JIS K 0105:2012 排ガス中のふっ素化合物分析方法 | ページ 2

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なお,表1の方法のほかに,附属書JAにイオンクロマトグラフ法によるふっ素化合物,塩素化合物及
び臭素化合物の同時分析法を規定する。

5 試料ガス採取方法

5.1 試料ガス採取

  試料ガスの採取方法は,次による。試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点を選び,同一
採取位置において,できるだけ時間間隔をあけずに,通常,2回以上試料ガスを採取し,それぞれ分析に
用いる。

5.2 試薬及び試薬溶液の調製方法

5.2.1  試薬
水酸化ナトリウムは,JIS K 8576に規定するもの。
5.2.2 試薬溶液の調製
水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)は,水酸化ナトリウム4.0 gをとり,水を加えて1 Lとしたものを吸
収液とする。

5.3 器具及び装置

5.3.1  吸収瓶
a) ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法及びイオン電極法の場合 吸収瓶(容量250 mL,図
1の例参照)を2個連結して用いる。
b) イオンクロマトグラフ法の場合 吸収瓶(容量100 mL又は250 mL,図1の例参照)を2個連結して
用いる。
単位 mm ( )内は100 mL用,( )外は250 mL用
a) ガラスろ過板 b) ガラスボールフィルター c) 枝管付きガラスフィルター
ガラスろ過板,ガラスボールフィルター及びガラスフィルターの細孔の大きさは,JIS R 3503に規定する細孔記号の1
又は2を用いる。
図1−吸収瓶(100 mL,250 mL)の例

――――― [JIS K 0105 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
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5.3.2 試料ガス採取装置
図2に例示する構成で,次の条件を備えなければならない。
a) 試料ガス採取管(B)は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されないステンレス鋼管,ほうけい酸ガ
ラス管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用いる。
b) 試料ガス中に,ダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管の先端又は適切な位置にろ過
材を入れる。ろ過材には,四ふっ化エチレン樹脂製の繊維,フィルターなど,排ガス中の成分と化学
反応を生じない材質のものを用いる。排ガス成分と反応するようなセルロース製フィルター,アルカ
リ分を含むガラス繊維などを用いてはならない。
c) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,試料ガス採取管(B)から吸収瓶(F1)までの間を加
熱できる構造とする。配管はできるだけ短くし,水分が凝縮するおそれがある場合には,採取管(B)
から吸収瓶(F1)の間を120 ℃程度に加熱する。
d) 試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)までの加熱される接続部分は,ステンレス鋼管,
ほうけい酸ガラス管,四ふっ化エチレン樹脂管,ふっ素ゴム管,シリコーンゴム管などを用いる。
e) 装置各部を接続する場合にガス漏れが生じないように組み立てる。ガス漏れの確認は,JIS K 0095 の
7.1.5(漏れ試験)による。
A : ろ過材(四ふっ化エチレン樹脂製) J : 乾燥管
B : 試料ガス採取管 K1,K2 : 流量調節コック
C : 採取口 L : 吸引ポンプ
D : 温度計 M : ガスメーター
E1,E2 : ヒーター N : 温度計
F1,F2 : 吸収瓶(容量100 mL又は250 mL) O : マノメーター
G : フランジ P1,P2 : 流路切替三方コック
H : ガス洗浄瓶(容量250 mL) Q : 水銀マノメーター
R : バイパス
図2−試料ガス採取装置の例

――――― [JIS K 0105 pdf 7] ―――――

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5.4 採取操作

  操作は,次による。ここに示す装置の記号は,図2による。
a) 吸収瓶及び吸収液量は,次のいずれかによる。
1) ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法及びイオン電極法の場合 吸収瓶(容量250 mL)
(F1及びF2)に,5.2.2の吸収液50 mLをそれぞれ入れる。
2) イオンクロマトグラフ法の場合 吸収瓶(容量100 mL)(F1及びF2)に,5.2.2の吸収液25 mLをそ
れぞれ入れる。吸収瓶(容量250 mL)を用いた場合は,吸収瓶(F1及びF2)に,5.2.2の吸収液50
mLをそれぞれ入れる。
b) 流路切替三方コック(P1,P2) をバイパス側に回し,吸引ポンプ(L)を作動させて,試料ガス採取
管(B)から流路切替三方コック(P1,P2)内を試料ガスで置換する。
注記1 試料ガス採取管(B)から吸収瓶までの距離が短く,一定流量への調節が容易である場合,
図2のP1からP2間のバイパス(R)を付けなくてもよい。
注記2 採取装置内に漏れがないことを他の手法で確認できる場合には,図2の水銀マノメーター
(Q)を付けなくてもよい。
c) 吸引ポンプ(L)を停止した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,ガスの流れを止める。次にガ
スメーター(M)の指示値(V1)を0.01 Lの桁まで読み取る。
d) 吸引ポンプ(L)を作動し,流路切替三方コック(P1,P2)を回して試料ガスを吸収瓶(F1及びF2)1)
に通す。このとき流量調節コック(K1,K2)を調節して,流量1 L/min程度にする2)。試料ガスを約
40 L3)採取した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,吸引ポンプ(L)を停止し,ガスメーター
(M)の指示値(V2)を0.01 Lの桁まで読み取る。同時にガスメーター(M)の温度計(N)とマノ
メーター(O)とによってガスの温度及びゲージ圧を測定する。また,大気圧を測定しておく。
e) 必要に応じて,試料ガス中の水分をJIS Z 8808:1995の6.(排ガス中の水分量の測定)によって測定す
る。
注1) 吸収液が温まる可能性がある場合は,吸収瓶を冷却槽に入れておくとよい。
2) 吸収瓶(容量250 mL)を用いた場合,ふっ素化合物が吸収液に完全に吸収されることがあら
かじめ明らかなときは,流量を2 L/minとしてもよい。
3) ふっ素化合物の濃度に応じて適宜,増減してもよい。

5.5 試料ガス採取量

  標準状態[273.15 K (0 ℃),101.32 kPa]における試料ガスの採取量を,乾きガス量(VSD)又は湿りガ
ス量(VSW)として,次の式によって算出する。
a) 乾きガス量を求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm−Pv
VSD=V +22.41(a+b) (1)
273.15+t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm
VSD=V +22.41(a+b) (2)
273.15+t 101.32
b) 湿りガス量を求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合

――――― [JIS K 0105 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
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273.15 Pa+Pm−Pv
VSW=V +22.41(a+b+c) (3)
273.15+t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm
VSW=V +22.41(a+b+c) (4)
273.15+t 101.32
ここに, VSD : 乾きガス量(L)
VSW : 湿りガス量(L)
V : ガスメーターで測定したガス量(L)
t : ガスメーターにおける温度(℃)
Pa : 大気圧(kPa)
Pm : ガスメーターにおけるゲージ圧(kPa)4)
Pv : t ℃における水の飽和蒸気圧(kPa)
なお,Pvについては表2によって,単位をPaからkPa
に換算する。
a : 吸収液に捕集された分析対象成分ガス(mol)4)
b : 吸収液に捕集された分析対象成分ガス以外のガス(mol)
4)
c : JIS Z 8808:1995の6.(排ガス中の水分量の測定)によっ
て求めた水分の量(mol)4)
273.15 : 0 ℃に対応する絶対温度(K)
101.32 : 1気圧に対応する圧力(kPa)
22.41 : 標準状態における気体1 molの体積(L)
注4) 無視しても差し支えない場合が多い。

6 分析用試料溶液の調製

6.1 試薬

  試薬は,次による。
a) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
b) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。
c) りん酸 JIS K 9005に規定するもの。
d) 過塩素酸 JIS K 8223に規定するもの。
e) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。
f) 二酸化けい素 JIS K 8885に規定する,粒度100150
g) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
h) フェノールフタレイン JIS K 8799に規定するもの。

6.2 試薬溶液の調製

  試薬溶液の調製は,次による。
a) 塩酸(0.1 mol/L) 塩酸8.3 mLをとり,水を加えて1 Lとする。
b) 硝酸(3 mol/L) 硝酸188 mLをとり,水を加えて1 Lとする。
c) 水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L) 水酸化ナトリウム4.0 gをとり,水を加えて1 Lとする。
d) フェノールフタレイン溶液(5 g/L) フェノールフタレイン0.5 gをエタノール(95)50 mLに溶か
し,水を加えて100 mLとする。
e) 試料の前処理に用いる強酸性陽イオン交換樹脂5) , 6)の調製

――――― [JIS K 0105 pdf 9] ―――――

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1) 強酸性陽イオン交換樹脂約30 gをビーカー500 mLにとり,硝酸(3 mol/L)200 mLを加えてマグネ
チックスターラーで約10分かき混ぜて水素イオン形に変換する。この操作を2回繰り返し行う。
2) 1)のビーカーの上澄み液をできるだけ別のビーカーに移し,水約200 mLを加える。マグネチックス
ターラーでかき混ぜて洗浄する。この操作を洗浄液が中性になるまで繰り返す。
3) 洗浄した強酸性イオン交換樹脂をろ紙5種Bを敷いたブフナー漏斗に移し入れ,アスピレーターで
吸引して過剰の水分を除去する7)。
注5) 陽イオン交換樹脂としてアンバーライトTM IR124A,DOWEXTM 59W-X8,DIAION PK216
などがある。ただし,これらは市販製品の一例であり,この規格の利用者の便宜を図って
記載するもので,これらの製品を推奨するものではない。
6) 強酸性陽イオン交換樹脂を水素イオン形に変換したものは不安定になるので,できるだけ
早く使用するとよい。
7) 過剰の水分を除いた強酸性陽イオン交換樹脂及び水素イオン形に変換した強酸性陽イオン
交換樹脂は,その少量を取り,水100 mL中に入れて約2分間マグネチックスターラーでか
き混ぜた後,上澄み液をとり,イオンクロマトグラフに導入し,測定対象イオンの位置に
ピークがないことを確認するとよい。

6.3 器具及び装置

  器具及び装置は,次による。
a) 蒸留装置 蒸留装置の例を図3に示す。
b) ガス洗浄瓶 容量50 mLのもの。
単位 mm
A : 水蒸気発生フラスコ
B : 連結導入管
C : トラップ
D : ケルダールフラスコ 500 mL
E : リービッヒ冷却器 300 mm
F : 逆流止め
G : 受器(全量フラスコ 250 mL)
H : 共通テーパーすり合わせ
I : 共通球面すり合わせ
J : 押さえばね
K : 温度計 200 ℃
L : ゴム管
M : ピンチコック
N : 温度計差込み栓
O : トラップ球
図3−蒸留装置の例

――――― [JIS K 0105 pdf 10] ―――――

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JIS K 0105:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15713:2006(MOD)

JIS K 0105:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0105:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0095:1999
排ガス試料採取方法
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0122:1997
イオン電極測定方法通則
JISK0127:2013
イオンクロマトグラフィー通則
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK1107:2005
窒素
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8032:2013
アセトニトリル(試薬)
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8121:2007
塩化カリウム(試薬)
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8223:2016
過塩素酸(試薬)
JISK8288:2007
くえん酸三ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8295:2020
グリセリン(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8359:2006
酢酸アンモニウム(試薬)
JISK8371:2006
酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
JISK8506:2017
臭化カリウム(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8548:2007
硝酸カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8622:2007
炭酸水素ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8799:2020
フェノールフタレイン(試薬)
JISK8821:2016
ふっ化ナトリウム(試薬)
JISK8863:2007
ほう酸(試薬)
JISK8866:2008
四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬)
JISK8885:2018
二酸化けい素(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK9005:2006
りん酸(試薬)
JISK9704:1994
2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(試薬)
JISK9808:1996
生化学試薬―2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(ビス-トリス)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ8802:2011
pH測定方法