリングの有無
e) 溶接条件(電流の種類,各パスごとの溶接電流,アーク電圧及び溶接速度)
f) 熱処理条件(溶着金属の化学成分の記号が,S410又はS430の場合)
g) 試験結果
1) 溶着金属の化学成分
2) 溶着金属の機械的性質(引張強さ及び伸び)
3) 溶着金属の耐食性(注文者からの指定があった場合だけ)

JIS Z 3324:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3324:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG0575:1999
ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法
JISG1201:2014
鉄及び鋼―分析方法通則
JISG1211:1995
鉄及び鋼―炭素定量方法
JISG1212:1997
鉄及び鋼―けい素定量方法
JISG1213:2001
鉄及び鋼―マンガン定量方法
JISG1214:1998
鉄及び鋼―りん定量方法
JISG1215:1994
鉄及び鋼―硫黄定量方法
JISG1216:1997
鉄及び鋼―ニッケル定量方法
JISG1217:2005
鉄及び鋼―クロム定量方法
JISG1218:1994
鉄及び鋼―モリブデン定量方法
JISG1219:1997
鉄及び鋼―銅定量方法
JISG1237:1997
鉄及び鋼―ニオブ定量方法
JISG1253:2002
鉄及び鋼―スパーク放電発光分光分析方法
JISG1256:1997
鉄及び鋼―蛍光X線分析方法
JISG1257:1994
鉄及び鋼―原子吸光分析方法
JISG3101:2015
一般構造用圧延鋼材
JISG3101:2020
一般構造用圧延鋼材
JISG3106:2015
溶接構造用圧延鋼材
JISG3106:2020
溶接構造用圧延鋼材
JISG4304:2012
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4304:2021
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4305:2012
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4305:2021
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISZ3001-1:2018
溶接用語―第1部:一般
JISZ3001-2:2018
溶接用語―第2部:溶接方法
JISZ3111:2005
溶着金属の引張及び衝撃試験方法
JISZ3184:2003
化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法
JISZ3321:2013
溶接用ステンレス鋼溶加棒,ソリッドワイヤ及び鋼帯
JISZ3352:2017
サブマージアーク溶接及びエレクトロスラグ溶接用フラックス
JISZ3423:2006
溶接材料の調達指針