JIS C 2101:1999 電気絶縁油試験方法 | ページ 14

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d) ミクロビュレット 0.01ml目盛の5mlのもの。
4.13.3 操作
a) 試料油35.5±0.1gをビーカ150ml中で25mlのトルエンに小さなガラス棒でかき混ぜて,溶解する。
この溶液を分液漏斗に移す。ビーカを合計25mlのトルエンで数回洗浄し,洗液を分液漏斗に加える。
b) 過剰の(通常約30mlで十分である)ビフェニールソーダ溶液を分液漏斗に加える。栓をして穏やか
に振って,ときどき圧力を抜きながら,溶液を完全に混合する。
c) 青緑色の混合物を5分間静置して反応を完了させる。栓をとって2mlのイソプロピルアルコールを添
加し,栓をして過剰の試薬が消費されるまで渦巻くように揺り動かす。
d) 50mlの硝酸溶液をゆっくりと加える。有機層と水層とが均一によく接触するように5分間,穏やかに
渦巻くように振ったり,揺り動かす。内圧を抜くためにときどき栓を緩める。水層をビーカに抜き取
る。有機層を各50mlの硝酸溶液であと2回抽出する。水層を最初の抽出液の入ったビーカに抜き取
る。
e) 水層の入ったビーカを滴定台に置き,電極系を挿入する。スターラを回し,電位又はpHの初期値を
記録する。AgN03溶液(0.025モル/l)でゆっくりと,AgNO3溶液の滴下ごとに電位又はpHを記録し
ながら,滴定する。
電位又はpHの読みの変化が最大になる点まで滴定を続ける。硝酸溶液の体積を横軸に,電圧又は
pHを縦軸にプロットする。終点として曲線の屈折点を選ぶ。
f) 空試験。空試験として試料なしの同量の溶媒を滴定する。
4.13.4 計算 全塩素量を次の式によって計算する。
全塩素量 (mg/kg) = [(A−B) /m] 35.5×103
ここに, A : 試料の滴定に要したAgNO3溶液の量 (ml)
B : 空試験の滴定に要したAgNO3溶液の量 (ml)
N : AgNO3溶液のモル濃度(モル/l)
m : 用いた試料の質量 (g)
35.5 : 塩素の原子量
4.14 酸化防止剤 鉱油系絶縁油及びポリブテン油については,酸化防止剤の測定をIEC 60666の方法で
行う。
4.15 酸化安定性 変圧器用及び遮断器用鉱油系絶縁油については,酸化安定性試験を行う。
4.15.1 無添加の鉱油系絶縁油の酸化安定性は,IEC 61125 (A) の方法で測定する。
4.15.2 IEC 61125 (B) に規定されている方法は,添加油の酸化安定性の持続性を確認するために用いられ
る。
4.16 劣化試験 シリコーン油については劣化試験を行う。
4.16.1 試験方法の概要 シリコーン油を一定条件下で加熱・劣化させたときの粘度の増大を調べる方法に
ついて述べている。シリコーン油試料を開放形のガラス製試験管に入れ,24時間加熱する。加熱前後の粘
度を測定する。
4.16.2 器具
a) 試験管(3) ほうけい酸ガラス又は中性ガラスで作られた未使用の試験管 (ISO 4142 Type I or II) で寸
法は次による。
全長 160±2mm
外径 25±0.5mm
肉厚 1.2±0.2mm

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注(3) 試験管の口の縁に接して固定された適切な寸法のポリテトラフルオロエチレン製O-リングは,
加熱用ブロックからの試験管の取り出しを容易にし,また,試験管が加熱ブロックの穴の中で
固着するのを防ぐ。
b) 加熱装置(4) 加熱装置は附属書付図1に示されるように,サーモスタットで制御された,アルミニウ
ム加熱ブロックからできており,シリコーン油試料を225±1℃の温度に保つことができるもの。
温度は試験管の底から5mm以内のところまで浸せきされた附属書表1に示す温度計で読む。
この試験管は温度計の浸せき線までシリコーン油で満たし,加熱ブロックの予備の穴にセットする。
注(4) ヒータはIEC 61125に規定しているものと同じである。
附属書表1 劣化試験用温度計の仕様
範囲 95255℃
球の底からの浸せき線 100mm
目盛及び数字
目盛 0.5℃ごと
目盛の長い線 1℃及び5℃(より長い線)ごと
数値 5℃及び10℃ごと
最大誤差 1℃
全長 390400mm
胴部の径 6.08.0mm
球の長さ 1520mm
球の底から95℃目盛までの距離 125145mm
c) 粘度測定 ISO 3104に規定された粘度計で,40℃の温度で30mm2/sから100mm2/sまでの粘度を測定
するのに適したもの。
4.16.3 試験管の洗浄 試験管は,化学的に洗浄しなければならない。満足な洗浄方法の一つは,試験管を
アセトン,次に蒸留水で洗い,さらに濃硫酸で洗う。濃硫酸を水で洗い落とした後,さらに蒸留水で洗う。
薬品は試薬級のものを使用する。器具は105110℃の熱風乾燥機中で少なくとも3時間乾燥し,次にデ
シケータ中で室温まで放冷し,使用するときまでそのままにしておく。試験管は再使用してはならない。
4.16.4 手順
a) 2本の清浄な試験管の各々に25±0.5gのシリコーン油をはかりとる。
b) 試料油温度が225±1℃になるように調節したヒートブロックに試験管を挿入する。
c) 油はこの温度で24h±5分保持する。
d) 試験管をヒートブロックから取り出し,少なくとも2時間放冷する。
e) 試料油を均一にするため,例えば,プラスチック製のキャップなどで試験管にふたをして,試験管の
上下を数回逆にする。
f) 2本の劣化試料油及び未劣化試料油の粘度をISO 3104の方法で40℃において測定する。
4.16.5 計算 粘度増加の百分率を次の式によって求める。
100 1 0
0
ここに, 未劣化試料油の粘度 (mm2/s)
劣化試料油の粘度 (mm2/s)
二つの結果が2.5%以内で一致する場合には,平均値を報告する。そうでない場合は,二つの各々の値を
報告する。

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4.17 電気ストレス及び電離下での安定性(ガス吸収性) ケーブル用鉱油系絶縁油及び40℃における粘
度が350mm2/s以下のポリブテンについてはIEC 60628のA法によってガス吸収性を測定する。
合成芳香族炭化水素油についてIEC 60628のA法又はB法によってガス吸収性を測定する。
4.18 絶縁破壊電圧
4.18.1 鉱油系絶縁油の絶縁破壊電圧
a) 絶縁破壊電圧は,IEC 60156の方法によって測定する。
b) 処理油サンプルの絶縁破壊電圧を測定するときは,元のサンプルに含まれる水分と粒子を除去するた
めに次の操作を行う。
十分な量の油を約60℃に加熱し,ISO 4793に規定されるP10グレードの多孔性をもった焼結ガラス
フィルタによって,約2.5kPaの真空下で高温のままろ過(5)する。ろ過した油はデシケータ中で冷却し,
直ちに絶縁破壊電圧の測定に使用する。
注(5) ろ過は周囲温度でも同様にできるが,低圧力条件(例えば,0.5kPa)で行う必要がある。
4.18.2 シリコーン油の絶縁破壊電圧 絶縁破壊電圧は,IEC 60156の方法を次のように一部変更して測定
する。
a) 電極への試料注入1回につき,1回だけ破壊電圧を測定する。
b) 破壊電圧の測定は3回行う。
c) 各測定ごとに電極を洗浄して,試料油を注入する。
4.18.3 合成芳香族炭化水素油の絶縁破壊電圧 IEC 60156の方法によって測定する。
4.18.4 ポリブテン油の絶縁破壊電圧
a) 40℃での粘度350mm2/s以下のポリブテン油 絶縁破壊電圧は,IEC 60156の方法によって測定する。
b) 40℃での粘度350mm2/sを超えるポリブテン油 絶縁破壊電圧は,IEC 60243-1の4.1.8と9.1の方法
によって測定する。
4.19 誘電正接,比誘電率及び体積抵抗率
4.19.1 鉱油系絶縁油の誘電正接(6) この特性はIEC 60247の方法によって90℃において測定する。
注(6) 配送されたままの油がIEC 60296の表I及び表IIに規定される限界値より高い誘電正接を示す
ときは,4.18.1 b)に示された処理を行ったサンプルによる再測定で,汚染物が比較的マイルドな
処理によって除去されるかどうかを知ることができる。
4.19.2 シリコーン油の誘電正接,比誘電率及び体積抵抗率 この特性はIEC 60247の方法によって90℃
において測定する。電極の洗浄には,トルエン又はヘキサンのような溶剤が必要である。
参考 IECでは,塩素系洗浄剤の使用を規定しているが,特定フロンの国際条約によって使用ができ
ないため,IECの規定と異なる溶剤を規定した。
4.19.3 合成芳香族炭化水素油の誘電正接,体積抵抗率 この特性はIEC 60247の方法によって90℃にお
いて測定する。
4.19.4 ポリブテン油の誘電正接 この特性はIEC 60247の方法によって90℃において測定する。

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附属書付図1 8穴 (4×2) タイプ アルミニウム加熱ブロック

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C 2101 : 1999
解説表1 原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 日 野 太 郎 神奈川大学
(幹事) 鈴 木 敏 夫 愛知電機株式会社
石 井 敏 次 ユカインダストリーズ株式会社
(委員) 兼 谷 明 男 工業技術院標準部
伊 藤 章 通商産業省機械情報産業局
本 城 薫 通商産業省資源エネルギー庁
加 覧 俊 平 千葉工業大学
山 下 久 直 慶應義塾大学
加 山 英 男 財団法人日本規格協会
中 村 正 司 出光興産株式会社
月 岡 淑 朗 ユカインダストリーズ株式会社
高 本 清 株式会社関西テック
松 永 充 史 株式会社ジャパンエナジー
平 井 進 昭和電線電纜株式会社
伏 見 保 則 東京電力株式会社
井 上 良 之 株式会社東芝
神 庭 勝 日新電機株式会社
河 野 吉 紀 日石テクノロジー株式会社
水 野 泰 宏 株式会社日立製作所
増 田 雄 彦 株式会社富士電機総合研究所
高 橋 享 株式会社フジクラ
宮 本 晃 男 三菱電機株式会社
西 澤 喬 株式会社明電舎
宇 根 廣 司 社団法人石油学会

――――― [JIS C 2101 pdf 70] ―――――

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JIS C 2101:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60296:1982(MOD)
  • IEC 60296:1982/AMENDMENT 1:1986(MOD)
  • IEC 60465:1988(MOD)
  • IEC 60836:1988(MOD)
  • IEC 60867:1993(MOD)
  • IEC 60963:1988(MOD)

JIS C 2101:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2101:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISB7510:1993
精密水準器
JISC1602:2015
熱電対
JISC2320:1999
電気絶縁油
JISC3101:1994
電気用硬銅線
JISH3100:2018
銅及び銅合金の板及び条
JISK0062:1992
化学製品の屈折率測定方法
JISK0068:2001
化学製品の水分測定方法
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0117:2017
赤外分光分析通則
JISK0124:2011
高速液体クロマトグラフィー通則
JISK1101:2017
酸素
JISK1107:2005
窒素
JISK2240:2013
液化石油ガス(LPガス)
JISK2249:1995
原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK2251:2003
原油及び石油製品―試料採取方法
JISK2265-3:2007
引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
JISK2265-4:2007
引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
JISK2269:1987
原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JISK2275:1996
原油及び石油製品―水分試験方法
JISK2283:2000
原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JISK2435-1:2006
ベンゼン・トルエン・キシレン―第1部:ベンゼン
JISK2435-2:2006
ベンゼン・トルエン・キシレン―第2部:トルエン
JISK2513:2000
石油製品―銅板腐食試験方法
JISK2580:2003
石油製品―色試験方法
JISK2605:1996
石油製品―臭素価試験方法―電気滴定法
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8105:2013
エチレングリコール(試薬)
JISK8322:2020
クロロホルム(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8594:2015
石油ベンジン(試薬)
JISK8621:2011
炭酸水素カリウム(試薬)
JISK8680:2006
トルエン(試薬)
JISK8777:2017
ピリジン(試薬)
JISK8810:2018
1-ブタノール(試薬)
JISK8839:2007
2-プロパノール(試薬)
JISK8848:2012
ヘキサン(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK9701:2013
ヘプタン(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3413:2012
ガラス糸
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR6001:1998
研削といし用研磨材の粒度
JISR6111:2005
人造研削材
JISR6111:2020
人造研削研磨材
JISR6251:2006
研磨布
JISR6252:2006
研磨紙
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態