JIS C 4620:2018 キュービクル式高圧受電設備 | ページ 2

                                                                                              3
C 4620 : 2018
3.2
受電箱
電力需給用計器用変成器,主遮断装置など,主として受電用機器一式を収納したもの。
3.3
配電箱
変圧器,高圧配電盤,高圧進相コンデンサ,直列リアクトル,低圧配電盤などを収納したもの。
3.4
前後面保守形
機器の操作,保守・点検,交換などの作業を行うための外箱の外面開閉部を,キュービクルの前面及び
後面の両面に設けた構造のもの。
3.5
前面保守形(薄形)
機器の操作,保守・点検,交換などの作業を行うための外箱の外面開閉部を,キュービクルの前面に設
けた構造で奥行寸法が1 000 mm以下のもの。
3.6
主遮断装置
キュービクルの受電用遮断装置として用いるもので,電路に過負荷電流,短絡電流などが生じたとき,
自動的に電路を遮断する能力をもつもの。
3.7
CB形
主遮断装置として遮断器(CB)を用いる形式のもの。
3.8
PF・S形
主遮断装置として高圧限流ヒューズ(PF)(以下,限流ヒューズという。)と高圧交流負荷開閉器(LBS)
とを組み合わせて用いる形式のもの。
3.9
受電設備容量
受電電圧で使用する変圧器,高圧引出し部分(電動機を含む)などの合計容量(kVA)。
なお,高圧電動機は,定格出力(kW)をもって機器容量(kVA)とし,高圧進相コンデンサは,受電設
備容量には含めない。
3.10
引出し形遮断器など
外箱と機械的に連結したまま,主回路が充電状態で運転位置から断路距離が得られる断路位置,また,
その断路位置から運転位置まで移動できるような機器。
3.11
進相コンデンサの設備容量
直列リアクトルと進相コンデンサとを組み合わせて,定格電圧で使用した場合の無効電力(kvar)。
3.12
主回路
電気エネルギーを負荷設備に伝送するための導体部分。

――――― [JIS C 4620 pdf 6] ―――――

4
C 4620 : 2018
3.13
補助回路
制御,測定,信号,調節,盤内照明などを行う回路(主回路以外)に含まれる導体部分。
3.14
接地回路
外箱,機器などの保護接地用回路で,接地線,接地母線,接地端子などの導電部分。
3.15
接地母線
キュービクル内の共通的な接地のために設けた導体。

4 使用状態

4.1 標準使用状態

  標準使用状態とは,次の使用状態をいい,キュービクルは特に指定されない限り,この状態で使用され
るものとする。
a) 屋内用については,周囲温度が−5+40 ℃の範囲。ただし,24時間の平均値は,+35 ℃を超えな
い。
b) 屋外用については,周囲温度が−20+40 ℃の範囲。ただし,24時間の平均値は,+35 ℃を超えな
い。
c) 標高は1 000 m以下。

4.2 特殊使用状態

  特殊使用状態とは,次のいずれかに該当する場合をいう。この状態で使用する場合は,製造業者はあら
かじめ使用者から指定された要求事項によって対応する。
a) 4.1に定める状態以外の場所で使用する場合
b) 潮風を著しく受ける場所で使用する場合
c) 氷雪が特に多い場所で使用する場合
d) 常時湿潤な場所で使用する場合
e) 過度の水蒸気又は過度の油蒸気のある場所で使用する場合
f) 腐食性のあるガスなどがある場所及び同ガスが襲来するおそれがある場所で使用する場合
g) 過度のじんあいのある場所で使用する場合
h) 異常な振動又は衝撃を受ける場所で使用する場合
i) その他,特殊な条件の下で使用する場合

5 種類

  キュービクルの種類は,表1による。

――――― [JIS C 4620 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
C 4620 : 2018
表1−キュービクルの種類
単位 kVA
主遮断装置の形式 屋内外用の別 保守形態による形状 受電設備容量
CB形 屋内用 前後面保守形 4000以下
前面保守形
(薄形)
屋外用 前後面保守形
前面保守形
(薄形)
PF・S形 屋内用 前後面保守形 300以下
前面保守形
(薄形)
屋外用 前後面保守形
前面保守形
(薄形)

6 性能

6.1 動作協調

  主遮断装置は,電気事業者の配電用変電所の過電流保護装置と地絡保護装置との動作協調が十分に保た
れ,電源側への波及事故を防止できるものでなければならない。

6.2 遮断性能

  主遮断装置は,キュービクルが設置される場所の短絡電流(以下,受電点短絡電流という。)以上の遮断
電流値をもち,地絡保護ができるものでなければならない。ただし,地絡保護をキュービクル引込用ケー
ブルの電源側に設けた高圧交流負荷開閉器によって行う場合,地絡継電装置は必要ない。

6.3 動作

  動作は,10.3.2によって試験を行ったとき,各部が支障なく動作するものでなければならない。

6.4 温度上昇

a) 温度上昇は,10.3.5によって試験を行ったとき,各部の温度上昇値は,表2に規定する値以下でなけ
ればならない。この場合の温度上昇限度は,キュービクル外部の周囲温度の限度40 ℃を基準とする。
b) 表6及び表2以外の温度上昇は,その機器及び材料の適用規格の規定値以下でなければならない。

――――― [JIS C 4620 pdf 8] ―――――

6
C 4620 : 2018
表2−温度上昇限度
場所・材料 温度上昇限度 最高許容温度
K ℃
母線・母線分岐導体及び分岐導体 65 105
ねじ締めなどに 裸銅 50 90
よる接続部 すずめっき 65 105
銀めっき又は 75 115
ニッケルめっき
接触部 裸銅 35 75
すずめっき 50 90
銀めっき又は 65 105
ニッケルめっき
ねじなどによっ 裸銅 50 90
て外部導体に接 銀めっき,ニッ 65 105
続する端子 ケルめっき又は
すずめっき

6.5 耐電圧

  耐電圧値は表3のとおりとし,10.3.3によって試験を行ったとき,地絡,フラッシオーバなどを生じず,
いずれの部分にも異常があってはならない。
表3−耐電圧値
電圧印加箇所 商用周波耐電圧値 雷インパルス耐電圧値
高圧回路各相間(変圧器,避雷器,計器用変圧器 22 kV 60 kV
及び高圧進相コンデンサを除く。)
高圧回路と低圧回路との間及び高圧回路と大地と
の間(避雷器及び接地形計器用変成器を除く。)
低圧回路と 60 V以下の回路 1000 V −
大地との間 60 Vを超え 250 V以下の回路 1500 V
250 Vを超え 600 V以下の回路 2000 V

6.6 防水性能

  防水性能は,屋外用のものに適用するものとし,10.3.4によって試験を行ったとき,次による。
a) キュービクル全体については,キュービクルの内部に正常な機能を阻害する浸水がない。
b) 受電箱の部分については,断路器,遮断器,高圧交流負荷開閉器,避雷器,計器用変成器などに水滴
が認められない。

7 構造及び機器

7.1 構造一般

  キュービクルは,良質の機器・材料を用い,現場取付け,電線の接続,開閉装置の操作,機器類の保守・
点検などが安全かつ容易にできる構造であるとともに,次による。
a) 受電箱と配電箱とに区分する。ただし,PF・S形の場合は,区分しない構造であってもよい。
b) 扉を開いた状態で,高圧充電露出部がある場合には,日常操作において容易に触れないよう防護する。
ただし,その露出部に絶縁性保護カバーを取り付けた場合は,この限りではない。
c) F・S形の主遮断装置に用いる高圧交流負荷開閉器で高圧充電露出部がある場合には,前面に透明な

――――― [JIS C 4620 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
C 4620 : 2018
保護板を設け,赤字で危険表示をする。また,その相間及び側面に絶縁バリヤを設ける。保護板は,
難燃性又はこれと同等以上の防火性能をもつものとする。
d) 遮断器(引出し形遮断器は除く。),変圧器,高圧進相コンデンサ及び直列リアクトルの高圧端子には,
絶縁性保護カバーを取り付ける。
e) 変圧器などで,タップチェンジ,油交換などの作業を必要とする機器類の上部,下部,側面,低圧配
電盤などの裏面には,保守点検に必要な空間を設ける。
f) 高圧進相コンデンサ及び直列リアクトルを受電箱に収納する場合には,これらの機器を受電箱の下部
に取り付け,上部及び周囲に保守点検に必要な空間を設ける。
g) 外箱正面の内部で作業のしやすい位置に,高圧回路に用いる変流器,計器用変圧器,零相変流器など
の試験用端子を設ける。ただし,専用の電気室に設置する屋内用の場合には,試験用端子は外箱の扉
に設けてもよい。
h) 正面内部の作業のしやすい位置に保守点検用のコンセントを設ける。
i) PF・S形の主遮断装置の電源側は,短絡接地器具などで容易,かつ,確実に接地できるものとする。
j) 断路器,高圧交流負荷開閉器などの操作に必要なフック棒を受電箱内に備え,かつ,扉表面には,フ
ック棒を備えていることの表示をする。ただし,受電箱においてフック棒を使用しない場合,又は受
電箱に収納が困難な場合は,配電箱に備えてもよい。
k) 照明灯は,取替えが容易な場所に設ける。ただし,照明灯が不要と判断できる場合は,この限りでは
ない。
l) 過負荷故障などの異常を警報する表示灯,ブザーなどを設ける。ただし,他の方法によって代替えで
きる場合は,この限りではない。

7.2 外箱など

  外箱などは,次による。
a) 外箱は,本体(ベースを含む。),屋根,扉,囲い板及び底板で構成し,材料は次による。ただし,換
気口については,JIS G 3555又はJIS G 3556に規定する金網,エキスパンドメタルとしてもよい。
1) 本体,屋根,扉及び囲い板は,JIS G 3131又はJIS G 3141に規定する鋼板を用い,鋼板の厚さは,
屋内用は標準厚さ1.6 mm以上,屋外用は標準厚さ2.3 mm以上又はこれらと同等以上の機械的強度
をもつものとする。
2) 底板は,JIS G 3131又はJIS G 3141に規定する鋼板を用い,鋼板の厚さは,標準厚さ1.6 mm以上
又はこれらと同等以上の機械的強度をもつものとする。
3) ガラス窓を設ける場合は,JIS R 3204に規定する厚さの呼びによる種類が6.8 mm以上の金属製の網
入板ガラス又はこれと同等以上の機械的強度及び防火性能のものを用いる。
b) 外箱は,さび止め処理を行い,耐久性に優れた塗料で塗装する。ただし,溶融亜鉛めっきを施した場
合は,この限りではない。
c) 屋外用の屋根の傾斜は,1/30以上とする。
d) 外箱の前面は開閉扉とし,前後面保守形の外箱の側面又は裏面には,機器の点検及び出し入れができ
るような扉又は取外し可能な囲い板を設ける。ただし,側面又は裏面で機器の点検及び出し入れを行
わない面は,この限りではない。
e) 扉は,施錠ができ,かつ,開いた状態で固定できるものとする。
なお,屋外用扉の施錠装置は,施錠した状態において強風などによって扉が開くことがないよう十
分な強度及び耐久性をもつものとする。

――――― [JIS C 4620 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 4620:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4620:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0446:1999
色又は数字による電線の識別
JISC1102-1:2007
直動式指示電気計器―第1部:定義及び共通する要求事項
JISC1102-2:1997
直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
JISC1102-3:1997
直動式指示電気計器 第3部:電力計及び無効電力計に対する要求事項
JISC1102-4:1997
直動式指示電気計器 第4部:周波数計に対する要求事項
JISC1102-5:1997
直動式指示電気計器 第5部:位相計,力率計及び同期検定器に対する要求事項
JISC1102-6:1997
直動式指示電気計器 第6部:オーム計(インピーダンス計)及びコンダクタンス計に対する要求事項
JISC1102-7:1997
直動式指示電気計器 第7部:多機能計器に対する要求事項
JISC1102-8:1997
直動式指示電気計器 第8部:附属品に対する要求事項
JISC1102-9:1997
直動式指示電気計器 第9部:試験方法
JISC1731-1:1998
計器用変成器―(標準用及び一般計測用) 第1部:変流器
JISC1731-2:1998
計器用変成器―(標準用及び一般計測用) 第2部:計器用変圧器
JISC2320:1999
電気絶縁油
JISC3307:2000
600Vビニル絶縁電線(IV)
JISC3315:2000
口出用ゴム絶縁電線
JISC3316:2000
電気機器用ビニル絶縁電線
JISC3317:2000
600V二種ビニル絶縁電線(HIV)
JISC3611:1991
高圧機器内配線用電線
JISC3611:2020
高圧機器内配線用電線
JISC3612:2002
600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線
JISC3801-1:1999
がいし試験方法―第1部:架空線路用がいし
JISC3814:1999
屋内ポストがいし
JISC3851:2012
屋内用樹脂製ポストがいし
JISC4304:2013
配電用6kV油入変圧器
JISC4306:2013
配電用6kVモールド変圧器
JISC4510:1991
断路器操作用フック棒
JISC4601:1993
高圧受電用地絡継電装置
JISC4602:2017
高圧受電用過電流継電器
JISC4603:2019
高圧交流遮断器
JISC4604:2017
高圧限流ヒューズ
JISC4605:2020
1kVを超え52kV以下用交流負荷開閉器
JISC4606:2011
屋内用高圧断路器
JISC4607:1999
引外し形高圧交流負荷開閉器
JISC4608:2015
6.6kVキュービクル用高圧避雷器
JISC4609:1990
高圧受電用地絡方向継電装置
JISC4611:1999
限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器
JISC4901:2013
低圧進相コンデンサ(屋内用)
JISC4902-1:2010
高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに附属機器―第1部:コンデンサ
JISC4902-2:2010
高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに附属機器―第2部:直列リアクトル
JISC4902-3:2010
高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに附属機器―第3部:放電コイル
JISC8201-2-1:2011
低圧開閉装置及び制御装置―第2-1部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断器)
JISC8201-2-2:2011
低圧開閉装置及び制御装置―第2-2部:漏電遮断器
JISC8201-4-1:2020
低圧開閉装置及び制御装置―第4-1部:接触器及びモータスタータ:電気機械式接触器及びモータスタータ
JISC8314:2015
配線用筒形ヒューズ
JISC8319:2016
配線用栓形ヒューズ
JISC8352:2015
配線用ヒューズ通則
JISC8374:1991
漏電継電器
JISG3131:2018
熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JISG3141:2017
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISG3141:2021
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISG3555:2004
織金網
JISG3556:2002
工業用織金網
JISK6912:1995
熱硬化性樹脂積層板
JISK6915:2006
フェノール樹脂成形材料
JISR3204:2014
網入板ガラス及び線入板ガラス
JISZ8721:1993
色の表示方法―三属性による表示