9
K 9016 : 2012
第1法 ICP発光分光分析法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ナトリウム標準液及びカリウム標準液
1.1) ナトリウム標準液(Na : 1 mg/ml)及びカリウム標準液(K : 1 mg/ml) 次のいずれかのものを
用いる。
1.1.1) CSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
1.1.2) CSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
1.1.3) ナトリウム標準液(Na : 1 mg/ml)及びカリウム標準液(K : 1 mg/ml)を調製する場合
1.1.3.1) ナトリウム標準液(Na : 1 mg/ml) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム2.54 gを全量フラ
スコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶な
どに保存する。
1.1.3.2) カリウム標準液(K : 1 mg/ml) JIS K 8121に規定する塩化カリウム1.91 gを全量フラスコ
1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに
保存する。
1.2) ナトリウム標準液(Na : 0.01 mg/ml)及びカリウム標準液(K : 0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
1.2.1) ナトリウム標準液(Na : 0.01 mg/ml) ナトリウム標準液(Na : 1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ
1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
1.2.2) カリウム標準液(K : 0.01 mg/ml) カリウム標準液(K : 1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000
mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
ICP発光分光分析装置 JIS K 0116に規定するもの。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
ナトリウム Na 589.592
カリウム K 766.490
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加
えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gを3個の全量フラスコ100 mlにとり,水を加えて溶かし,ナトリウ
ム標準液(Na : 0.01 mg/ml)及びカリウム標準液(K : 0.01 mg/ml)を全量ピペットで表3に示す3
段階にとり,水を標線まで加えて混合する(Y1液,Y2液及びY3液)。
表3−採取する標準液の体積
採取量 ml
標準液 mg/ml
Y1 Y2 Y3
ナトリウム(Na) 0.01 5.0 10 15
カリウム(K) 0.01 2.5 5.0 10
――――― [JIS K 9016 pdf 11] ―――――
10
K 9016 : 2012
3) CP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の5.(ICP発光分光分析)による。
4) CP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって発光強度を測定できる状態にす
る。
5) 液,Y1液,Y2液及びY3液を噴霧し,分析種の発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116の5.8.3 b)(標準添加法)によって検量線を作成し,分析種の含有量を計算する。
f) 判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na) : 質量分率0.01 %
以下(規格値),カリウム(K) : 質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。
6.9.2 第2法 炎光光度法
第2法 炎光光度法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ナトリウム標準液及びカリウム標準液
1.1) ナトリウム標準液(Na : 0.1 mg/ml)及びカリウム標準液(K : 0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
1.1.1) ナトリウム標準液(Na : 0.1 mg/ml) 6.9.1 a) 1.1)のナトリウム標準液(Na : 1 mg/ml)100 ml
を全量フラスコ1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶
などに保存する。
1.1.2) カリウム標準液(K : 0.01 mg/ml) 6.9.1 a) 2.2.2)による。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
炎光光度計 励起源に炎を用いて分析種の発光スペクトル強度を測定する機器。
c) 分析種及び測定波長 分析種の波長 び波長 歹
表4−測定対象元素及び測定波長の例
単位 nm
分析種 波長 波長 愀
ナトリウム Na 589.0 580
カリウム K 766.5 760
注a) 波長λ2は,波長λ1に近接してその発光強度の干渉を受け
ない波長とする。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液及び比較溶液の調製
1.1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,水を標線まで加えて混合する(X液)。
1.2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,ナトリウム標準液(Na : 0.1 mg/ml)
1.0 ml及びカリウム標準液(K : 0.01 mg/ml)5.0 mlを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
2) 炎光光度計による測定 次のいずれかによる。
2.1) バックグラウンドの補正を自動で行う場合
2.1.1) 炎光光度計の分析条件は,取扱説明書による。この場合,測定波長のバックグラウンドの補正は,
自動で行えるように設定する。
2.1.2) 測定波長の設定は,炎光光度計のフレームの中に標準液を噴霧して発光強度を測定したときに,
あまり感度を上げないで発光強度の指示値が,50100 %を示す濃度のものを用いて,表4に示
す波長( を設定し,更にその感度を変えないで発光強度が最も大きくなるような波長に微調
――――― [JIS K 9016 pdf 12] ―――――
11
K 9016 : 2012
整する。ただし,波長が自動設定される場合は,この操作を行わない。
2.1.3) 感度の設定は,炎光光度計のフレームの中にY液を噴霧して発光強度を測定し,2.1.2)で設定し
た波長における炎光光度計の発光強度の指示値が50100 %になるように,また,記録計のフル
スケールの50100 %になるように感度を設定する。
2.1.4) 測定は,この状態で,フレーム中に水・X液・水・Y液・水の順にそれぞれの液を噴霧して発光
強度を測定し,X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)をそれぞれ読み取る。
2.1.5) 測定結果は,X液からの指示値(n1)とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比
較する。
2.2) バックグラウンドの補正を手動で行う場合
2.2.1) 測定波長の設定は,あまり感度を上げないで,炎光光度計のフレームの中に標準液を噴霧して発
光強度を測定したときに,発光強度の指示値が50100 %を示す濃度のものを用いて,表4に示
す波長 定し,更にその感度を変えないで発光強度が最も大きくなるような波長に微調整す
る。
2.2.2) 感度の設定は,炎光光度計のフレームの中にY液を噴霧して発光強度を測定し,2.2.1)で設定し
た波長における炎光光度計の発光強度の指示値が50100 %になるように,また,記録計のフル
スケールの50100 %になるように感度を設定する。
2.2.3) 測定は,この状態で,フレーム中に水・X液・水・Y液・水の順にそれぞれの液を噴霧して発光
強度を測定し,X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)をそれぞれ読み取る。
2.2.4) バックグラウンドの補正は,2.2.2)で設定した感度を変えないで,表4に示す対応する波長
設定し,フレームの中にX液を噴霧して発光強度を測定し,指示値(n3)を読み取る。
2.2.5) 測定結果は,X液の指示値からバックグラウンドの指示値を引いたn1−n3と,Y液の指示値から
X液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na) : 質量分率0.01 %以下(規格値),
カリウム(K) : 質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
1) バックグラウンドの補正を自動で行う場合
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
n1
B
n2 n1
A 100
1000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 %)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)
2) バックグラウンドの補正を手動で行う場合
n1−n3は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
n1 n3
B
n2 n1
A 100
1000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 %)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
――――― [JIS K 9016 pdf 13] ―――――
12
K 9016 : 2012
m : はかりとった試料の質量(g)
6.10 ひ素(As)
ひ素(As)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 亜鉛(ひ素分析用) JIS K 8012に規定する粒径1501 400
2) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。
3) 塩化すず(II)溶液(N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀法用)[塩化すず(II)溶液(AgDDTC法
用)] JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分
析用)に溶かし,塩酸(ひ素分析用)で100 mlにする。小粒のJIS K 8580に規定する粒状のすず2
3個を加えて保存し,使用時に水で10倍にうすめる。褐色ガラス製瓶に保存する。
4) 塩酸(ひ素分析用)(1+1) 塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積1とを混合する。
5) 塩酸(ひ素分析用)(1+3) 塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積3とを混合する(必要な場合
に用いる。)。
6) 酢酸鉛(II)溶液(100 g/l) JIS K 8374に規定する酢酸鉛(II)三水和物11.6 gを水に溶かして100
mlにした後,JIS K 8355に規定する酢酸0.1 mlを加える。
7) ,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀・ピリジン溶液(AgDDTC・ピリジン溶液) JIS K 9512に規
定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(AgDDTC)0.5 gをピリジンに溶かし,ピリジンで100
mlにする。褐色ガラス製瓶に入れ,冷所に保存する。
8) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして
100 mlにする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。
9) よう化カリウム溶液(200 g/l) JIS K 8913に規定するよう化カリウム20 gを水に溶かして100 ml
にする。使用時に調製する。
10) ひ素標準液
10.1) ひ素標準液(As : 1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
10.1.1) CSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
10.1.2) CSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
10.1.3) IS K 8044に規定する三酸化二ひ素1.32 gに水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)6 mlを加えて溶か
し,水500 mlを加える。塩酸(ひ素分析用)(1+3)でpH 35に調節した後,水で全量フラス
コ1 000 mlに移し,水を標線まで加えて混合する。
10.2) ひ素標準液(As : 0.001 mg /ml) ひ素標準液(As : 1 mg/ml)25 mlを全量フラスコ250 mlに正確
にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。その10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確にはかり
とり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの(必
要な場合に用いる。)。
2) ひ素試験装置 例を図1に示す。
3) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料3.0 gを水素化ひ素発生瓶100 mlにとり,水20 mlを加えて溶かす。
2) 比較溶液の調製は,ひ素標準液(As : 0.001 mg/ml)3.0 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlにとり,水
――――― [JIS K 9016 pdf 14] ―――――
13
K 9016 : 2012
20 mlを加える。
3) 空試験溶液の調製は,水20 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlにとる(空試験溶液は,吸光度を測定す
る場合に調製する。)。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,塩酸(ひ素分析用)(1+1)5 mlを加え,水で40 mlにする。
これらによう化カリウム溶液(200 g/l)15 ml及び塩化すず(II)溶液(AgDDTC法用)5 mlを加え
て振り混ぜ,10分間放置する。次に亜鉛(ひ素分析用)(粒径1501 400 滿 3 gを加え,
直ちに水素化ひ素発生瓶100 mlと導管B(あらかじめ水素化ひ素吸収管CにAgDDTC・ピリジン
溶液5 mlを入れ,導管Bと水素化ひ素吸収管Cとを連結しておく。)とを連結する。水素化ひ素発
生瓶100 mlを約25 ℃の水中で約1時間放置した後,水素化ひ素吸収管Cを離しピリジンを5 ml
の標線まで加える。
5) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,水素化ひ素吸収管Cの上
方又は側面から観察して,赤を比較する。
なお,必要があれば吸収セルを用い,分光光度計で波長510 nm付近の吸収極大の波長における吸
光度を,空試験溶液からのAgDDTC・ピリジン溶液を対照液として,JIS K 0115の6.(特定波長に
おける吸収の測定)によって測定する。
d) 判定 c)によって操作し,次の1)又は2)に適合するとき,“ひ素(As) : 質量分率1 ppm以下(規格値)”
とする。
1) 試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の赤より濃くない。
2) 試料溶液から得られた液の吸光度は,比較溶液から得られた液の吸光度より大きくない。
単位 mm
A : 水素化ひ素発生瓶100 ml
B : 導管
C : 水素化ひ素吸収管
D : ゴム栓又はすり合わせ
E : 酢酸鉛(II)溶液(100 g/l)で
湿したガラスウール
F : 40 mlの標線
G : 5 mlの標線
図1−ひ素試験装置の例
6.11 鉄(Fe)
鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム10 gを水に溶かして100 mlにする。
2) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3)による。
――――― [JIS K 9016 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS K 9016:2012の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 9016:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8012:2006
- 亜鉛(試薬)
- JISK8044:2014
- 三酸化二ひ素(試薬)
- JISK8092:2017
- インジゴカルミン(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8136:2017
- 塩化すず(II)二水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8201:2006
- 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
- JISK8202:2019
- 1,10-フェナントロリン塩酸塩一水和物(試薬)
- JISK8295:2020
- グリセリン(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8359:2006
- 酢酸アンモニウム(試薬)
- JISK8371:2006
- 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
- JISK8374:2007
- 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8563:2018
- 硝酸鉛(II)(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8580:2011
- すず(試薬)
- JISK8603:2011
- ソーダ石灰(試薬)
- JISK8777:2017
- ピリジン(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8842:2012
- ブロモチモールブルー(試薬)
- JISK8872:2008
- ホルムアルデヒド液(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8949:2019
- 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK8982:2008
- 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
- JISK9512:2013
- N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬)
- JISZ8802:2011
- pH測定方法