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L 1013 : 2021
8.17 比重及び密度
8.17.1 比重(浮沈法)
比重は,次による。また,試験に用いる器具は,JIS K 0050による。試薬は,JIS K 8102,JIS K 8103,
JIS K 8680,JIS K 8858,JIS K 8891及びJIS K 9701を用いる。
a) 試料約0.1 gを張力をかけないようにしてビーカーに入れ,約20 mLの表6に示した脱油液又はこれ
と同等の効果のある溶剤で約1時間浸せきしておく。脱油後試料を風乾し,かみそりなどを用いて0.5
mm1.0 mmに切断した後,真空度0.5 kPa以下の真空デシケータ中で絶乾状態になるまで乾燥する。
b) 測定繊維に対応する重液及び軽液(表7)の適量を添加し,メスシリンダー中で混合し,ボーメ比重
計を用いて,混合液の比重が測定対象繊維の比重の±0.02の範囲内に入るように調製した比重測定液
約8 mLを沈殿管に入れ,試料を少量投入する。沈殿管に栓をして,試料をよく分散させ,遠心分離
器にかけて気泡を除いた後,温度20.0 ℃±0.1 ℃の恒温槽中に浸せきし,約30分間放置する。試料
の浮沈状態を観察し,その状態によって比重測定液の重液又は軽液を同量添加し,試料が沈殿管内液
中で浮沈平衡状態になるように液の比重を調整する。調整後,更に30分間恒温槽中に放置し,試料の
浮沈平衡状態を確認する。確認後,液の比重を,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)によって測定する。た
だし,JIS K 0061の7.2.2 a) 4)の目盛ピクノメータを使用する。測定結果は,JIS Z 8401の規則B(四
捨五入法)によって小数点以下3桁に丸め,これを試料の比重(204
d)とする。
表6−脱油液
対象繊維 脱油液
ポリエステル メタノール
アセテート ジエチルエーテル
ポリプロピレン エタノール
その他 エタノール·ベンゼン混合液(容量比1 : 2)
表7−重液及び軽液(その1)
対象繊維 重液 軽液
ポリプロピレン 水 エタノール
ポリエステル パークロロエチレン n-ヘプタン
その他 パークロロエチレン トルエン
8.17.2 密度(密度勾配管法)
密度(密度勾配管法)は,次による。また,試験に用いる器具は,JIS K 0050による。試薬は,JIS K 8102,
JIS K 8680,JIS K 8937及びJIS K 9701を用いる。
a) 図14に示す装置を用い,あらかじめ調製した低密度液を試薬瓶Aに,高密度液を試薬瓶Bに入れ,
両液を同じ高さにしてサイホンで連結する。試薬瓶Bをマグネチックスターラーでかき混ぜながら,
その中の液をサイホンによってガラス製円筒に10 mL/分以下の速度で,その器壁を伝わらせながら
注ぎ入れる。この操作によって試薬瓶中の液の高さが低下するので,試薬瓶Aの中の液が順次試薬瓶
Bに流入するようになり,次いでガラス製円筒に注ぎ入れられ,ガラス製円筒内の液は連続的な密度
勾配を示すことになる。液を注ぎ終わったガラス製円筒は,静かに恒温水槽に入れる。
b) 高密度液及び低密度液は,測定対象繊維に対応する重液及び軽液(表8参照)を用いて,次の式によ
って求めた比率で混合し調製する。
なお,密度勾配管内の最上層液の密度と最下層液の密度(重液の密度に同じ。)との密度差が0.5 g/cm3
――――― [JIS L 1013 pdf 21] ―――――
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0.8 g/cm3になるようにし,中央液の密度が測定対象繊維の密度(表9参照)に相当するように調製
する。
高密度液の調製
ρ1 d2
VH V0
d1 d2
VL=V0−VH
低密度液の調製
ρ2 d2
VH V0
d1 d2
VL=V0−VH
ここに, VH : 高密度液又は低密度液の重液の使用量(mL)
VL : 高密度液又は低密度液の軽液の使用量(mL)
高密度液の比重
低密度液の比重
d1 : 重液の比重
d2 : 軽液の比重
V0 : 高密度液又は低密度液の調製容量(mL)で次によって求める。
V ρ1ρ2
V0
2 ρ1ρ'
2
ここに, V : 密度勾配管内の液の容量(mL)
密度勾配管内の最上層部の比重
表8−重液及び軽液(その2)
対象繊維 重液 軽液
ポリプロピレン 水 エタノール
ポリエステル パークロロエチレン n-ヘプタン又はリグロイン
その他 パークロロエチレン n-ヘプタン又はトルエン
表9−繊維密度
繊維の種類 密度 g/cm3
レーヨン 1.501.52
ポリノジック 1.501.52
キュプラ 1.501.52
アセテート 1.32
トリアセテート 1.30
プロミックス 1.22
ナイロン 1.14
ビニロン 1.261.30
ビニリデン 1.70
ポリ塩化ビニル 1.39
ポリエステル(PET) 1.38
アクリル 1.141.17
ポリプロピレン 0.91
ポリクラール 1.32
c) 次に,直径3 mm5 mmの中空ガラス球で密度差0.01 g/cm3について1個以上用いた標準フロートを
試薬瓶Aの液(低密度液)でぬらしてからガラス製円筒に静かに入れ,これを密度勾配管とし,恒温
――――― [JIS L 1013 pdf 22] ―――――
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水槽中で20.0 ℃±0.1 ℃の温度に保持する。
d) 24時間経過してから密度勾配管中の標準フロートの密度と密度勾配管の目盛との補正曲線を作る。た
だし,補正曲線がジグザグ又は著しい弓形を示す場合には,再度初めから操作をやり直す。
e) 試料約0.1 gを採り,8.17.1と同様にして脱油処理し,風乾後,直径約3 mmの輪状に結ぶ。試料を5 mL
6 mLの低密度液に入れたまま,0.7 kPaの減圧下に5分間保持して脱泡するか,遠心分離器で2 000
回/分3 000回/分の回転数で2分3分間処理して脱泡処理した後,ピンセットで取り出し,密度
勾配管中に静かに入れる。
f) 試料が液の中で平衡位置に達して静止した後,試料の沈降深さを1 mmまで密度勾配管の目盛から読
み取る。読み取った数値を補正曲線と比較し密度(g/cm3)を求め,2回の平均値を,JIS Z 8401の規
則B(四捨五入法)によって小数点以下3桁に丸める。
単位 mm
図14−密度勾配管の例
8.17.3 密度(気体置換法)
密度(気体置換法)は,JIS Z 8807の箇条11(気体置換法による密度及び比重の測定方法)による。
8.18 寸法変化率
寸法変化率は,繊維の種類及び用途によって,次のいずれかの方法で測定し,使用した方法を試験報告
書に付記する。
8.18.1 熱水寸法変化率
熱水寸法変化率は,次のいずれかによる。この試験は,主にレーヨン,キュプラ,プロミックス,合成
――――― [JIS L 1013 pdf 23] ―――――
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繊維及び合成繊維の伸縮性かさ高加工糸に適用する。
a) 法(かせ寸法変化率) 試料を枠周1.125 mの検尺機又は同等の性能をもつ巻返し機を用い,表1に
規定の荷重をかける。ただし,合成繊維の伸縮性かさ高加工糸は8.82 mN×表示テックス数の荷重を
用い,120回/分の速度で巻き返す。巻き数20回の小かせを作り,初荷重の40倍をかけてかせ長を
測る。ただし,合成繊維の伸縮性かさ高加工糸は巻き数10回の小かせを作り初荷重の20倍の荷重を
用いる。
次に荷重を外し,収縮が妨げられないような方法(例えば,かせを8の字状にして二つに折り重ね
て輪にすることを2回繰り返した後,粗布で包んだまま浸せきする方法などがある。)で適温(使用し
た温度を試験報告書に付記する。)の熱水中に30分間浸せきした後取り出して吸取紙又は布で水を切
り,水平状態で自然乾燥し,再び初荷重の40倍の荷重をかけてかせ長を測る。ただし,合成繊維の伸
縮性かさ高加工糸は初荷重の20倍の荷重を用いる。次の式によって熱水寸法変化率(%)を算出し,
5回(合成繊維の伸縮性かさ高加工糸は10回)の平均値を,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によ
って小数点以下1桁に丸める。
L2 L1
ΔL 100
L1
ここに, ΔL : 熱水寸法変化率(%)
L1 : 処理前の長さ(mm)
L2 : 処理後の長さ(mm)
b) 法(フィラメント寸法変化率) 試料に初荷重をかけ,正しく500 mmを測って2点を打ち,初荷重
を除き,これを適温(使用した温度を試験報告書に付記する。)の熱水中に30分間浸せきした後,取
り出して軽く吸取紙又は布で水を切り,風乾後再び初荷重をかけ,2点間の長さを測り,次の式によ
って熱水寸法変化率(%)を算出し,5回(合成繊維の伸縮性かさ高加工糸は10回)の平均値を,JIS
Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下1桁に丸める。
L 500
ΔL 100
500
ここに, ΔL : 熱水寸法変化率(%)
L : 2点間の長さ(mm)
8.18.2 乾熱寸法変化率
乾熱寸法変化率は,次のいずれかによる。この試験は,合成繊維に適用する。
a) 法(かせ寸法変化率) 試料を枠周1.125 mの検尺機又は同等の性能をもつ巻返し機を用い,表1に
規定の荷重をかけ,120回/分の速度で巻き返す。巻き数20回の小かせを作り,初荷重の40倍をか
けてかせ長を測る。
次に荷重を外し,二つ折りにして適温(使用した温度を試験報告書に付記する。)の乾燥機中につり
下げ,30分間放置後取り出し,室温まで冷却後再び初荷重の40倍の荷重をかけてかせ長を測り,次
の式によって乾熱寸法変化率(%)を算出し,5回の平均値を,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)に
よって小数点以下1桁に丸める。
L2 L1
ΔL 100
L1
ここに, ΔL : 乾熱寸法変化率(%)
L1 : 処理前の長さ(mm)
L2 : 処理後の長さ(mm)
――――― [JIS L 1013 pdf 24] ―――――
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b) 法(フィラメント寸法変化率) 試料に初荷重をかけ,正しく500 mmを測って2点を打ち,初荷重
をとり,これを適温(使用した温度を試験報告書に付記する。)の乾燥機中につり下げ,30分間放置
後取り出し,室温まで冷却後再び初荷重をかけ,2点間の長さを測り,次の式によって乾熱寸法変化
率(%)を算出し,5回の平均値を,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下1桁に丸
める。
L 500
ΔL 100
500
ここに, ΔL : 乾熱寸法変化率(%)
L : 2点間の長さ(mm)
8.19 融点及び熱収縮温度
8.19.1 融点
融点は,次のいずれかによる。
なお,加熱装置上の温度計は補正し,融点の測定は,主にナイロン,ポリエステル,ポリプロピレン,
ポリエチレン及びベンゾエートについて行い,測定方法を試験報告書に付記する。
a) 法 融点はJIS K 7121によって測定し,融解ピーク温度(Tpm),補外融解開始温度(Tim)及び補外
融解終了温度(Tem)を求める。
b) 法 偏光装置及び加熱装置の付いた載物台付き顕微鏡を用い,ポラライザー及びアナライザーを直
交とし,視野を暗黒にする。試料をスライドガラス上に載せ,試料の軸(繊維の長さ方向)をポララ
イザー及びアナライザーの振動方向に対して45°とすると試料の結晶部は光り,他の部分は暗黒とな
る。載物台を加熱し,融点より約10 ℃低い温度から1 ℃/分の速度で昇温する。結晶部の溶融が起
こると光る部分が消失するので,この温度を融点とし,3回の平均値を,JIS Z 8401の規則B(四捨
五入法)によって整数位に丸める。
c) 法 試料を毛細管に入れ,加熱装置中で温度を融点より約10 ℃低い温度から1 ℃/分の速度で昇
温し,その溶融するときの温度を読み取り3回の平均値を,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によ
って整数位に丸める。
8.19.2 熱収縮温度
熱収縮温度は,次による。
なお,熱収縮温度の測定は,主にビニロン,ポリ塩化ビニル,ビニリデン及びアクリルについて行い,
試験条件を試験報告書に付記する。
a) 法 試験に用いる装置はJIS K 0129に規定する熱機械分析装置(TMA装置)とする。引張プロー
ブに試料を取り付け,c)に示す所定の荷重,又は荷重が100 mNに満たない場合は100 mNの荷重をか
けた状態で,徐々に加熱して軟化点より約10 ℃低い温度から1 ℃/分の速度で昇温する。試料の長
さは20 mm100 mmとし,所定の収縮時又は最大収縮時の温度を読み取り,3回の平均値を,JIS Z
8401の規則B(四捨五入法)によって整数位に丸める。ビニロン,ポリ塩化ビニルについては10 %
収縮時,アクリル及びビニリデンについては最大収縮時の温度を測定するが,その他の収縮時の温度
を測定した場合は,その旨を試験報告書に付記する。
b) 法 試料にc) に示す所定の荷重をかけ,これを融点測定管(図15参照)中又は電圧調整器を用い
て調整した透視できる定温乾燥機中に懸垂し,徐々に加熱して軟化点より約10 ℃低い温度から1 ℃
/分の速度で昇温する。試料の長さは20 mm100 mmとし,所定の収縮時又は最大収縮時の温度を
読み取り,3回の平均値を,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって整数位に丸める。ビニロン
――――― [JIS L 1013 pdf 25] ―――――
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JIS L 1013:2021の引用国際規格 ISO 一覧
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- 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7753:2007
- サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7754:1991
- キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0061:2001
- 化学製品の密度及び比重測定方法
- JISK0129:2005
- 熱分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK6233:2016
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- JISK7121:1987
- プラスチックの転移温度測定方法
- JISK7252-1:2016
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- JISK7252-3:2016
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