58
L 1013 : 2021
附属書C
(規定)
繊維−糸のよりの測定−直接計測法
C.1 一般
この附属書は,直接計数法によって,糸のより方向,単位長さ当たりの巻き数で表したより量,及び解
ねんにおける長さの変化を決定する方法について規定する。
この方法は,次のものに適用する。
a) 単糸(紡績糸,フィラメント)
b) より糸
c) ケーブル糸
糸の各タイプごとに別々の手順が規定されている。これらの方法は,主としてパッケージの糸用に定め
られているが,手順は,生地から採取した糸にも特別な注意の下で用いることができる。モノフィラメン
ト糸のよりの測定には適さない。
注記 各糸の測定方法は,ISO 1890:1997,Reinforcement yarns−Determination of twist及びISO
7211-4:1984,Textiles−Woven fabrics−Construction−Methods of analysis−Part 4: Determination
oftwist in yarn removed from fabricを参照。
この附属書は,次のとおり,もろより糸及びケーブル糸のよりの測定も対象範囲にしている。
a) もろより糸 : もろより糸の最終のより及びもろよりする前の単糸の元のより
b) ケーブル糸 :
1) 糸の最終のケーブルより
2) もろよりした後のもろより糸の元のより。ただし,最終処理前
3) もろよりする前の単糸のより
要求があれば,最終構造中の構成単糸及び構成もろより糸のよりをC.10.5 g) に規定する特別な手順で
測定可能である。
この附属書は,受渡当事者間の合意があった場合を除いて,テックスで表した糸の単位繊度当たりの張
力が0.5 cN1.0 cNに増加したとき,0.5 %を超える伸びがある糸には適用しない。このような糸は,試験
結果に関係がある当事者によって認められる特別な張力条件の下で試験が行われる。
この附属書は,オープンエンド紡績の製品及びインターレースマルチフィラメント糸には適用しない。
この附属書は,あまり大き過ぎて,試験機のつかみに取り付けるとき,試験結果に影響を及ぼすような
強さで潰したり,ねじったりしなければならないような糸には適用しない。
注記 この附属書は,2015年に第4版として発行されたISO 2061,Textiles−Determination of twist in
yarns−Direct counting methodを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成したものである。
C.2 引用規格
次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の規定の一部を構成する。これ
らの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
――――― [JIS L 1013 pdf 61] ―――――
59
L 1013 : 2021
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
注記 対応国際規格 : ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing
ISO 2,Textiles−Designation of the direction of twist in yarns and related product
C.3 用語及び定義
この附属書の中で用いる用語及び定義は,次のとおりとする。
C.3.1
より(twist)
解ねん前の名目ゲージ長をベースとした糸の軸についての回転数。
なお,よりは,1 m当たりの回転数(回/m)で表すのが望ましいが,1 cm当たりの回転数(回/cm)
で表してもよい。
C.3.2
ゲージ長(gauge length)
試験装置に取り付けた試験片の二つの有効な固定間の距離。
C.3.3
初期長さ(initial length)
試験開始時における指定する初荷重下の試験片の長さ。
C.3.4
解ねんによる長さの変化(change in length on untwisting)
試験片の解ねん時に観測する初期長さの増減。
注記 試験片の初期長さをベースとした伸長又は収縮のパーセントで表す。
C.3.5
試験用水分平衡(moisture equilibrium for testing)
指定する(試験)温湿度において,試料又は試験片の質量の増加率が試験に供される材料について記述
された数値を超えなくなったときの状態。
維材料と大気との間で水分の移動が行われない状態を水分平衡とする。つまり,変化しない雰囲気中で
試験が実施されている限り,繊維の質量は一定である。試験の目的のためには,比較的低い水分量から吸
着を始めることによって水分平衡が達成される。
注記 JIS L 0105参照
C.3.6
糸パッケージ(yarn package)
使用,取扱い,貯蔵又は出荷用に適した形状のある長さ又は各種長さの糸。
注記 パッケージには,ボール,かせ又はケークのように支持物がないものと,ボビン,コップ,コ
ーン,パーン,スプール,チューブ及びビームのように支持物があるものとがある。
C.3.7
より係数(twist factor)
紡績糸のファイバー又はフィラメント糸のフィラメントのら(螺)旋方向の程度。
注記 よりは,糸の表面にあるファイバーの糸の軸に対する角度と関係があり,よりによる仕上がり
糸の堅さの程度を表す。
――――― [JIS L 1013 pdf 62] ―――――
60
L 1013 : 2021
C.4 原理
試験する糸の構成要素が平行になるまで試験片の一端を他端に対して回転し,既知の長さの糸のよりを
解除する。この解除に必要とした正確な回転数を糸の単位長さ当たりの回転数として報告する。
C.5 装置
C.5.1 検ねん機 一組のつかみで構成され,そのうちの1個はいずれの方向にも回転でき,回転計に確実
に接続する。片方又は両方のつかみの位置は,10 mm500 mmの長さの試験糸を取り付けられるよう調製
する。つかみは,ゲージ長に影響を与える遊びがあってはならない。
a) 試験片に荷重を加え,±0.5 mm又は±2 %のいずれか小さい方の精度でその長さを速やかに測定する
方法を講じなければならない。
注記 2 %の限界は,試験中の回転数を計測するために要求される最も高い精度と合致する。
b) 回転数測定装置は,回転するつかみの回転数を記録することができるものとする。
c) 解ねんした試験片の収縮又は伸長を測定するとき,つかみは移動するが回転しないで本質的に摩擦し
ないで移動することができなければならない。
C.5.2 分繊針
C.5.3 試験片の拡大方法
C.5.4 試験室試料のかせ巻装置(オプション)
C.6 標準状態
標準状態は,次による。
a) 試料の予備調製,調製及び試験時の標準状態は,JIS L 0105に規定するとおりとする。
より数は,相対湿度の変化に直接影響を受けないが,湿度の大幅な変化は,材料に対して長さの変
化をもたらすため,全ての測定は適切な水分平衡となった試料で行うのがよい。
b) より試験は,一般に調製前の予備調製の必要はない。
C.7 サンプリング
サンプリングは,次のいずれかの方法によって行う。
a) 材料仕様の中に示されたものがあれば,その方法による。
b) 材料仕様にサンプリング方法の指示がない場合は,繊維製品についてJISで認められた方法による。
c) ) 及びb) が適用できない場合は,附属書CAに記載する方法による。
1) バルク試料は,CA.1に記載する方法によって採取する。
2) 試験室パッケージ試料の数は,CA.2に記載する方法によってバルク試料から採取する。
C.8 試験片
C.8.1 長さ
C.8.1.1 紡績単糸
試験片の初期長さは,できるだけ大きくするが,紡績に使用した短繊維の平均長さより幾分短いものと
する。表C.1に示す試験片の初期長さが一般に使用されている。
――――― [JIS L 1013 pdf 63] ―――――
61
L 1013 : 2021
表C.1−試験片の長さ
単位 mm
糸の材料 試験片の初期長さ
綿 10及び25
そ(梳)毛 25及び50
紡糸
麻 100及び250
C.8.1.2 マルチフィラメント単糸,もろより糸及びケーブル糸
a) 名目より数が1 250回/m以上の場合 : 250 mm±0.5 mmの初期長さとする。
b) 名目より数が1 250回/m未満の場合 : 500 mm±0.5 mmの初期長さとする。
C.8.2 選択
a) 通常の使用方法の場合,試験片はパッケージの端から可能な限り最も小さい張力の下で採取する。こ
れ以外の場合は,パッケージの側面から糸を採取する。損傷した部分を除くため,パッケージの初め
と終わりの数メートルの部分の糸は捨てる。
b) 試験室試料かせを巻き取るよう要求された場合も同様に,糸の試験片はa) で規定したように採取し,
元のパッケージの代表とする。
c) 2個又はそれを超える試験片を個々のパッケージから採取する場合は,製造中にもたらされる周期的
変動の影響をできるだけ小さくするため,試験片は少なくとも1 mの間隔でランダムに採取する。2
個を超える試験片を個々のパッケージから採取する場合は,数メートル間隔で1グループ当たり5個
以下の試験片をグループとして採取する。
C.8.3 試験片の数
a) 適用が可能な場合は,材料仕様で要求する試験片の数を採取する。
b) 材料仕様がない場合は,試験材料のよりの変動結果についての入手可能な情報によって,次に示す精
度をもたらすよう設定された試験片の数をc) 又はd) によって採取する。
c) 変動についての情報の利用が可能な場合は,95 %の確率で示す精度を求めるため,表C.2に示す式に
よって計算した試験片の数nを採取する。
表C.2−変動についての情報を利用した試験片nの計算式
糸のタイプ よりの範囲 精度 nの公式a)
マルチフィラメント 単糸 40回/m未満 ±4.0回/m 0.240 σ2 b)
マルチフィラメント 単糸 40回/m100回/m ±5.0回/m 0.154 σ2 b)
その他全ての糸 − ±5 % 0.154 ν2 c)
注a) は試験片の数である。
b) σは個々の結果の標準偏差であり,同じ材料についての広範囲にわたる過去の
記録から決められたものである。
c) νは個々の試験結果の変動係数であり,同じ材料についての広範囲にわたる過
去の記録から決められたものである。
d) 変動についての情報が入手できない場合又は論争が起こった場合は,次のようにして試験片の数を決
める。
1) 表C.3に示す試験片nを採取する。
なお,ここでnは算出するための推定変動値を示す。
2) 通常の統計的方法によって,変動係数ν又はよりの結果を計算する。95 %の信頼度で精度が5 %よ
――――― [JIS L 1013 pdf 64] ―――――
62
L 1013 : 2021
り大きいような変動である場合は,試験回数を増やす。必要な試験片の数は,次の式によって計算
する。
1
n 1.96 v2
5
ここに, n : 試験片の数
ν : 同じ材料についての広範囲の過去の記録から決定した個々の
試験結果の変動係数表
表C.3−変動についての情報がない場合の試験片数n
糸のタイプ よりの範囲 n 見掛けの変動値a)
紡績単糸 全て 50 ν=18 %
マルチフィラメント 単糸 40回/m未満 20 σ=8.0回/m
マルチフィラメント 単糸 40回/m100回/m 20 σ=10.0回/m
マルチフィラメント 単糸 100回/mを超えるもの 20 ν=10 %
もろより及びケーブル糸 全て 20 ν=10 %
注a) σ及びνは,表C.2の注a)及び注b)で定義したものと同じである。
C.9 手順1−より方向の測定
a) 糸の一端を保持し,短い長さ(少なくとも100 mm)の部分が垂直につり下がるようにする。糸の垂
直部分を調べ,糸の組成(繊維,フィラメント又は構成している糸)の傾きがS又はZの中央部分の
傾きに一致しているかどうかを確認する。
b) SO 2に従ってS又はZより方向を表す。
C.10 手順2−より数の測定
C.10.1 準備手順
a) 試験室パッケージ試料又はパッケージから巻き取った試験室試料かせ(C.5.4参照)をJIS L 0105に
規定する試験用標準状態で水分平衡にする。
b) パッケージの通常の使用方法で可能な限り最も小さな張力の下で,パッケージの端又は側面から糸を
巻き戻す。巻き戻しているとき及び試料を取り扱っているときは,元のよりに変化が生じないよう注
意する。最初の試験片を採取する前に約5 mの糸を巻き戻して捨てる。
c) 試験片は,パッケージから切り離す前に検ねん機(C.5.1)のつかみに装着する。追加試験片をパッケ
ージから採取する必要がある場合は,糸の自由端を据付けのグリップ又はつかみで保持するか,荷重
の下で保持してよりが失われるのを防ぐ。
C.10.2 単糸,紡績糸
a) 検ねん機(C.5.1)の可動つかみを対象試験紡績糸の名目ステープル長に示す長さ±0.5 mm(C.8.1.1
参照)にセットする。試験片のゲージ長に著しい影響を与えるつかみの横の遊びを除去する。正確な
ゲージ又は測径器(caliper)でつかみ間の距離を測定して試験片のゲージ長を確認する。回転計を0
にセットする。
b) よりが乱れないように注意して0.5 cN/tex±0.1 cN/texに等しい初荷重の下で,試験片をつかみに取り
付ける。
1) 指定する初荷重の下で,0.5 %以上伸びる糸を試験するときは,0.5 %以下の伸長となる初荷重の下
――――― [JIS L 1013 pdf 65] ―――――
次のページ PDF 66
JIS L 1013:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2060:1994(MOD)
- ISO 2061:2015(MOD)
- ISO 2062:2009(MOD)
JIS L 1013:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1013:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7751:2007
- 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7753:2007
- サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7754:1991
- キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0061:2001
- 化学製品の密度及び比重測定方法
- JISK0129:2005
- 熱分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK6233:2016
- ゴム―イオンクロマトグラフィーによる全硫黄の求め方(定量)
- JISK7121:1987
- プラスチックの転移温度測定方法
- JISK7252-1:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第1部:通則
- JISK7252-3:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第3部:常温付近での方法
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8103:2013
- ジエチルエーテル(試薬)
- JISK8107:2017
- エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8223:2016
- 過塩素酸(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8271:2007
- キシレン(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8372:2013
- 酢酸ナトリウム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8567:2018
- 硝酸マグネシウム六水和物(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8858:2007
- ベンゼン(試薬)
- JISK8886:2008
- 無水酢酸(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8893:2020
- メチルオレンジ(試薬)
- JISK8937:2020
- リグロイン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8960:2008
- 硫酸アンモニウム(試薬)
- JISK9701:2013
- ヘプタン(試薬)
- JISK9702:2014
- ジメチルスルホキシド(試薬)
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISL0101:1978
- テックス方式
- JISL0104:2000
- テックス方式による糸の表示
- JISL0105:2020
- 繊維製品の物理試験方法通則
- JISL0204-2:2010
- 繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
- JISL0204-2:2020
- 繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
- JISL0205:1972
- 繊維用語(糸部門)
- JISL0208:2006
- 繊維用語―試験部門
- JISL0842:2004
- 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0844:2011
- 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0845:1998
- 熱湯に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0848:2004
- 汗に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0849:2013
- 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8722:2009
- 色の測定方法―反射及び透過物体色
- JISZ8741:1997
- 鏡面光沢度―測定方法
- JISZ8781-3:2016
- 測色―第3部:CIE三刺激値
- JISZ8807:2012
- 固体の密度及び比重の測定方法