JIS C 62368-1:2021 オーディオ・ビデオ,情報及び通信技術機器―第1部:安全性要求事項 | ページ 8

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C 62368-1 : 2021
感電に対して,基礎セーフガードとなる絶縁。
注記 この概念は,機能目的だけに用いられる絶縁には適用されない。
3.3.5.2
二重絶縁(double insulation)
基礎絶縁及び付加絶縁の両方からなる絶縁。
(IEC 60050-195:1998,195-06-08を参照)
3.3.5.3
機能絶縁(functional insulation)
機器を適正に機能させるためだけに必要な導電部間の絶縁。
3.3.5.4
絶縁液体(insulating liquid)
完全に液体からなる絶縁材料。
(IEC 60050-212:2010,212-11-04を参照)
3.3.5.5
強化絶縁(reinforced insulation)
感電に対して,二重絶縁と同等の保護となる単一の絶縁システム。
3.3.5.6
固体絶縁(solid insulation)
完全に固体からなる絶縁材料。
(IEC 60050-212:2010,212-11-02を参照)
3.3.5.7
付加絶縁(supplementary insulation)
感電に対する故障保護となる付加セーフガードとして,基礎絶縁に加えて施す独立した絶縁。
3.3.6 その他
3.3.6.1
アクセス可能(な)(accessible)
人体の一部によって接触可能な状態(状況)。
注記 人体の一部は,附属書Vに規定する一つ以上の該当するプローブによって代表される。
3.3.6.2
バックフィード(backfeed)
蓄積エネルギー運転状態,かつ,主電源が供給されていない状態にあって,電池のバックアップ電源内
部の電圧又はエネルギーの一部が直接又は漏れ電流経路を介して入力端子に発生する状態。
3.3.6.3
チーズクロス(cheesecloth)
約40 g/m2の漂白した綿布。
注記 チーズクロスは,目が粗く緩く織られた綿糸のガーゼで,本来はチーズを包むために用いられ
ている。
3.3.6.4
遮断デバイス(disconnect device)
開位置において分離の要求事項に適合する,主電源から機器を電気的に遮断する手段。

――――― [JIS C 62368-1 pdf 36] ―――――

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3.3.6.5
機能接地(functional earthing)
電気的安全以外の目的で,システム,設備又は機器の一点又は複数点を接地すること。
(IEC 60050-195:1998/AMD1:2001,195-01-13を参照)
3.3.6.6
非着脱式電源コード(non-detachable power supply cord)
機器に固定されるか又は組み込まれ,工具を用いることなしに機器から取り外せない電源供給用の可と
うコード。
3.3.6.7
屋外場所(outdoor location)
天候その他の屋外の影響に対して,建造物又は他の構造物が備える保護が限定される又は存在しない,
機器の設置場所。
3.3.6.8
汚損度(pollution degree)
ミクロ環境の予想される汚損の特徴を示す数字。
(IEC 60050-581:2008,581-21-07を参照)
3.3.6.9
アクセス制限エリア(restricted access area)
適切な許可を受けた熟練者及び教育を受けた人だけがアクセス可能なエリア。
3.3.6.10
ルーチン試験(routine test)
ある基準に適合しているかを確認するために,製造中又は製造後に,対象となる個々のデバイスに対し
て行う試験。
(JIS C 60664-1:2009の3.19.2を参照)
3.3.6.11
抜取試験(sampling test)
一つのロットから無作為に抽出した幾つかのデバイスに対する試験。
(JIS C 60664-1:2009の3.19.3を参照)
3.3.6.12
蓄積エネルギー運転状態(stored energy mode)
指定条件の下で電池バックアップ電源が達する安定した運転状態。
注記 JIS C 4411-1では,指定条件を次のように規定している。
− 交流入力電源が接続されていないか,又は指定する許容範囲から外れている。
− 動作及び出力のための電力をエネルギー蓄積装置から供給している。
− 負荷が電池バックアップ電源の定格で指定する範囲内である。
3.3.6.13
工具(tool)
ねじ,ラッチ又はこれらと類似の固定手段を操作するために用いるもの。
注記 工具の例として,コイン,食器類,ドライバ,プライヤなどが含まれる。

――――― [JIS C 62368-1 pdf 37] ―――――

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3.3.6.14
タッチカレント(touch current)
人体の一部が二つ以上のアクセス可能部分,又は一つのアクセス可能部分と大地とに接触したときに人
体を通して流れる電流。
3.3.6.15
形式試験(type test)
設計及び製造した機器がこの規格の要求事項を満たすことができるかどうかを判定するために,代表サ
ンプルに対して行う試験。
3.3.6.16
ワークセル(work cell)
機器の保守又は操作のために人が完全又は部分的(例えば,手足全体又は頭部)に入ることができる大
きさで,機械的危険源が存在する可能性がある機器内の空間。
注記1 ワークセルには,複数の区画を含むことがある。区画は,操作又は保守目的のために用いる
ことがある。
注記2 ワークセルを含む機器は,一般的にアクセス制限エリア内に設置される。
3.3.6.17
包装用ティッシュ(wrapping tissue)
12 g/m230 g/m2のティッシュ。
注記 包装用ティッシュは,壊れやすい物品を包装するために用いられる,柔らかく,薄く,通常半
透明の紙である。
3.3.7 動作及び故障状態
3.3.7.1
異常動作状態(abnormal operating condition)
通常動作状態ではないが,機器自体の単一故障状態でもない一時的な動作状態。
注記1 異常動作状態については,B.3に規定している。
注記2 ある異常動作状態は,機器又は人に起因することがある。
注記3 ある異常動作状態は,コンポーネント,デバイス又はセーフガードの故障を引き起こすこと
がある。
3.3.7.2
間欠動作(intermittent operation)
一つの動作期間及びそれに続く機器のスイッチオフ又はアイドリング動作の期間からなる一連のサイク
ルの動作。
3.3.7.3
ノンクリップ出力(電力)(non-clipped output power)
1 000 Hzにおいて,ピークの片側又は両側がクリップする直前の定格負荷インピーダンスで消費される
正弦波電力。
3.3.7.4
通常動作状態(normal operating condition)
合理的に予想することができる通常使用の範囲を可能な限り忠実に表している動作モード。
注記1 別途規定しない限り,通常使用の最も厳しい状態は,B.2に規定するような最も不利な既定

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値である。
注記2 合理的に予見可能な誤使用は,通常動作状態に含まず,異常動作状態に含まれる。
3.3.7.5
ピーク応答周波数(peak response frequency)
定格負荷インピーダンスで測定した場合に,最大の出力電力が生じる試験周波数。
注記 この周波数は,増幅器又は変換器の仕様動作範囲内であることが望ましいとされている。
3.3.7.6
定格負荷インピーダンス(rated load impedance)
製造業者が宣言した,出力回路を終端するために用いるインピーダンス又は抵抗。
3.3.7.7
合理的に予見可能な誤使用(reasonably foreseeable misuse)
供給者が意図しない方法であるが,容易に予測できる人間の挙動から生じる製品の使用,プロセス又は
サービス。
注記 合理的に予見可能な誤使用は,異常動作状態の一形態と考える。
(JIS Z 8051:2015の3.7を参照し,一部を修正した。)
3.3.7.8
短時間動作(short-time operation)
通常動作状態の下での指定された期間の動作。機器が冷めた状態から始動し,各動作期間後の間隔は,
機器が室温になるまで冷めるのに十分であるような時間とする。
3.3.7.9
単一故障状態(single fault condition)
通常動作状態の下で,一つのセーフガード(ただし,強化セーフガードを除く。)又は一つのコンポーネ
ント若しくはデバイスの故障が生じた機器の状態。
注記 単一故障状態については,B.4に規定している。
3.3.8 この規格で扱う人
3.3.8.1
教育を受けた人(instructed person)
エネルギー源に関して熟練者から指導を受けた人又は監督されている人で,責任をもってエネルギー源
に対して,機器セーフガード及び予防セーフガードを適用できる人。
注記1 この定義における監督とは,他者に対する作業の指示及び監視を指している。
注記2 ドイツでは,多くの場合,ある一定の法的要件を満たしている場合だけ,教育を受けた人と
みなすことができる。
3.3.8.2
一般人(ordinary person)
熟練者又は教育を受けた人のいずれでもない人。
(IEC 60050-826:2004,826-18-03を参照)
3.3.8.3
熟練者(skilled person)
危険源を特定し,自分自身及び他者への傷害のリスクを低減するような適切な行動をとるための適切な
知識又は経験がある人。

――――― [JIS C 62368-1 pdf 39] ―――――

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注記 ドイツでは,多くの場合,ある一定の法的要件を満たしている場合だけ,熟練者とみなすこと
ができる。
(IEC 60050-826:2004,826-18-01を参照し,一部を修正した。)
3.3.9 潜在的発火源
3.3.9.1
潜在的発火源,PIS[potential ignition source, PIS]
発火の要因となる電気エネルギーがある箇所。
3.3.9.2
アーク性PIS(arcing PIS)
導体又は接点の開放によって,アークが発生する可能性があるPIS。
注記1 アーク性PISとなることを防止するために,電気的保護回路又は追加機構的な手段を講じら
れる場合がある。
注記2 プリント配線板の導電パターン上で発生する電気的接合点の接触不良又は断線は,この定義
に含まれる。
3.3.9.3
抵抗性PIS(resistive PIS)
過度の電力消費によって,コンポーネントが発火する可能性があるPIS。
注記 抵抗性PISとなることを防止するために,電気的保護回路又は追加構造的手段が講じられる場
合がある。
3.3.10 定格
3.3.10.1
定格電流(rated current)
製造業者が宣言した通常動作状態における機器の入力電流。
3.3.10.2
定格周波数(rated frequency)
製造業者が宣言した供給電源の周波数又は周波数範囲。
3.3.10.3
定格電力(rated power)
製造業者が宣言した通常動作状態における機器の入力電力。
3.3.10.4
定格電圧(rated voltage)
製造業者がコンポーネント,デバイス又は機器に対して指定する電圧値であり,動作及び性能特性に関
連する値。
注記 機器は,複数の定格電圧値又は定格電圧範囲をもっている場合がある。
(JIS C 60664-1:2009の3.9を参照)
3.3.10.5
定格電圧範囲(rated voltage range)
製造業者が宣言した下限及び上限の定格電圧によって表される供給電源の電圧範囲。
3.3.10.6
保護電流定格(protective current rating)

――――― [JIS C 62368-1 pdf 40] ―――――

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JIS C 62368-1:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62368-1:2018(MOD)

JIS C 62368-1:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 62368-1:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB9961:2008
機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
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JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2814-1:2009
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JISC3010:2019
電線及び電気温床線の安全に関する要求事項
JISC3216-3:2011
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JISC3216-5:2019
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JISC3662-1:2009
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JISC3663-1:2010
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電気ケーブル及び光ファイバケーブルの燃焼試験―第1-2部:絶縁電線又はケーブルの一条垂直燃焼試験―1kW混合ガス炎による方法
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JISC4003:2010
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JISC4526-1:2020
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JISC60068-2-6:2010
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JISC60068-2-78:2015
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オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器―安全性要求事項
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JISC60695-11-20:2018
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JISC60695-11-5:2018
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JISC60695-2-11:2016
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JISC61558-1:2019
変圧器,リアクトル,電源装置及びこれらの組合せの安全性―第1部:通則及び試験
JISC61558-2-16:2012
入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-16部:スイッチモード電源装置及びスイッチモード電源装置用変圧器の個別要求事項及び試験
JISC61810-1:2020
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JISC62133-1:2020
ポータブル機器用二次電池の安全性―第1部:アルカリ蓄電池
JISC62133-2:2020
ポータブル機器用二次電池の安全性―第2部:リチウム二次電池
JISC62368-3:2021
オーディオ・ビデオ,情報及び通信技術機器―第3部:通信ケーブル及び通信ポートを介する直流電力伝送の安全性要求事項
JISC6691:2019
温度ヒューズ―要求事項及び適用の指針
JISC6802:2014
レーザ製品の安全基準
JISC6803:2013
レーザ製品の安全―光ファイバ通信システムの安全
JISC6804:2008
レーザ製品の安全―情報伝送のための光無線通信システムの安全
JISC6950-1:2016
情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC7550:2011
ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
JISC8201-1:2020
低圧開閉装置及び制御装置―第1部:通則
JISC8201-5-5:2008
低圧開閉装置及び制御装置―第5部:制御回路機器及び開閉素子―第5節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非常停止機器
JISC8283-1:2019
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第1部:一般要求事項
JISC8285:2018
工業用プラグ,コンセント及びカプラ
JISC8286:2013
電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
JISC8286:2021
電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
JISC8300:2019
配線器具の安全性
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JISC8702-1:2009
小形制御弁式鉛蓄電池―第1部:一般要求事項,機能特性及び試験方法
JISC8702-2:2009
小形制御弁式鉛蓄電池―第2部:寸法,端子及び表示
JISC8704-1:2006
据置鉛蓄電池―一般的要求事項及び試験方法―第1部:ベント形
JISC8704-2-1:2019
据置鉛蓄電池―第2-1部:制御弁式―試験方法
JISC8704-2-2:2019
据置鉛蓄電池―第2-2部:制御弁式―要求事項
JISC8712:2015
ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性
JISC8713:2006
密閉形小形二次電池の機械的試験
JISC8715-2:2019
産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム―第2部:安全性要求事項
JISC9730-1:2019
自動電気制御装置―第1部:一般要求事項
JISC9921-5:2009
テレビジョン受信機(ブラウン管のものに限る)の設計上の標準使用期間を設定するための標準使用条件
JISK2265-2:2007
引火点の求め方―第2部:迅速平衡密閉法
JISK2265-3:2007
引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
JISK6258:2016
加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―耐液性の求め方
JISK7111-1:2012
プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第1部:非計装化衝撃試験
JISK7171:2016
プラスチック―曲げ特性の求め方
JISK7193:2010
プラスチック―高温空気炉を用いる着火温度の求め方
JISK7206:2016
プラスチック―熱可塑性プラスチック―ビカット軟化温度(VST)の求め方
JISK7241:2005
発泡プラスチック―小火炎による小試験片の水平燃焼特性の求め方
JISK7341:2006
プラスチック―小火炎に接触する可とう性フィルムの垂直燃焼性試験方法
JISK7350-1:1995
プラスチック―実験室光源による暴露試験方法 第1部:通則
JISK7350-1:2020
プラスチック―実験室光源による暴露試験方法―第1部:通則