JIS G 1201:2014 鉄及び鋼―分析方法通則 | ページ 4

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3) ビーカーに分解酸を入れるときは,時計皿をずらして,その隙間から分解酸を注ぐ。分解による発
泡が始まる前に時計皿を元の位置に戻す。
4) 初期操作として,鉄鋼試料を酸で分解する間は,時計皿は蓋として用いる。
5) 試料溶液の濃縮,乾固,白煙処理を行わない場合は,時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を
取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
6) 試料溶液を濃縮する場合は,濃縮前の試料溶液量と濃縮後の試料溶液量を考慮して時計皿をずらし
てビーカー上部に適正な開放部を作り,試料溶液を蒸発させる。濃縮後,放冷し,時計皿の下面を
水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
上部を完全に開放して蒸発速度を上げる場合は,あらかじめ時計皿の下面を水又は温水で洗って
時計皿を取り除く。乾固又は乾固寸前の状態まで加熱する場合もあらかじめ時計皿の下面を水又は
温水で洗って時計皿を取り除く。濃縮・乾固などの処理終了後,加熱を止め,時計皿で覆って放冷
する。放冷後,時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせ
る。
7) 試料溶液について過塩素酸の白煙処理を行う場合は,時計皿の下面を少量の水又は温水で洗って時
計皿を取り除くか,又は時計皿をずらしてビーカー上部に適正な開放部を作り,過塩素酸を入れて
加熱する。時計皿で覆ったまま加熱してもよい。塩酸,硝酸などが蒸発して過塩素酸の白煙の発生
が始まったら,再び時計皿で覆って加熱を続けて白煙処理を行う。規定時間の白煙処理後,放冷し,
時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
8) 試料溶液について硫酸又はりん酸の白煙処理を行う場合は,7) において過塩素酸の代わりに硫酸又
はりん酸を用い,7) と同様に操作する。硫酸白煙の場合,析出した塩類で突沸するおそれがあるの
で,その操作については,各分析方法規格の規定に従う。
d) 用語の区別
1) ろ過とこし分け 分析対象として,分離した液体を主に用いる場合は,ろ過と呼び,分離した固体
を主に用いる場合は,こし分けと呼ぶ。
2) 溶解と分解 溶解は化学反応による化学種の変化を生じずに溶液化することを呼び,化学反応が生
じる場合は,分解と呼ぶ。
注記 溶解と分解については用語の厳密な使い分けをせず,化学反応が生じても溶解と呼んでい
る場合もある。
3) 常温と室温 化学分析においては,常温は20±5 ℃を,室温は20±15 ℃を指す。また,標準温度
とは20 ℃を指す。
注記 上記の温度の規定は,JIS K 0050による。
A.6 空試験
空試験の操作を具体的に書く。空試験の操作の記述が長い場合,空試験の操作の一部について他の項目
を引用する場合などにおいては,定量操作と同様に,手順ごとに区切って記載してもよい。検量線用溶液
を試料と併行して調製する場合は,ゼロメンバーを空試験液としてもよい。
A.7 検量線の作成
検量線は,原則として,母材となる純物質に,分析対象元素を段階的に添加し,分析試料と同じ調製方
法で調製して検量線用溶液とし,検量線用溶液の信号量と分析対象元素添加量との関係線を作成し,その

――――― [JIS G 1201 pdf 16] ―――――

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関係線について原点を通るよう平行移動して検量線とする。ただし,熱的分析方法で鉄鋼標準物質によっ
て検量線を作成する場合,ICP発光分光分析法及び機器分析方法においては,平行移動せずに,得た関係
線をそのまま検量線とする。
検量線用溶液の調製の操作は,具体的に書く。
検量線について,係数を求める場合は,市販の回帰計算ソフトを用いて求めてもよい。
A.8 許容差
化学分析方法の許容差は,共同実験によって求める。共同実験試料は,認証標準物質を用い,含有率が
目標適用範囲を含むように選ぶ。共同実験結果は,JIS Z 8402-2又はJIS Z 8402-3によって解析する。各
所の実験が併行2回分析でなく,日を変えて2回分析した場合は,JIS Z 8402-2によって解析を行い,併
行分析を日間分析と読み替える。

――――― [JIS G 1201 pdf 17] ―――――

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附属書B
(規定)
国際一致規格における引用されたISO規格による規定についての取扱い
B.1 引用されたISO規格による規定の取扱い
鉄鋼分析法規格群の中で,国際一致規格として作成された規格において,引用されたISO規格による規
定は,次のように取り扱う。
a) 規格の規定がISO/R 377,ISO 377:1985,ISO 377-2又はISO 14284を引用している場合は,引用規格
をJIS G 0417と読み替える。
注記1 ISO 377:1985は,鉄鋼分析法規格群の個別規格においては,単にISO 377とだけ記載され,
年号が記載されていないものもある。
注記2 ISO/R 377,ISO 377:1985及びISO 377-2はいずれも試料の採取及び調製についての規格で,
分析試料の採取及び調製の規定内容は,ISO 14284に置き換えられているので,ISO 14284
の国際一致規格JIS G 0417に対応させた。
b) SO 385又はISO 385-1に規定されたビュレットの代わりに,JIS R 3505に規定するビュレットを用い
てもよい。
c) SO 648に規定された全量ピペットの代わりに,JIS R 3505に規定する全量ピペットを用いてもよい。
注記 ISO 648とJIS R 3505とでは,全量ピペットの規定内容が完全には一致していない。ISO 648
では容量決定時のピペット内の液の滴下について,ピペットの先端とガラス製受け器の内側
とを接触させるだけで,その他の動きを禁じているが,JISには明確な規定はなく,慣例と
して,旧計量法(1992年改正前の計量法)に示されていた,ピペット内に液が残らないよう
に処置することを前提として標線を付けている。そのため,JIS規格品とISO規格品とでは
標線からピペット先端までの容積の絶対値が異なっているので,使用においてはいずれの規
格品かを確認して各規格の規定通りの操作を行うことが求められる。
d) SO 1042に規定された全量フラスコの代わりに,JIS R 3505に規定する全量フラスコを用いてもよい。
e) SO 4800に規定されたギルソン形分液漏斗の代わりに,JIS R 3503に規定するギルソン形分液漏斗を
用いてもよい。
f) 国際一致規格に規定された呼び容量のビーカーの代わりに,JIS R 3503に規定する,同じ呼び容量の
ビーカーR又は呼び容量と同量以下で最も近い呼び容量のビーカーを用いてもよい。
g) SO 3696に規定された等級2の水の代わりに,JIS K 0557に規定する種別A3又はA4の水を用いて
もよい。
参考文献 JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0216 分析化学用語(環境部門)

JIS G 1201:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1201:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG0203:2009
鉄鋼用語(製品及び品質)
JISG0404:2014
鋼材の一般受渡し条件
JISG0417:1999
鉄及び鋼―化学成分定量用試料の採取及び調製
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0116:2014
発光分光分析通則
JISK0117:2017
赤外分光分析通則
JISK0119:2008
蛍光X線分析通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK0970:2013
ピストン式ピペット
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR3505:1994
ガラス製体積計
JISZ2613:1992
金属材料の酸素定量方法通則
JISZ2613:2020
金属材料の酸素定量方法通則
JISZ2615:2015
金属材料の炭素定量方法通則
JISZ2616:2015
金属材料の硫黄定量方法通則
JISZ8101-1:2015
統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
JISZ8301:2019
規格票の様式及び作成方法
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8402-1:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
JISZ8402-2:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
JISZ8402-3:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第3部:標準測定方法の中間精度
JISZ8402-6:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
JISZ8801-1:2019
試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい