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b) 空試験液の調製 測定用試料を用いないで,a)の手順の操作を,試料と併行して行う。ここで得られ
る溶液を空試験液とする。
c) 発光強度の測定 a)の6)8)の試料溶液及びb)の空試験液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴン
プラズマ中に噴霧し,発光強度を測定する。使用するスペクトル線の波長は,表A.3による。
なお,内標準法を利用する場合は,全ての試料溶液及び検量線溶液に,正確に等しい濃度になる量
のイットリウム標準液を加える。
表A.3−スペクトル線の波長
単位 nm
測定元素 波長a)
カルシウム 422.693
マグネシウム 285.216
鉄 259.940
イットリウム 224.306
注a) 精度及び正確性を確認してあれば,他の波長を用いて測定して
もよい。高次スペクトル線が使用可能な装置では,高次スペクト
ル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付いて
いる装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
d) 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。ただし,a)の6)において融解合剤を用いて
試料を分解した場合は,試料溶液に含まれる融解合剤の量に対応する量の空試験溶液を検量線溶液に
添加する。
1) 酸化カルシウムの検量線溶液 カルシウム標準液0 mL25 mL(カルシウムとして0 mg2.5 mg)
を数個の100 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1+1)20 mLを加えて,水で標線までうすめ
る。
2) 酸化マグネシウムの検量線溶液 マグネシウム標準液0 mL48 mL(マグネシウムとして0 mg24
mg)を数個の200 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1+1)40 mLを加えて,水で標線まで
うすめる。
3) 全鉄の検量線溶液 鉄標準液0 mL20 mL(鉄として0 mg10 mg)を数個の200 mL全量フラス
コに段階的にとり,塩酸(1+1)40 mLを加えて,水で標線までうすめる。
4) これらの溶液の一部をc)に従って測定用試料溶液と併行して測定し,得た発光強度(比)と検量線
溶液に含まれる測定元素量との関係線を作成し,その関係線を,原点を通るように平行移動して検
量線とする。
A.7.1.8 計算
化学成分の含有量の計算は,次による。
a) 酸化カルシウムの計算 A.7.1.7のc)で得た発光強度(比)及びA.7.1.7のd)で作成した検量線によっ
てカルシウム量を求め,試料中の酸化カルシウム(CaO)の含有率を,式(A.1)によって算出する。
(C1 C2 )51.3992100
CaO (A.1)
1000 m
ここで, CaO : 酸化カルシウム(CaO)の含有率(%)
C1 : 試料溶液中のカルシウム量(mg)
C2 : 空試験液中のカルシウム量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)
1.399 2 : 換算係数(=CaOの分子量/Ca元素の質量)
――――― [JIS A 5011-5 pdf 21] ―――――
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A 5011-5 : 2020
b) 酸化マグネシウムの計算 A.7.1.7のc)で得た発光強度(比)及びA.7.1.7のd)で作成した検量線によ
ってマグネシウム量を求め,試料中の酸化マグネシウム(MgO)の含有率を,式(A.2)によって算出す
る。
M1 M2
MgO 1.6583100 (A.2)
1000 m
ここで, MgO : 酸化マグネシウム(MgO)の含有率(%)
M1 : 試料溶液中のマグネシウム量(mg)
M2 : 空試験液中のマグネシウム量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)
1.658 3 : 換算係数(=MgOの分子量/Mg元素の質量)
c) 全鉄の計算 A.7.1.7のc)で得た発光強度(比)及びA.7.1.7のd)で作成した検量線によって鉄量を求
め,試料中の全鉄(FeO)の含有率を,式(A.3)によって算出する。
(F1 F2 )201.2865100
FeO (A.3)
1000 m
ここで, FeO : 全鉄(FeO)の含有率(%)
F1 : 試料溶液中の鉄量(mg)
F2 : 空試験液中の鉄量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)
1.286 5 : 換算係数(=FeOの分子量/Fe元素の質量)
A.7.2 蛍光X線分析法
A.7.2.1 要旨
加圧成形した試料を蛍光X線分析装置の試料室に装入し,分析面に一次X線を照射して,試料から発生
する蛍光X線強度を測定し,あらかじめ成分含有率既知の試料を用いて求めてある蛍光X線強度と成分
含有率との関係線(検量線)から,試料中の定量値を求める。
A.7.2.2 定量範囲
分析対象成分は,酸化カルシウム,酸化マグネシウム及び全鉄とする。また,それぞれの定量範囲を表
A.4に示す。
表A.4−定量範囲
単位 質量分率%
分析対象成分 定量範囲
酸化カルシウム 5.040.0
酸化マグネシウム 1.020.0
全鉄 1.025.0
A.7.2.3 一般事項
試験方法に共通な一般事項は,JIS K 0119による。
A.7.2.4 装置
主な装置は,次による。
a) 蛍光X線分析装置 蛍光X線分析装置の構成は,JIS K 0119に規定するものとし,表A.4の定量下限
――――― [JIS A 5011-5 pdf 22] ―――――
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域でも十分な測定感度をもつものとする。
b) 加圧成形装置 加圧成形装置は,90 kN400 kNの能力をもつもの。
c) 化学天びん 必要な場合に使用する。
A.7.2.5 成形試料の調製方法
A.4.2に従って調製した測定用試料を,測定のために,金属カップ,金属リング,成形ダイスなどによっ
て,加圧成形する。なお,バインダ(結合剤)を用いる場合は,測定用試料及びバインダ(結合剤)を正
確にはかりとり,一定の割合で均一に混合し,成形する。
A.7.2.6 操作
操作は,次による。
a) スペクトル線 使用するスペクトル線は,表A.5による。
表A.5−スペクトル線
測定元素 スペクトル線 波長 nm 次数
カルシウム Ca Kα 0.335 9 1
マグネシウム Mg Kα 0.989 0 1
鉄 Fe Kα 0.193 7 1
b) 検量線の作成 化学分析法によって成分含有率を決定した石炭ガス化スラグ細骨材試料の数点を
A.7.2.5の方法によって成形し,蛍光X線分析装置を用いて測定元素の蛍光X線強度を測定する。得
られた蛍光X線強度と成分含有率との関係を検量線とする。
A.7.2.7 計算
それぞれの成分の含有率は,A.7.2.6のb)と同様に測定して得た試料の蛍光X線強度から,A.7.2.6のb)
で作成した検量線を用いて算出する。
A.7.3 硫酸バリウム重量法
A.7.3.1 要旨
硫酸バリウム重量法は,三酸化硫黄の含有率(質量分率)が0.1 %1.0 %の試料に適用する。
試料を塩酸で溶解し,硫酸イオンを硫酸バリウムとして沈殿させ,その質量をはかって硫酸イオンを定
量し,計算によって三酸化硫黄を求める。
A.7.3.2 試薬及び試験用溶液類
試薬及び試験用溶液類は,次による。ただし,試薬は,日本産業規格に適合するもの又はそれと同等な
ものを用いる。該当する日本産業規格がない試薬は,用途が分析用のものを用いる。
a) 塩酸(1+1,1+50)
b) 硝酸
c) アンモニア水 JIS K 8085に規定する質量分率25 %のもの。
d) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして100
mLとしたもの。
――――― [JIS A 5011-5 pdf 23] ―――――
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A 5011-5 : 2020
e) メチルレッド溶液 JIS K 8896に規定するメチルレッド0.2 gを,JIS K 8102に規定するエタノール
(95)95 mLに溶かして,水で100 mLとしたもの。
A.7.3.3 装置及び器具
主な装置及び器具は,次による。
a) 化学天びん 最小表示値(又は感量)が0.1 mg以下のもの。
b) 電気炉 800 ℃で強熱ができるもの。
c) 水浴
d) ろ紙(5種A),(5種B)及び(5種C) JIS P 3801に規定する5種A,5種B及び5種Cとする。
A.7.3.4 操作
操作は,次による。
a) .4.2の測定用試料から適量(SO3とし10 mg以上を含む。)をビーカー300 mLにはかりとり,水100
mL及び塩酸10 mLを加え,時計皿で覆い約20分間加熱する。
b) 放冷後,時計皿を除いてろ紙(5種B)を用いてろ過し,塩酸(1+50)でろ紙(5種B)を数回洗浄
する。
c) そのろ液に硝酸2 mLを加え,加熱して鉄を酸化する。
d) )で得た溶液にアンモニア水を徐々に加えて中和し,さらに,過剰のアンモニア水10 mLを加えて煮
沸する。
e) 溶液をろ紙(5種A)でろ過し,温水でろ紙(5種A)を十分洗浄する。
f) ろ液を100 mLまで加熱濃縮し,メチルレッド溶液を指示薬として2,3滴加え,塩酸(1+1)で微酸
性とする。絶えずかき混ぜながら,塩化バリウム溶液(100 g/L)を滴加し沈殿が生じなくなったら,
さらに,その添加量の10 %50 %を過剰に加える。
g) 水浴上で20分30分加熱した後,3時間4時間放置する。
h) ろ紙(5種C)を用いてろ過し,水でろ紙(5種C)を十分洗浄する。
i) 沈殿は,ろ紙とともにあらかじめ温度800 ℃で恒量とした磁器るつぼ(参考文献[2])に入れ,乾燥
後徐々に加熱してろ紙を一旦炭化した後,灰化する。
j) 引き続き,温度800 ℃で30分間強熱しデシケータ中で放冷した後,その質量をはかる。
k) )の操作を繰り返して,恒量とする。
A.7.3.5 計算
試料中の三酸化硫黄(SO3)の含有率を,式(A.4)によって算出する。
A 0.3430100
SO3 (A.4)
m
ここで, SO3 : 三酸化硫黄(SO3)の含有率(%)
A : 硫酸バリウム(g)
m : 試料(g)
0.343 0 : 硫酸バリウム1 gの三酸化硫黄相当量
[換算係数=SO3/BaSO4=0.343 0]
――――― [JIS A 5011-5 pdf 24] ―――――
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A 5011-5 : 2020
A.7.4 機器分析装置による元素分析方法
A.7.4.1 要旨
試料を酸素又は酸素含有キャリアーガス気流中で燃焼させ,生成するガスを触媒及び還元剤を用いて二
酸化炭素に変化させた後,ガス分析部に導いて炭素を測定し,無水試料に対する質量分率を求めて炭素含
有率とする。
A.7.4.2 装置
炭素定量装置の構成は,JIS M 8819の5.1(炭素·水素·窒素定量装置)による。
A.7.4.3 操作
操作は,JIS M 8819の5.1の規定に適合した市販の装置を用いる場合,装置に附属の取扱説明書の手順
によって行う。
A.7.4.4 測定値の算出
炭素含有率の測定値は,装置に附属した算出方法によって求めた数値を,小数点以下2桁で表示する。
A.7.4.5 分析回数及び分析値の表示
分析は,同一分析室において引き続き2回繰り返して行う。2回の測定値の差が0.03 %以内の場合には,
その2個の平均値を小数点以下2桁に丸める。
もし,2回の測定値の差が0.03 %を超える場合には,さらに1回分析を追加する。その3回の測定値の
範囲(最大値−最小値)が0.04 %以内の場合には,その3個の平均値を小数点以下2桁に丸める。また,
0.04 %を超える場合には,その3個の中央値とする。
――――― [JIS A 5011-5 pdf 25] ―――――
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JIS A 5011-5:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 5011-5:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0203:2019
- コンクリート用語
- JISA1102:2014
- 骨材のふるい分け試験方法
- JISA1103:2014
- 骨材の微粒分量試験方法
- JISA1104:2019
- 骨材の単位容積質量及び実積率試験方法
- JISA1109:2020
- 細骨材の密度及び吸水率試験方法
- JISA1110:2020
- 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
- JISA1145:2017
- 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)
- JISA1158:2014
- 試験に用いる骨材の縮分方法
- JISA1158:2020
- 試験に用いる骨材の縮分方法
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0058-1:2005
- スラグ類の化学物質試験方法―第1部:溶出量試験方法
- JISK0058-2:2005
- スラグ類の化学物質試験方法―第2部:含有量試験方法
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8223:2016
- 過塩素酸(試薬)
- JISK8432:2017
- 酸化マグネシウム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISM8810:1994
- 石炭類及びコークス類―サンプリング,分析並びに試験方法の通則
- JISM8819:1997
- 石炭類及びコークス類―機器分析装置による元素分析方法
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
- JISQ17050-1:2005
- 適合性評価―供給者適合宣言―第1部:一般要求事項
- JISQ17050-2:2005
- 適合性評価―供給者適合宣言―第2部:支援文書
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい