JIS S 2150:1993 ガス燃焼機器用手動ガスバルブ

JIS S 2150:1993 規格概要

この規格 S2150は、ガス圧力が3.3KPa{330mmH2O}以下の液化石油ガス又は都市ガスを使用する燃焼機器に用いるガス燃焼機器用手動ガスバルブで,外径35mm以下の器具ガス指管が接続されるものについて規定。

JISS2150 規格全文情報

規格番号
JIS S2150 
規格名称
ガス燃焼機器用手動ガスバルブ
規格名称英語訳
Manually operated gas valves for gas appliances
制定年月日
1993年11月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

27.060.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1993-11-01 制定日, 2000-01-20 確認日, 2006-05-20 確認日, 2009-02-20 改正日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS S 2150:1993 PDF [16]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
S 2150-1993

ガス燃焼機器用手動ガスバルブ

Manually operated gas valves for gas appliances

1. 適用範囲 この規格は,ガス圧力が3.3kPa [{330mmH2O}] 以下の液化石油ガス(1)又は都市ガス(2)を使
用する燃焼機器に用いるガス燃焼機器用手動ガスバルブ(以下,手動ガスバルブという。)で,外径35mm
以下の器具ガス導管が接続されるものについて規定する。
注(1) 液化石油ガスとは,液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律
第149号)に基づく施行規則(昭和43年通商産業省令第14号)の“液化石油ガスの規格”に掲げ
るガスをいう。
(2) 都市ガスとは,ガス事業法(昭和29年法律第51号)に基づくガス用品の検定等に関する省令
(昭和46年通商産業省令第27号)に掲げるガスグループのガスをいう。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考と
して併記したものである。
2. 種類 手動ガスバルブの種類は,表1及び表2のとおり区分する。
表1 用途による区分
用途 区分の内容
器具栓用 器具栓として使用できるもの。
非器具栓用 器具栓として使用できないもの。
表2 開閉方式による区分
開閉方式 区分の内容
しゅう動式 栓(円柱状,球状,板状など)と本体のすり合わせによってガス通路を開閉するもの。
弁式 弁と弁座の密着,開放によってガス通路を開閉するもの。
3. 性能
3.1 手動ガスバルブの性能 手動ガスバルブの性能は,7.によって試験したとき,表3の規定に適合しな
ければならない。

――――― [JIS S 2150 pdf 1] ―――――

2
S 2150-1993
表3 手動ガスバルブの性能
項目 性能 主な試験条件 適用試験項目
気密 器具栓用 通過漏れ 0.03l/h以下 4.2kPa [{420mmH2O}] 7.5
外部漏れ 0.5kPa [{50mmH2O}]
非器具栓用 通過漏れ 0.3l/h以下
外部漏れ 0.03l/h以下
負圧に対する強度 使用上支障がなく,か
手動ガスバルブを閉と 7.6
(弁式のものに限る。) しガス出口側を閉じた
つ,気密の項に適合す
ること。 状態で,ガス入口側に
50kPa [{0.5kgf/cm2}] の
負圧力を1分間加え
る。
操作力 製造業者が指定する操 − 7.7
作力以下であること。
ストッパ強度 ストッパの破損がな 製造業者が指定する操 7.8
作力の5倍の力を加え
く,かつ,著しい変形
がないこと。 る。
反復使用 操作速度520回/分
気密の項及び操作力の 7.9
の速さで12 000回の反
項に適合し,かつ,使
復操作を行う。
用上支障がないこと。
低温雰囲気試験 −20±2℃の雰囲気中
気密の項及び操作力の 7.10
に24時間放置する。
項に適合し,かつ,使
用上支障がないこと。
高温雰囲気試験 気密の項及び操作力の
製造業者が指定する雰 7.11
囲気中に24時間放置
項に適合し,かつ,使
する。
用上支障がないこと。
耐ねじ込み性 変形,破損,き裂など
規定のねじ込み力によ 7.12
(ねじ接続部をもつものに限る。) って接続及び取外し操
がなく,かつ,気密の
項に適合すること。 作を行う。
耐静荷重 規定の静荷重を15分
変形,破損,き裂など 7.13
(ねじ接続部をもつものに限る。) 間加える。
がなく,かつ,気密の
項に適合すること。
3.2 部品性能 手動ガスバルブに使用する部品の性能は,7.14によって試験したとき表4の規定に適合
しなければならない。
表4 部品性能
部品名 項目 性能 主な試験条件 適用試験項目

(pdf 一覧ページ番号 )

                                                n-ペンタン中に72時間以上浸せきする。
パッキン類 耐ガス性 (1) ゴム,プラスチックなどのパ 7.14.1(1)
ッキン類は,質量変化率が 試料を規定の装置に取り付け,温度23±
(2) 7.14.1(2)
20%以内であり,使用上支障 2℃の雰囲気中に24時間,100±2℃の雰囲
があるぜい(脆)化,膨潤,気中に7日間保持する。
軟化などがないこと。
(2) ゴム製のパッキン類は,n-
ペンタンの1時間当たりの
透過量が0.005g以下である
こと。ただし,JIS B 2401に
適合するものは除く。
シール材 圧力5kPa [{500mmH2O}],温度20±1℃及び4
耐ガス性 質量変化率がガス温度20±1℃ 7.14.2
のとき10%以内,ガス温度4± ±1℃のブタンガス中に1時間放置する。
1℃のとき25%以内

――――― [JIS S 2150 pdf 2] ―――――

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S 2150-1993
部品名 項目 性能 主な試験条件 適用試験項目
グリース JIS K 2220の5.5(銅板腐食試験方法)のB法
耐腐食性 銅板の緑色又は黒色変化がない 7.14.3(1)
こと。 による。
耐水性 7.14.3(2)
水の濁り,沈殿物がないこと。 常温の蒸留水中に72時間以上浸せきする。
圧力5kPa [{500mmH2O}],温度20±1℃及び4
耐ガス性 質量変化率がガス温度20±1℃ 7.14.3(3)
のとき10%以内,ガス温度4± ±1℃のブタンガス中に1時間放置する。
1℃のとき25%以内
耐熱性 蒸発量1%以下 7.14.3(4)
JIS K 2220の5.6(蒸発量試験方法)のA法に
よる。
4. 構造
4.1 一般構造 手動ガスバルブの各部は,通常の使用,保守条件において受ける可能性がある機械的,
化学的及び熱的負荷に耐え,かつ,次の各項に適合しなければならない。
(1) 通常の使用状態において危険が生じるおそれがないものであって,形状が正しく組立が良好であるこ
と。
(2) 各部の取付けに用いるねじは,締付けが有効であり,保守点検のために取外しを必要とする部分は,
繰り返して使用できること。
(3) ガス通路の開閉が円滑,かつ,確実に行えること。
(4) しゅう動式の手動ガスバルブは,すべてのガス通路を閉じている状態において,しゅう動面における
シール長さは,気密保持に有効な長さであること。
(5) 弁式の手動ガスバルブは,弁と弁座が確実に密着し,かつ,気密が保てるものであること。
(6) 手動ガスバルブに操作範囲を規制する機構をもつものは,全閉の位置で止まるストッパを備えるか,
又はいったん止まるロック機構を備えるものであること。
(7) 回し操作によって開閉するものの“開”の操作方向は,原則として逆時計回りであること。
4.2 ガス取入部 ガス燃焼機器のガス接続口となるガス取入部は,次の各項に適合しなければならない。
(1) ねじ接続するガス取入部は,JIS B 0203に規定するねじとし,通常の工具で接続作業ができ,接続の
際に気密を損なう緩みや変形などが生じないこと。
(2) ゴム管を接続するガス取入部(ゴム管口)は,ゴム管の抜き差しによって気密を損なう緩みや変形を
生じないこと。
(3) 迅速継手を接続するガス取入部(器具コンセント)は,着脱及び通常の使用操作で気密を損なう緩み
や変形を生じないこと。
5. 接続部の形状,寸法
5.1 ゴム管口 ゴム管口は,図1の(1)又は(2)のいずれかに適合しなければならない。

――――― [JIS S 2150 pdf 3] ―――――

4
S 2150-1993
図1 ゴム管口
aの部分のかどを取ること。
備考1.
bの部分に溝を設け,溝の部分を赤く塗ること。
2.
3. 補強のため,入り隅部にはRを付けてもよい。
4. 許容差の指定がない寸法の許容差は,JIS B 0405の粗級による。ただし,R寸法及び括
弧内の寸法は,参考値とする。
5.2 器具コンセント 器具コンセントは,図2の(1)又は(2)のいずれかに適合しなければならない。
図2 器具コンセント
備考1. aは,プラグの弁を押すための棒(以下,弁押棒という。)の最大外接円の径を示し,弁
押棒がプラグの弁に接触する面から1mm以内の部分をいう。
2. 補強のため,入り隅部にはRを付けてもよい。
3. 許容差の指定がない寸法の許容差は,JIS B 0405の粗級による。
6. 材料
6.1 材料一般 手動ガスバルブに使用する材料は,通常の使用,保守条件において受ける可能性がある
機械的,化学的及び熱的作用に耐えるものであり,かつ,次の各項に適合しなければならない。

――――― [JIS S 2150 pdf 4] ―――――

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S 2150-1993
(1) パッキン類(ダイアフラム及びゴム製弁体を含む。以下,同じ。)及びシール材(グリースを含む。以
下,同じ。)以外のガスを内包する材料は,7.3(1)及び(2)で確認された,500℃で溶融しない不燃材料
であって,次のいずれかに適合する材料であること。
(a) 表5に示すもの,又はこれらと同等以上の耐食性があるもの。
(b) めっきを施した金属材料は,7.4(1)によって試験を行い腐食がないこと,又はJIS Z 2371の13.(判
定方法)(1)(面積法)によって判定し,レイティングナンバが9.8から6までの腐食面積率である
ことを確認したもの。
(c) 塗装による表面処理を施した金属材料は,7.4(2)によって試験を行い,さび,膨れ及びはく離がない
ことを確認したもの。
(2) プラスチック製のつまみが取り付けられているものは,7.3(3)によって24時間試験を行い使用上支障
がないこと。
表5 耐食性がある材料
材料 JIS番号
鋳物 JIS H 5101
JIS H 5202
ダイカスト JIS H 5302
ステンレス鋼材 JIS G 3446
JIS G 3459
JIS G 4303
JIS G 4304
JIS G 4305
JIS G 4308
JIS G 4313
JIS G 4314
表面処理鋼板及び帯 JIS G 3302
JIS G 3313
JIS G 3314
アルミニウム及び JIS H 4000
アルミニウム合金 JIS H 4040
JIS H 4080
JIS H 4090
JIS H 4100
銅及び銅合金 JIS C 3101
JIS C 3102
JIS H 3100
JIS H 3250
JIS H 3300
JIS H 3320
鉄ニッケル磁性合金板 JIS C 2531
及び条
7. 試験方法
7.1 試験の条件 試験の条件は,次によらなければならない。
(1) 試験室の条件は,次による。
(a) 試験室の温度(3)は,JIS Z 8703の表1に規定する“常温”(標準温度状態15級 : 20±15℃)とし,
試験中の温度変化は,±5℃とする。

――――― [JIS S 2150 pdf 5] ―――――

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JIS S 2150:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 2150:1993の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0203:1999
管用テーパねじ
JISB0251:2008
メートルねじ用限界ゲージ
JISB0253:1985
管用テーパねじゲージ
JISB2401:2005
Oリング
JISB7411:1997
一般用ガラス製棒状温度計
JISB7502:2016
マイクロメータ
JISB7507:2016
ノギス
JISB7516:2005
金属製直尺
JISB7601:1983
上皿天びん
JISC2531:1999
鉄ニッケル軟質磁性材料
JISC3101:1994
電気用硬銅線
JISC3102:1984
電気用軟銅線
JISG3302:2019
溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3313:2015
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3313:2021
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3314:2019
溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯
JISG3446:2017
機械構造用ステンレス鋼鋼管
JISG3459:2016
配管用ステンレス鋼鋼管
JISG3459:2021
配管用ステンレス鋼鋼管
JISG4303:2012
ステンレス鋼棒
JISG4303:2021
ステンレス鋼棒
JISG4304:2012
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4304:2021
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4305:2012
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4305:2021
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4308:2013
ステンレス鋼線材
JISG4313:2011
ばね用ステンレス鋼帯
JISG4314:2013
ばね用ステンレス鋼線
JISH3100:2018
銅及び銅合金の板及び条
JISH3250:2015
銅及び銅合金の棒
JISH3250:2021
銅及び銅合金の棒
JISH3300:2018
銅及び銅合金の継目無管
JISH3320:2006
銅及び銅合金の溶接管
JISH4000:2014
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JISH4040:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JISH4080:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JISH4090:1990
アルミニウム及びアルミニウム合金溶接管
JISH4100:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JISH5120:2016
銅及び銅合金鋳物
JISH5121:2016
銅合金連続鋳造鋳物
JISH5202:2010
アルミニウム合金鋳物
JISH5302:2006
アルミニウム合金ダイカスト
JISK2215:1993
内燃機関用潤滑油
JISK2220:2013
グリース
JISZ1522:2009
セロハン粘着テープ
JISZ2371:2015
塩水噴霧試験方法
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態
JISZ8801-1:2019
試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい