JIS M 8813:2004 石炭類及びコークス類-元素分析方法 | ページ 12

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d) 装置内のガス置換 測定を開始する前に,装置内の空気をヘリウムで置換する。試料を挿入せず,系
内にヘリウムを毎分200 ml流し,これを試料ガス採取用の試料採取袋に23 L捕集する。
引き続いて,ヘリウム流量を毎分100 mlとし,ガス分岐管 (r) のコックを切り替えて,ヘリウムは
外へ放出する。一方,試料採取袋内のガスは,チュービングポンプで完全に排出して,装置系内のガ
スの置換を終える。
6.2 本操作 本操作は,次の手順によって行う。
a) 試料のはかりとり はかりとった試料 (2) を石英ガラスボートに移す。
注(2) 分析前に試料を広げて,室内の大気と平衡にさせておく。
備考 酸素の測定値を無水ベースに換算するため,このとき同時に水分測定用の試料をはかりとり,
JIS M 8812によって水分を測定する。
b) 試料の乾燥 試料をはかりとった石英ガラスボートを107±2 ℃に昇温してある乾燥器に入れ,1時間
加熱して水分を除去した後,デシケータに移す。
c) 装置内のガス置換と付着水分の除去 石英ガラスボート内の乾燥試料をニッケル製被覆板で覆い,熱
分解管 (d) の入り口部に挿入する。押し棒ガイド (f) を熱分解管に取り付け,ソレノイド型電磁石 (g)
を用いて,押し棒ガイド内の押し棒 (e) によって,石英ガラスボートを水分除去用加熱管 (a) 内に移
動する。この際,ガス分岐管 (r) は開放の状態に保つ。
入り口からヘリウムを毎分100 mlで10分間流して,挿入時に試料及び石英ガラスボートに付着し
た水分を除去するとともに,挿入時に混入した空気を排除し,熱分解管 (d) 及び反応管 (j) 内のガス
置換を行う。
d) 熱分解 ガス分岐管 (r) をヘリウム置換を行った試料採取袋の導入口に経路を切り替える。
ソレノイド型電磁石と押し棒で,石英ガラスボートをフラッシュヒータが取り付けてある部分に移
動し,試料を2段階に分けて急速加熱する。
第1段階は,ヘリウムを毎分100 mlで流しながら,23分間で500 ℃まで昇温し,更に23分間
同温度に保持する。第2段階は,ヘリウムを毎分200 mlに切り替え,2分間で500800 ℃に昇温し,
8分間同温度に保持する。
熱分解ガスを還元炉 (i) 内の反応管 (j) 中の還元銅充てん層と酸性物質吸収器 (l) を経由して試料
採取袋に導く。
ヘリウムを毎分100 mlで5分間流して,装置系内の残留ガスを追い出す。その間に冷却用ブロワー
を作動させて,フラッシュヒータの冷却を行う。
この際の流出ガスもすべて試料採取袋 (m) に導き捕集する。
備考 2段階の加熱分解操作で生成する揮発成分及び分解生成物は,ヘリウムと一緒に熱分解炉 (c)
内の熱分解管 (d) 中の石英ガラス管小片の充てん層を通り,十分に熱分解される。熱分解ガス
は還元炉 (h) 内の反応管 (j) 中の白金炭素の充てん層を通って,この過程でガス中の二酸化炭
素は一酸化炭素に還元される。
e) 試料ガス (3) の分析 試料ガス約3 Lを試料採取袋 (m) に導入し,20秒間後に,チュービングポン
プ (n) によって毎分250350 mlで湿式ガスメータ (p) に導き,捕集した試料ガスの体積を求める。
この操作の過程で,自動試料ガス採取装置 (o) によって一定の間隔 (4) ごとに分析用の試料ガス2
mlを試料ガス用計量管に採取し,大気圧に平衡になった後,あらかじめ最適条件に設定したガスクロ
マトグラフに導き,一酸化炭素のクロマトグラムのピークの高さ (mm) 又はピーク面積を求める。
注(3) 試料採取袋に捕集した熱分解ガス及びヘリウムの全量を均一に拡散し混合した気体をいう。

――――― [JIS M 8813 pdf 56] ―――――

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(4) ガスクロマトグラフ分析は,1試料ガスにつき4,5回測定できるように採取間隔を調節する。
備考1. ガスクロマトグラフ分析設定条件の一例を,次に示す。
カラム用管 : ステンレス鋼,内径3 mm,長さ1 000 mm
カラム充てん剤 : 3. f) による。
カラム槽温度 : 60 ℃
キャリヤーガス : ヘリウム,100 ml/mim
試料量 : 12 ml
検出器 : 熱伝導度検出器
検出器温度 : 60 ℃
検出器電流値 : 40 mA
この設定条件では,一酸化炭素の保持時間は2分間以内となる。
2. ガスクロマトグラムピークの高さ (mm) を求める代わりに,クロマトグラムのピーク面積を
用いてもよい。
6.3 空試験 アントラセン約0.2 gを0.1 mgまではかりとり,6.2 c) e) と同様の操作 (5) を行い,空試
験値(熱分解ガス中の一酸化炭素のガスクロマトグラムピークの高さmm又はピーク面積)を求める。
注(5) 空試験におけるアントラセン及び校正用のアントラキノンの熱分解では,第1段階は,350 ℃
までの昇温とする。
備考 6.4による炭素の燃焼除去操作を行った後では,この空試験値はやや高値を示すので,1回目の
データは採用せず,2回目のデータを採用する。
6.4 析出炭素の除去操作 熱分解管 (d) 中の石英ガラス管小片充てん層に析出した炭素の燃焼除去をす
るために,二方コック (u1) を閉じ,白金炭素充てん層のある反応管 (j) への経路は閉鎖し,押し棒ガイド
(f) を取り外して熱分解管 (d) を大気に開放し,二方コック (u2) を開き,ここから水流ポンプで10分間
吸引し,熱分解管 (d) 中の石英ガラス管小片充てん層に空気を流して,析出炭素を燃焼する。
備考 熱分解炉 (c) 内の熱分解管 (d) の入口部は温度が低いので,水流ポンプによる吸引時に,フラ
ッシュヒータ加熱部を約850 ℃に加熱して,この部分に析出した炭素も燃焼させる。
7. アントラキノンによる校正方法 アントラキノン約0.2 gを0.1 mgまではかり,6.2 c) e) と同様の操
作 (5) を行い,測定値(熱分解ガス中の一酸化炭素のガスクロマトグラムのピークの高さmm又はピーク
面積) を求める。すなわち,アントラキノンの熱分解で得たガス中の一酸化炭素の濃度及び一酸化炭素1
当たりのガスクロマトグラムのピークの高さ (mm) 又はピーク面積の値は,次の式によって求めた数値を
小数点以下3けたに丸めて算出する。
A .0153 7224 00 (ml)
Co 100
16(g)
H1 H2
Q
Co 2 000 (μl)
ここに, Co : アントラキノンの熱分解で得た気体中の一酸化炭素濃度[体積
分率 (%)]
A : アントラキノンの質量 (g)
B : アントラキノンの熱分解で得たガス体積(標準状態に換算した
もの)

――――― [JIS M 8813 pdf 57] ―――――

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Q : 測定時の大気圧及び室温における一酸化炭素1 江 ス
クロマトグラムのピークの高さ (mm/ はピーク面積
H1 : アントラキノンの熱分解で得たガス中の一酸化炭素のガスクロ
マトグラムのピークの高さ (mm)又はピーク面積
H2 : アントラセンの熱分解で得たガス中の一酸化炭素のガスクロマ
トグラムのピークの高さ (mm)又はピーク面積
8. 測定値の算出 酸素の含有率は,次の手順によって算出する。
a) 試料ガス中の一酸化炭素の濃度は,次の式によって求めた数値を小数点以下3けたに丸めて算出する。
H3 H2
Cx 100
2 000 (μl)
ここに, Cx : 試料ガス中の一酸化炭素の濃度[体積分率 (%)]
H3 : 試料ガス中の一酸化炭素のガスクロマトグラムのピークの高さ
(mm) 又はピーク面積
H2 : アントラセンの熱分解で得たガス中の一酸化炭素のガスクロマ
トグラムのピークの高さ (mm)又はピーク面積
Q : 測定時の大気圧及び室温における一酸化炭素1 江 ス
クロマトグラムのピークの高さ (mm/ はピーク面積
b) 試料中の酸素質量は,次の式によって求めた数値を小数点以下5けたに丸めて算出する。
16(g) Cx
Om
22 400 (ml)
ここに, Om : 試料中の酸素質量 (g)
V : 試料ガスの測定体積(標準状態に換算したもの)
Cx : 試料ガス中の一酸化炭素の濃度[体積分率 (%)]
c) 酸素の含有率は,次の式によって求めた数値を小数点以下2けたに丸めて算出する。
Om 100 100
Om
m 100 Ms
ここに, O : 試料中の酸素含有率[質量分率 (%)]
Om : 試料中の酸素質量 (g)
Ms : 試料中の水分[質量分率 (%)]
m : 試料のはかりとり量 (g)
備考 有機体酸素を求めたい場合には附属書7によって,試料の炭酸塩の形の二酸化炭素を測定し,
これから無機体酸素含有率[質量分率 (%)]を算出し,附属書5で算出した酸素分率[質量分
率 (%)]から差し引いて有機体酸素率とする。
9. 分析回数 分析は,同一分析室において2回繰り返して行う。2回の測定値の差が附属書9表2の許
容差 (n=2) 以内の場合には,その2個の平均値を11.に従って処理する。もし,2回の測定値の差が許容
差 (n=2) を超える場合には,更に1回分析を追加する。3回の測定値の範囲(最大値−最小値)が許容差
(n=3) 以内の場合にはその3個の平均値を,許容差 (n=3) を超える場合にはその3個の中央値を,それ
ぞれ11.に従って処理する。

――――― [JIS M 8813 pdf 58] ―――――

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10. 許容差 この方法の許容差を,附属書9表2に示す。
附属書9表 2 直接酸素定量方法の許容差
単位 質量分率 (%)
酸素 n=2 n=3
0.30 0.36
11. 報告値 酸素の含有率は,平均値の場合には,その数値を小数点以下2けたに丸めて表示し,測定値
の中央値の場合には小数点以下2けたのまま表示する。
12. その他 この附属書9で参照した規格は,次のとおりである。
この規格(JIS M 8813),JIS K 0050,JIS K 0114,JIS M 8810,JIS M 8812,JIS M 8818,JIS Z 8401,
JIS Z 8402-2-4,JIS Z 8402-6,ISO 1994
(a) 水分除去用加熱管 (i) 還元炉 (q) ガスクロマトグラフ
(b) フラッシュヒータ (j) 反応管 (r) ガス分岐管
(c) 熱分解炉 (k) 水分吸収器 (s) 記録計
(d) 熱分解管(石英ガラス管小片) (l)酸性物質吸収器
(e) 押し棒 (m) 試料採取袋 (u1) 二方コック
(f) 押し棒ガイド (n) チュービングポンプ (u2) 二方コック
(g) ソレノイド型電磁石 (o) 自動試料ガス採取装置 (v) 水銀シール瓶
(h) 還元炉 (p) 湿式ガスメータ
備考 この図は各部の連結の要領を示すもので,形状は一例を示したものである。
附属書9図 1 直接酸素定量装置

――――― [JIS M 8813 pdf 59] ―――――

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単位 mm
備考 この図は,形状・寸法の一例を示したものである。
附属書9図 2 熱分解管,押し棒ガイド及び押し棒
単位 mm
備考 この図は,形状・寸法の一例を示したものである。
附属書9図 3 反応管の充てん物

――――― [JIS M 8813 pdf 60] ―――――

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JIS M 8813:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1994(MOD)
  • ISO 333(MOD)
  • ISO 334(MOD)
  • ISO 351(MOD)
  • ISO 609(MOD)
  • ISO 622(MOD)
  • ISO 625(MOD)
  • ISO 925(MOD)

JIS M 8813:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8813:2004の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH6202:1986
化学分析用白金皿
JISH6203:1986
化学分析用白金ボート
JISK1101:2017
酸素
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8116:2006
塩化アンモニウム(試薬)
JISK8155:2017
塩化バリウム二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8228:2020
過塩素酸マグネシウム(試薬)
JISK8230:2016
過酸化水素(試薬)
JISK8383:2019
スクロース(試薬)
JISK8422:1993
酸化銅(II)(試薬)
JISK8432:2017
酸化マグネシウム(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8598:2018
セレン(試薬)
JISK8603:2011
ソーダ石灰(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8863:2007
ほう酸(試薬)
JISK8893:2020
メチルオレンジ(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8962:2008
硫酸カリウム(試薬)
JISM0104:1984
石炭利用技術用語
JISM8810:1994
石炭類及びコークス類―サンプリング,分析並びに試験方法の通則
JISM8811:2000
石炭類及びコークス類―サンプリング及び試料調製方法
JISM8812:2004
石炭類及びコークス類-工業分析方法
JISM8815:1976
石炭灰及びコークス灰の分析方法
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR1301:1987
化学分析用磁器るつぼ
JISR1306:1987
化学分析用磁器燃焼ボート
JISR1307:1995
化学分析用磁器燃焼管
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR3505:1994
ガラス製体積計
JISZ0701:1977
包装用シリカゲル乾燥剤
JISZ8402-1:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
JISZ8402-2:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
JISZ8402-3:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第3部:標準測定方法の中間精度
JISZ8402-4:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第4部:標準測定方法の真度を求めるための基本的方法
JISZ8402-6:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方