JIS C 2101:1999 電気絶縁油試験方法 | ページ 6

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16.4 操作 試料約20gを300mlの三角フラスコに入れ,0.05gの精度で質量をはかる。全酸価の高い試料
の場合には,試料採取量を少なくしてもよい。これに混合溶剤100mlを加え,よくかき混ぜ溶解した後,
13mlのアルカリブルー6B溶液を指示薬として,0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶液を用いて
滴定する。液の色が紫がかった青から紫がかった赤に変化し,10秒間その色を保つことができたとき滴定
の終点とする。このとき空気中の二酸化炭素による影響を避けるためこの操作は,窒素ガス雰囲気中など
適切な方法で,できるだけ速やかに行う。
空試験は,混合溶剤100mlにアルカリブルー6B指示薬溶液13mlを加えて,測定に使用した0.05mol/l
水酸化カリウム標準エタノール溶液を用いて行う。
16.5 計算及び結果 全酸価は,次の式によって計算し,小数点以下3けたまで求め,JIS K 8401によっ
て小数点以下2けたに丸める。
N A B 561.
TVA
W
ここに, TVA : 全酸価 (mgKOH/g)
N : 0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶液の規定度
A : 滴定に要した0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール溶
液の量 (ml)
B : 空試験に要した0.05mol/l水酸化カリウム標準エタノール
溶液の量 (ml)
W : 試料の質量 (g)
16.6 精度 精度は,次による。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に回一試料を2回試験
したときの,試験結果の差の許容差を表8に示す。
表8 室内併行精度
全酸価 室内併行許容差
mgKOH/g mgKOH/g
0.00を超え0.05以下 0.01
0.05を超えるもの 0.02
b) 室間再現精度 異なる二つの試験室において,別人が別の試験器で同一試料を,それぞれ1同ずつ試
験したときの,2個の試験結果の差の許容差を表9に示す。
表9 室間再現精度
全酸価 室間再現許容差
mgKOH/g mgKOH/g
0.00を超え0.05以下 0.02
0.05を超え0.20以下 0.03
0.20を超えるもの 0.05
17. 腐食性硫黄試験
17.1 試験の原理 よく磨いた銅片を試料に浸し,規定条件下で規定時間,規定温度に保った後,これを
取り出し,洗浄して銅片の変色状態を表10の分類基準によって調べ,試料の腐食性,非腐食性を判断する。

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表10 分類基準
区分 変色状態
非腐食性 薄いオレンジ色,ピンク,紫がかった薄いピンク,だいだい色の上に濃いピ
ンク,紫がかった青などの多色模様,薄い金色がかった銀色,黄銅色の上に
赤茶色の模様,赤と緑を伴った多色模様。
腐食性 生地が見える程度の緑がかった青紫又は黒,黒鉛のような黒又は光沢のない
黒,光沢のある黒。
備考 変色状態については,JIS K 2513に規定する銅板腐食標準を用いて区分してもよ
い。
17.2 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) 加熱浴 加熱浴は,140±2℃に加熱調節できる油浴,空気浴又はこれに準じるもの。
b) 試料容器 試料容器は,内容積270280mlの硬質ガラス製共栓付き細口瓶。その形状については特
に規定しないが図15及び図16にその望ましい容器の例を示す。特に図16の容器を用いると,窒素置
換が容易にできる。また,試験容器への空気の侵入が防止できるので便利である。
なお,試験中容器内に空気が入ると試験結果に悪影響を及ぼすことがあるので,すり合わせ部は,
真空すり合わせにすることが必要である。
図15 試料容器 図16 試料容器

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c) 銅板 銅板は,JIS H 3100に規定するC1100Pで厚さ0.150.25mmのもの。硬度は,特に規定しない。
d) 研磨材及び脱脂綿 予備研磨には,JIS R 6251に規定する240番の研磨布,又はJIS R 6252に規定す
る240番の研磨紙,また,仕上研磨にはJIS R 6111に規定された炭化けい素質研削材(粗粒のC)の
うち,JIS R 6001に規定する粒度150番のもの。
脱脂綿は,日本薬局方のもの。
17.3 試薬 試薬は,次のとおりとする。
a) アセトン アセトンは,JIS K 8034に規定するもの。
b) ジエチルエーテル ジエチルエーテルは,JIS K 8103に規定するもの。
c) 窒素 窒素は,JIS K 1107に規定するもの。
17.4 試験の準備
17.4.1 試料容器の洗浄 試料容器は,まず溶剤で油分を除去し中性洗剤で洗浄した後,よく水洗いし,最
後に蒸留水又はイオン交換水ですすぎ洗いしてから乾燥する。
17.4.2 銅板の予備研磨 銅板は,粒度240番の研磨布又は研磨紙で磨きあげた後,直ちに仕上げ研磨に移
る。
備考1. きずなどある場合には,予備研磨に先立ち,適切な研磨紙か研磨布で銅板全表面のきずを取
り除く。
2. 比較的大きな銅板を磨き終わった後で,規定寸法の大きさに切断する方が銅板に指が触れる
こともなく,また,磨き操作もやりやすい。
17.4.3 銅板の仕上げ研磨 わずかにアセトンを浸した脱脂綿に粒度150番の炭化けい素質研削材を付け
て銅板の両面を長軸方向に沿って磨く。次いで脱脂綿を用い,脱脂綿に汚れが付かなくなるまで強く磨く。
磨き終わった後,銅板を6×25mmの大きさに切断し,これを試験用銅片とする。この銅片は,直接指で
触れることなくピンセットで約60゜のV字形に曲げた後,アセトン−蒸留水−アセトンージエチルエーテ
ルの順でよくすすぎ洗いし,乾燥器中で数分間乾燥してから,直ちに試験に供する。
17.5 操作 操作は,次の順序で行う。
1 試料250mlを17.4.1で準備した試料容器に入れ,仕上研磨した銅片を投入する。次に試料の底部
から内径5mmのガラス管(22)を通して窒素を毎分約2lの流量で2分間吹き込み,試料容器及び試
料中の空気を窒素で置換し,栓をするか又はコックを閉じる(23)。ただし,高粘度試料(例えば,
ポリブテン)の場合,窒素の吹き込み流量は約0.6l/minとする。
このとき銅片が容器の上部から見てV字形になるようにセットし,銅片の平面部が容器底部に
付かないようにする(24)。
注(22) 窒素の導入管は,硫黄を含まないものを用いる。
(23) 図16の容器を用いる場合は栓をし,図17の場合にはコックA,Bを閉じる。
(24) 銅片を正しい位置にセットするには,容器を回して油に回転を与えるとよい。
2 140℃に保った加熱浴に試料容器を入れる。油浴の場合には,試料の油面が油浴の油面の10mm下
になるように試料容器の位置を調節する。試料が加熱されるに従い試料容器内の圧力が上がるの
で,図15の場合ではあらかじめ栓を緩めておき,試料の温度が140℃に達したとき栓を堅く締め
るようにし,図16の場合には初めコックAを開けておき,コックAが付いている管の中の油面
の上下がほぼ安定したときコックAを最終的に閉じる。
3 140±2℃で19時間連続加熱した後,試料容器を加熱浴から取り出す。次に容器から銅片を取り出
し,これをアセトン又は適当な洗剤で洗浄して油分を取り除く。

――――― [JIS C 2101 pdf 28] ―――――

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なお,この操作のとき,銅片の表面状態を損なわないよう,取扱いには十分に注意する。
4 銅片の表面状態は,約45°の角度から自然光の反射光で観察する。
17.6 判定 表10の分類基準に従って,試料の腐食性又は非腐食性を判定する。ただし,銅片の表面に指
紋,異物若しくは汚点を認めた場合,又は銅片縁部の変色程度よりも著しい場合には,再試験を行わなけ
ればならない。
17.7 精度 規定しない。
参考 腐食性硫黄試験の意義 絶縁油は,一般に各種の金属と接触する状態で使用されるが,この場
合,条件によっては油中に存在するある種の硫黄化合物,又は酸素を含む酸性物質がこれらの
金属,特に銅と反応して,その表面を変色させることがある。
この試験は,特に硫黄化合物がよく磨いた銅板と敏感に反応する性質があることを利用して,
試料の銅に対する腐食変色の度合いを定性的に判断するために行われる。
18. 酸化安定性試験
18.1 試験の原理 銅触媒存在下で,一定圧(大気圧+0.8kPa)の酸素を導入し,規定温度 (120℃),規定
時間(75時間)のもとで試料を劣化させ,劣化後のスラッジ及び全酸価を測定する。
18.2 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) 恒温油浴 恒温油浴は,長時間の試験中にも,油浴内各部の温度が120±0.5℃に正確に保たれるもの。
このとき,かき混ぜは,試料容器に著しい振動を与えないようにして,十分に強く行う。
b) 酸素ガス 酸素ガスは,JIS K 1101に規定するもの又は水電解槽から得たもので,純度98%以上のも
の。
c) 酸素貯槽 酸素貯槽は,ボンベ又は水電解槽から直接試料容器に酸素導入ができない場合に用いる。
d) 酸素乾燥管 酸素乾燥管は,酸素を乾燥するため,ソーダライム及びシリカゲルの乾燥管(直径約
20mm,高さ150200mmのU字管)。
なお,シリカゲルは青ゲルを用い,変色を認めたときには取り換える。

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e) 試料容器 試料容器は,図17に示すものでほうけい酸ガラス製。
図17 試料容器(ほうけい酸ガラス製)
f) ガス圧調節器及び水銀マノメータ ガス圧調節器は,直径約30mm,深さ約200mmのガラス製容器に
絶縁油を入れ,内径3mmのガラスを挿入したもので,試料容器にガスを導入したとき18.6に規定す
るようにその深さを調節する。
水銀マノメータは,内径約3mmで図18に示すもの。
g) 全量フラスコ及びピペット 全量フラスコは500mlのもの,また,ピペットは25mlのもの。
h) はかり瓶 はかり瓶は,容量約70mlのすり合わせの完全なもの。
i) ろ紙及びメンブランフィルタ ろ紙は,JIS P 3801に規定する5種C。
メンブランフィルタは,細孔0.81.2 衫 用ナフサに侵されないもの。
j) ガラスフィルタ ガラスフィルタは,JIS R 3503に規定するガラスろ過器(ブフナー漏斗形)で細孔
約1
k) 吸引ろ過瓶 吸引ろ過瓶は,容量500ml以上のもの。
l) メンブランフィルタ保持具 メンブランフィルタ保持具は,両面を固定できるもの。
m) ミクロビュレット ミクロビュレットは,16.2 a)に規定するもの。
n) 温度計 温度計は,JIS B 7410に規定する温度計番号26のもの。
o) 試験装置 試験装置は,図18のように配置する。

――――― [JIS C 2101 pdf 30] ―――――

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JIS C 2101:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60296:1982(MOD)
  • IEC 60296:1982/AMENDMENT 1:1986(MOD)
  • IEC 60465:1988(MOD)
  • IEC 60836:1988(MOD)
  • IEC 60867:1993(MOD)
  • IEC 60963:1988(MOD)

JIS C 2101:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2101:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISB7510:1993
精密水準器
JISC1602:2015
熱電対
JISC2320:1999
電気絶縁油
JISC3101:1994
電気用硬銅線
JISH3100:2018
銅及び銅合金の板及び条
JISK0062:1992
化学製品の屈折率測定方法
JISK0068:2001
化学製品の水分測定方法
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0117:2017
赤外分光分析通則
JISK0124:2011
高速液体クロマトグラフィー通則
JISK1101:2017
酸素
JISK1107:2005
窒素
JISK2240:2013
液化石油ガス(LPガス)
JISK2249:1995
原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK2251:2003
原油及び石油製品―試料採取方法
JISK2265-3:2007
引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
JISK2265-4:2007
引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
JISK2269:1987
原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JISK2275:1996
原油及び石油製品―水分試験方法
JISK2283:2000
原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JISK2435-1:2006
ベンゼン・トルエン・キシレン―第1部:ベンゼン
JISK2435-2:2006
ベンゼン・トルエン・キシレン―第2部:トルエン
JISK2513:2000
石油製品―銅板腐食試験方法
JISK2580:2003
石油製品―色試験方法
JISK2605:1996
石油製品―臭素価試験方法―電気滴定法
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8105:2013
エチレングリコール(試薬)
JISK8322:2020
クロロホルム(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8594:2015
石油ベンジン(試薬)
JISK8621:2011
炭酸水素カリウム(試薬)
JISK8680:2006
トルエン(試薬)
JISK8777:2017
ピリジン(試薬)
JISK8810:2018
1-ブタノール(試薬)
JISK8839:2007
2-プロパノール(試薬)
JISK8848:2012
ヘキサン(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK9701:2013
ヘプタン(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3413:2012
ガラス糸
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR6001:1998
研削といし用研磨材の粒度
JISR6111:2005
人造研削材
JISR6111:2020
人造研削研磨材
JISR6251:2006
研磨布
JISR6252:2006
研磨紙
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態