JIS C 62368-1:2021 オーディオ・ビデオ,情報及び通信技術機器―第1部:安全性要求事項 | ページ 55

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C 62368-1 : 2021
図O.14−多層プリント配線板内の接着接合部
図O.15−絶縁コンパウンドで満たされたデバイス
図O.16−分割されたボビン

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C 62368-1 : 2021
附属書P
(規定)
導電物に対するセーフガード
P.1 一般事項
この附属書は,機器の上面若しくは側面の開口からの物質の混入,内部の液体の流出,又はメタライズ
したコーティング及び機器内部の導電部を固定する接着の不具合による,火災,感電及び有害な化学反応
の可能性を減少するためのセーフガードについて規定する。
外部からの物質の混入に対する基礎セーフガードは,人が機器に外部から物質を挿入しないこととし,
これを前提とする。この附属書に規定するセーフガードは,付加セーフガードである。
この附属書は,コネクタ部分の開口には適用しない。
製造業者の指示書に従って,複数の設置方向で用いることを意図した機器は,それぞれの設置方向でセ
ーフガードが有効でなければならない。
可搬形機器は,全ての方向でセーフガードが有効でなければならない。
注記 図P.1,図P.2及び図P.3に示す例は,設計図として用いることを意図したものではなく,単に
この附属書の要求事項の意図を図に示したものである。
P.2 外部からの物質の混入及び混入の結果に対するセーフガード
P.2.1 一般事項
機器は,P.2.2又はP.2.3の要求事項に適合しなければならない。
P.2.2 外部からの物質の混入に対するセーフガード
アクセス可能なエンクロージャの上面及び側面の開口は,外部からの物質が開口から入り込む可能性が
減少する配置又は構造でなければならない。
機器の開口は,ドア,パネル,カバーなどが閉まった状態又は所定の位置にあるとき,次に規定する要
求事項に適合しなければならない。これらの要求事項は,一般人によって開閉又は取外しができる場合で
も,ドア,パネル,カバーなどの内側にある開口には適用しない。
次のいずれの構造も,適合するものとみなす。
− あらゆる方向の寸法が5 mm以下の開口
− 長さに関係なく,幅が1 mm以下の開口
− IP3Xの要求事項を満足する開口
− 垂直方向の混入を防止する上面開口(例 図P.1参照)
− 垂直方向から落下した外部からの物質を外側にそらすような形のルーバを備えた側面開口(例 図P.2
参照)
− 開口部分のエンクロージャの厚さが開口の垂直方向寸法以上の,ルーバのない側面開口
適否は,検査又は測定によって判定する。

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図P.1−垂直からの混入を防止する上面開口の横断面設計の例
図P.2−垂直からの混入を防止する側面開口ルーバの横断面設計の例
P.2.3 外部からの物質の混入の結果に対するセーフガード
P.2.3.1 セーフガードの要求事項
機器付加セーフガード又は機器強化セーフガードは,外部からの物質の混入によって無効化してはなら
ない。さらに,外部から混入した物質が,PISを作り出してはならない。
外部からの物質の混入の結果に対するセーフガードには,次を含む。
− 外部からの物質が機器セーフガードを無効化することを防止するか,又はPISを作り出すことを防止
する内部バリア
− 図P.3に示す投影領域内が,次のいずれかに該当する構造
· セーフガードの裸導電部がない。
· PISがない。
· ES3回路又はPS3回路の裸導電部がない。
· 導電部がコンフォーマルコーティング又は類似のコーティングで覆われている。
注記1 コンフォーマルコーティング又は類似のコーティングで覆った導電部は,裸導電部とは考
えない。コンフォーマルコーティングとは,プリント配線板及びコンポーネントに対して,
湿度,ほこり,腐食などの環境ストレスから保護する目的で付着させた誘電材料である。
− 図P.3に示す投影領域内にある,P.2.3.2の試験に合格したES3回路又はPS3回路の裸導電部
上記以外の構造は,P.2.3.2の試験を行う。

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A : エンクロージャの開口
B : 開口の外側の端の垂直投影
C : 開口の端から5°の角度で,BからEまでの距離の投影の傾斜線
D : エンクロージャの側面壁と同じ面で垂直に投影した線
E : 開口の外側の端(B)及び傾斜線(C)の投影(寸法L以下である。)
L : エンクロージャの側面開口の最大寸法
○V : 付加セーフガード又は強化セーフガードのための投影(混入禁止)の領域
図P.3−外部からの物質の混入に対する内部の軌跡領域
可搬形機器が外部からの物質の混入を防止する設計になっていない場合,外部から混入した物質は,機
器内のあらゆる場所に移動するとみなす。図P.3に示すES3及びPS3の混入禁止領域は,可搬形機器には
適用しない。
メタライズしたプラスチック部分又はこれと類似の部分を用いる可搬形機器が,外部からの物質の混入
を防止するような設計になっていない場合,メタライズしたプラスチック部分と全てのES3又はPS3裸導
電部との距離は,13 mm以上なければならない。代替として,メタライズしたプラスチック部分と裸導電
部とを短絡する試験を行う。
注記2 メタライズしたバリア又はエンクロージャの例としては,導電性複合材料,電解めっきした
材料,真空蒸着した材料,金属はくを貼り付けた材料,又はメタリック塗料で塗装した材料
で作られたものがある。
適否は,検査,測定,及び必要な場合はP.2.3.2の試験によって判定する。
P.2.3.2 混入の結果に対する試験
図P.3の○V領域内にある全てのES3又はPS3の裸導電部と,半径13 mm以内にある他の全ての裸導電部

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及び全てのメタライズした部分とを,直接直線的な経路で短絡する。短絡は,直径1 mm,長さ13 mm以
内の真っすぐな金属片で,特別な力を加えずに行う。
可搬形機器の短絡は,外部からの物質が引っかかりそうな全ての場所に対して行う。
試験中及び試験後,全ての付加セーフガード及び強化セーフガードが,有効でなければならず,全ての
部分は,PISになってはならない。
P.3 内部の液体の流出に対するセーフガード
P.3.1 一般事項
この箇条に規定する要求事項は,内部に液体を保持し,その液体が機器セーフガードを阻害する可能性
がある機器に適用する。
この要求事項は,次のものには適用しない。
− 導電性,可燃性,毒性及び腐食性をもたず,かつ,加圧容器の中には保持していない液体
− 電解コンデンサ
− 1 Pa·s以上の粘度をもつ液体
− 電池(附属書M参照)
注記 1 Pa·sの粘度は,60(SAE準拠)のエンジン油とほとんど同等である。
P.3.2 流出の結果の判定
可搬形機器でない場合は,液体システムにおける配管接続部などの継ぎ目から液体が漏れるようにし,
機器を通電する。
可搬形機器の場合は,同様に液体が漏れるようにした後,機器をあらゆる可能な姿勢に動かし,通電す
る。
P.3.3 流出に対するセーフガード
流出させた結果,B.4に該当しない単一故障状態になる場合,次のいずれかでなければならない。
− 基礎セーフガードとしての格納容器は,通常動作状態の下で流出を防ぎ,かつ,付加セーフガード(例
えば,バリア,液受け,補助的な格納容器など)は,効果的に流出の広がりを制限する。
− 液体を強化セーフガードで構成する容器内に収容する。
− 格納容器のセーフガードを,二重セーフガード又は強化セーフガードで構成する。
液体が導電性,可燃性,毒性又は腐食性をもつ場合は,次のいずれかでなければならない。
− 液体を,二重セーフガード又は強化セーフガードに収容する。
− 流出後,次の全てを満足する。
· 有毒な液体に,一般人又は教育を受けた人がアクセス可能にならない。
· 導電性の液体が,基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁を橋絡しない。
· 可燃性の液体(又はその蒸気)が,全てのPIS又は液体を発火させるような温度にある部品に接触
しない。
· 腐食性をもつ液体が,保護導体のあらゆる接続部分に接触しない。
G.15の関連する試験要求事項に適合する容器は,強化セーフガードを構成しているとみなす。
注記 次の液体は,一般的に非可燃性と考える。
− 149 ℃以上の引火点をもつ,潤滑用又は油圧装置に用いる油又はこれと同等の液体
− 60 ℃以上の引火点をもつ,印刷インクのような補給可能な液体

――――― [JIS C 62368-1 pdf 275] ―――――

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JIS C 62368-1:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62368-1:2018(MOD)

JIS C 62368-1:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 62368-1:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB9961:2008
機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC2110-1:2016
固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2814-1:2009
家庭用及びこれに類する用途の低電圧用接続器具―第1部:通則
JISC3010:2019
電線及び電気温床線の安全に関する要求事項
JISC3216-3:2011
巻線試験方法―第3部:機械的特性
JISC3216-5:2019
巻線試験方法―第5部:電気的特性
JISC3662-1:2009
定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル―第1部:通則
JISC3663-1:2010
定格電圧450/750V以下のゴム絶縁ケーブル―第1部:通則
JISC3665-1-2:2007
電気ケーブル及び光ファイバケーブルの燃焼試験―第1-2部:絶縁電線又はケーブルの一条垂直燃焼試験―1kW混合ガス炎による方法
JISC3665-1-3:2007
電気ケーブル及び光ファイバケーブルの燃焼試験―第1-3部:絶縁電線又はケーブルの一条垂直燃焼試験―燃焼落下物(粒子)の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC4526-1:2013
機器用スイッチ―第1部:一般要求事項
JISC4526-1:2020
機器用スイッチ―第1部:通則
JISC5101-14:2014
電子機器用固定コンデンサ―第14部:品種別通則:電源用電磁障害防止固定コンデンサ
JISC5381-11:2014
低圧サージ防護デバイス―第11部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバイスの要求性能及び試験方法
JISC60068-2-11:1989
環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧試験方法
JISC60068-2-6:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
JISC60068-2-78:2015
環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
JISC6011-1:2015
電子装置用きょう体の試験方法―第1部:屋内設置のキャビネット,ラック,サブラック及びシャシの耐環境性能の試験及び安全性の評価
JISC6065:2016
オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器―安全性要求事項
JISC60664-3:2019
低圧系統内機器の絶縁協調―第3部:汚損保護のためのコーティング,ポッティング及びモールディングの使用
JISC60695-10-2:2018
耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
JISC60695-10-3:2005
耐火性試験―電気・電子―第10-3部:異常発生熱―成形応力解放変形試験
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC60695-11-20:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
JISC60695-11-5:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-5部:試験炎―ニードルフレーム(注射針バーナ)試験方法―装置,試験炎確認試験装置の配置及び指針
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC61558-1:2019
変圧器,リアクトル,電源装置及びこれらの組合せの安全性―第1部:通則及び試験
JISC61558-2-16:2012
入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-16部:スイッチモード電源装置及びスイッチモード電源装置用変圧器の個別要求事項及び試験
JISC61810-1:2020
電磁式エレメンタリ リレー―第1部:一般及び安全性要求事項
JISC62133-1:2020
ポータブル機器用二次電池の安全性―第1部:アルカリ蓄電池
JISC62133-2:2020
ポータブル機器用二次電池の安全性―第2部:リチウム二次電池
JISC62368-3:2021
オーディオ・ビデオ,情報及び通信技術機器―第3部:通信ケーブル及び通信ポートを介する直流電力伝送の安全性要求事項
JISC6691:2019
温度ヒューズ―要求事項及び適用の指針
JISC6802:2014
レーザ製品の安全基準
JISC6803:2013
レーザ製品の安全―光ファイバ通信システムの安全
JISC6804:2008
レーザ製品の安全―情報伝送のための光無線通信システムの安全
JISC6950-1:2016
情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC7550:2011
ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
JISC8201-1:2020
低圧開閉装置及び制御装置―第1部:通則
JISC8201-5-5:2008
低圧開閉装置及び制御装置―第5部:制御回路機器及び開閉素子―第5節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非常停止機器
JISC8283-1:2019
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第1部:一般要求事項
JISC8285:2018
工業用プラグ,コンセント及びカプラ
JISC8286:2013
電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
JISC8286:2021
電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
JISC8300:2019
配線器具の安全性
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JISC8702-1:2009
小形制御弁式鉛蓄電池―第1部:一般要求事項,機能特性及び試験方法
JISC8702-2:2009
小形制御弁式鉛蓄電池―第2部:寸法,端子及び表示
JISC8704-1:2006
据置鉛蓄電池―一般的要求事項及び試験方法―第1部:ベント形
JISC8704-2-1:2019
据置鉛蓄電池―第2-1部:制御弁式―試験方法
JISC8704-2-2:2019
据置鉛蓄電池―第2-2部:制御弁式―要求事項
JISC8712:2015
ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性
JISC8713:2006
密閉形小形二次電池の機械的試験
JISC8715-2:2019
産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム―第2部:安全性要求事項
JISC9730-1:2019
自動電気制御装置―第1部:一般要求事項
JISC9921-5:2009
テレビジョン受信機(ブラウン管のものに限る)の設計上の標準使用期間を設定するための標準使用条件
JISK2265-2:2007
引火点の求め方―第2部:迅速平衡密閉法
JISK2265-3:2007
引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
JISK6258:2016
加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―耐液性の求め方
JISK7111-1:2012
プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第1部:非計装化衝撃試験
JISK7171:2016
プラスチック―曲げ特性の求め方
JISK7193:2010
プラスチック―高温空気炉を用いる着火温度の求め方
JISK7206:2016
プラスチック―熱可塑性プラスチック―ビカット軟化温度(VST)の求め方
JISK7241:2005
発泡プラスチック―小火炎による小試験片の水平燃焼特性の求め方
JISK7341:2006
プラスチック―小火炎に接触する可とう性フィルムの垂直燃焼性試験方法
JISK7350-1:1995
プラスチック―実験室光源による暴露試験方法 第1部:通則
JISK7350-1:2020
プラスチック―実験室光源による暴露試験方法―第1部:通則