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注1) 臭素化合物が完全に捕集されることが確認された場合,吸収瓶は1個でもよい。
5.3.2 試料ガス採取装置
図2に例示する構成で,次の条件を備えていなければならない。
a) 試料ガス採取管(B)の材質は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されず,測定対象物質が吸着しな
いもの,例えば,ステンレス鋼管,ほうけい酸ガラス管,石英管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用
いる。
b) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管(B)の先端又は適切な位置に
適切なろ過材を詰める。ろ過材は,排ガス中の成分と化学反応を起こさない材質のもの,例えば,シ
リカウール,無アルカリガラスウールを用いる。
c) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)
までの間を加熱できる構造とする。配管はできるだけ短くし,水分が凝縮するおそれがある場合には,
採取管から流路切替三方コック(P1)の間を120 C程度に加熱する。
d) 試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)までの加熱される接続部分は,ステンレス鋼管,
ほうけい酸ガラス管,ふっ素ゴム管,シリコーンゴム管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用いる。
e) 装置各部を接続する場合にガス漏れがないように組み立てる。
5.4 採取操作
操作は,次による。ここに示す装置の記号は,図2による。
a) 吸収瓶(容量100 mL)(F1及びF2)に,5.2.2.1の吸収液25 mLをそれぞれ入れる2)。容量250 mLの
吸収瓶を用いた場合は,吸収液50 mLをそれぞれ入れる。
注記 チオ硫酸滴定法は,容量250 mLの吸収瓶を用いる。イオンクロマトグラフ法は,容量250 mL
又は容量100 mLの吸収瓶を用いる。
b) 流路切替三方コック(P1,P2)をバイパス側に回し,吸引ポンプ(L)を作動させて,試料ガス採取管
(B)からコック(P1)内を試料ガスで置換する。
注記1 採取装置内に漏れがなく,一定流量に調整が可能な場合,図2のP1からP2間のバイパス
(R)を付けなくてもよい。
注記2 採取装置内に漏れがないことを,他の手法で確認できる場合には,図2の水銀マノメータ
ー(Q)を付けなくてもよい。
c) 吸引ポンプ(L)を停止した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,ガスの流れを止める。次にガ
スメーター(M)の指示(V1)を0.01 Lの桁まで読み取る。
d) 吸引ポンプ(L)を作動させ,流路切替三方コックを回して試料ガスを吸収瓶(F1及びF2)2)に通す。
このとき流量調節コック(K1,K2)を調節して,流量を1 L/min程度にする3)。試料ガスを約40 L4)
採取した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,吸引ポンプ(L)を停止し,ガスメーター(M)
の指示(V2)を0.01 Lの桁まで読み取る。試料ガス採取中にガスメーター(M)の温度計(N)とマ
ノメーター(O)とによってガスの温度及びゲージ圧を測定する。また,大気圧を測定する。
e) 必要に応じて,試料ガス中の水分をJIS Z 8808の箇条7(排ガス中の水分量の測定)によって測定す
る。
注2) 吸収液が温まる可能性がある場合は,吸収瓶を冷却槽に入れておくとよい。この場合には,
図1のa)に示す吸収瓶を用いたほうがよい。
3) イオンクロマトグラフ法(容量250 mLの吸収瓶を用いた場合)及びチオ硫酸滴定法で,臭素
化合物が吸収液に完全に吸収されることがあらかじめ明らかなときは,流量を2 L/minまで
――――― [JIS K 0085 pdf 6] ―――――
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上げてもよい。
4) 臭素化合物の濃度に応じて適宜,増減してもよい。
単位 mm ( )内は100 mL用,( )外は250 mL用
a) ガラスろ過板 b) ガラスボール形又は円筒形フィルター c) 枝管付ガラスフィルター
ガラスろ過板,ガラスボール形又は円筒形フィルター及びガラスフィルターの細孔の大きさは,JIS R 3503に規定
する細孔記号1又は2を用いる。
図1−吸収瓶(100 mL,250 mL)の例
――――― [JIS K 0085 pdf 7] ―――――
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A : ろ過材 J : 乾燥管
B : 試料ガス採取管 K1,K2 : 流量調節コック
C : 試料ガス採取口 L : 吸引ポンプ
D : 温度計 M : 湿式ガスメーター
E1,E2 : ヒーター N : 温度計
F1,F2 : 吸収瓶(容量約100 mL又は250 mL) O : マノメーター
G : フランジ P1,P2 : 流路切替三方コック
H : ガス洗浄瓶[水酸化ナトリウム溶液 Q : 水銀マノメーター
(1 mol/L)50 mLを入れる。] R : バイパス
図2−試料ガス採取装置の例
5.5 試料ガス採取量
次の式によって,標準状態[273.15 K(0 °C),101.32 kPa]における試料ガス採取量を,乾きガス量(VSD)
又は湿りガス量(VSW)として算出する。
a) 乾きガス量で求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm−PV
VSD=V (1)
+22.41 (a+b)
273.15+t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm
VSD=V (2)
+22.41 (a+b)
273.15+t 101.32
b) 湿りガス量で求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm−PV
VSW=V (3)
+22.41 (a+b+c)
273.15+t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa+Pm
VSW=V (4)
+22.41 (a+b+c)
273.15+t 101.32
――――― [JIS K 0085 pdf 8] ―――――
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ここに, VSD : 乾きガス量 : 標準状態の試料ガス採取量(L)
VSW : 湿りガス量 : 標準状態の試料ガス採取量(L)
V : ガスメーターで測定したガス量(L)
[5.4 c)及びd)の操作におけるV2−V1]
t : ガスメーターにおける温度(C)
Pa : 大気圧(kPa)
Pm : ガスメーターにおけるゲージ圧(kPa)5)
PV : t Cにおける飽和水蒸気圧(kPa)(表2参照)
a : 吸収液に捕集された分析対象ガス(mol)5)
b : 吸収液に捕集された分析対象ガス以外のガス(mol)5)
c : JIS Z 8808の箇条7(排ガス中の水分量の測定)によって求
めた水分の量(mol)5)
273.15 : 0 Cに対応する絶対温度(K)
101.32 : 1気圧に対応する圧力(kPa)
22.41 : 標準状態における気体1 molの体積(L)
注5) 無視して差し支えない場合が多い。
6 分析用試料溶液の調製
6.1 チオ硫酸滴定法の場合
分析用試料溶液の調製は,次による。
a) 5.4の操作を終えた後,吸収瓶(F1及びF2)内の溶液をビーカー300 mLに移し入れる。
b) 吸収瓶などを水で洗浄し,洗液を先のビーカーに合わせる。
c) ビーカーの内容液を全量フラスコ250 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。これを分析用試料
溶液とする。
6.2 イオンクロマトグラフ法の場合
分析用試料溶液の調製は,次による。
a) 6.1のa) c)の操作と同様に,ガスを採取した吸収液をビーカーに洗い移し,容量100 mLの吸収瓶を
用いたときは全量100 mLに,容量250 mLの吸収瓶を用いたときは全量250 mLにする。
b) )の溶液の一定量(10 mL)をガス洗浄瓶50 mLに入れ,この中に7.2.2.1 r)の強酸性陽イオン交換樹
脂1 gを加え,二酸化炭素を除いた空気又は窒素を0.25 L/minの流量で10分間通気する6)。これを分
析用試料溶液とする7)。
c) 5.2.2.1の吸収液の一定量(10 mL)について,b)と同じ操作を行い,これを空試験用試料溶液とする。
注6) この操作は,吸収液中のナトリウムイオン(Na+)を強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させて
吸収液を中性にした後,排ガス中の二酸化炭素(CO2)を吸収した吸収液中の炭酸イオン
(CO32−)を揮散させるために行う。
7) イオンクロマトグラフ法で測定する場合,分析用試料溶液中に固形物が認められる場合には,
分離カラムを閉塞するので,あらかじめ孔径0.45 下のフィルターでろ過して除去する
とよい。
7 定量方法
7.1 チオ硫酸滴定法
7.1.1 適用条件
この方法は,試料ガス中によう素が存在すると,よう素との合量が求められるので,その場合にはこれ
――――― [JIS K 0085 pdf 9] ―――――
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を補正しなければならない。
7.1.2 試薬及び試薬溶液の調製
7.1.2.1 試薬
試薬は,次による。
a) 次亜塩素酸ナトリウム溶液 (有効塩素70120 g/L)
b) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
c) ぎ酸ナトリウム JIS K 8267に規定するもの。
d) 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
e) チオ硫酸ナトリウム五水和物 JIS K 8637に規定するもの。
f) でんぷん(溶性) JIS K 8659に規定するもの。
g) よう化カリウム JIS K 8913に規定するもの。
h) りん酸二水素ナトリウム二水和物 JIS K 9009に規定するもの。
7.1.2.2 試薬溶液の調製
試薬溶液の調製は,次による。
a) 塩酸(1+1)
b) 塩酸(1+11)
c) 酢酸(1+1)
d) 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8001のJA.5.2 t) 2)による。
e) 0.01 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液50 mLを全量フラスコ500
mLにとり,水を標線まで加えたもの。この溶液は冷暗所に保存し,調製後約1か月以上経過したも
のは使用しない。
f) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素35 g/L) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素70120 g/L)
の有効塩素を定量し,有効塩素が35 g/Lになるように水で薄めたもの。使用時に調製する。有効塩素
の定量は次による。
有効塩素の定量 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素35 g/L)10 mLを正確に全量フラスコ200 mL
にとり,水を標線まで加える。この10 mLを正確に共栓三角フラスコ300 mLにとり,水を加えて約
100 mLとする。よう化カリウム2 g及び酢酸(1+1)6 mLを加え,よく振り混ぜて暗所に約5分間
放置した後,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。溶液の黄色がうすくなったら,指示薬と
してでんぷん溶液約2 mLを加え,生じた青が消えるまで滴定する。別に空試験として水10 mLをと
り,同じ操作を行って滴定値を補正する。
200 1
N=a f 0.003 54 1 000 (5)
10 V
ここに, N : 有効塩素量(g/L)
a : 滴定に要した0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(mL)
f : 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
0.003 54 : 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当する塩素の
質量(g)
V : 次亜塩素酸ナトリウム溶液の体積(mL)
g) でんぷん溶液 でんぷん0.5 gを少量の水に混ぜ,熱水200 mL中によくかき混ぜながら約1分間煮沸
した後冷却し,塩酸(1+5)3 mLを加えたもの。
――――― [JIS K 0085 pdf 10] ―――――
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JIS K 0085:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質
JIS K 0085:2014の関連規格と引用規格一覧
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- 吸光光度分析通則
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- 吸光光度分析通則
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