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Z 0620 : 2018
なお,必要に応じて次の事項を表示する。
a) 最大荷姿寸法
b) 台車最大積載質量(移動ラックの場合だけ。)
c) 製造業者名又は販売業者名
11.2 安全に関する表示
安全に関する表示は,10.1によるほか,次による。
a) 操作に関する注意事項
b) フォークリフトトラック操作に関する注意事項及び荷物の積載についての注意事項
c) 異常が発生したときの対処についての注意事項
――――― [JIS Z 0620 pdf 21] ―――――
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Z 0620 : 2018
附属書A
(規定)
強度試験
A.1 鉛直荷重試験
鉛直荷重試験は,次による。
a) 定盤など,水平かつ耐荷重をもつ平面上にラック2連を垂直に組み立て,所定の段数の棚を取り付け
る。ただし,1連のラックについては,1連のままで行う。
なお,サブビームを用いる場合,表A.1に示す間隔で取り付ける。
表A.1−サブビームの取付け間隔
積載パレット数 サブビーム数 サブビームの取付け間隔
1パレット 2本 端部から約1/4,1/2,1/4
2パレット 4本 端部から約1/8,1/4,1/4,1/4,1/8
b) ラックの奥行きとほぼ等しい長さのパレットを用い,パレット間の隙間及びパレットと支柱枠との隙
間をそれぞれ100 mmとる。
c) 任意の棚1段に8.2 b)に従い最大積載質量を積載し,前後のビームのたわみ量を測定し,平均値を求
める(図A.1参照)。
d) 任意の棚1段に8.2 b)に従い最大積載質量の1.5倍の質量を積載し,棚,支柱枠及び支柱とビームとの
結合部の異常の有無を調べる。また,荷重を除去後,同じく各部の永久変形の有無を調べる(図A.2
参照)。
e) 各棚それぞれにd)の質量を積載し,荷重を除去した後,棚,支柱枠及び支柱とビームとの結合部の永
久変形の有無を調べる。
図A.1−鉛直荷重試験(最大積載質量積載の場合)
図A.2−鉛直荷重試験(最大積載質量の1.5倍積載の場合)
――――― [JIS Z 0620 pdf 22] ―――――
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Z 0620 : 2018
A.2 水平荷重試験
水平荷重試験は,次による。
a) .1 a)及びA.1 b)と同様にラックを設置し,棚全般に最大積載質量を積載する。
b) )の状態で間口方向,奥行き方向別々に8.2 b)に従い水平荷重を加える。引張り側の棚と支柱枠との結
合部近くで,全体の重心とみなされる支柱枠の位置において,ラックと直角に水平方向の荷重を加え
る。ただし,このとき衝撃を与えないようにしなければならない(図A.3及び図A.4参照)。
c) 水平荷重を加えて,ラックの間口方向及び奥行き方向の支柱頂部の倒れ量を測定する。
(2段積みの水平荷重を加える位置)
(3段積みの水平荷重を加える位置)
図A.3−鉛直荷重試験及び水平荷重試験 側面図
図A.4−水平荷重試験 平面図
――――― [JIS Z 0620 pdf 23] ―――――
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Z 0620 : 2018
A.3 支柱とビームとの結合部強度試験
支柱とビームとの結合部強度試験は,次による。
a) 結合部強度試験その1(図A.5参照) 結合部強度試験その1は,次による。
1) 支柱及びブレース固定用座板を床にアンカー固定し,左右2本の支柱は並列かつ垂直に設置する。
2) ブレース,ビーム及びサブビームを取り付け,パレットを所定の位置に載せる。
3) パレットにおもりを等分布になるように徐々に載せていく。この過程において,一定間隔で,ビー
ムの傾きを測定し,変位量(δ)(2本のビームの変位量の平均値)を求める。また,結合部の変形
の有無を観察する。
4) 試験結果から,荷重及び変位量のグラフを作成し,結合部のモーメント耐力を求める。
単位 mm
図A.5−結合部強度試験その1
b) 結合部強度試験その2(図A.6参照) 結合部強度試験その2は,次による。
1) 規定長さの支柱にビームを結合した試験体を,図A.6のように支持フレームへ,隙間をあけて取り
付ける。支柱と支持フレームとの隙間は,変形後も両者が接触しない隙間を必要とする。また,支
柱とビームとの結合部は,止めピンを取り付ける。
2) 圧縮試験機によって破壊するまで荷重を加え,ビームの上下変位量δを測定する。
3) 試験は支柱,ビームの種類及び組合せごとに実施する。
4) 試験結果によって,モーメント及び変位グラフを作成し,グラフの比例限度から結合部のモーメン
ト耐力を求める。
――――― [JIS Z 0620 pdf 24] ―――――
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Z 0620 : 2018
図A.6−結合部強度試験その2
c) 結合部強度試験その3(図A.7参照) 結合部強度試験その3は,次による。
1) 任意の長さの支柱(L1)端部を45°にカットし,ガセット付きベースプレートを取り付ける。
2) 結合するビーム(L2)の力を加える端部も45°にカットし,ガセット付きベースプレートを取り付
ける。
3) 1),2)を結合し,試験体を造る。
4) 試験体のベースプレート部に油圧万能試験機で圧縮力を加える。
5) 試験体のガセットを利用し,油圧万能試験機で引張り力を加える。
なお,4),5)とも力を加える速度は,10 mm/分とし,破壊試験とする。
6) 母材が損傷したとき,結合部の損傷有無を目視にて確認する。
7) 試験結果は,力(F)及び変位量(δ)のグラフとして表す。
図A.7−結合部強度試験その3
――――― [JIS Z 0620 pdf 25] ―――――
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JIS Z 0620:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 0620:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA5540:2008
- 建築用ターンバックル
- JISB1180:2014
- 六角ボルト
- JISB1181:2014
- 六角ナット
- JISB1186:2013
- 摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット
- JISB1256:2008
- 平座金
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB9700:2013
- 機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減
- JISB9703:2019
- 機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
- JISB9705-1:2019
- 機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
- JISB9713-3:2004
- 機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第3部:階段,段ばしご及び防護さく(柵)
- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
- JISB9960-32:2011
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第32部:巻上機械に対する要求事項
- JISB9961:2008
- 機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全
- JISC0508-1:2012
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第1部:一般要求事項
- JISC0508-2:2014
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第2部:電気・電子・プログラマブル電子安全関連系に対する要求事項
- JISC0508-3:2014
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第3部:ソフトウェア要求事項
- JISC0508-4:2012
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第4部:用語の定義及び略語
- JISC0508-5:2019
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第5部:安全度水準決定方法の事例
- JISC0508-6:2019
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第6部:第2部及び第3部の適用指針
- JISC0508-7:2017
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第7部:技術及び手法の概観
- JISC6802:2014
- レーザ製品の安全基準
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3113:2018
- 自動車構造用熱間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3131:2018
- 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
- JISG3138:2005
- 建築構造用圧延棒鋼
- JISG3138:2021
- 建築構造用圧延棒鋼
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3201:1988
- 炭素鋼鍛鋼品
- JISG3302:2019
- 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
- JISG3350:2017
- 一般構造用軽量形鋼
- JISG3350:2021
- 一般構造用軽量形鋼
- JISG3352:2014
- デッキプレート
- JISG3353:2011
- 一般構造用溶接軽量H形鋼
- JISG3444:2015
- 一般構造用炭素鋼鋼管
- JISG3444:2021
- 一般構造用炭素鋼鋼管
- JISG3445:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼管
- JISG3445:2021
- 機械構造用炭素鋼鋼管
- JISG3466:2015
- 一般構造用角形鋼管
- JISG3466:2021
- 一般構造用角形鋼管
- JISG4051:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼材
- JISG5101:1991
- 炭素鋼鋳鋼品
- JISG5201:1991
- 溶接構造用遠心力鋳鋼管
- JISG5502:2001
- 球状黒鉛鋳鉄品
- JISH8610:1999
- 電気亜鉛めっき
- JISH8617:1999
- ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき
- JISZ0110:2018
- 産業用ラック用語
- JISZ1522:2009
- セロハン粘着テープ