JIS K 0104:2011 排ガス中の窒素酸化物分析方法 | ページ 2

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K 0104 : 2011
表1−分析方法の種類及び概要(続き)
分析方法の種類 分析方法の概要 適用
要旨 試料採取法 定量範囲a) 対象 条件
vol ppm(mg/m3) 成分
ガス
イオンクロマト 試料ガス中の窒素酸化物をオゾ 真空フラスコ法又は注真空フラスコ法 NO
グラフ法 射筒法
ン又は酸素で酸化し,吸収液に吸 41 400 (82 800) +
吸収液 : 硫酸(0.005
収させて硝酸イオンとする。イオ 注射筒法 : NO2
ンクロマトグラフに導入してク 197 200
mol/L)−過酸化水素水
ロマトグラムを記録する。 (1+99) (3914 000)
液量 : 20 mL
フェノールジス 試料ガス中の窒素酸化物をオゾ 真空フラスコ法又は注真空フラスコ法 NO 7.4.1
ルホン酸吸光光 射筒法
ン又は酸素で酸化し,吸収液に吸 10300 (20620) + 参照
度法 吸収液 : 硫酸(0.05
収させて硝酸イオンとする。フェ 注射筒法 : NO2
(以下,PDS法 ノールジスルホン酸を加えて発 124 200
mol/L)−過酸化水素水
という。) (1+99)
色させ吸光度(400 nm)を測定す (248 400)
る。 液量 : 20 mL
ザルツマン吸光 試料ガス中の二酸化窒素を吸収吸収瓶法 5200 (10400) NO2 7.5.1
光度法 発色液に通して発色させ,吸光度
吸収発色液 : スルファ 参照
(545 nm)を測定する。 ニル酸−ナフチルエチ
レンジアミン酢酸溶液
液量 : 25 mL
注a) 真空フラスコ(1 L)の場合約1 000 mL,ただし,NEDA法の場合500 mL,注射筒(200 mL)の場合200 mL,
吸収瓶の場合100 mLの試料ガスを採取したときについて示す。NEDA法の場合,濃度が1 000 mg/m3を超え
る場合は分析用試料溶液を希釈又は分取によって5 000 mg/m3まで測定できる。
なお,表1の方法のほかに,附属書JAにイオンクロマトグラフ法による窒素酸化物,硫黄酸化物及び
塩化水素の同時分析法を規定する。
b) 自動計測法 排ガス中の窒素酸化物の自動計測法は,JIS B 7982に規定する方法による。

6 試料ガス採取方法

  化学分析法で用いる試料ガスの採取方法は,真空フラスコ法,注射筒法及び吸収瓶法による。
分析に用いる試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点を選び,同一採取位置において,で
きるだけ時間間隔をあけずに,通常2回以上試料ガスを採取し,それぞれ分析する。

6.1 真空フラスコ法

  真空フラスコ法は,次による。
この方法は,Zn-NEDA法,NEDA法,イオンクロマトグラフ法及びPDS法に適用する。
6.1.1 試薬及び試薬溶液の調製
a) 試薬
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) 硫酸銅(II)五水和物 JIS K 8983に規定するもの。
3) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。
4) 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定するもの。
5) ぎ酸ナトリウム JIS K 8267に規定するもの。
6) 過酸化水素 JIS K 8230に規定するもの。

――――― [JIS K 0104 pdf 6] ―――――

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7) 酸素 JIS K 1101に規定するもの。
b) 試薬溶液の調製
1) 硫酸(1+17)
2) 硫酸銅(II)溶液 硫酸銅(II)五水和物1 gを水に溶かし,全量フラスコ1 000 mLに移し水を標
線まで加える。この溶液10 mLを全量フラスコ100 mLにとり,水を標線まで加える。
3) 水酸化ナトリウム溶液(40 g/L) 洗浄瓶に入れるためのもので,水酸化ナトリウム4 gを水に溶か
して100 mLとする。
4) 吸収液 次のいずれかを用いる。
4.1) 亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法(Zn-NEDA法)の場合
硫酸(0.005 mol/L) 全量フラスコ1 000 mLに水約800 mLを入れ,硫酸(1+17)5 mLを加え
た後,水を標線まで加える。
4.2) ナフチルエチレンジアミン吸光光度法(NEDA法)の場合
アルカリ性過酸化水素−ぎ酸ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム48 g,炭酸ナトリウム40 g及び
ぎ酸ナトリウム5 mgを約800 mLの水に溶かし,過酸化水素水(30 %)20 mLを加えた後,1 000
mL全量フラスコに洗い移し,水を標線まで加える。
4.3) イオンクロマトグラフ法の場合
硫酸(0.005 mol/L)−過酸化水素水(1+99) 全量フラスコ1 000 mLに水約800 mLを入れ,硫
酸(1+17)5 mL及び過酸化水素10 mLを加えた後,水を標線まで加える。
4.4) フェノールジスルホン酸吸光光度法(PDS法)の場合
硫酸(0.05 mol/L)−過酸化水素水(1+99) 全量フラスコ1 000 mLに水約800 mLを入れ,硫
酸(1+17)50 mL及び過酸化水素10 mLを加えた後,水を標線まで加える。
6.1.2 器具及び装置
a) 試料ガス採取用器具
1) 試料ガス採取用真空フラスコ 図1に示す弁付フラスコ(容量約1 000 mL)[以下,真空フラスコ
(E)という。]1)で,水を満たしたときの質量からJIS K 0050の附属書H(体積計の校正方法)に
準じて内容積を求めておく。図1 c)に示すものはNEDA法の弁2個付真空フラスコを用いて採取す
る場合のものである。
2) 吸収液注入用注射筒 JIS T 3201に規定する容量20 mL又は100 mLのもの[以下,注射筒(L)と
いう。]。
3) オゾン又は酸素添加用注射筒 JIS T 3201に準拠する容量200 mLのもの[以下,注射筒(M)とい
う。]。
注1) 図1 b)に示したものは,使用するときグリースがフラスコ内に入らないように注意する。
b) 圧力計
1) マノメーター U字形で約27 kPaの差圧が測定できる開管水銀マノメーター若しくはそれと同等の
性能が得られるもの,又は閉管水銀マノメーター若しくはそれと同等の性能が得られるもの。
2) 圧力計 0.1100 kPaを測定できる水銀式のもの又はそれと同等の値の得られるもの。この圧力計
は,NEDA法の場合に使用する。

――――― [JIS K 0104 pdf 7] ―――――

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図1−試料ガス採取用真空フラスコの例(容量約1 L)
c) 試料ガス採取装置 図2に例示する構成で,次の条件を備えていなければならない。
1) 採取管は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されない材質,例えば,ガラス管,石英ガラス管,四
ふっ化エチレン樹脂管などを用いる。
2) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管の先端又は適切な位置にろ過
材を詰める。
なお,NEDA法によって図2 b)に示す採取装置を用いて煙道の外側にろ過材を取り付ける場合の
ろ過材の例を図3に示す。
なお,ろ過材は,排ガスの成分と化学反応を起こさない材質のもの。例えば,シリカウール,無
アルカリガラスウールを用いる。
3) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐために,採取管から流路切換弁(Q)までの間を加熱でき
る構造とする。
なお,この間の接続部分は,すり合わせ接手管,シリコーンゴム管,四ふっ化エチレン樹脂管な
どを用いる。また,配管はできるだけ短くし,水分が凝縮するおそれがある場合には,採取管から
流路切換弁(Q)の間を120 ℃程度に加熱する。
4) 装置各部に漏れがないように組み立てる。

――――― [JIS K 0104 pdf 8] ―――――

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A : 試料ガス採取管 G : 空瓶(逆流防止用)
B : 保温材 H : 洗浄瓶[水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)を入れる。]
C : ろ過材 I : 乾燥管a)
D : ヒーター J : 吸引ポンプ
Q,R : 流路切換弁
E : 試料ガス採取用フラスコ[真空フラスコ(E)]
F : 閉管水銀マノメーター S1,S2,S3 : シリコーンゴム管
注a) 乾燥剤には粒上のシリカゲル,塩化カルシウムなどを用いる。
a) n-NEDA法,イオンクロマトグラフ法,PDS法
A : 採取管 H : 洗浄瓶[水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)を入れる。]
B : ろ過材 I : 乾燥管a)
C : 接続管 J : 吸引ポンプ
D : T字管 K : 圧力計
E : キャピラリー管 L : 温度計
F : 試料ガス採取用フラスコ M : 真空ポンプ
G : 空瓶(逆流防止用)
b) EDA法
図2−試料ガス採取装置の例

――――― [JIS K 0104 pdf 9] ―――――

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単位 mm
A : 石英ウール(約0.50.8 g)
B : 多孔板又は焼結フィルター
(石英ウールを保持できればよい。)
図3−ろ過材の例
d) オゾン発生装置 図4に例示する,オゾン濃度1 mL/100 mL程度が得られる装置で,窒素酸化物の生
成量が少なく,そのばらつきも小さいもの。
なお,オゾン発生のとき同時に窒素酸化物も生成するので,オゾンと十分に反応させ五酸化二窒素
(N2O5)にするために,長さ約10 mの四ふっ化エチレン樹脂管(g)に通し,更に水酸化ナトリウム
溶液(40 g/L)の入っている窒素酸化物除去用吸収瓶(i)に通してこれを除く必要がある。また,水
酸化ナトリウム溶液(40 g/L)は,空試験値が大きくなった場合には,新しい溶液と交換しなければ
ならない。

――――― [JIS K 0104 pdf 10] ―――――

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JIS K 0104:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11564:1998(MOD)

JIS K 0104:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0104:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7982:2002
排ガス中の窒素酸化物自動計測システム及び自動計測器
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0055:2002
ガス分析装置校正方法通則
JISK0095:1999
排ガス試料採取方法
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0127:2013
イオンクロマトグラフィー通則
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISK0212:2016
分析化学用語(光学部門)
JISK0213:2014
分析化学用語(電気化学部門)
JISK0214:2013
分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JISK0215:2016
分析化学用語(分析機器部門)
JISK0216:2014
分析化学用語(環境部門)
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK1101:2017
酸素
JISK1107:2005
窒素
JISK8013:2016
亜鉛粉末(試薬)
JISK8019:2010
亜硝酸ナトリウム(試薬)
JISK8032:2013
アセトニトリル(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8197:1996
N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬)
JISK8230:2016
過酸化水素(試薬)
JISK8267:2014
ぎ酸ナトリウム(試薬)
JISK8295:2020
グリセリン(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8371:2006
酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
JISK8548:2007
硝酸カリウム(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8586:2011
スルファニル酸(試薬)
JISK8622:2007
炭酸水素ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8741:2018
発煙硫酸(試薬)
JISK8798:2012
フェノール(試薬)
JISK8863:2007
ほう酸(試薬)
JISK8866:2008
四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8983:2016
硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JISK9066:2019
スルファニルアミド(試薬)
JISK9704:1994
2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(試薬)
JISK9808:1996
生化学試薬―2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(ビス-トリス)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JIST3201:1979
ガラス注射筒
JISZ8808:2013
排ガス中のダスト濃度の測定方法