JIS K 2220:2013 グリース | ページ 3

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試料を詰めた規定の開放形玉軸受の内輪を,規定の温度及び回転数(毎分1 rpm)で回転したとき,そ
の軸受の外輪を制止させるのに必要な力。次の二つのトルクで表す。
a) 起動トルク 回転起動時に得られる最大トルク。
b) 回転トルク 規定時間回転した後に得られるトルクの平均値。
3.20
見掛け粘度
ポアズイユの式で計算するずり速度(せん断率)に対するずり応力(せん断応力)の比。グリースは,
非ニュートン流体であるため,その比は,ずり速度によって変化する。
3.21
ずり速度(せん断率)
グリースの相隣接する一連の層が互いに動く割合。

4 グリースの種類

  グリースは,用途によって次のa)   g)に示す7種類に分類する。さらに,種別(成分及び性能)及びち
ょう度番号(混和ちょう度範囲又は動粘度範囲)によって表2のとおり細分する。
なお,ISOによるグリースの分類を附属書Aに示す。
a) 一般用グリース
1) 1種 主に原料基油と増ちょう剤としてのカルシウム石けんとからなり,耐水性が良好なもの。
2) 2種 主に原料基油と増ちょう剤としてのナトリウム石けんとからなり,耐熱性が良好なもの。
b) 転がり軸受用グリース
1) 1種 主に原料基油と増ちょう剤とからなり,機械的安定性,耐水性及び防せい性が良好なもの。
2) 2種 主に原料基油と増ちょう剤とからなり,低温性,耐水性,機械的安定性及び防せい性が良好
なもの。
3) 3種 主に原料基油と増ちょう剤とからなり,低温性,耐熱性,機械的安定性,耐水性及び防せい
性が良好なもの。
c) 自動車用シャシーグリース1種 主に原料基油と増ちょう剤としてのカルシウム石けんとからなり,
耐荷重性,圧送性が良好なもの。
d) 自動車用ホイールベアリンググリース1種 主に原料基油と増ちょう剤とからなり,耐熱性,耐水性,
機械的安定性及び耐漏えい性が良好なもの。
e) 集中給油用グリース
1) 1種 主に原料基油と増ちょう剤としてのカルシウム石けんとからなり,圧送性が良好なもの。
2) 2種 主に原料基油と増ちょう剤とからなり,圧送性,耐熱性及び機械的安定性が良好なもの。
3) 3種 主に原料基油と増ちょう剤としてのカルシウム石けん及び極圧添加剤とからなり,圧送性及
び耐荷重性が良好なもの。
4) 4種 主に原料基油,増ちょう剤及び極圧添加剤とからなり,圧送性,耐熱性,耐荷重性及び機械
的安定性が良好なもの。
f) 高荷重用グリース1種 主に原料基油,増ちょう剤及び二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤とからな
り,耐荷重性,機械的安定性及び耐熱性が良好なもの。
g) ギヤコンパウンド1種 主に原料基油とアスファルトとからなるもの。

――――― [JIS K 2220 pdf 11] ―――――

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K 2220 : 2013
表2−グリースの種類
種類 使用温度 使用条件に対する適否
範囲 力(荷重) 水との 適用例
用途別 種別 ちょう度番号a)
℃ 低 高 衝撃 接触
1種 1号,2号,3号,4号 −10 60 適 否 否 適 一般低荷重用
一般用グリース
2種 2号,3号 −10100 適 否 否 否 一般中荷重用
1種 1号,2号,3号 −20100 適 否 否 適 汎用
転がり軸受用
2種 0号,1号,2号 −40 80 適 否 否 適 低温用
グリース
3種 1号,2号,3号 −30130 適 否 否 適 広温度範囲用
自動車用
1種 00号,0号,1号2号 −10 60 適 適 適 適 自動車シャシー用
シャシーグリース
自動車用
自動車ホイール
ホイールベアリン 1種 2号,3号 −20120 適 否 否 適
ベアリング用
ググリース
1種 00号,0号,1号 −10 60 適 否 否 適 集中給油式中荷重用
集中給油用 2種 0号,1号,2号 −10100 適 否 否 適 集中給油式中荷重用
グリース 3種 0号,1号,2号 −10 60 適 適 適 適 集中給油式高荷重用
4種 0号,1号,2号 −10100 適 適 適 適 集中給油式高荷重用
高荷重用グリース 1種 0号,1号,2号,3号 −10100 適 適 適 適 衝撃高荷重用
ギヤコンパウンド オープンギヤ及びワ
b)
1種 1号,2号,3号 −10100 適 適 適 適
イヤロープ用
注a) ちょう度番号000号,5号及び6号のグリースについては,用途が特殊なため,用途の分類は行わないが,受渡
当事者間の協定によって品質性能及び試験方法を規定する。
b) ギヤコンパウンドについては,動粘度範囲によって分類する。

5 品質及び性能

5.1 一般用グリース

5.1.1  一般用グリース1種
一般用グリース1種は,箇条7箇条9,箇条14,箇条16及び箇条22によって試験を行ったとき,表3
の規定に適合しなければならない。原料基油は,動粘度(40 ℃)6.1274.8 mm2/sのものとし,必要に応
じて,原料基油の動粘度を試験成績書に付記する。
表3−一般用グリース1種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
1号 2号 3号 4号
混和ちょう度 310340 265295 220250 175205 7.5
滴点 ℃ 80以上 85以上 85以上 90以上 8
銅板腐食(室温,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(A法)
灰分 質量分率% 3.0以下 3.5以下 4.0以下 4.5以下 14
20以下
水洗耐水度(38 ℃,1 h) 質量分率% 20以下 20以下 20以下 16
水分 質量分率% 2.0以下 2.5以下 2.5以下 3.0以下 22
5.1.2 一般用グリース2種
一般用グリース2種は,箇条7箇条10及び箇条15によって試験を行ったとき,表4の規定に適合し
なければならない。原料基油は,動粘度(40 ℃)41.4242 mm2/sのものとし,必要に応じて,原料基油
の動粘度を試験成績書に付記する。

――――― [JIS K 2220 pdf 12] ―――――

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表4−一般用グリース2種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
2号 3号
混和ちょう度 265295 220250 7.5
滴点 ℃ 170以上 170以上 8
銅板腐食(室温,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(A法)
蒸発量(99 ℃,22 h) 質量分率% 2.0以下 2.0以下 10
混和安定度 375以下 375以下 15

5.2 転がり軸受用グリース

5.2.1  転がり軸受用グリース1種
転がり軸受用グリース1種は,箇条7箇条13,箇条15,箇条16,箇条18及び箇条21によって試験を
行ったとき,表5の規定に適合しなければならない。必要に応じて,原料基油の動粘度及び増ちょう剤の
種類を試験成績書に付記する。
表5−転がり軸受用グリース1種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
1号 2号 3号
混和ちょう度 310340 265295 220250 7.5
滴点 ℃ 170以上 175以上 175以上 8
銅板腐食(100 ℃,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(B法)
蒸発量(99 ℃,22 h) 質量分率% 2.0以下 2.0以下 2.0以下 10
離油度(100 ℃,24 h) 質量分率% 10以下 5以下 5以下 11
酸化安定度(99 ℃,100 h) kPa 70以下 70以下 70以下 12
きょう雑物 個/cm3 10 m以上 5 000以下 5 000以下 5 000以下
25 m以上 3 000以下 3 000以下 3 000以下
13
75 m以上 500以下 500以下 500以下
125 m以上 0 0 0
混和安定度 400以下 375以下 350以下 15
水洗耐水度(38 ℃,1 h) 質量分率% 10以下 10以下 10以下 16
低温トルク 起動トルク 490以下 590以下 790以下
18
(−20 ℃) N・m 回転トルク 250以下 290以下 390以下
湿潤(14日) A級 A級 A級 21
5.2.2 転がり軸受用グリース2種
転がり軸受用グリース2種は,箇条7箇条13,箇条15,箇条16,箇条18及び箇条21によって試験を
行ったとき,表6の規定に適合しなければならない。必要に応じて,原料基油の動粘度及び増ちょう剤の
種類を試験成績書に付記する。

――――― [JIS K 2220 pdf 13] ―――――

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K 2220 : 2013
表6−転がり軸受用グリース2種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
0号 1号 2号
混和ちょう度 355385 310340 265295 7.5
滴点 ℃ 145以上 150以上 150以上 8
銅板腐食(100 ℃,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(B法)
蒸発量(99 ℃,22 h) 質量分率% 10.0以下 10.0以下 10.0以下 10
離油度(100 ℃,24 h) 質量分率% − 12以下 10以下 11
酸化安定度(99 ℃,100 h) kPa 70以下 70以下 70以下 12
きょう雑物 個/cm3 10 m以上 5 000以下 5 000以下 5 000以下
25 m以上 3 000以下 3 000以下 3 000以下
13
75 m以上 500以下 500以下 500以下
125 m以上 0 0 0
混和安定度 430以下 400以下 375以下 15
水洗耐水度(38 ℃,1 h)質量分率% − 10以下 10以下 16
低温トルク 起動トルク 390以下 490以下 590以下
18
(−40 ℃) N・m 回転トルク 200以下 250以下 290以下
湿潤(14日) A級 A級 A級 21
5.2.3 転がり軸受用グリース3種
転がり軸受用グリース3種は,箇条7箇条13,箇条15,箇条16,箇条18及び箇条21によって試験を
行ったとき,表7の規定に適合しなければならない。必要に応じて,原料基油の動粘度及び増ちょう剤の
種類を試験成績書に付記する。
表7−転がり軸受用グリース3種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
1号 2号 3号
混和ちょう度 310340 265295 220250 7.5
滴点 ℃ 180以上 185以上 185以上 8
銅板腐食(100 ℃,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(B法)
蒸発量 99 ℃, 22 h 1.5以下 1.5以下 1.5以下
10
質量分率% 130 ℃, 22 h 5.0以下 5.0以下 5.0以下
離油度 100 ℃, 24 h 10以下 5以下 5以下
11
質量分率% 130 ℃, 24 h 12以下 8以下 8以下
酸化安定度(99 ℃,100 h) kPa 50以下 50以下 50以下 12
きょう雑物 個/cm3 10 m以上 5 000以下 5 000以下 5 000以下
25 m以上 3 000以下 3 000以下 3 000以下
13
75 m以上 500以下 500以下 500以下
125 m以上 0 0 0
混和安定度 400以下 375以下 350以下 15
水洗耐水度(38 ℃,1 h)質量分率% 10以下 10以下 10以下 16
低温トルク 起動トルク 490以下 590以下 790以下
18
(−30 ℃) N・m 回転トルク 250以下 290以下 390以下
湿潤(14日) A級 A級 A級 21

5.3 自動車用シャシーグリース

――――― [JIS K 2220 pdf 14] ―――――

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自動車用シャシーグリース1種は,箇条7箇条9,箇条16及び箇条19箇条22によって試験を行っ
たとき,表8の規定に適合しなければならない。必要に応じて,原料基油の動粘度を試験成績書に付記す
る。
表8−自動車用シャシーグリース1種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
00号 0号 1号 2号
混和ちょう度 400430 355385 310340 265295 7.5
滴点 ℃ 80以上 85以上 90以上 90以上 8
銅板腐食(室温,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(A法)
水洗耐水度(38 ℃,1 h) 質量分率% − − 20以下 10以下 16
見掛け粘度 Pa・s 100以下 200以下 − −
19
(−10 ℃,ずり速度10 s−1)
チムケン式耐荷重能 O K値 kg 4.08以上 4.08以上 4.08以上 4.08以上 20
湿潤(14日) − − A級 A級 21
水分 質量分率% 2.0以下 2.0以下 2.0以下 2.0以下 22

5.4 自動車用ホイールベアリンググリース

  自動車用ホイールベアリンググリース1種は,箇条7箇条13,箇条15箇条18及び箇条21によって
試験を行ったとき,表9の規定に適合しなければならない。必要に応じて,原料基油の動粘度及び増ちょ
う剤の種類を試験成績書に付記する。
表9−自動車用ホイールベアリンググリース1種
ちょう度番号
試験項目 箇条番号
2号 3号
混和ちょう度 265295 220250 7.5
滴点 ℃ 175以上 175以上 8
銅板腐食(100 ℃,24 h) 銅板に緑色又は黒色変化なし 9(B法)
蒸発量(99 ℃,22 h) 質量分率% 2.0以下 2.0以下 10
離油度(100 ℃,24 h) 質量分率% 5以下 5以下 11
酸化安定度(99 ℃,100 h) kPa 70以下 70以下 12
きょう雑物 個/cm3 10 m以上 5 000以下 5 000以下
25 m以上 3 000以下 3 000以下
13
75 m以上 500以下 500以下
125 m以上 0 0
混和安定度 375以下 375以下 15
水洗耐水度(79 ℃,1 h) 質量分率% 10以下 10以下 16
漏えい度(104 ℃,6 h) g 10以下 10以下 17
低温トルク 起動トルク 790以下 990以下
18
(−20 ℃) N・m 回転トルク 390以下 490以下
湿潤(14日) A級 A級 21

5.5 集中給油用グリース

5.5.1  集中給油用グリース1種
集中給油用グリース1種は,箇条7箇条9,箇条19,箇条20及び箇条22によって試験を行ったとき,
表10の規定に適合しなければならない。必要に応じて,原料基油の動粘度を試験成績書に付記する。

――――― [JIS K 2220 pdf 15] ―――――

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JIS K 2220:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11009:2000(MOD)
  • ISO 12924:2010(MOD)
  • ISO 2137:2007(MOD)
  • ISO 2176:1995(MOD)
  • ISO 6743-9:2003(MOD)

JIS K 2220:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 2220:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB1521:2012
転がり軸受―深溝玉軸受
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISB7505-1:2017
アネロイド型圧力計―第1部:ブルドン管圧力計
JISG3459:2016
配管用ステンレス鋼鋼管
JISG3459:2021
配管用ステンレス鋼鋼管
JISG4051:2016
機械構造用炭素鋼鋼材
JISG4053:2016
機械構造用合金鋼鋼材
JISG4303:2012
ステンレス鋼棒
JISG4303:2021
ステンレス鋼棒
JISG4305:2012
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4305:2021
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISH3100:2018
銅及び銅合金の板及び条
JISH3250:2015
銅及び銅合金の棒
JISH3250:2021
銅及び銅合金の棒
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK1101:2017
酸素
JISK2238:1993
マシン油
JISK2246:2018
防せい(錆)油
JISK2251:2003
原油及び石油製品―試料採取方法
JISK2265-4:2007
引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
JISK2275:1996
原油及び石油製品―水分試験方法
JISK2283:2000
原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JISK2519:2017
潤滑油―耐荷重能試験方法
JISK6323:2008
一般用Vベルト
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8594:2015
石油ベンジン(試薬)
JISR6111:2005
人造研削材
JISR6111:2020
人造研削研磨材
JISR6251:2006
研磨布
JISR6252:2006
研磨紙
JIST3201:1979
ガラス注射筒
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8402-6:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
JISZ8801-1:2019
試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい