JIS K 3304:2019 石けん試験方法 | ページ 4

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K 3304 : 2019

6.5 遊離アルカリ

6.5.1  試験方法の種類
a) 法[エタノール(99.5)法] A法は,ナトリウム石けんに含まれる遊離アルカリの定量に適用する。
炭酸カリウムがエタノールに溶解するため,カリウム石けんには適用しない。また,アルカリビルダ
ーの多いナトリウム石けんには適用しない。
b) 法(塩化バリウム法) B法は,カリウム石けん,ナトリウム石けん及び両者が混合した石けんに適
用するが,炭酸アルカリが多い場合は適用しない。また,A法に比較して精度が低いので,微量の遊
離アルカリの定量には適用しない。
c) 法[エタノール(95)法] C法は,主として炭酸塩,けい酸塩などのアルカリ性無機塩を含むナト
リウム石けんに適用する。この方法は,カリウム石けんには適用しない。
6.5.2 A法[エタノール(99.5)法]
6.5.2.1 要旨
中性にしたエタノール(99.5)に試料を溶解し,アルコール性塩酸溶液を用いて遊離か(苛)性アルカ
リを滴定する。着色した石けんで,その色がフェノールフタレイン溶液の終点を妨害する場合には適用し
ない。
6.5.2.2 試薬
試薬は,次のとおりとする。
a) 中性エタノール(99.5) 6.3.3.2 a)に規定するもの
b) 0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液 JIS K 8180に規定する塩酸10 mLにJIS K 8101に規定するエタノ
ール(99.5)1 000 mLを加えたもの
標定 白金るつぼ中で500 ℃600 ℃で乾燥したJIS K 8005に規定する炭酸ナトリウム1 g1.5 g
を1 mgの桁まではかりとり,水に溶解して250 mLとし,そのうちの25 mLをブロモフェノ
ールブルー溶液(1 g/L)を指示薬として,色が青から黄に変わるまで滴定する(終点に近づ
いた場合,溶液を煮沸して二酸化炭素を除き,冷却後,滴定を続行する。)。
c) ブロモフェノールブルー溶液(1 g/L) JIS K 8844に規定するブロモフェノールブルー0.10 gをJIS K
8102に規定するエタノール(95)20 mLに溶解し,水を加えて100 mLとする。
d) フェノールフタレイン溶液(10 g/L) 6.2.2 e)に規定するもの
6.5.2.3 器具
器具は,次のとおりとする。
a) 三角フラスコ 500 mLの還流冷却器付きの三角フラスコ
6.5.2.4 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 試料約5 gを500 mLの三角フラスコに10 mgの桁まではかりとり,中性エタノール(99.5)200 mL
を加え,その三角フラスコを還流冷却器に取り付けて完全に溶解するまで煮沸する。
b) 約70 ℃まで放冷し,フェノールフタレイン溶液(10 g/L)0.5 mLを加え,0.1 mol/Lアルコール性塩
酸溶液を用いてうすい紅色が消えるまで滴定し,滴定に用いた0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液の量を
[V(mL)]とする。
6.5.2.5 計算
遊離アルカリは,式(9)によって算出する。

――――― [JIS K 3304 pdf 16] ―――――

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4.0 V f
C (9)
m
ここに, C : 遊離アルカリ(NaOH)(質量分率%)
V : 滴定に用いた0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液の量(mL)
f : 0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液のファクター
m : 試料の質量(g)
6.5.3 B法(塩化バリウム法)
6.5.3.1 要旨
試料の溶液に塩化バリウム溶液を加え,石けんと炭酸塩とを沈殿させ,0.1 mol/L塩酸を用いて,溶液に
残留する遊離か性アルカリを滴定する。カリウム石けんとナトリウム石けんとが混合されている石けんの
場合は,水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムのいずれか一方で遊離アルカリを示す。
6.5.3.2 試薬
試薬は,次のとおりとする。
a) 0.1 mol/L塩酸 JIS K 8001に規定するもの
b) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1 gとJIS K 8643に規定す
るチモールブルー0.5 gとを熱エタノール(95)100 mLに溶解し,ろ過したもの。
c) 中性エタノール(体積分率60 %) 水75 mLとJIS K 8102に規定するエタノール(95)125 mLとを
緩やかに10分間煮沸して二酸化炭素を除き,室温まで流水で急冷し,2)の指示薬約1 mLを混合する。
次に,0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液又は0.1 mol/L水酸化カリウム溶液を用いて紫が現れるまで中
和し,緩やかに10分間煮沸した後,室温まで流水で急冷し,0.1 mol/L塩酸を用いて紫が消失するま
で中和したもの。使用直前に調製する。
d) 塩化バリウム溶液 水90 mLを緩やかに10分間煮沸して二酸化炭素を除き,室温まで流水で急冷し,
JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物10 gを溶解した後,b)の指示薬0.5 mLを加え,0.1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液又は0.1 mol/L水酸化カリウム溶液を用いて紫が現れるまで中和したもの。使用
直前に調製する。
6.5.3.3 器具
器具は,次のとおりとする。
a) 三角フラスコ 6.5.2.3 a)に規定するもの
6.5.3.4 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 試料約4 gを500 mLの三角フラスコに10 mgの桁まではかりとり,中性エタノール(体積分率60 %)
200 mLを加え,水浴上で加熱溶解した後,その三角フラスコを還流冷却器に取り付けて10分間煮沸
する。
b) 沸騰溶液に塩化バリウム溶液15 mLを少しずつ加え,よく混ぜ合わせる。
c) 室温まで流水で急冷し,指示薬1 mLを加え,直ちに0.1 mol/L塩酸で色が緑に変わるまで滴定し,滴
定に用いた0.1 mol/L塩酸の量を[V(mL)]とする。
6.5.3.5 計算
遊離アルカリは,式(10)又は式(11)によって算出する。
a) カリウム石けんの場合
.056 V f
C (10)
m

――――― [JIS K 3304 pdf 17] ―――――

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b) ナトリウム石けんの場合
.040 V f
C (11)
m
ここに, C : 遊離アルカリ(NaOH)(質量分率 %)
V : 滴定に用いた0.1 mol/L塩酸の量(mL)
f : 0.1 mol/L塩酸のファクター
m : 試料の質量(g)
6.5.4 C法[エタノール(95)法]
6.5.4.1 要旨
試料を中性にしたエタノール(95)に溶解し,不溶分をろ過した後,アルコール性塩酸溶液で遊離か性
アルカリを滴定する。
6.5.4.2 試薬
試薬は,次のとおりとする。
a) 中性エタノール(95) 6.2.2 a)に規定するもの
b) 0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液 6.5.2.2 b)に規定するもの
c) フェノールフタレイン溶液(10 g/L) 6.2.2 e)に規定するもの
6.5.4.3 器具
器具は,次のとおりとする。
a) 三角フラスコ 6.5.2.3 a)に規定するもの
b) ガラスろ過器 JIS R 3503に規定するもので,ろ過板の細孔記号3のもの
6.5.4.4 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 試料約5 gを500 mLの三角フラスコに10 mgの桁まではかりとり,中性エタノール(95)200 mLを
加え,その三角フラスコを還流冷却器に取り付けて水浴上で加熱溶解する。
b) 溶液を,あらかじめ加熱したガラスろ過器を用いてろ過し,不溶分並びに三角フラスコ及びガラスろ
過器を,沸点近くまで加熱した中性エタノール(95)50 mLを用いて洗い,洗液をろ液に合わせ,水
浴上で加熱煮沸する。
c) 約70 ℃まで放冷し,フェノールフタレイン溶液(10 g/L)数滴を加え,0.1 mol/Lアルコール性塩酸
溶液でうすい紅色が消えるまで滴定し,滴定に用いた0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液の量を[V(mL)]
とする。
6.5.4.5 計算
遊離アルカリは,式(12)によって算出する。
.040 V f
C (12)
m
ここに, C : 遊離アルカリ(NaOH)(質量分率%)
V : 滴定に用いた0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液の量(mL)
f : 0.1 mol/Lアルコール性塩酸溶液のファクター
m : 試料の質量(g)

6.6 全遊離アルカリ

6.6.1  要旨
全遊離アルカリは,遊離か性アルカリ及び遊離炭酸アルカリの総量をいう。試料を中性にしたエタノー

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ルに溶解し,既知量の硫酸で遊離アルカリを中和した後,過剰の酸をアルコール性水酸化カリウム溶液で
逆滴定して,全遊離アルカリを定量する。この方法は,炭酸アルカリ,けい酸アルカリなどのアルカリビ
ルダーを配合した石けんには適用しない。
6.6.2 試薬
試薬は,次のとおりとする。
a) 中性エタノール(95) 6.2.2 a)に規定するもの
b) 0.5 mol/L硫酸 6.3.2.2 b)に規定するもの
c) 0.1 mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液 6.2.2 d)に規定するもの
d) フェノールフタレイン溶液(10 g/L) 6.2.2 e)に規定するもの
6.6.3 器具
器具は,次のとおりとする。
a) 三角フラスコ 300 mL還流冷却器付きの三角フラスコ
b) メスピペット 5 mLのもの
6.6.4 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 試料約5 gを三角フラスコ300 mLに1 mgの桁まではかりとり,中性エタノール(95)100 mLを加え,
その三角フラスコに還流冷却器を取り付け,徐々に加熱し,溶解する。
b) メスピペットを用いて0.5 mol/L硫酸3.0 mLを加え,10分間煮沸する。
c) 約70 ℃まで放冷し,フェノールフタレイン溶液(10 g/L)数滴を加え,0.1 mol/Lアルコール性水酸
化カリウム溶液でうすい紅色を30秒間保つまで滴定し,滴定に要した0.1 mol/Lアルコール性水酸化
カリウム溶液の量を[V2(mL)]とする。
6.6.5 計算
全遊離アルカリは,式(13)又は式(14)によって算出する。
a) ナトリウム石けんの場合
V2 f2
V1 f1
C .0040 10 100 (13)
m
b) カリウム石けんの場合
V2 f2
V1 f1
C .0056 10 100 (14)
m
ここに, C : 全遊離アルカリ(質量分率%)
V1 : 0.5 mol/L硫酸の使用量(mL)
V2 : 滴定に要した0.1 mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液の量
(mL)
f1 : 0.5 mol/L硫酸のファクター
f2 : 0.1 mol/Lアルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
m : 試料の質量(g)

6.7 エタノール不溶分

6.7.1  要旨
試料をエタノール(95)に溶解し,ろ過して不溶の物質の質量をはかり,エタノール不溶分とする。

――――― [JIS K 3304 pdf 19] ―――――

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6.7.2 試薬
試薬は,次のとおりとする。
a) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの
6.7.3 器具
器具は,次のとおりとする。
a) 三角フラスコ 6.5.2.3 a)に規定するもの
b) ろ紙又はガラスろ過器 JIS P 3801に規定する定量分析用ろ紙(5種C)又はJIS R 3503に規定する
ガラスろ過器で,ろ過板の細孔記号3のもの
c) 乾燥器 6.1.2.2 a)に規定するもの
6.7.4 操作
操作は,次のとおりとする。
a) 試料約5 gを500 mLの三角フラスコに1 mgの桁まではかりとり,エタノール(95)200 mLを加え,
その三角フラスコに還流冷却器を取り付けて水浴上で加熱し,溶解する。
b) この溶液をろ紙又はガラスろ過器を用いてろ過する。ろ紙又はガラスろ過器は,あらかじめ,105 ℃
±2 ℃に調節した乾燥器で乾燥し冷却後,質量をはかったものを用いる。
c) 三角フラスコに残った不溶分は,沸点近くまで加熱した少量のエタノール(95)を用いて2,3回洗浄
を繰り返し,不溶分を完全にろ紙又はガラスろ過器に移す。
d) さらに,沸点近くまで加熱したエタノール(95)でよく洗浄しながらろ過する。
e) 不溶分の載ったろ紙又はガラスろ過器を105 ℃±2 ℃に調節した乾燥器で1時間加熱し,デシケータ
ー中で放冷し,質量をはかる。
なお,操作c)で,試料にけい酸塩を多く含む場合で,不溶分を三角フラスコの底から完全に離せな
い場合は,あらかじめ質量をはかった三角フラスコを用いて操作し,洗浄後の三角フラスコも,ろ紙
又はろ過器と同様に加熱し,放冷して質量をはかり,前回との差が1 mg以下になるまで加熱,放冷
及びひょう量を繰り返し,フラスコに付着した残分の質量も加えて算出する。
f) 連続2回のひょう量の差が1 mg以下になるまでe)の操作を続け,連続2回のひょう量の差が1 mg以
下になったときの質量からb)ではかったろ紙又はガラスろ過器の質量を引いた値を求め,残分[m1
(g)]とする。
6.7.5 計算
エタノール不溶分は,式(15)によって算出する。
m1
C 100 (15)
ここに, C : エタノール不溶分(質量分率%)
m1 : 残分(g)
m : 試料の質量(g)
注記 低温でろ過したり,ろ過の時間が長引いたりするとエタノール溶液が固化することがあり,こ
の場合は,あらかじめガラスろ過器を加温しておくか,保温した漏斗を使用するなど,温度の
高いうちにろ過するとよい。

6.8 水不溶分

6.8.1  要旨
試料をエタノールに溶解し,不溶物質を更に温水に溶解し,ろ過して不溶物質の質量をはかり,水不溶

――――― [JIS K 3304 pdf 20] ―――――

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JIS K 3304:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1066:1975(MOD)
  • ISO 1067:1974(MOD)
  • ISO 2272:1989(MOD)
  • ISO 4318:1989(MOD)
  • ISO 4323:1977(MOD)
  • ISO 4325:1990(MOD)
  • ISO 456:1973(MOD)
  • ISO 457:1983(MOD)
  • ISO 672:1978(MOD)
  • ISO 673:1981(MOD)
  • ISO 684:1974(MOD)
  • ISO 685:1975(MOD)
  • ISO 8212:1986(MOD)

JIS K 3304:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 3304:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK3211:1990
界面活性剤用語
JISK3331:2009
工業用硬化油・脂肪酸
JISK3362:2008
家庭用合成洗剤試験方法
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8101:2006
エタノール(99.5)(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8105:2013
エチレングリコール(試薬)
JISK8122:2015
塩化カルシウム二水和物(試薬)
JISK8122:2021
塩化カルシウム二水和物(試薬)
JISK8136:2017
塩化すず(II)二水和物(試薬)
JISK8155:2017
塩化バリウム二水和物(試薬)
JISK8159:2017
塩化マグネシウム六水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8256:2011
過よう素酸ナトリウム(試薬)
JISK8271:2007
キシレン(試薬)
JISK8295:2020
グリセリン(試薬)
JISK8316:2011
クロモトロープ酸二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8577:2007
水酸化バリウム八水和物(試薬)
JISK8585:2015
ステアリン酸(試薬)
JISK8593:2015
石油エーテル(試薬)
JISK8622:2007
炭酸水素ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8643:2011
チモールブルー(試薬)
JISK8756:2015
パルミチン酸(試薬)
JISK8799:2020
フェノールフタレイン(試薬)
JISK8842:2012
ブロモチモールブルー(試薬)
JISK8844:2012
ブロモフェノールブルー(試薬)
JISK8982:2008
硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JISK8983:2016
硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JISK8987:2006
硫酸ナトリウム(試薬)
JISL0803:2011
染色堅ろう度試験用添付白布
JISM8100:1992
粉塊混合物―サンプリング方法通則
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ8723:2000
表面色の視感比較方法
JISZ8801-1:2019
試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい
JISZ8802:2011
pH測定方法