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K 3304 : 2019
5.2 試験試料の調製
5.2.1 試料の種類
試料の種類は,次のとおりとする。
a) 固形石けん 棒状,1個状,錠剤状などの石けん
b) 粉塊石けん 粉末状,粒状,フレーク状,チップ状などの石けん
c) 軟質石けん ペースト状,ゲル状などの石けん
d) 液状石けん 透明液状,乳濁液状などの石けん
5.2.2 調製用器具
試料の調製に用いる器具は,次による。
a) ナイフ
b) 電気ミキサ
c) 二分器 JIS M 8100に規定する表4(粒度及び二分器の種類)の6号のもの。
d) 分割用へら 円すい四分法の分割に用いるステンレス鋼製又は合成樹脂製の平板(図1参照)。
図1−分割用へら
e) かき混ぜ棒又はかき混ぜ機
5.2.3 縮分
試料の縮分は,石けんの種類によって,次のとおりとする。
a) 固形石けん 固形石けんは,次の四分割法によって縮分する。切断面が試料の中心を通り,互いに直
角となるようにナイフを用いて切断し,八等分する。試料の対角線上の相対する81分を二つ取り,41の
量とする。これをスライスするか又はさいの目に切ったものを試料とする(図2参照)。
注記1 乾固した石けんの場合,切断に“糸のこ”などを使用するとよい。
注記2 試料を更に電気ミキサで粉砕してもよい。ただし,水分の多い石けんの場合,電気ミキサ
を使用すると受器の壁などに付着して均一な粉砕が困難な場合は,使用しなくてもよい。
図2−四分割法
――――― [JIS K 3304 pdf 6] ―――――
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b) 粉塊石けん 粉塊石けんは,次のいずれかによって縮分し,試験に適切な量の試料が得られるまで縮
分を繰り返す。
1) 二分器による方法 試料を混合してビーカー又は適切な容器に入れ,二分器の本体に均一に落下さ
せ,試料を二分割する。そのいずれか一方をランダムに選び,試料とする。
粒状,フレーク状及びチップ状の石けんは,あらかじめ電気ミキサで粉砕した後,この方法を用
いる。
2) 円すい四分方法 試料を混合してビーカー又は適切な容器に入れ,堅い清潔な平面上に円すい形に
積み上げる。場所を変えてこの操作を1,2回繰り返す。円すいが完全に対称であることを確認した
後,すい頂部を,水平に保持した分割用へらを回転させながら軽く押し下げて平らにする。次に,
分割用へらを用いて,すい体の中心を通り,鉛直に押し下げるようにして切断し,これを扇形に四
等分する。対角線上に相対する四等分の二つを捨て,残りの二つを混合し,試料とする(図3参照)。
粒状,フレーク状及びチップ状の石けんは,あらかじめ電気ミキサで粉砕した後,この方法を用
いる。
試料を堅い清潔な平面上で円す すい頂部を水平に保持した分割 すい体の中心を通るように分割
い形に積み上げる。 用へらを回転させ,軽く押し下 用へらを鉛直に押し下げるよう
場所を変えて操作を更に1,2回 げて平らにする。 にして切断し,これを扇形に四
繰り返す。 等分する。
四等分した試料 対角のA,Aを取り,B,Bを捨
てる。
図3−円すい四分方法
c) 軟質石けん及び液状石けん 軟質石けん及び液状石けんは,次の均一混合による方法によって縮分す
る。
試料の全量をビーカーなどの容器に移し,かき混ぜ棒又はかき混ぜ機で均一に混合し,適切な量を
試料とする。
6 試験方法
6.1 水分
6.1.1 一般事項
試験方法は,加熱乾燥法又は蒸留法による。
――――― [JIS K 3304 pdf 7] ―――――
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6.1.2 加熱乾燥法
6.1.2.1 要旨
試料を105 ℃で乾燥したときの減量をはかり,水分とする。
6.1.2.2 器具
器具は,次のとおりとする。
a) 乾燥器 105 ℃±2 ℃に調節できるもの
b) 皿又ははかり瓶 外径50 mm90 mm,深さ30 mm45 mmの平底蒸発皿又は平形はかり瓶
c) かき混ぜ棒 ガラス製のもの
d) 砂 洗浄して乾燥したもの。例えば,海砂。
6.1.2.3 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 皿又ははかり瓶にかき混ぜ棒を入れ,105 ℃±2 ℃に調節した乾燥器で乾燥し,デシケーター中で放
冷する。
b) 乾燥温度で液化する石けんの場合は,あらかじめ皿又ははかり瓶にかき混ぜ棒と砂約10 gとを加え,
105 ℃±2 ℃に調節した乾燥器で乾燥し,デシケーター中で放冷する。
c) )又はb)の皿又ははかり瓶に試料約5 gを1 mgの桁まではかりとって[m(g)]入れ,105 ℃±2 ℃
に調節した乾燥器に入れる。砂を加えた場合は,かき混ぜ棒で混ぜ合わせてから乾燥器に入れる。
d) 1時間後,乾燥器から取り出し,デシケーター中で放冷してからかき混ぜ棒を用いて試料を粉末にす
る。
e) 再び105 ℃±2 ℃に調節した乾燥器に入れ,1時間後に取り出し,デシケーター中で放冷した後,質
量をはかる。
f) d)及びe)の操作を繰り返し,連続2回のひょう量の差が10 mg以下になるまで続け,連続2回のひょ
う量の差が10 mg以下になったときの質量の測定値を乾燥後質量[m1(g)]とする。
6.1.2.4 計算
水分は,式(1)によって算出する。
m m1
C 100 (1)
m
ここに, C : 水分(質量分率%)
m1 : 乾燥後質量(g)
m : 試料の質量(g)
6.1.3 蒸留法
6.1.3.1 要旨
試料をキシレンとともに蒸留し,留出分離した水及び水に可溶でキシレンに不溶の揮発分をはかり,水
分とする。この方法は,5 %以上の水分を含む試料に適用し,水溶性の揮発分,例えば,エタノールを含
む試料には適用しない。
6.1.3.2 試薬及び装置
試薬及び装置は,次のとおりとする。
a) キシレン JIS K 8271に規定するもの
b) 水分蒸留装置 JIS K 3362の図10(水分蒸留装置の例)に準じるもの
水分蒸留装置の内部は,使用前にあらかじめ硝酸と過酸化水素水との混液[例えば,硝酸(6 mol/L)
――――― [JIS K 3304 pdf 8] ―――――
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と過酸化水素水(30 %)とを体積比3対1で混合]で洗浄した後,水で洗い,乾燥しておく。
6.1.3.3 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 留出水分が2 mL5 mLになるように試料約10 g15 gを蒸留フラスコに10 mgの桁まではかりとり,
キシレン100 mL300 mL及び水分を含まない沸石を加え,水分蒸留装置を組み立てる。
b) 冷却器の上端から,更にキシレンを蒸留フラスコの検水管にあふれるまで流し込み,冷却器の上端を
綿で軽く栓をする。
c) 蒸留フラスコを加熱し,1分間に約100滴の速度で蒸留し,大部分の水が留出した後は1分間に約200
滴の速度で蒸留する。
d) 検水管に水が留出しなくなってから,更に30分間蒸留を続けた後,加熱をやめる。冷却管及び検水管
内部に水滴が付着したときは,ら旋状針金を用いて検水管に落とした後,約5 mLのキシレンで洗い
落とす。
e) 5分間以上放置してキシレン層が透明になった後,20 ℃±1.5 ℃で検水管の水量を0.05 mLまで読み
取り,留出した水の量[V(mL)]とする。
6.1.3.4 計算
水分は,式(2)によって算出する。
0.1 V
C 100 (2)
m
ここに, C : 水分(質量分率%)
V : 留出した水の量(mL)
m : 試料の質量(g)
1.0 : 水の密度
注記 蒸留フラスコ中の内容物が加熱によって泡立つ場合には,加熱脱水したオレイン酸又はオレイ
ルアルコールを入れると泡立ちが抑えられることがある。
6.2 石油エーテル可溶分
6.2.1 要旨
試料に含まれる遊離の脂肪酸以外の成分で,石油エーテルに溶解する物質(不けん化物及び可けん化物
の未けん化分の総量)をはかり,石油エーテル可溶分とする。抽出した脂肪酸は,水酸化カリウムで滴定
して,オレイン酸に換算した後,石油エーテル可溶分から差し引いて,石油エーテル可溶分の対象外とす
る。
6.2.2 試薬
試薬は,次のとおりとする。
a) 中性エタノール(95) JIS K 8102に規定するエタノール(95)を緩やかに5分間煮沸して二酸化炭素
を除き,室温まで流水で急冷し,フェノールフタレイン溶液(10 g/L)を数滴加え,0.1 mol/Lアルコ
ール性水酸化カリウム溶液を用いて30秒間うすい紅色を保つまで中和したもの。使用直前に調製する。
b) 炭酸水素ナトリウム溶液(10 g/L) JIS K 8622に規定する炭酸水素ナトリウム10 gを水に溶解して
1 000 mLとしたもの
c) 石油エーテル JIS K 8593に規定するもので,30 ℃60 ℃で留出したもの
d) 0.1 mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウム7 gを5 mLの水
に溶解し,JIS K 8102に規定するエタノール(95)を加えて1 000 mLとし,二酸化炭素を遮って2日
――――― [JIS K 3304 pdf 9] ―――――
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間3日間放置した後の上澄み液
標定 調製したアルコール性水酸化カリウム溶液25 mLにフェノールフタレイン溶液(10 g/L)数
滴を加え,JIS K 8001に規定する方法で調製した0.1 mol/L塩酸溶液を用いて紅色が消えるま
で滴定する。
e) フェノールフタレイン溶液(10 g/L) JIS K 8001のJA.5(指示薬)によって調製したもの
f) 硫酸ナトリウム JIS K 8987に規定するもの
6.2.3 器具
器具は,次のとおりとする。
a) ミクロビュレット 容量2 mL,0.05 mL目盛付きのもの
b) 乾燥器 6.1.2.2 a)に規定するもの
6.2.4 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 試料約5 gを200 mLのビーカーに1 mgの桁まではかりとり,中性エタノール(95)50 mLと炭酸水
素ナトリウム溶液(10 g/L)50 mLとを加え,70 ℃以下に加熱溶解して放冷する。
b) 不溶物がある場合には,ろ過して500 mLの分液漏斗Aに移し,a)のビーカー及びろ紙上の不溶物は,
少量の中性エタノール(95)と炭酸水素ナトリウム溶液(10 g/L)との等量混合液で洗い,洗液を分
液漏斗Aに合わせる。
c) 分液漏斗Aに石油エーテル50 mLを加え,1分間激しく振り混ぜて抽出した後,明らかに二層に分か
れるまで放置する。
d) 分液漏斗Aのうち,水層を500 mLの分液漏斗Bに移し,石油エーテル50 mLを加え,振り混ぜて抽
出した後,明らかに二層に分かれるまで放置する。
e) 分液漏斗Bのうち,水層を更に500 mLの分液漏斗Cに移し,石油エーテル50 mLを加え,振り混ぜ
て抽出した後,明らかに二層に分かれるまで放置する。
f) 分液漏斗Cのうち,水層は,300 mLの三角フラスコに抜き取る。
g) 分液漏斗B及び分液漏斗Cの石油エーテル抽出液を分液漏斗Aに移す。分液漏斗B及び分液漏斗C
は,少量の石油エーテルで洗い,洗液は,分液漏斗Aに合わせる。
h) 分液漏斗Aに中性エタノール(95)と水との等量混合液50 mLずつを加え,フェノールフタレイン溶
液(10 g/L)数滴を加えたとき,洗液がうすい紅色を呈しなくなるまで洗う。
i) 分液漏斗Aから洗液を抜き取った後,石油エーテル抽出液に硫酸ナトリウムを加えて脱水し,あらか
じめ乾燥し,恒量にした質量が分かっている300 mLの三角フラスコに乾燥ろ紙を用いてろ過する。
j) 分液漏斗Aとろ紙とを少量の石油エーテルで2,3回洗い,洗液をi)の三角フラスコに加える。
k) 水浴上でj)の三角フラスコの石油エーテルの大部分を,穏やかに乾燥空気又は窒素ガスを流して痕跡
の溶剤を除く。
l) k)の三角フラスコを105 ℃±2 ℃に調節した乾燥器で5分間加熱し,デシケーター中で放冷して質量
をはかる。
m) )の操作を繰り返し,連続2回のひょう量の差が2 mg以下になるまで続け,連続2回のひょう量の差
が2 mg以下になったときの質量を石油エーテル抽出量[m1(g)]とする。
n) )で得られた石油エーテル抽出物に中性エタノール(95)数mLを加えて溶解し,フェノールフタレ
イン溶液(10 g/L)を数滴加え,ミクロビュレットを用いて0.1 mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶
液で滴定し,30秒間うすい紅色を保つときを終点とする。このときの滴定に要した0.1 mol/Lアルコ
――――― [JIS K 3304 pdf 10] ―――――
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