JIS K 0108:2010 排ガス中の硫化水素分析方法 | ページ 2

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K 0108 : 2010
表1−分析方法の種類及び概要a)
分析方法 分析方法の概要
要旨 試料採取 定量範囲b) 試料ガスの採取
ガスクロマト 排ガスをガスクロ シリンジ法,ガス 各検出器に試料100(試料ガス採取器)
グラフ法 マトグラフに導入 採取袋法,ガス捕 L導入の場合,次に 試料採取後,直ちに分析する場
(箇条8参照) 集瓶法又はガス捕
し,充てんカラム又 よる。 合 : 容量15 mLの硬質ガラス
はキャピラリーカ 集缶法による。 熱伝導度検出器 : 製気体採取用シリンジ,又は装
ラムによって分離 試料ガス採取量 : 200 vol ppm20 置に附属した気体試料導入装
1 mL1 L程度
した後,検出器によ vol % 置などを用いる。
って得られたクロ 炎光光度検出器 : 試料採取後分析室に運搬して
マトグラムから,硫 0.250 vol ppm 分析する場合 : 容量1 L以上の
化水素を定量する。 原子発光検出器 : ガス採取袋又は容量1 L以上の
0.0550 vol ppm ガス捕集瓶などを用いる。
メチレンブル 排ガスを吸収液に 吸収瓶法による。 1.76.9 vol ppm (試料ガスの吸収瓶)
ー吸光光度法 吸収液 : 6.3.2.3 a)
吸収させた後,N,N- (体積濃度) 試料ガス採取量が1 L以上の場
(箇条9参照) ジメチル-p-フェニによる。 合 : 図4の吸収瓶2個を用いる。
レンジアンモニウ 試料ガス採取量 : 試料ガス採取量が1 L未満の場
120 L
ム及び鉄(III)によ 合 : 図6の吸収瓶1個を用いる。
って生成したメチ
レンブルーの吸光
度を測定し,硫化水
素を定量する。
イオン電極法 排ガスを吸収液に 吸収瓶法による。0.011 000 vol ppm (試料ガス採取器)
(箇条10参照) 吸収させた後,イオ吸収液 : 6.3.2.3 b) 試料ガス採取量が1 L以上の場
ン電極を用いて電 による。 合 : 図4の吸収瓶2個を用いる。
位差を測定し,硫化試料ガス採取量 : 試料ガス採取量が1 L未満の場
水素を定量する。 120 L 合 : 図6の吸収瓶1個を用いる。
注a) この表の分析方法のほかに,硝酸銀電位差滴定法(附属書A),二酸化硫黄変換紫外線蛍光法(附属書B)及
び検知管法(附属書C)がある。
b) 硫化水素のおおよその濃度を知るために,検知管式硫化水素測定器(測長形)又は検知硫化水素濃度計を用
いてもよい。

6 試料ガスの採取方法

6.1 試料ガスの採取位置

  試料ガスの採取位置は,次による。
a) 代表的なガスを採取できる点として,空気の漏れ込み及びダストのたい積が少なく,また流路の屈曲
部分,断面形状の急激に変化する部分などを避けて,排ガスの流れが比較的均一に整流となる位置を
選定する。
b) 試料ガスの採取作業を安全,かつ,容易に実施できる場所を選定し,必要に応じて採取位置の周辺に
適切な広さと高さの足場を設ける。
c) 採取位置には,排ガスの流れ方向に対してほぼ直角にガス採取管を挿入できる採取口を設ける。
d) 採取口は,ガス採取管を挿入して固定できる強度をもち,120 ℃程度の耐熱性をもつ材質,構造のも
のとする。
e) 採取口にはふたを設け,ガス採取管を挿入していないときの排ガスの噴出(正圧の場合)及び空気の
漏れ込み(負圧の場合)を避ける。また,採取口のふたを開く際には,やけど(火傷)及び排ガスの
噴出による危険性に十分配慮する。

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6.2 試料ガス採取装置及び器具

  試料ガス採取装置及び器具は,次の機能及び条件を備えたものとする。
a) 試料ガス採取管及び器具間を接続する配管は,排ガス中の硫化水素によって腐食されない材質のもの
で,例えば,ほうけい酸ガラス管,石英ガラス管,ふっ素樹脂製管,ステンレス鋼製管などを用いる。
b) 試料ガス中にダストが混入することを防ぐため,試料ガス採取管の先端又は適切な箇所に,ろ過材(例
えば,石英ガラスウール,焼結ガラスフィルターなど)を入れる。
c) 試料ガス中の水分の凝縮を防ぐため,試料ガス採取管からの配管はできるだけ短くし,配管部分を
120 ℃に加熱する。ただし,水分が凝縮する懸念がない場合には,加熱を省略してもよい。
d) 洗浄瓶は,図1に示すもの(E)を用いる。
e) 試料ガス採取装置及び器具は,直射日光を避けて設置する。

6.3 試料ガス採取装置の構成及び採取操作

  試料ガス採取装置の構成及び採取操作は,分析方法によって,次のとおりとする。
6.3.1 ガスクロマトグラフ法の場合
6.3.1.1 試料ガス採取装置及び器具
ガスクロマトグラフ法の場合の試料ガス採取装置の例を,図1に示す。
A : 試料ガス採取管
B : ろ過材
C : 三方コック
D : 導管
E : 洗浄瓶[水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)
50 mLを入れる。]
F : 吸引ポンプ(ガス流路の置換用)
G : ヒーター
図1−試料ガス採取装置の例
6.3.1.2 洗浄液の試薬
試料ガス採取装置の洗浄液に用いる試薬は,次による。
a) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。
b) りん酸 JIS K 9005に規定するもの。
6.3.1.3 洗浄液の調製方法
洗浄液の調製方法は,次による。
a) 洗浄瓶(E)に入れる洗浄液の水酸化ナトリウム溶液は,水酸化ナトリウム200 gを水に溶かした後,
水を加えて全量を1 Lとする。
b) ガス捕集容器用のりん酸の洗浄液は,りん酸5.5 gに,水を加えて全量を1 Lとする。
6.3.1.4 試料ガスの捕集容器
ガスクロマトグラフ法の場合,図1の試料ガスの捕集容器の例として,次のものがある。

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a) 試料ガスを試料採取後直ちにガスクロマトグラフに注入する場合
1) 気体採取用シリンジ 容量15 mLで,内面が吸着しにくいガラス製で,6.3.1.3 b) で調製したり
ん酸を用いてあらかじめ洗浄処理を行った後,水洗,乾燥したもの。
b) 分析室に運搬した試料ガス(試験室試料)をガスクロマトグラフに注入する場合
1) ガス採取袋 容量1 L以上で,ガス成分を吸着又は吸収しにくいポリエステル樹脂製,ふっ素樹脂
製などのガス採取用袋のもの。この方法は,試料ガスを長時間保存しなければならない場合には適
さない。
2) ガス捕集瓶 JIS K 0095の図4のb 2)(真空捕集瓶)に例示する容量1 L程度のガラス製の瓶で,
6.3.1.3 b) で調製したりん酸を用いてあらかじめ洗浄処理を行った後,水洗,乾燥したもの。
3) ガス捕集缶 内面を電解研磨し,シリカコーティングなどによって不活性化処理を施した容量1 L
以上のステンレス鋼製缶で,ガス流路内面を不活性化処理した開閉バルブを備えたもの。
6.3.1.5 試料ガスの採取操作
ガスクロマトグラフ法の場合の試料ガスの採取操作は,次による。
なお,事前に吸引ポンプ(F)を作動させて,試料ガス採取管(A),ろ過材(B)などのガス流路を試料
ガスで十分に置換しておく。
a) 気体採取用シリンジの場合 図1の試料ガス採取装置の導管(D)に気体採取用シリンジを接続する。
三方コック(C)を開き,シリンジのポンピングを繰り返して流路内のガスを十分に置換した後,試
料ガスを吸引する。試料ガスを採取後,三方コック(C)を閉じ,気体採取用シリンジを取り外して,
これを分析用試料ガスとする。
b) ガス採取袋の場合 ガス採取袋を用いる試料ガス採取装置の例を,図2に示す。図2に示すアクリル
樹脂製気密容器(I)に入れたガス採取袋(H)を,図1の試料ガス採取装置の導管(D)に接続し,
三方コック(C)を開く。次に図2の吸引ポンプ(L)を作動させた後,閉止コック(J)及び(K)を
開いて試料ガスを吸引する。試料ガスを採取後,閉止コック(J)及び前出の三方コック(C)を閉じ,
吸引ポンプ(L)を止め,ガス採取袋(H)をアクリル樹脂製気密容器(I)から取り出し,ガス採取
袋に密栓をして,これを分析用試料ガスとする
A : 試料ガス採取管
D : 導管
H : ガス採取袋
I : アクリル樹脂製気密容器
J,K : 閉止コック
L : 吸引ポンプ
M : スクリューコック
図2−ガス採取袋を用いる試料ガス採取装置の例
c) ガス捕集瓶の場合
1) 真空にする方法 図1の試料ガス採取装置の導管(D)にガス捕集容器としてJIS K 0095の7.4.2(真

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空捕集瓶及び洗浄瓶の準備)及び7.4.5(試料ガスの採取)のa) に従って真空にしたガス捕集瓶を
接続する。三方コック(C)及びガス捕集瓶の閉止コックを開き,試料ガスを吸引する。試料ガス
を採取後,三方コック(C)及びガス捕集瓶の閉止コックを閉じてからガス捕集瓶を取り外して,
これを分析用試料ガスとする。
2) 試料ガスで置換する方法 図1の試料ガス採取装置の三方コック(C)と洗浄瓶(E)との間にガス
捕集瓶を接続する。三方コック(C)及びガス捕集瓶の閉止コックを開き,吸引ポンプ(F)を作動
させて,試料ガスをガス捕集瓶に吸収する。その際,ガス採取管,配管,及びガス捕集瓶の容量の
10倍以上の試料ガスを通過させる。瓶を試料ガスで置換した後,ガス捕集瓶の閉止コック及び三方
コック(C)を閉じ,吸引ポンプ(F)を止めた後,ガス捕集瓶を取り外して,これを分析用試料ガ
スとする。
d) ガス捕集缶の場合 図1の試料ガス採取装置の導管(D)に,あらかじめポンプを用いて真空にした
ガス捕集缶を接続する。三方コック(C)及びガス捕集缶の開閉バルブを開き,試料ガスを吸引する。
試料ガスを吸引後,三方コック(C)及びガス捕集缶の閉止コックを閉じてからガス捕集缶を取り外
して,これを分析用試料ガスとする。
6.3.2 メチレンブルー吸光光度法及びイオン電極法の場合
6.3.2.1 試料ガス採取装置及び器具
メチレンブルー吸光光度法及びイオン電極法の場合の試料ガス採取装置及び吸収瓶は,試料ガスの採取
量によって,次のものを用いる。
a) 採取量が1 L以上の場合 試料ガス採取装置の例を図3に,用いる吸収瓶の例を図4に示す。
A : 試料ガス採取管 M : 吸収瓶
B : ろ過材 N : トラップ(ガラスウール充てん)
C : 三方コック S : 湿式ガスメーター
D : 導管 T : 温度計
E : 洗浄瓶(洗浄液50 mL入り) P : 圧力計
F : 吸引ポンプ(15 L/min) V : 流量調節バルブ(コック)
G : ヒーター
図3−試料ガス採取装置の例 図4−吸収瓶の例

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b) 採取量が1 L未満の場合 試料ガス採取装置の例を図5に,用いる吸収瓶の例を図6に示す。
A : 試料ガス採取管 G : ヒーター
B : ろ過材 L : 吸収瓶
C : 三方コック P : 注射筒(100 mL)
E : 洗浄瓶(洗浄液50 mL入り) Q : 吸引瓶(1 L)
F : 吸引ポンプ
注記 吸引瓶を用いる場合は,LとQを接続する。
図5−試料ガス採取装置の例 図6−吸収瓶の例
6.3.2.2 吸収液及び洗浄液の試薬
メチレンブルー吸光光度法及びイオン電極法の場合,図3の(M)又は図5の(L)の吸収瓶に入れる吸
収液及び洗浄瓶(E)に入れる洗浄液に用いる試薬は,次による。
a) 硫酸亜鉛七水和物 JIS K 8953に規定するもの。
b) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。
c) 硫酸アンモニウム JIS K 8960に規定するもの。
d) グリセリン JIS K 8295に規定するもの。
e) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物 JIS K 8107に規定するもの。
f) L(+)−アスコルビン酸 JIS K 9502に規定するもの。
6.3.2.3 吸収液及び洗浄液の調製方法
メチレンブルー吸光光度法及びイオン電極法の場合,吸収液及び洗浄液の調製方法は,次による。
a) メチレンブルー吸光光度法の吸収液 硫酸亜鉛七水和物5 gを水約500 mLに溶かし,水酸化ナトリウ
ム6 gを水約300 mLに溶かした溶液を加える。さらに,硫酸アンモニウム70 gをかき混ぜながら加
え,水酸化亜鉛の沈殿が溶けた後,水を加えて全量を1 Lとする。
b) イオン電極法の吸収液 水酸化ナトリウム4 g,グリセリン200 mL,エチレンジアミン四酢酸二水素
二ナトリウム二水和物4 g,及びL(+)−アスコルビン酸10 gを水に溶かした後,水を加えて全量
を1 Lとする。
c) 試料ガス採取装置の洗浄液 メチレンブルー吸光光度法及びイオン電極法のガス洗浄液の調製方法は,
6.3.1.3 a) による。

――――― [JIS K 0108 pdf 10] ―――――

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JIS K 0108:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0108:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0095:1999
排ガス試料採取方法
JISK0114:2012
ガスクロマトグラフィー通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0122:1997
イオン電極測定方法通則
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISK0212:2016
分析化学用語(光学部門)
JISK0213:2014
分析化学用語(電気化学部門)
JISK0214:2013
分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JISK0215:2016
分析化学用語(分析機器部門)
JISK0512:1995
水素
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK1101:2017
酸素
JISK1105:2017
アルゴン
JISK1107:2005
窒素
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8107:2017
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8142:2018
塩化鉄(III)六水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8193:2020
N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩(試薬)
JISK8295:2020
グリセリン(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8637:2006
チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JISK8659:2014
でんぷん(溶性)(試薬)
JISK8913:2006
よう化カリウム(試薬)
JISK8920:2008
よう素(試薬)
JISK8949:2019
硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8953:2008
硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JISK8960:2008
硫酸アンモニウム(試薬)
JISK9005:2006
りん酸(試薬)
JISK9502:2020
L(+)-アスコルビン酸(試薬)
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8808:2013
排ガス中のダスト濃度の測定方法