JIS K 0109:2014 排ガス中のシアン化水素分析方法 | ページ 2

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K 0109 : 2014
b) 試薬溶液
1) 水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L) ガス洗浄瓶に入れるためのもので,水酸化ナトリウム4 gを水
に溶かして100 mLとする。

5.3 器具及び装置

5.3.1  吸収瓶
吸収瓶は,次による。
a) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 図1で例示する吸収瓶(250 mL)のうちいずれ
かを2個連結して用いる。
単位 mm ( )内は100 mL用,( )外は250 mL用
a) ガラスろ過板 b) ガラスボール形又は円筒形フィルター c) 枝管付きガラスフィルター
ガラスろ過板,ガラスボールフィルター,ガラスフィルターの細孔は,JIS R 3503に規定する細孔記号1又は2を
用いる。
図1−吸収瓶の例
5.3.2 試料ガス採取装置
試料ガス採取装置は,次による。
a) ガスクロマトグラフ法の場合 図2に例示する構成のものを用いる。

――――― [JIS K 0109 pdf 6] ―――――

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K 0109 : 2014
A : 試料ガス採取管 E1,E2 : シリコーンゴム管 I : 乾燥管
B : 保温材 F : 吸収瓶(100 mL) J : 吸引ポンプ
C : ろ過材 G : 流路切替三方コック K : ガス洗浄瓶(100 mL)[水酸化ナトリウム溶液
D : ヒーター H : 注射筒 (1 mol/L)を入れる]
図2−試料ガス採取装置の例(ガスクロマトグラフ法)
図2の採取装置は,次の条件を備えていなければならない。
1) 試料ガス採取管(A)の材質は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されず,測定対象物質が吸着し
ないもの,例えば,ステンレス鋼管,ほうけい酸ガラス管,石英ガラス管,四ふっ化エチレン樹脂
管などを用いる。
2) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管(A)の先端又は適切な位置
に適切なろ過材(C)を詰める。ろ過材(C)は,排ガス中の成分と化学反応を生じない材質のもの,
例えば,シリカウール,無アルカリガラスウールを用いる。
3) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,試料ガス採取管(A)からシリコーンゴム管(E1)
までの間を120 ℃程度に加熱する。
4) 試料ガス採取管(A)からシリコーンゴム管(E1)までの加熱される接続部分は,ステンレス鋼管,
ほうけい酸ガラス管,ふっ素ゴム管,シリコーンゴム管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用いる。
5) 装置各部を接続する場合にガス漏れがないように組み立てる。

――――― [JIS K 0109 pdf 7] ―――――

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K 0109 : 2014
b) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 図3に例示する構成のものを用いる。
A : ろ過材 J : 乾燥管
B : 試料ガス採取管 K1,K2 : 流量調節コック
C : 試料ガス採取口 L : 吸引ポンプ
D : 温度計 M : 湿式ガスメーター
E1,E2 : ヒーター N : 温度計
F1,F2 : 吸収瓶(容量約100 mL又は250 mL) O : マノメーター
G : フランジ P1,P2 : 流路切替三方コック
H : ガス洗浄瓶[水酸化ナトリウム溶液 Q : 水銀マノメーター
(1 mol/L)50 mLを入れる。] R : バイパス
図3−試料ガス採取装置の例(4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法)
図3の採取装置は,次の条件を備えていなければならない。
1) 試料ガス採取管(B)の材質は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されず,測定対象物質が吸着し
ないもの,例えば,ステンレス鋼管,ほうけい酸ガラス管,石英ガラス管,四ふっ化エチレン樹脂
管などを用いる。
2) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管(B)の先端又は適切な位置
に適切なろ過材(A)を詰める。ろ過材(A)は,排ガス中の成分と化学反応を生じない材質のもの,
例えば,シリカウール,無アルカリガラスウールを用いる。
3) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)
までの間を加熱できる構造とする。配管はできるだけ短くし,水分が凝縮するおそれがある場合に
は,採取管から流路切替三方コック(P1)の間を120 ℃程度に加熱する。
4) 試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)までの加熱される接続部分は,ステンレス鋼
管,ほうけい酸ガラス管,ふっ素ゴム管,シリコーンゴム管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用い
る。
5) 装置各部を接続する場合にガス漏れがないように組み立てる。

5.4 採取操作

  採取操作は,次による。

――――― [JIS K 0109 pdf 8] ―――――

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K 0109 : 2014
a) ガスクロマトグラフ法の場合 ここに示す装置の記号は,図2による。
1) 吸収瓶(容量100 mL)(F)を用い,吸収液は入れない。
2) 吸引ポンプ(J)を作動させて,流路切替三方コック(G)を切り替え,試料ガス採取管(A)から
吸収瓶(F)内を試料ガスで置換する。
3) 流路切替三方コック(G)を全方向(水平方向及び上方向)に開く。
4) 注射筒(H)を用いて試料ガスの吸引と排気とを数回繰り返し,注射筒(H)内を試料ガスで十分置
換した後,注射筒(H)内に試料ガスを採取する。
5) 試料ガスは,必要に応じて適当な容量の捕集袋に移し替えて保存又は輸送に用いるか,又は0.25
mLの注射筒を用い,必要量採取後,手早く注射針を装着し分析に用いる。
なお,捕集袋は,シアン化水素(HCN)の吸着の少ない材質のものを用いる。
b) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 ここに示す装置の記号は,図3による。
1) 吸収瓶(容量250 mL)(F1及びF2)に,5.2.2 a) の吸収液50 mLをそれぞれ入れる2)。
2) 流路切替三方コック(P1,P2)をバイパス側に回し,吸引ポンプ(L)を作動させて,試料ガス採取
管(B)から流路切替三方コック(P1)内を試料ガスで置換する。
注記1 採取装置内に漏れがなく,一定流量に調節が可能な場合,図3のP1からP2間のバイパス
(R)を付けなくてもよい。
注記2 採取装置内に漏れがないことを,他の手法で確認できる場合には,図3の水銀マノメータ
ー(Q)を付けなくてもよい。
3) 吸引ポンプ(L)を停止した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,ガスの流れを止める。次に
ガスメーター(M)の指示(V1)を0.01 Lの桁まで読み取る。
4) 吸引ポンプ(L)を作動させ,流路切替三方コック(P1,P2)を回して試料ガスを吸収瓶(F1及び
F2)2) に通す。このとき流量調節コック(K1,K2)を調節して,流量を1 L/min程度にする3)。試料
ガスを約10 L 4) 採取した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,吸引ポンプ(L)を停止し,
ガスメーター(M)の指示(V2)を0.01 Lの桁まで読み取る。同時にガスメーター(M)の温度計
(N)とマノメーター(O)とによってガスの温度及びゲージ圧を測定する5)。また,大気圧を測定
する。
5) 必要に応じて,試料ガス中の水分をJIS Z 8808の箇条7(排ガス中の水分量の測定)によって測定
する。
注2) 吸収液が温まる可能性がある場合は,吸収瓶を冷却槽に入れておくとよい。この場合には,
図1のa) に示す吸収瓶を用いた方がよい。
3) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法で,シアン化水素が吸収液に完全に吸収される
ことがあらかじめ明らかなときは,流量2 L/minまで上げてもよい。
4) シアン化水素(HCN)の濃度に応じて,適宜,増減してもよい。
5) 共存酸性ガスによる捕集率の低下を防ぐため,試料ガス採取終了時に,第二吸収瓶中の溶液
のpH値は12以上になっていることが必要である。試料ガス中に多量の二酸化炭素を含む場
合には,特に注意する必要がある。

5.5 試料ガスの採取量

  次の式によって,標準状態[273.15 K(0 ℃),101.32 kPa]における試料ガス採取量を,乾きガス量(VSD)
又は湿りガス量(VSW)として算出する。
a) 乾きガス量で求める場合

――――― [JIS K 0109 pdf 9] ―――――

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1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm−PV
VSD=V +22.41 a+ (1)
273.15+t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm
VSD=V +22.41 a+ (2)
273.15+t 101.32
b) 湿りガス量で求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm−PV
VSW=V +22.41 a+b+ (3)
273.15+t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm
VSW=V +22.41 a+b+ (4)
273.15+t 101.32
ここに, VSD : 乾きガス量(L)
VSW : 湿りガス量(L)
V : ガスメーターで測定したガス量(L)
[5.4 b) 3)及び4) の操作におけるV2−V1]
t : ガスメーターにおける温度(℃)
Pa : 大気圧(kPa)
Pm : ガスメーターにおけるゲージ圧(kPa)6)
PV : t ℃における飽和水蒸気圧(kPa)(表2参照)
a : 吸収液に捕集された分析対象ガス(mol)6)
b : 吸収液に捕集された分析対象ガス以外のガス(mol)6)
c : JIS Z 8808の箇条7(排ガス中の水分量の測定)によって
求めた水分の量(mol)6)
273.15 : 0 ℃に対応する絶対温度(K)
101.32 : 1気圧に対応する圧力(kPa)
22.41 : 標準状態における気体1 molの体積(L)
注6) 無視して差し支えない場合が多い。

6 分析用試料溶液及び試料ガスの調製

6.1 ガスクロマトグラフ法の場合

a) 5.4 a) 4) の操作を終えた後,注射筒内の試料ガスを分析用試料ガスとする。

6.2 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合

  分析用試料溶液の調製は,次による。
a) 5.4 b) の操作を行った後,吸収瓶(F1及びF2)の内容液をビーカー300 mLに移し入れる。
b) 吸収瓶などを水で洗浄し,洗液を先のビーカーに合わせる。
c) ビーカーの内容液を全量フラスコ250 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。これを分析用試料
溶液とする。

7 定量方法

7.1 ガスクロマトグラフ法

7.1.1  適用条件

――――― [JIS K 0109 pdf 10] ―――――

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JIS K 0109:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0109:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0095:1999
排ガス試料採取方法
JISK0114:2012
ガスクロマトグラフィー通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0122:1997
イオン電極測定方法通則
JISK0127:2013
イオンクロマトグラフィー通則
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8044:2014
三酸化二ひ素(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8121:2007
塩化カリウム(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8318:1995
p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8374:2007
酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
JISK8443:2007
シアン化カリウム(試薬)
JISK8495:2019
5-(4-ジメチルアミノベンジリデン)ロダニン(試薬)
JISK8500:2007
N,N-ジメチルホルムアミド(試薬)
JISK8548:2007
硝酸カリウム(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8588:2011
アミド硫酸アンモニウム(試薬)
JISK8622:2007
炭酸水素ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8646:2015
デキストリン水和物(試薬)
JISK8799:2020
フェノールフタレイン(試薬)
JISK8830:1995
ウラニン(試薬)
JISK8906:2011
モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8953:2008
硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JISK8960:2008
硫酸アンモニウム(試薬)
JISK9007:2008
りん酸二水素カリウム(試薬)
JISK9020:2012
りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JISK9020:2021
りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JISK9548:1994
3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(試薬)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ8808:2013
排ガス中のダスト濃度の測定方法