JIS C 2101:1999 電気絶縁油試験方法 | ページ 5

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図11 あや織ガラステープの織り方
b) 着火ガス 着火ガスは,JIS K 2240に規定するLPガス又は都市ガス。
c) 点火器 点火器はブンゼンバーナのように,あや織ガラステープに点火することが容易な構造のもの。
d) 保持棒 保持棒は,直径約8mm,長さ約50mm以上の金属又はガラス製のもの。
e) おもり おもりは,質量約200gのもの。
f) 水準器 水準器は,JIS B 7510に規定するもの。
g) 過剰油除去用ジグ 図12に示すような構造をもつもの。あや織ガラステープにかかる全荷重は1kg。
図12 過剰油除去用ジグ
h) ドラフト ドラフトは,化学実験に使用するもの。
13.3 操作 操作は,次のとおりとする。
a) あや織ガラステープの保持棒を図13の配置になるようにドラフト内に設置する。保持棒間の距離は
650700mmとする。あや織ガラステープを張ったときテープが水平になるように,水準器を用いて
2本の保持棒の水平度を調節する。
b) あや織ガラステープを90100cmの長さに切り,水性インキなどで標線を書く(図13参照)。標線距
離は,300±3mmとする。

――――― [JIS C 2101 pdf 21] ―――――

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c) 試料中にあや織ガラステープを3分間浸せきする。ただし,この場合,織り目が燃焼方向になるよう
にし,右の保持棒からおもりまでの間は浸せきしない。
d) 浸せきしたあや織ガラステープを試料油から取り出し,過剰油除去用ジグの金属棒間に挟み,おもり
を付ける側から30±5cm/minの速度で引出し余分の油を除去する(図12参照)。
e) 過剰油除去後のあや織ガラステープの油付着量が0.200.25g/10cmの範囲であることを確認する。油
の付着量がこの範囲を外れた場合には,過剰油除去用ジグの金属棒にかかる荷重を調節し,付着量が
この範囲に入る条件を求める。
f) e)を確認した後,新たにa) d)の操作を行い,あや織ガラステープに試料油を付着させる。
g) 試料油の付着したあや織ガラステープを図13に示すように水平に張る。
h) 油浸しないあや織ガラステープの末端におもりを付ける。
i) 炎の高さが2050mmになるよう点火器を調節し,右側標線から約50mmの位置で,点火器を用い着
火する。この場合,風によって消炎することがあるので,ドラフトの換気装置を止め,扉を閉じて無
風状態とする。
j) 点火して炎が右側標線に達してから測定開始とし,左側標線までの標線間の燃焼時間を測定する。
k) この操作を3回繰り返す。ただし,試験の途中で消炎した場合には,5回まで繰返し試験を行い,消
炎しない3個の測定値を燃焼速度の計算に用いる。5回の繰返し測定中で,3回以上消炎する場合には,
消炎と定める。
図13 燃焼性試験
13.4 計算及び結果 燃焼速度は,次の式によって算出する。結果は,3個の測定値から平均値を小数点以
下2けたまで求め,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
d
v
t
ここに, v : 燃焼速度 (mm/s)
d : 標線間距離 (mm)
t : 燃焼時間 (s)

――――― [JIS C 2101 pdf 22] ―――――

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13.5 精度 規定しない。
14. 蒸発量試験
14.1 試験の原理 試料(シリコーン油)を150±3℃の恒温槽中に24時間保ってその蒸発減量を求め,試
料に対する減量の百分率を蒸発量として算出する。
14.2 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) ビーカ ビーカは,JIS R 3503に規定するビーカ50ml(16)及び200mlで,その材質はほうけい酸ガラ
ス−1。ビーカ200mlは,恒温槽のファンによって生じた熱風が試料容器中の試料に直接当たるのを
防ぐために用いる。
注(16) 新しいビーカは,ガラスからのアルカリ溶出によって試料の熱分解を促進することがあるので,
試料容器として用いるビーカはあらかじめ沸騰水中に浸した後,蒸留水又はイオン交換水で洗
浄し,乾燥器内で乾燥しておく。
b) 熱電対 熱電対は,JIS C 1602に規定するもの。
c) 恒温槽 恒温槽は,試料容器中の試料の温度を150±3℃に均一に保つことができ,試料容器5個を配
置(図14参照)できる大きさの熱風循環式のもの。
14.3 操作 操作は,次の順序で行う。
a) ビーカ50ml4個は,それぞれ清浄にし,あらかじめ恒量になるまで乾燥した後,試料2.0±0.1gを0.1mg
まで正確にはかりとる。
b) 恒温槽内にマットを置き(17),その中央に試験温度測定用のビーカを置く。熱電対の感温部をこのビー
カの底面に接触させて,恒温槽の温度を測定する。
注(17) 恒温槽のファンによる振動が試料容器中の試料に直接伝わるのを防止するため,ガラスウール
を耐熱シート(例えば,ふっ素樹脂)で挟んだ厚さ約5mmのマットを恒温槽の網棚に置く。
c) 恒温槽の温度を150±3℃に保つ。次いで,試料をはかりとった4個のビーカを素早く恒温槽内のマッ
ト上に図14のように配置し,それぞれビーカ200mlをかぶせる。
d) 恒温槽の温度が再び150±3℃になってから24時間,その温度に保つ。ただし,いかなる場合も,試
料を入れた試料容器を恒温槽に配置してから全加熱時間は,24時間30分を超えてはならない。
e) 所定の時間が経過したら,試料を入れた試料容器を恒温槽から取り出し,デシケータ中で室温まで放
冷した後,その質量を0.1mgのけたまではかる。
図14 ビーカの配置
14.4 計算及び結果 蒸発量は,次の式によって算出する。結果は4個の試料による値の平均値を小数点
以下3けたまで求め,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。

――――― [JIS C 2101 pdf 23] ―――――

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WS W
W 100
WS
ここに, Wv : 蒸発量 (%)
Ws : 試料の質量 (g)
W : 蒸発後の試料の質量 (g)
14.5 精度 規定しない。
15. 屈折率試験及び比分散試験
15.1 試験の原理 屈折率(18)試験は,JIS K 0062に規定する試験方法による。
比分散(19)試験は,平均分散(20)を密度 (25℃) で除し,104倍して求める。
注(18) 屈折率 屈折率nは,光が等方性の第1から第2の物質に入るとき,入射角をi,屈折率をrとす
ると次の式で示される。
sini
n=
sin r
等方性の物質において,光の波長,温度及び圧力が一定のとき,その屈折率はその物質に固
有の定数である。屈折率は,一般にナトリウムスペクトルのD線を用い,温度t℃において空
気に対して測定された値をnDtで表す。
(19) 比分散 比分散とは,平均分散(20)を同一試料の同一温度における密度で除した値であり,得ら
れた値は,便宜上104倍で表示する。
(20) 平均分散 平均分散とは,フラウンホーファー線のF線とC線に対する同一温度における,そ
れぞれの屈折率の差をいう。
15.2 屈折率試験方法 屈折率試験は,JIS K 0062に規定する試験方法による。ただし,測定温度は25±
0.1℃とする。また,得られた屈折率はnD25と明記する。
15.3 比分散試験方法 比分散試験は,平均分散を密度 (25℃) で除し,104倍して小数点以下1けたまで
求め,JIS Z 8401によって整数に丸める。
備考 アッベ屈折計を使用する場合には,附属の分散表から平均分散を求める。ブルフリッヒ屈折計
を使用する場合には,フラウンホーファー線のF線とC線に対する同一温度におけるそれぞれ
の屈折率の差として,平均分散 (nF25−nC25) を求める。
15.4 精度 精度は,次による。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を2回試
験したときの試験結果の差は,表7を超えてはならない。
b) 室間再現精度 異なる二つの試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験
したときの2個の試験結果の差は,表7を超えてはならない。
表7 屈折率及び比分散の許容差
アッベ屈折計 プルフリッヒ屈折計
室内併行許容差 室間再現許容差 室内併行許容差 室間再現許容差
屈折率nD25 6×10−4 12×10−4 1.2×10−4 2.4×10−4
比分散 4 8 0.4 0.8
参考 屈折率試験及び比分散試験の意義 屈折率(18)は,絶縁油の組成と油中に含まれる不純物の量に
よって変化する。
鉱油系絶縁油の比分散(19)は,主に油中の芳香族化合物の構造及びその量によって左右される。

――――― [JIS C 2101 pdf 24] ―――――

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一般に芳香族化合物の量が多くなれば,比分散は大きくなる。芳香族化合物の量は,鉱油系絶
縁油の部分放電によって発生する水素ガスの吸収性に関係する。
16. 全酸価試験
16.1 試験の原理 全酸価(21)を測定するには,試料をトルエン・エタノールの混合溶剤に溶かし,アルカ
リブルー6Bを指示薬として水酸化カリウムの標準エタノール溶液で滴定する。シリコーン油の全酸価を測
定する場合には,試料をトルエン,2-プロパノール(又は1-ブタノール)の混合溶剤に溶かす。
注(21) 全酸価とは,絶縁油1g中に含まれる全酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数
をいう。
16.2 器具 器具は,次のとおりとする。
a) ミクロビュレット ミクロビュレットは,最小目盛が0.01mlに刻まれたもの。
b) 三角フラスコ 三角フラスコは,300mlのもの。
c) 二酸化炭素吸収管 ソーダ石灰などの二酸化炭素吸収剤を充てんしたガラス管。
16.3 試薬 試薬は,次のとおりとする。
a) トルエン トルエンは,JIS K 8680に規定するもの。
b) エタノール エタノールは,JIS K 8102に規定するもの。
c) 混合溶剤 混合溶剤は,トルエン3容とエタノール2容とを混合したもの。
シリコーン油の場合,トルエン1容と,JIS K 8839に規定する2-プロパノール1容又はJIS K 8810
に規定する1-ブタノール1容を混合したもの。
d) アルカリブルー6B指示薬 0.10.2gのアルカリブルー6B指示薬をエタノール100mlで溶かし,ろ過
して用いる。この指示薬溶液は,新しいものが望ましい。
e) 0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶液 2lの三角フラスコにエタノールllを採り,これにJIS K
8574に規定する水酸化カリウム3gを加え,底に塊ができないようにかき混ぜながら溶かす。この液
は,二酸化炭素を遮り,数日間放置した後,その上澄液をとり,ポリエチレン瓶などに入れ,二酸化
炭素吸収管を付けて,標準液として保存する。この標準液の標定は,次の操作によって行う。
JIS K 8005に規定するスルファミン酸(分子量=97.09)(真空硫酸デシケータ中で約48時間乾燥し
たもの)11.25gを0.1mgのけたまで正しくはかりとり,二酸化炭素を含まない水に溶かし,250ml
のメスフラスコに移し,水を標線まで加える。その25mlをとり,0.05mol/l水酸化カリウム標準エタ
ノール溶液で滴定する。
指示薬は,JIS K 8001の4.4(指示薬)によって調製したブロモチモールブルーとし,黄色から青色
に変わったときを終点とする。水25mlについて上記と同様にして空試験を行う。
規定度は,次の式によって算出し,小数点以下4けたまで求める。
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a
N 250
b c .009709
ここに, N : 0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶液の規定度
a : スルファミン酸の採取量 (g)
b : 滴定に要した0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶液の
量 (ml)
c : 空試験に要した0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶液
の量 (ml)

――――― [JIS C 2101 pdf 25] ―――――

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JIS C 2101:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60296:1982(MOD)
  • IEC 60296:1982/AMENDMENT 1:1986(MOD)
  • IEC 60465:1988(MOD)
  • IEC 60836:1988(MOD)
  • IEC 60867:1993(MOD)
  • IEC 60963:1988(MOD)

JIS C 2101:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2101:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISB7510:1993
精密水準器
JISC1602:2015
熱電対
JISC2320:1999
電気絶縁油
JISC3101:1994
電気用硬銅線
JISH3100:2018
銅及び銅合金の板及び条
JISK0062:1992
化学製品の屈折率測定方法
JISK0068:2001
化学製品の水分測定方法
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0117:2017
赤外分光分析通則
JISK0124:2011
高速液体クロマトグラフィー通則
JISK1101:2017
酸素
JISK1107:2005
窒素
JISK2240:2013
液化石油ガス(LPガス)
JISK2249:1995
原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK2251:2003
原油及び石油製品―試料採取方法
JISK2265-3:2007
引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
JISK2265-4:2007
引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
JISK2269:1987
原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JISK2275:1996
原油及び石油製品―水分試験方法
JISK2283:2000
原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JISK2435-1:2006
ベンゼン・トルエン・キシレン―第1部:ベンゼン
JISK2435-2:2006
ベンゼン・トルエン・キシレン―第2部:トルエン
JISK2513:2000
石油製品―銅板腐食試験方法
JISK2580:2003
石油製品―色試験方法
JISK2605:1996
石油製品―臭素価試験方法―電気滴定法
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8105:2013
エチレングリコール(試薬)
JISK8322:2020
クロロホルム(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8594:2015
石油ベンジン(試薬)
JISK8621:2011
炭酸水素カリウム(試薬)
JISK8680:2006
トルエン(試薬)
JISK8777:2017
ピリジン(試薬)
JISK8810:2018
1-ブタノール(試薬)
JISK8839:2007
2-プロパノール(試薬)
JISK8848:2012
ヘキサン(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK9701:2013
ヘプタン(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3413:2012
ガラス糸
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR6001:1998
研削といし用研磨材の粒度
JISR6111:2005
人造研削材
JISR6111:2020
人造研削研磨材
JISR6251:2006
研磨布
JISR6252:2006
研磨紙
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態