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c) 高速液体クロマトグラフ分析条件 高速液体クロマトグラフの操作は,JIS K 0124の規定に基づき,
次の分析条件で測定する。
1) 検出器の種類及び波長 : 紫外線検出器で270nm付近の波長で測定する。
2) カラム充てん剤の粒度及び種類 : 粒度5 クタデシルシラン系充てん剤。
3) カラム用管の材質,内径及び長さ : ステンレス鋼製カラムの内径46mm,長さ150300mmを使
用する。
4) 溶離液の種類,流量,圧力 : 溶離液は,21.2.3 c)の組成で,流量1ml/minになるよう圧力を調整する
(30)。
5) 試料量及び試料導入方法 : 試料量は50100 柿 マイクロシリンジ又はループバルブなどで導入
する。
6) 記録紙送り速度 : 5mm/minを含む多段変速(通常5mm/min)。
注(30) カラム充てん剤によって,溶出時間が異なるので,BTAの溶出時間が10分程度になるように,
メタノール水の比率及び流量を調節する。
d) 成分の確認方法 高速液体クロマトグラムの一例を図22に示す。
e) 検量線 検量線は,a)で調製した測定試料濃度領域での3種類以上の標準試料をb)によって油中の
BTAを抽出する。抽出したBTAは,c)の分析条件で分析し各濃度とピーク面積を図示し,絶対検量線
を作成する。
図22 BTAの高速液体クロマトグラム
21.2.5 操作 試料10gを0.01gのけたまではかり,21.2.4 b)の抽出方法と同様の操作で,油中のBTAを抽
出し,21.2.4c)の分析条件によって分析する。同一試料から2個の試料をとり,各試料について測定する。
21.2.6 計算及び結果 試料中のBTA濃度は,次の式によって計算し,2回の測定値の平均値を小数点以
下1けたまで求め,JIS Z 8401によって整数値に丸める。
――――― [JIS C 2101 pdf 41] ―――――
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V1/W
B A
V2
B
S
C
ここに, V1 : 抽出したメタノール (ml)
W : 試料採取量 (g)
V2 : 高速液体クロマトグラフヘの注入量 (ml)
A : V2におけるBTAピーク面積
B : 試料1g当たりのBTAピーク面積
C : 検量線における1mg/kgのBTAピーク面積
S : 試料中のBTA濃度 (mg/kg)
21.2.7 精度 規定しない。
21.3 紫外吸光光度分析による場合
21.3.1 試験の概要 油中のBTAを炭酸水素カリウム水溶液によって抽出し,270nm付近の波長における
吸光度を測定し,あらかじめ作成した検量線を基に定量する。
21.3.2 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
a) 紫外分光光度計 JIS K 0115による。
b) 振とう機 150回/min以上振とう可能なもの。
c) 遠心分離器 タイマー付きで最高2 500回転/minまでの回転数を可変できるもの。
d) 試験管 遠心分離器用で15ml程度のもの。
e) 分液漏斗 100ml程度のもの。
f) 全量フラスコ 200mlと100ml程度のもの。
g) ピペット 5mlと10ml程度のもの。
h) ろ紙 ろ紙は,JIS P 3801に規定する5種C。
21.3.3 試薬 試薬は,次のとおりとする。
a) TA 純度99%以上のもの。
b) 0.5mol/l炭酸水素カリウム溶液 JIS K 8621に規定する炭酸水素カリウム約50gを1lの全量フラスコ
に入れ純水で溶解し,1lとする。
c) 0.001mol/l硝酸銀溶液 JIS K 8550に規定する硝酸銀0.034gを200l全量フラスコに入れ,純水で溶か
し,200mlとする。
21.3.4 試験の準備
a) 標準試料 21.2.4 a)による。
b) 抽出方法 試料25gとN/2炭酸水素カリウム水溶液25gを0.01gのけたまではかり,分液漏斗に入れ
る。振とう機を用い,分液漏斗を10分間振とう(150回/min以上)する。
分液漏斗内の混合液から明らかに2層に分かれるまで(3060分)静置する。下層の炭酸水素カリ
ウム溶液に油中のBTAが抽出される。
c) 紫外分光光度計分析条件 紫外分光光度計の操作は,JIS K 0115の規定に基づき,次の分析条件で測
定する。
1) 測定波長 : 270nm付近の波長
2) 吸収セルの種類 : 石英の角形セル長さ10mm
3) 対象液の種類 : 0.5mol/l炭酸水素カリウム溶液
――――― [JIS C 2101 pdf 42] ―――――
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4) 測定試料調製後,測定までの時間 : 30分以内
d) 成分の確認方法 紫外分光光度計による吸収曲線の一例を,図23に示す。
図23 BTAの吸収曲線の例
e) 検量線
1) 基油がない場合
1.1) 21.2.4 a)で調製した濃度の異なる3種類以上の標準試料を21.3.4 b)によって油中のBTAを抽出し,
抽出液をろ紙ろ過又は遠心分離(31)した後,抽出液をピペットなどで油分が含まれないように試験
管底部から抜き取り,吸光度を0.01のけたまで測定する。
1.2) 1.1)のBTA抽出液10mlをビーカなどの容器にとり,0.001mol/l硝酸銀溶液5mlを加え振り混ぜた
後,容器にふたをして暗所に約1時間静置し,ろ紙ろ過又は遠心分離(32)した後,吸光度を0.01の
けたまで測定する。
1.3) 1.1)の吸光度から1.2)の吸光度を差し引いた補正吸光度と濃度との関係を図示し,検量線とする。
注(31) 遠心分離(条件の一例,1500rpm : 10分間)
(32) 沈殿(BTAの銀塩)が細かいので,注(31)より回転数を大きくする(条件の一例,2500rpm15分
間)
2) 基油がある場合 1)の1.1)の吸光度と濃度との関係を図示し,検量線とする。
21.3.5 操作 操作は,次の順序で行う。
a) 試料25gを0.01gまではかり,21.3.4 b)の抽出方法と同様の操作で,油中のBTAを抽出し,抽出液を
ろ紙ろ過又は遠心分離した後,吸光度を0.01のけたまで測定する(この吸光度をEaとする。)。基油
がある場合はEaを用いて計算する。
b) TA抽出液10mlをビーカなどの容器にとり,0.001mol/l硝酸銀溶液5mlを加え振り混ぜた後,容器に
ふたをして暗所に約1時間静置する。ろ紙ろ過又は遠心分離した後,吸光度を0.01のけたまで測定す
る(この吸光度をEbとする。)。
c) 同一試料から2個の試料をとり,各試料について測定する。
――――― [JIS C 2101 pdf 43] ―――――
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21.3.6 計算及び結果 試料中のBTA濃度は,次の式によって計算し,2回の測定値の平均値を小数点以
下1けたまで求め,JIS Z 8401によって整数値に丸める。
a) 基油がない場合
15) 2
Ed= (Ea−Eb×10
W1
b) 基油がある場合
W2
Ed=Ea
W1
22. 絶縁破壊電圧試験
22.1 試験の原理 電極間ギャップを2.5mmに調整した直径12.5mmの相対する球電極を使い毎秒約3kV
の割合で電圧を上昇させ,試料油の商用周波数における絶縁破壊電圧を測定する。
22.2 装置 装置は,変圧器,回路遮断器,抵抗器,電圧調整装置,電極,容器及び電圧計からなり,試
験回路の一例を図24に示す。
図24 絶縁破壊電圧試験回路の一例
a) 変圧器 変圧器は,電圧調整装置と組み合わせて試料に予期破壊電圧の21以上の電圧を印加し場合に,
波高率(波高値と実効値との比)が,1.341.48の範囲に収まるもの。
波高値の測定は,球ギャップ,波高電圧計及び実効電圧計を用いるか,又はオシロスコープによる。
ただし,波高率が,簡単に求められない場合は,2次電圧50kV以上,容量5kV以上の変圧器。
波高率が上記範囲内にあれば,2次電圧50kV以上,容量1kVA以上の変圧器。
備考 2次電圧100kV以上の変圧器が望ましい。
b) 回路遮断器 回路遮断器は,試料の絶縁破壊によって流れる電流から試料,変圧器及び電極を保護す
るため,破壊によって自動的に速やかに(10ms以内に)動作するもの。また,電極間に可聴又は可視
スパークが発生したとき,手動でも動作させることができるもの。
c) 抵抗器 抵抗器は,試料の絶縁破壊時の電流又は電圧サージから変圧器及び電極を保護し,また絶縁
油の過度の分解を防ぐため,15kVを超える全電圧に対し,短絡電流が1025mAの範囲になるように
しなければならない。これは,変圧器の一次側と二次側の一方又は両方に挿入した抵抗器の組合せに
よって実現できる。
d) 電圧調整装置 電圧調整装置は,変圧器と組み合わせたとき,変圧器高圧側で毎秒3kVの一定電圧上
昇速度が得られるもの。可変比単巻変圧器,誘導電圧調整器,電子制御電圧調整器など。
e) 電極及び容器 電極は,直径12.513.0mmの相対する球電極で,その材質は,黄銅,青銅,ステン
レス鋼,ニッケル又はニッケルめっきを施した金属とし,電極の対向する球面は,滑らかに磨いたき
ずがないもの。容器は,絶縁油及び洗浄液に侵されない絶縁材料,例えば,ガラス,四ふっ化エチレ
――――― [JIS C 2101 pdf 44] ―――――
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ン樹脂などで作られたもので,電極は,試料を満たしたとき,電極の上端が油面より20mm下になる
よう水平に取り付ける。
電極間のギャップは,2.5±0.05mmに調整固定でき,また,容器のどの部分も試験位置に固定され
た電極の球の部分から12mm以上離れているような構造のもの。一例を図25に示す。電極はピット
その他の損傷がないか,しばしば検査し,損傷が見つかり次第補修又は取り替える。容器はカバーを
備え,清掃と保守のために電極の取外しが容易であるもの。
図25 絶縁破壊用電極の例
22.3 電圧測定方法 電圧の測定は,次の方法によって行い,測定誤差は,5%を超えてはならない。
a) 試験電圧の波形がほぼ完全な正弦波であると認められる場合は,次のいずれかによる。
1) 計器用変圧器の低圧側に電圧計を接続する方法
2) 高圧側に静電電圧計を用いる方法
3) 試験用変圧器の三次巻線を用いる方法。
4) 低圧側の電圧から換算する方法(33)
5) コンデンサ形計器用変圧器を用いる方法
注(33) 低圧側電圧を高圧側電圧に換算する方法では,試験片に流れる充電電流のため,高圧巻線の漏
れインダクタンスによって高圧側の端子電圧が誘起電圧以上に上昇することが多いので,この
方法を用いるには,試験片の静電容量と変圧比との関係をあらかじめ確認しておかなければな
らない。また,三次巻線を用いる場合にも高圧側電圧と三次電圧とに関して,上記と同様のこ
――――― [JIS C 2101 pdf 45] ―――――
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- IEC 60296:1982(MOD)
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- IEC 60836:1988(MOD)
- IEC 60867:1993(MOD)
- IEC 60963:1988(MOD)
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