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を初留点として記録する。初留点から約10mLまでの留分は毎分23mLの速度で,それ以後は毎分
45mLの速度で留出するように加熱を調節し,留分5%ごとに温度計の示度を記録する。
備考 通常は気圧による温度補正は行わないが,必要があればJIS K 2254に規定するシドニーヤング
式によって補正する。
(7) 温度計の示度が8090℃に達したら氷水を水道水に切り替えて循環させ,約200℃になったら温水(31)
に切り替え,蒸留を続ける。温度計の示度が270℃に達したら直ちに受器を外し,加熱を止め,その
後の留出油は100mLメスシリンダに受ける。
先に取り外した受器は密栓して,1218℃における留出量及び水分量を記録する。
注(31) 温水は4050℃が適切であるが,ワックスなどが析出するおそれのある場合は,更に高い温度
の温水,又は熱水を用いる。
17.6 計算方法及び精度
17.6.1 計算方法 原油常圧法蒸留試験の計算方法は,次による。
(1) 270℃までの留出油(容量%)は,次の式によって算出し,0.5容量%の単位に丸める。
D−w
A= 100
M−w
ここに, A : 270℃までの留出量 (容量%)
D : 受器中の全留出量 (mL)
w : 受器中の水分量 (mL)
M : 原油はかり採り量 (mL)
(2) 初留点及び留出量5容量%ごとの温度は,0.5℃の単位に丸める。
(3) 試験結果には,原油常圧法蒸留試験で得られた結果であることを明確にするため,原油常圧法と付記
する。
17.6.2 精度 原油常圧法蒸留試験の精度は,規定しない。
17.7 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。
(1) 試料名,採取場所及び採取月日
(2) ISの規格番号 例 JIS K 2601
(3) 試験方法の名称・項番号及び17.6.1によって得られた結果
(4) 特記事項
18. ワックス分試験方法
18.1 試験の原理 試料1又は2gをヘキサンに溶かし,活性白土を用いてアスファルテンを除去した後,
ヘキサンを蒸発させて除く。アスファルテンを除いた試料をアセトン・ヘキサン混合溶剤に溶解し,これ
を−18℃まで冷却して析出したワックスをろ過して分離する。分離したワックスの質量から試料中のワッ
クス分を求める。
備考 この試験方法は,石油学会の技術的検討を経て作成されたものである。
18.2 ワックス分試験器 ワックス分試験器は,次による。
(1) ブフナー漏斗 ろ過面の直径が55mmのもの。
(2) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種A,直径55mmのもの。
(3) 水浴 浴温を約95℃に保つことができるもの。
(4) 恒温空気浴 浴温を120±2℃及び105±2℃に保つことができるもの。
――――― [JIS K 2601 pdf 41] ―――――
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(5) デシケータ 乾燥剤としてシリカゲルを入れたもの。
(6) 試料用冷却浴 200mL三角フラスコを2個浸すのに十分な大きさで,冷媒としてエタノールを満たし,
冷却装置又はドライアイスで浴温を−18±1℃に保てるもの。
(7) ろ過装置 (a)(d)からなり,組立の一例を図22に示す。
(a) ガラスろ過器 図23に示すもの。
参考 JIS K 2839に規定する図242が相当する。
(b) 冷却浴 図24に示すもの。又は金属製とし,外側は適当な断熱材で覆うとよい。底板のほぼ中央に
あなを開け,ゴム栓を介して(a)のガラスろ過器を取り付ける。
また,底部に冷媒の排出口を設ける。内径110mm以上とし,ガラスろ過器の上縁が浴壁上縁の平
面以下となるのに十分な深さとする。冷媒としてエタノールを満たし,冷却装置又はドライアイス
で浴温を−18±1℃に保てるもの。
参考 JIS K 2839に規定する図243が相当する。
(c) 温度計 JIS B 7410に規定する温度計番号60 (TOT) 又は温度計番号61 (TOT) のもの。
(d) 吸引ろ過瓶 JIS R 3503に規定する付図37吸引ろ過瓶で呼び容量1Lのもの。
図22 ろ過装置(一例)
――――― [JIS K 2601 pdf 42] ―――――
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図23 ガラスろ過器
図24 冷却浴
18.3 試薬 試薬は,次による。
(1) ヘキサン JIS K 8848に規定するもの。
(2) 活性白土 厚さを10mm以下として,120±2℃に保った恒温空気浴中で2時間乾燥し,デシケータ内
で放冷したもの。
参考 社団法人日本油化学協会で検定した標準活性白土がある。
――――― [JIS K 2601 pdf 43] ―――――
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(3) アセトン JIS K 8034に規定するもの。
(4) 混合溶剤 アセトン75容量%とヘキサン25容量%を混合したもの。
(5) ドライアイス
(6) エタノール JIS K 8101又はJIS K 8102に規定する特級又は1級のもの。
18.4 試料の採取及び調製 試験用試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調
製方法,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。
18.5 試験の手順 試験の手順は,次による。
(1) ワックス分の含有量に応じて,表10に示す量の試料を1L三角フラスコに0.1mgのけたまではかり採
る。
表10 試料のはかり採り量
ワックス分質量 % 試料はかり採り量 g
10未満 2±0.2
10以上 1±0.1
(2) これにヘキサン500mLを加えて,試料を溶解する。
参考 タンク底部試料,フィルター捕そく物など長鎖のパラフィンを多く含む試料は,パラフィンが
活性白土に吸着され,負の誤差要因となる可能性が考えられる。
このような試料は,(2)(4)において試料を60℃に加温したヘキサンに溶解し,脱れき(瀝)
及びろ過操作まで溶液温度を60℃に保持したままで操作するとよい。(5)における繰返しの場合
も同様の溶液温度で行い,(6)におけるヘキサンによる洗浄も60℃に加温したヘキサンで行うと
よい。
(3) 次に活性白土15±0.1gを加え,マグネチックスターラ又は回転翼式スターラで15分間かくはんする。
(4) 吸引ろ過瓶にろ紙をセットしたブフナー漏斗を取り付け,ヘキサン溶液を吸引ろ過して活性白土を分
離する。
さらに,1L三角フラスコ及びブフナー漏斗上の活性白土をヘキサン50mLで洗浄する。
(5) ろ液を新たな1L三角フラスコに移し,ろ液の色が無色又は淡黄色でない場合には,(3)(4)の操作を
繰り返す。
(6) 吸引ろ過瓶内を少量のヘキサンで洗浄し,洗液を1L三角フラスコに加える。
(7) 1L三角フラスコを約95℃に保った温浴に載せ,ヘキサン臭がなくなるまでヘキサンを蒸発除去する。
備考 ヘキサンの蒸発除去はドラフト内で行う。
なお,適切な試験器を組み合わせて,ヘキサンの大部分を蒸留して除去した後,適切な大き
さのビーカーに洗い移して蒸発除去を行ってもよい。
(8) 1L三角フラスコに約35℃に加温した混合溶剤50mLを加え,残油を溶解した後,200mL三角フラス
コに移す。1L三角フラスコを混合溶剤50mLを用いて洗浄し,洗液を200mL三角フラスコに加える。
(9) 試料用冷却浴の温度を−18±1℃に保つ。
内部に水分が付着しないようにガラスろ過器の上をガラス板などで覆った後,冷却浴の温度を−18
±1℃に保つ。
備考 冷却浴に入れるエタノールの量はガラスろ過器が十分に浸る程度とするが,ドライアイスを使
用する場合には泡立ちを考慮してやや少なめとする。
(10) 200mL三角フラスコを試料用冷却浴に入れて冷却する。この際,局部冷却が起きないようにときどき
振り動かす。200mL三角フラスコ内の溶液が−18℃に達してから10分以上経過した後,溶液をガラ
――――― [JIS K 2601 pdf 44] ―――――
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スろ過器でろ過する(32)。この際,溶液液面が冷媒液面より上にならないように注意する。
注(32) ろ過は,常圧又は減圧のいずれで行ってもよい。
なお,ろ過操作中はなるべく空気を吸い込ませないように注意する。
(11) 200mL三角フラスコに付着したワックスは,混合溶剤10mLを加え,やや加温して溶解させた後,(10)
と同様の操作でガラスろ過器でろ過する。200mL三角フラスコは−18℃に冷却した混合溶剤56mL
で数回洗浄し,同じガラスろ過器でろ過する。
(12) −18℃に冷却した混合溶剤30mLをガラスろ過器に入れ,減圧ろ過してワックスを洗浄する。この操
作を3回繰り返す。
(13) ろ過装置から冷媒を抜き取り,ガラスろ過器の下にあらかじめ質量を0.1mgのけたまではかった
200mLビーカーを置き,ガラスろ過器の温度が室温に達した後,ガラスろ過器上のワックス,及びガ
ラス棒に付着したワックスを約60℃に加温したヘキサン2040mLで溶解し,200mLビーカーに移す。
(14) ヘキサン溶液の入ったビーカーを約95℃の水浴に載せ,ヘキサン臭がなくなるまでヘキサンを蒸発除
去する。
備考 ヘキサンの蒸発除去は,ドラフト内で行う。
(15) 200mLビーカーを105±2℃に保った恒温空気浴に15分間入れた後,デシケータ内で1時間以上放冷
し,質量を0.1mgのけたまではかる。
18.6 計算方法及び精度
18.6.1 計算方法 試料中のワックス分は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって0.1質量%
のけたに丸める。
W
C= 100
S
ここに, C : ワックス分(質量%)
W : ワックスの質量(g)
S : 試料採取量(g)
18.6.2 精度 ワックス分試験の結果が2.520質量%の場合,得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,
次のとおりである。
備考 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402の規定によって処理する。
(1) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を2回試
験したときの,試験結果の差の許容差を表11に示す。
(2) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験した
ときの2個の試験結果の差の許容差を表11に示す。
表11 精度
単位 質量%
室内併行許容差 室間再現許容差
0.12±0.08A 1.22+0.15A
備考 A : 試験結果の平均値
参考 精度をグラフ化して,参考図2に示す。
――――― [JIS K 2601 pdf 45] ―――――
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JIS K 2601:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3680:1983(MOD)
- ISO 9030:1990(MOD)
JIS K 2601:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2601:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
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- 石油類試験用ガラス製温度計
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- 電熱用合金線及び帯
- JISK0050:2019
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- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2254:2018
- 石油製品―蒸留性状の求め方
- JISK2258:1998
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- JISK2265:1996
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- JISK2269:1987
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- 分析・試験の許容差通則