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参考図2 精度
18.7 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。
(1) 試料名,採取場所及び採取月日
(2) ISの規格番号 例 JIS K 2601
(3) 試験方法の名称・項番号及び18.6.1によって得られた結果
(4) 特記事項
19. 硫化水素分試験方法
19.1 試験の原理 試料約100mLを採取し70℃に加熱して,窒素ガスを吹き込み,追い出された硫黄酸化
物を含む硫化水素を酸性過酸化水素水に通して硫黄酸化物を除去した後,亜鉛アミノ錯塩溶液に通して硫
化水素を吸収し,二塩化N,N−ジメチル−p−フェニレンジアンモニウムと塩化鉄(III)を加え,生成し
たメチレンブルーの吸光度を測定して,70℃において発生する硫化水素分を測定する。
備考 この試験方法は,石油学会の技術的検討を経て作成されたものである。
19.2 硫化水素分試験器 硫化水素分試験器は,次による。
(1) 硫化水素吸収装置 (a)(f)からなり,組立の一例を図25に示す。
(a) 試験容器 図26に示すもので,主管にはすり合わせによって窒素ガス吸込み管を取り付け,側管に
は温度計を挿入しゴム栓で固定する。
参考 JIS K 2839に規定する図241が相当する。
(b) 温度計 JIS B 7410に規定する温度計番号42 (SG) のもの。
(c) 加熱器 水浴又は適切な電熱器で,窒素ガスを規定の流量で吹き込みながら試験容器内の試料を70
±1℃の温度に保つことができるもの。
(d) 硫黄酸化物吸収瓶 図27に示す,ミュンケ式ガス洗浄瓶。
参考 JIS K 2839に規定する図240が相当する。
(e) 硫化水素吸収瓶 図27に示す,ミュンケ式ガス洗浄瓶。
参考 JIS K 2839に規定する図240が相当する。
(f) ガス流量計 窒素ガス流量20L/hを測定できるもの。
(2) 全量フラスコ 容量25mL, 50mL, 250mL, 500mL及び1000mLのもの。
(3) 分光光度計又は光電光度計 JIS K 0115に規定する構造のもので,670nmにおける吸光度を測定でき
るもの。
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図25 硫化水素吸収装置(一例)
図26 試験容器
――――― [JIS K 2601 pdf 47] ―――――
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図27 硫黄酸化物吸収瓶及び硫化水素吸収瓶
(ミュンケ式ガス洗浄瓶)
19.3 試薬 試薬は,次による。
(1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
(2) 塩酸 JIS K 8180に規定する特級のもの。
(3) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。
(4) 1mol/L硫酸 硫酸60mLを水1Lに加えたもの。
(5) 過酸化水素水 (3%) JIS K 8230に規定する過酸化水素水 (30%) 1容に水9容を加えたもの。この溶
液は着色瓶に入れて保存する。
(6) 硫黄酸化物吸収液 1mol/L硫酸50mLに過酸化水素水 (3%) を加え,全量を250mLとしたもの。この
溶液は着色瓶に入れて保存する。
(7) 硫化水素吸収液 JIS K 8953に規定する硫酸亜鉛七水和物5gを水約500mLに溶かし,これにJIS K
8576に規定する水酸化ナトリウム6gを水約300mLに溶解した溶液を加え,更にJIS K 8960に規定す
る硫酸アンモニウム70gをかき混ぜながら加える。水酸化亜鉛の沈殿が溶解した後,水を加えて全量
を1Lとしたもの。
(8) 塩化鉄(III)溶液 JIS K 8142に規定する特級の塩化鉄(III)六水和物1.0gを硫酸水溶液 (1%) 100mL
に溶解したもの。
(9) 0.05mol/Lよう素溶液 JIS K 8913に規定するよう化カリウム40gを水約25mLに溶解した後,JIS K
8920に規定するよう素約13gを加え,更に水約1Lと塩酸3滴を加えたもの。
(10) 二塩化N,N−ジメチル−p−フェニレンジアンモニウム溶液 JIS K 8193に規定する二塩化N,N−
ジメチル−p−フェニレンジアンモニウム0.10gを,水3容と硫酸1容を混合した溶液100mLに溶解
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したもの。
(11) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定するでんぷん(溶性)1gを水約30mLと混和し,熱水200mL中にか
き混ぜながら加え約1分間煮沸し,冷却後ろ過したもの。この溶液は使用の都度調製する。
(12) 0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物26g及び
JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム0.20gを溶存酸素を含まない水(33)1Lに溶解し,JIS K 8051に規
定する3−メチル−1−ブタノール10mLを加えてよく振り混ぜ,2日間以上放置した後,次によって
標定する。
注(33) フラスコに入れた水の中に,JIS K 1107に規定する窒素ガスを約15分間通気する。
なお,この水は使用時に調製する。
(a) IS K 8005に規定するよう素酸カリウムを120140℃で約2時間乾燥し,無水過塩素酸マグネシウ
ムを入れたデシケータ中で放冷した後,0.91.1gを0.1mgのけたまではかり採り,水に溶解して
250mL全量フラスコに移し,水を標線まで加える。
(b) (a)の溶液25mLをピペットで500mL共栓付き三角フラスコに採り,水約300mL,JIS K 8913に規
定するよう化カリウム2g及び水5容と硫酸1容を混合した溶液5mLを加えた後,直ちに栓をして
静かに振り混ぜ,暗所に5分間放置する。
(c) (b)の溶液をマグネチックスターラでかき混ぜながら,0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定す
る。
溶液の色が淡い黄色になったら,指示薬としてでんぷん溶液約1mLを加えて滴定を続け,青紫色
が消えた点を終点とする。
(d) よう素酸カリウム溶液を加えないで,(b)(c)の操作を行い,空試験値を求める。
(e) 次の式によって,0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液のモル濃度を算出し,JIS Z 8401の規定によ
って小数点以下4けたに丸める。
M P 25
F=
.0035 667 V1−V2 100 250
ここに, F : 0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液のモル濃度
M : (a)ではかり採った,よう素酸カリウムの質量(g)
V1 : (c)で滴定に要した0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液の量
(mL)
V2 : (d)で求めた空試験値(mL)
P : よう素酸カリウムの含有量(%)
(13) 硫化水素標準液(0.001mgH2S/mL) 硫化水素標準液は,次によって調製する。
(a) IS K 8949に規定する硫化ナトリウム九水和物約1gを溶存酸素を含まない水(33)に溶解し,100mL
全量フラスコに移し,溶存酸素を含まない水(33)を標線まで加える。
(b) (a)の溶液10mLを,ピペットで200mL共栓付き三角フラスコに採る。
(c) 全量ピペットを用いて0.05mol/Lよう素溶液25mLを加え,更に塩酸1mLを加えた後,栓をして静
かに振り混ぜ暗所に10分間放置する。
(d) 指示薬としてでんぷん溶液約1mLを加え,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定する。終点
は青紫色が消えた点とする。
(e) 水約10mLを200mL共栓付き三角フラスコに採り,(c)(d)に従って滴定し,これを空試験値とす
る。
(f) 次の式によって,はかり採り量を算出し,JIS Z 8401の規定によって小数点以下1けたに丸める。
――――― [JIS K 2601 pdf 49] ―――――
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11.76
V=
B−A
ここに, V : はかり採り量 (mL)
A : (d)で滴定に要した0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液の量
(mL)
B : (e)で求めた空試験値 (mL)
F : 0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液のモル濃度
(g) (f)で求めたはかり採り量の硫化ナトリウム溶液を100mL全量フラスコに入れ,溶存酸素を含まない
水(33)を標線まで加えて混合し,これを原液とする。
(h) 原液5mLを1L全量フラスコに入れ,硫化水素吸収液を標線まで加えて混合する。これを硫化水素
標準液 (0.001mgH2S/mL) とする。
なお,原液及び硫化水素標準液は使用の都度調製する。
19.4 検量線の作成 次の操作はすべて直射日光を避けて行わなければならない。
(1) 25mL全量フラスコに硫化水素吸収液を約20mL入れる。
(2) 3個の25mL全量フラスコに調製直後の硫化水素標準液をピペットでそれぞれ5mL,10mL,15mL入
れ,硫化水素吸収液を加えて液量を約20mLとする。
(3) (1)及び(2)のそれぞれの全量フラスコに二塩化N,N−ジメチル−p−フェニレンジアンモニウム溶液
2mLを加え,続いて塩化鉄(III)溶液1mLを加えた後,栓をして静かに2回転倒させて混合し,硫
化水素吸収液を標線まで加え室温で30分間放置する。これを発色溶液とする。
(4) 分光光度計又は光電光度計と10mmセルを用いて,(1)の全量フラスコの発色溶液を対照液として,(2)
の全量フラスコの発色溶液の670nmにおける吸光度(34)をそれぞれ測定する。
注(34) 吸光度が0.5以上になると読取り誤差が大きくなるので,透過パーセントで読み取り,次の式に
よって吸光度を算出する。
100
E= log
T
ここに, E : 吸光度
T : 透過パーセント
(5) グラフ用紙の横軸を硫化水素mg/25mL,縦軸を吸光度としてプロットし,検量線を求める。図28に
その一例を示す。
図28 検量線(一例)
――――― [JIS K 2601 pdf 50] ―――――
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JIS K 2601:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3680:1983(MOD)
- ISO 9030:1990(MOD)
JIS K 2601:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2601:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISC2520:1999
- 電熱用合金線及び帯
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2254:2018
- 石油製品―蒸留性状の求め方
- JISK2258:1998
- 原油及び燃料油 ― 蒸気圧試験方法 ― リード法
- JISK2265:1996
- 原油及び石油製品 ― 引火点試験方法
- JISK2269:1987
- 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
- JISK2270:2000
- 原油及び石油製品 ― 残留炭素分試験方法
- JISK2272:1998
- 原油及び石油製品―灰分及び硫酸灰分試験方法
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2279:2003
- 原油及び石油製品―発熱量試験方法及び計算による推定方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2435:1992
- ベンゼン・トルエン・キシレン
- JISK2541:1996
- 原油及び石油製品―硫黄分試験方法
- JISK2609:1998
- 原油及び石油製品―窒素分試験方法
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8051:2010
- 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8122:2015
- 塩化カルシウム二水和物(試薬)
- JISK8122:2021
- 塩化カルシウム二水和物(試薬)
- JISK8123:2018
- 塩化カルシウム(試薬)
- JISK8124:2018
- 塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)
- JISK8142:2018
- 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8159:2017
- 塩化マグネシウム六水和物(試薬)
- JISK8180:2015
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- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8193:2020
- N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩(試薬)
- JISK8230:2016
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- JISK8271:2007
- キシレン(試薬)
- JISK8374:2007
- 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
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- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
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- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8810:2018
- 1-ブタノール(試薬)
- JISK8848:2012
- ヘキサン(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8920:2008
- よう素(試薬)
- JISK8949:2019
- 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8953:2008
- 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
- JISK8960:2008
- 硫酸アンモニウム(試薬)
- JISK8982:2008
- 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
- JISK8987:2006
- 硫酸ナトリウム(試薬)
- JISK9001:2008
- チオシアン酸カリウム(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則