JIS K 8155:2017 塩化バリウム二水和物(試薬) | ページ 3

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表2−分析種の測定波長の例
分析種 測定波長 nm
カリウム(K) 766.5
ナトリウム(Na) 589.0
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,沸騰するまで加熱し,硫酸(1
+15)20 mLを加えた後,室温まで冷却し,水を加えて200 mLにする。3時間放置した後,遠心分
離し,上澄み液120 mLをとる(S液)。S液50 mL(試料量1 g)に水を加えて100 mLにする(X
液)。
2) 比較溶液の調製は,S液50 mL(試料量1 g)にナトリウム標準液(Na : 0.1 mg/mL)1.0 mL及びカ
リウム標準液(K : 0.1 mg/mL)0.5 mLを加え,水を加えて100 mLにする(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を
測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na) : 質量分率0.01 %以下(規格値),
カリウム(K) : 質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
n1
B
n2 n1
A 100
1000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 %)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m : S液50 mLに含まれる試料の質量(g)

6.7 カルシウム(Ca)及びストロンチウム(Sr)

  カルシウム(Ca)及びストロンチウム(Sr)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
2) カルシウム標準液(Ca : 0.1 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,カルシウム標準液(Ca : 0.1 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8617に規定する炭酸カルシ
ウム2.50 gをはかりとり,水50 mL及び塩酸(2+1)15 mLを加え,沸騰しない程度に加熱して溶
かし,更に二酸化炭素を除き,冷却する。これを全量フラスコ1 000 mLに移し,水を標線まで加え
て混合する。この液100 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,塩酸(2+1)15 mLを加え,
更に水を標線まで加えて混合する。カルシウム系の可塑剤を含まないポリエチレンなどの樹脂製瓶
に保存する。
3) ストロンチウム標準液(Sr : 0.1 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,ストロンチウム標準液(Sr : 0.1 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8554に規定する硝酸ス
トロンチウム2.42 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加え

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て混合する。この液100 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 6.6 b) 2)による。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表3に示す。
表3−分析種の測定波長の例
分析種 測定波長 nm
カルシウム(Ca) 422.7
ストロンチウム(Sr) 460.7
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,塩酸(2+1)3 mLを加え,水
を加えて100 mLにする(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gに塩酸(2+1)3 mL,カルシウム標準液(Ca : 0.1 mg/mL)1.0 mL,
ストロンチウム標準液(Sr : 0.1 mg/mL)3.0 mL及び水を加えて100 mLにする(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表3に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を
測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“カルシウム(Ca) : 質量分率0.01 %以下(規格値),
ストロンチウム(Sr) : 質量分率0.03 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
n1
B
n2 n1
A 100
1000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 %)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)

6.8 鉛(Pb)及び鉄(Fe)

  鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 酢酸ブチル JIS K 8377に規定するもの。
2) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %30.0 %)の体積2と
水の体積3とを混合する。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
3) 塩酸(2+1) 6.7 a) 1)による。
4) ,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液(10 g/L)[NaDDTC溶液(10 g/L)] JIS K 8454
に規定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物1.3 gを水に溶かして100 mLにす
る。
5) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。

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6) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを
全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mLを加えて溶かし,水を標線まで加えて混
合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mLを加え,更に水
を標線まで加えて混合する。
7) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄
(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶か
し,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1
+2)25 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) H計 6.4 b) 2)による。
2) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表4に示す。
表4−分析種の測定波長の例
分析種 測定波長 nm
鉛(Pb) 283.3
鉄(Fe) 248.3
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料10 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,水80 mL及び塩酸(2+1)1 mL
を加え,pH計を用いて,アンモニア水(2+3)でpH約8.5に調節し,更に水を加えて100 mLに
する。
2) 比較溶液の調製は,試料10 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,水70 mL,鉛標準液(Pb : 0.01
mg/mL)2.0 mL,鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)1.0 mL及び塩酸(2+1)1 mLを加え,pH計を用い
て,アンモニア水(2+3)でpH約8.5に調節し,更に水を加えて100 mLにする。
3) 空試験溶液の調製は,塩酸(2+1)1 mLに,水を加えて5 mLとする。
4) 試料溶液及び比較溶液を,pH計を用いて,塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)でpH約5.5に
調節し,更にNaDDTC溶液(10 g/L)5 mLを直ちに加え,水を加えて400 mLにする。
5) これらの溶液それぞれを,分液漏斗500 mLに入れJIS K 8377に規定する酢酸ブチル20 mLを加え
た後,1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置する。この上層(酢酸ブチル相)を分取す
る。試料溶液からの酢酸ブチル相をX液とし,下層(水相)は保存する。比較溶液からの酢酸ブチ
ル相をY液とし,下層(水相)は捨てる。
6) 保存していた試料溶液からの水相を分液漏斗500 mLにとり,酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激
しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置して下層(水相)を分取する。この場合の上層(酢酸ブチ
ル相)は捨てる。再び,水相に酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれる
まで放置して下層(水相)を分取し,上層(酢酸ブチル相)は捨てる。ここで得た水相に3)の空試
験溶液を加え,pH計を用いて,塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)でpH約5.5に調節する。
さらに,NaDDTC溶液(10 g/L)5 mLを直ちに加え,酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り

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混ぜ,二層に分かれるまで放置し,上層(酢酸ブチル相)を分取してZ液とする。
7) フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめ酢酸ブチルを噴霧してフレームの状態を最適にしておき,
Y液をフレーム中に噴霧し,表4に示す測定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液,
Y液及びZ液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1,Y液の
指示値n2及びZ液の指示値n3を読み取る。
8) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いたn1−n3とY液の指示値からX液の指示値を
引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“鉛(Pb) : 質量分率2 ppm以下(規格値),鉄(Fe) :
質量分率1 ppm以下(規格値)”とする。
n1−n3は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)は,次の式によって求めることができる。
n1 n3
B
n2 n1 6
A 10
1 000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 ppm)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)

6.9 カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)及び鉄(Fe)

  カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.7 a) 1)による。
2) カルシウム標準液(Ca : 0.1 mg/mL) 6.7 a) 2)による。
3) ストロンチウム標準液(Sr : 0.1 mg/mL) 6.7 a) 3)による。
4) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) 6.8 a) 7)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもの。
2) CP発光分光分析装置 装置の構成は,JIS K 0116に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表5に示す。
表5−分析種の測定波長の例
分析種 測定波長 nm
カルシウム(Ca) 393.366
ストロンチウム(Sr) 407.771
鉄(Fe) 238.204
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,塩酸(2+1)3 mLを加え,水
を標線まで加え,混合する(X液)。
2) 全量フラスコ100 mLを4個準備する。それぞれに塩酸(2+1)3 mLを加え,表6に示す各標準液
の体積を4段階加え,水を標線まで加え,混合する(それぞれ,Y0液,Y1液,Y2液及びY3液と

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する。)。
表6−採取する標準液の体積
標準液 mg/mL 採取量 μL
Y0 Y1 Y2 Y3
カルシウム(Ca) 0.1 0 1 000 2 000 4 000
ストロンチウム(Sr) 0.1 0 3 000 6 000 9 000
鉄(Fe) 0.01 0 100 200 300
3) CP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に
する。
4) 同一分析種ごとに複数波長を選択し,Y0液,Y1液,Y2液及びY3液を用いて,関係線を作成し,
関係線のy切片が低く,感度及び直線性が良好な波長を選択する。この条件を満たせない場合,分
析結果に対する影響(定量限界,再現精度)を考慮して選択する。
5) 液,Y0液,Y1液,Y2液及びY3液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,分析種の発光強度を測定す
る。
e) 計算 JIS K 0116の4.7.3のa) 1)(発光強度法)によって検量線を作成し,分析種の含有率を計算す
る。
f) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“カルシウム(Ca) : 質量分率0.01 %以下(規格値),
ストロンチウム(Sr) : 質量分率0.03 %以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率1 ppm以下(規格値)”と
する。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。

7 容器

  容器は,気密容器とする。

8 表示

  容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格(日本産業規格)番号
b) 名称“塩化バリウム二水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号

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JIS K 8155:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6353-2:1983(MOD)

JIS K 8155:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8155:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0116:2014
発光分光分析通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK0970:2013
ピストン式ピペット
JISK1107:2005
窒素
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8051:2010
3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8107:2017
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8111:2007
塩化亜鉛(試薬)
JISK8116:2006
塩化アンモニウム(試薬)
JISK8121:2007
塩化カリウム(試薬)
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8159:2017
塩化マグネシウム六水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8201:2006
塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8377:2014
酢酸ブチル(試薬)
JISK8454:1994
N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8548:2007
硝酸カリウム(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8554:2020
硝酸ストロンチウム(試薬)
JISK8563:2018
硝酸鉛(II)(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8617:2007
炭酸カルシウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8637:2006
チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JISK8653:2018
デバルダ合金(試薬)
JISK8659:2014
でんぷん(溶性)(試薬)
JISK8736:2018
エリオクロムブラックT(試薬)
JISK8798:2012
フェノール(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK8913:2006
よう化カリウム(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8982:2008
硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR3505:1994
ガラス製体積計
JISZ8802:2011
pH測定方法