JIS K 2601:1998 原油試験方法 | ページ 11

                                                                                             49
K 2601:1998
19.5 試料の採取及び保存
19.5.1 試料採取方法 試料の採取は,JIS K 2251の規定によるか,又は硫化水素の揮散を減少させるため,
次の方法によることが望ましい。
(1) おもり付き採取器による場合は,図29(a)のように適切な口径の足長漏斗を用いる。足長漏斗の足の下
端をあらかじめひょう量した硫化水素試験用試験容器(以下,試験容器という。)の底部にできるだけ
近づけて,おもり付き試料採取器から試料約100mLを直接分取し,直ちに密栓する。
(2) タップ採取方法による場合は,図29(b)のようにタップの出口に試験容器の底まで届くのに十分な長さ
の注入管を取り付ける。あらかじめひょう量した試験容器中に注入管を挿入し,その下端をできるだ
け試験容器底部に近づけて試料約100mLを採取し,直ちに密栓する。
図29 試料採取方法(一例)
19.5.2 試料の保存 採取した試料は直ちに試験することが望ましいが,やむを得ず保存する場合には密栓
して冷暗所に保存する。
19.6 試験の手順 次の操作はすべて直射日光を避けて行わなければならない。
(1) 硫黄酸化物吸収瓶に硫黄酸化物吸収液50mLを入れ,硫化水素吸収瓶2本に硫化水素吸収液100mLを
それぞれ入れる。
(2) 試料の入っている試験容器の質量をはかり,試料はかり採り前後の質量差から試料の質量を求める。
試料量は,約100mLが適切である(35)。
注(35) 硫化水素分が多いことがあらかじめ分かっている場合には,試料はかり採り量を少なくし,キ
シレンで希釈してもよい。
また,流動しにくい試料の場合には,キシレンで希釈するとよい。
(3) 試料容器を室温の加熱器にセットし,試験容器,硫黄酸化物吸収管,硫化水素吸収管2本及びガス流
量計を,図25に示すようにシリコンゴム管で接続する。
(4) 試験容器の窒素ガス吹込み管から窒素ガスを300±50mL/min (18L/h) の流量で吹き込みながら加熱を
始め,試料の温度が70℃に達したら,温度を70±1℃に保つ。
試料の温度が70℃に達してから60分間窒素ガスの吹込みを続ける。

――――― [JIS K 2601 pdf 51] ―――――

50
K 2601:1998
(5) 窒素ガスの吹込みが終了した後,硫化水素吸収瓶2本の吸収液を合わせて500mL全量フラスコに移し,
硫化水素吸収瓶は未使用の硫化水素吸収液の適切量で洗浄して500mL全量フラスコに加える。標線ま
で硫化水素吸収液を加えて混合し,これを比色用原液とする。
(6) 25mL全量フラスコに硫化水素吸収液約20mLを入れる。
(7) 比色用原液120mLの適切量をピペットではかり採り,25mL全量フラスコに入れ,硫化水素吸収液
を加えて全量を約20mLとする。
(8) (6)及び(7)のそれぞれの全量フラスコに二塩化N,N−ジメチル−p−フェニレンジアンモニウム溶液
2mLを加え,更に塩化鉄(III)溶液1mLを加えて,栓をして静かに2回転倒させて混合した後,硫
化水素吸収液を標線まで加えて室温で30分間放置する。これを発色溶液とする。
(9) 分光光度計又は光電光度計と10mmセルを用いて,(6)の全量フラスコの発色溶液を対照液として,(7)
の全量フラスコの発色溶液の670nmにおける吸光度(36)を測定する。
注(36) 吸光度が0.5以上になると読取り誤差が大きくなるので,透過パーセントで読み取り,次の式に
よって吸光度を算出する。
100
E= log
T
ここに, E : 吸光度
T : 透過パーセント
(10) 検量線から発色溶液中の硫化水素のmg数を求める。
(11) 吸光度が0.1以下の場合には,(7)での比色用原液のはかり採り量を最大20mLまで増やして,(6)(10)
の操作を繰り返す。
また,吸光度が大き過ぎて検量線を外れる場合には,(7)での比色用原液のはかり採り量を最小1mL
まで減らして,(6)(10)の操作を繰り返す。
比色用原液のはかり採り量を1mLとしても,検量線を外れる場合には,比色用原液の一部を採り,
硫化水素吸収液で希釈して,これを新たに比色用原液として(6)から(10)の操作を繰り返すか,(2)での
試料採取量を少なくして試験をやり直す。
19.7 計算方法及び精度
19.7.1 計算方法 試料中の硫化水素分は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって整数位に丸
める。
A 1 000
C=
M F
ここに, C : 試料の硫化水素分(質量ppm)
A : 検量線から求めた発色溶液中の硫化水素の量(mg)
M : 試料はかり採り量(g)
F : 発色溶液の希釈係数
19.6(7)ではかり採った比色用原液の容量(mL)

(pdf 一覧ページ番号 )

                                                            500
注(37) 19.6(11)で比色用原液を希釈して,新しい比色用原液を作った場合には,その希釈率を発色溶液
の希釈係数に含める。
19.7.2 精度 硫化水素分試験の結果が5100質量ppmの場合試験結果の許容差(確率0.95)は,次のと
おりである。
備考 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402の規定によって処理する。

――――― [JIS K 2601 pdf 52] ―――――

                                                                                             51
K 2601:1998
(1) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を2回試
験したときの試験結果の差の許容差を表12に示す。
(2) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1同ずつ試験した
ときの2個の試験結果の差の許容差を表12に示す。
表12 精度
単位 質量%
室内併行許容差 室間再現許容差
0.27+0.14A 1.27+0.32A
備考 A : 試験結果の平均値
参考 精度をグラフ化して,参考図3に示す。
参考図3 精度
19.8 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。
(1) 試料名,採取場所及び採取月日
(2) ISの規格番号 例 JIS K 2601
(3) 試験方法の名称・項番号及び19.7.1によって得られた結果
(4) 特記事項
付表1 引用規格
JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計
JIS C 2520 電熱用合金線及び帯
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0557 化学分析用の水
JIS K 1107 高純度窒素
JIS K 2249 原油及び石油製品一密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法
JIS K 2254 石油製品一蒸留試験方法
JIS K 2258 原油及び燃料油蒸気圧試験方法−リード法
JIS K 2265 原油及び石油製品−引火点試験方法

――――― [JIS K 2601 pdf 53] ―――――

52
K 2601:1998
JIS K 2269 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JIS K 2270 原油及び石油製品−残留炭素分試験方法
JIS K 2272 原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法
JIS K 2275 原油及び石油製品−水分試験方法
JIS K 2279 原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法
JIS K 2283 原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JIS K 2435 ベンゼン・トルエン・キシレン
JIS K 2541 原油及び石油製品−硫黄分試験方法
JIS K 2609 原油及び石油製品−窒素分試験方法
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8051 3−メチル−1−ブタノール(試薬)
JIS K 8101 エタノール (99.5) (試薬)
JIS K 8102 エタノール (95) (試薬)
JIS K 8122 塩化カルシウム二水和物(試薬)
JIS K 8123 塩化カルシウム(試薬)
JIS K 8124 塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)
JIS K 8142 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8159 塩化マグネシウム六水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8193 二塩化N,−ジメチル−p−フェニレンジアンモニウム(試薬)
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8271 キシレン(試薬)
JIS K 8374 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8680 トルエン(試薬)
JIS K 8810 1−ブタノール(試薬)
JIS K 8848 ヘキサン(試薬)
JIS K 8891 メタノール(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8920 よう素(試薬)
JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬)

――――― [JIS K 2601 pdf 54] ―――――

                                                                                             53
K 2601:1998
JIS K 8960 硫酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬)
JIS K 9001 チオシアン酸カリウム(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8402 分析・試験の許容差通則
関連規格 JIS K 2839 石油類試験用ガラス器具
ASTM D 96-88(1984) tandard Test Method for Water and Sediment in Crude Oil by Centrifuge
Method (Field Procedure)
ASTM D 3230-89 Standard Test Method for Salts in Crude Oil (Electrometric Method)
ASTM D 4007-81(1987) tandard Test Method for Water and Sediment in Crude Oil by the
Centrifuge Method (Laboratory Procedure)
IP 265/70 (1984) OTAL SALTS CONTENT OF CRUDE OIL CONDUCTIVITY METHOD
ISO/DIS 8708 : 1984 Crude petroleum oil−Determination of distillation characteristics using 15
theoretical plates column

――――― [JIS K 2601 pdf 55] ―――――

次のページ PDF 56

JIS K 2601:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3680:1983(MOD)
  • ISO 9030:1990(MOD)

JIS K 2601:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 2601:1998の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISC2520:1999
電熱用合金線及び帯
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK1107:2005
窒素
JISK2249:1995
原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK2251:2003
原油及び石油製品―試料採取方法
JISK2254:2018
石油製品―蒸留性状の求め方
JISK2258:1998
原油及び燃料油 ― 蒸気圧試験方法 ― リード法
JISK2265:1996
原油及び石油製品 ― 引火点試験方法
JISK2269:1987
原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JISK2270:2000
原油及び石油製品 ― 残留炭素分試験方法
JISK2272:1998
原油及び石油製品―灰分及び硫酸灰分試験方法
JISK2275:1996
原油及び石油製品―水分試験方法
JISK2279:2003
原油及び石油製品―発熱量試験方法及び計算による推定方法
JISK2283:2000
原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JISK2435:1992
ベンゼン・トルエン・キシレン
JISK2541:1996
原油及び石油製品―硫黄分試験方法
JISK2609:1998
原油及び石油製品―窒素分試験方法
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8051:2010
3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JISK8101:2006
エタノール(99.5)(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8122:2015
塩化カルシウム二水和物(試薬)
JISK8122:2021
塩化カルシウム二水和物(試薬)
JISK8123:2018
塩化カルシウム(試薬)
JISK8124:2018
塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)
JISK8142:2018
塩化鉄(III)六水和物(試薬)
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8159:2017
塩化マグネシウム六水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8193:2020
N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩(試薬)
JISK8230:2016
過酸化水素(試薬)
JISK8271:2007
キシレン(試薬)
JISK8374:2007
酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8637:2006
チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JISK8659:2014
でんぷん(溶性)(試薬)
JISK8680:2006
トルエン(試薬)
JISK8810:2018
1-ブタノール(試薬)
JISK8848:2012
ヘキサン(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK8913:2006
よう化カリウム(試薬)
JISK8920:2008
よう素(試薬)
JISK8949:2019
硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8953:2008
硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JISK8960:2008
硫酸アンモニウム(試薬)
JISK8982:2008
硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JISK8987:2006
硫酸ナトリウム(試薬)
JISK9001:2008
チオシアン酸カリウム(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8402:1991
分析・試験の許容差通則