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3) ガス熱量計に供給する水の温度は,室温より2.0 ℃±0.5 ℃低く,かつ,1回の試験における温度変
化を,0.05 ℃以下に保持する。
4) ガス熱量計内を流れる水の量は,その入口と出口との温度差が10 ℃12 ℃になるように調節する。
5) ガス熱量計に入る燃焼用空気の相対湿度は,(80±5)%に調節する。
6) 1回の試験で燃焼させる試料ガス量は,表25による。
表25−試料ガス量
総発熱量 試料ガス量
kJ/m3 L
31 400未満 10
31 400以上 5
b) 試験の準備 試験の準備は,次の手順による。
1) ガス熱量計に流水温度測定用温度計を図39に例を示すように取り付ける。このとき,流水出口温度
計は,その検出素子が流水混合器の上端から約6 mm離れた位置に設置する。次に,ガス熱量計を,
附属する懸垂形水準器を用いて図38に例を示す試験台上に垂直に設置する。
2) ガス熱量計に空気湿潤器を接続し,ガスメータ,ガス湿潤器,ガス圧力調整器などの各機器の水及
び試料ガスの経路を,図38に例を示すようにゴム管を用いて連結し,ガス経路は,試料ガスで完全
に置換する。各機器を設置するに当たっての注意事項は,次による。
2.1) 各機器は,ガス漏れ又は水漏れがなく,正常に作動するものとする。
2.2) ガスメータは,附属する水準器によって水平に設置し,指針が5 Lの標線を指し,ガスの入口側
及び出口側を外気に開放した状態で,封水の水位を規定の位置に精密に調整する。
2.3) ガス湿潤器及びガス圧力調整器の封水は,正常な水位とする。
2.4) 空気湿潤器の湿球温度計のガーゼは,汚れがなく,常に水つぼからの水によって湿潤させる。
2.5) 室温測定用温度計は,ガス熱量計になるべく近く,かつ,その検出素子がガス熱量計底部とほぼ
同じ高さであって,ガス熱量計の廃気の影響を受けない位置に設置する。
2.6) 試料ガス経路は,ガスバーナのコックを閉じた状態で,試料ガスによって0.78 kPa 程度の圧力を
かけ,漏れのないことを確認する。
3) 水槽を通して,水温を調節した水をガス熱量計に供給し,室温,流水入口温度及びガスメータ水温
の関係を,a) 2)及び3)の試験条件に適合するように調節する。ガス熱量計に供給する水量は,オー
バフローカップからあふれた水が常に空気湿潤器に流れている量とする。
4) 試料ガスの性状に応じた内径をもつノズルを,ガスバーナに取り付けた後,ガスバーナに点火し,
試料ガスの流量をa) 1)の試験条件になるように調節する。ガスバーナの燃焼状態は,試料ガスの発
熱量,比重,一次空気吸入量などによって異なるので,表26を参考にして適切なガス流量になるよ
うにノズルを選択し,必要に応じてガスバーナ入口ガス圧力を調節する。
なお,ガス圧力は,ガスメータにおいて0.34 kPa0.49 kPaの範囲にあるように,ガス圧力調整器
のおもりを加減して調節する。
――――― [JIS K 2301 pdf 91] ―――――
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表26−試料ガスの発熱量とガス流量との関係
ガスのおおよその流量
試料ガスのおおよその総発熱量 バーナノズルの内径例(参考)
kJ/m3 L/h mm
62 800 65 1.0
54 400 75 1.0
46 000 90 1.0
37 700 110 1.5
29 300 140 2.0
21 900 200 2.0
16 700 250 2.0
12 600 330 2.5
8 400 500 4.0
5) ガスバーナの一次空気量を,ガスバーナの炎口において内外炎が現れて静かに燃え,外炎の先端に
ときどき光輝ある光が見える程度に調節する。次に,ガスバーナをガス熱量計の規定の位置に固定
する。このとき,ガス熱量計の排気口のダンパは,全開にする。
6) 空気湿潤器の一次及び二次空気ダンパを用いて,燃焼用空気の湿度をa) 5)の試験条件に適合するよ
うに調節する。燃焼用空気の湿度は,ダンパの調節後10分15分を経てから,附属する乾湿球温
度計の示度を読み,表27によって求める。
7) ガス熱量計に供給する水量を流水調節コックによって調節し,流水温度測定用温度計の示す流水の
入口と出口との温度差をa) 4)の試験条件に適合するように保持する。
8) ガス熱量計の排気口ダンパの開度を,排気温度が室温より0 ℃0.5 ℃低く,流水の入口と出口と
の温度差が最大になるように調節する。このとき,ダンパを絞り過ぎないように注意する。
9) 流水受器の内面を水でぬらし,水切り後,直ちに質量を測定し,ガス熱量計の流水出口に置く。
c) 試験の操作 試験の操作は,次による。
1) ガスバーナをガス熱量計内に固定してから10分以上を経過し,流水出口温度計の読みの変動幅が
0.2 ℃以内になり,凝縮水の滴下が一様になるのを確認した後,試験を開始する。
2) ガスメータの指針が適切な目盛を通過する瞬間に,ガス熱量計の流水切換コックを手早く,かつ,
確実に,流水受器側に切り換える。
3) 流水切換コックの切換えと同時に,流水入口温度計の示度を,水銀温度計では附属拡大鏡によって
読み取るか,又はそれ以外の温度計では指示計に示された温度を0.01 ℃まで読み取る。続いて指針
が0.5 L(又は試料ガスの発熱量が31 400 kJ/m3以上のときは,0.25 L。以下,同じ。)進んだときに,
流水出口温度計の示度を同様に読み取り,表28に例を示す記録表に記録する。
4) その後,ガスメータの指針が0.5 L(又は0.25 L)進むごとに,流水入口及び流水出口温度計の示度
を交互に読み取って記録し,ガスメータの指針が2回転(又は1回転)して,試験を開始した目盛
の位置を通過する瞬間に,流水切換コックを排水側に切り換える。
5) 流水出口から水の滴下がなくなった後,流水受器内の水の質量をはかって記録し,1回の試験を終
わる。
6) 引き続き同様の試験を更に2回繰り返し,合計3回の試験結果を記録する。
7) 速やかに次の試験を行い,測定値及びその他の必要事項を記録表に記入する。
7.1) 試料ガス温度(ガスメータの水温)を0.1 ℃まで読み取る。
7.2) 試料ガス圧力(ガスメータにおける圧力)を0.01 kPaまで読み取る。
――――― [JIS K 2301 pdf 92] ―――――
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7.3) 室温を0.1 ℃まで読み取る。
7.4) ガス熱量計の排気温度を0.5 ℃まで読み取る。
7.5) 気圧計の示度を0.01 kPaまで,及び付着温度計の示度を0.5 ℃まで読み取る。
注記 真発熱量を求める場合には,ガス熱量計から滴下する凝縮水をメスシリンダに受け,そ
の水量が少なくとも10 mL以上になるまで試料ガスを別に燃焼させ,そのときの対応す
る試料ガス量及び凝縮水量を測定する。
8.1.5 計算
計算は,次による。
a) 換算係数 発熱量の換算係数は,次の式によって算出し,有効数字4桁に丸める。
273.15 1
F1 B0 P S
tg 273.15 P0
ここに, F1 : 発熱量の換算係数
f : 総合補正係数[ガス熱量計の補正係数(f1)とガスメータの補
正係数(f2)との積]
tg,P0,B0,P及びSは箇条5 e)による。
総合補正係数は,表A.1に示す発熱量既知の純粋ガスを用いて8.1.4と同様の操作によって求められ
たものを用いる。
なお,総合補正係数は,ガス熱量計の補正係数及びガスメータの補正係数から求めて使用してもよ
い。
注記1 ガスバーナのノズル及びヘッド,外筒,オーバフローカップ,流水調整コック,流水混合
器,流水入口温度計及び流水出口温度計の取付口などの一部を補修し,又はそれらを交換
したときは,ガス熱量計の補正係数及び総合補正係数が変化することがあるので,ガス熱
量計の補正係数又は総合補正係数を求め直すことが一般的である。
b) 測定熱量 測定熱量は,それぞれの試験ごとに,8.1.4 c)で測定された流水入口及び出口の読取り温度
を平均し,温度計の器差補正及び露出部示度補正を行った後,その温度差を求め,次の式によって算
出する。
W td
Hj F2
V
ここに, Hj : 1回の試験で得られた測定熱量(kJ/m3)
W : 1回の試験でガス熱量計から流出した水の質量(g)
td : 1回の試験中に読み取った流水入口及び出口の平均温度(温度
計の器差補正及び露出部示度補正を行ったもの)の差(℃)
V : 1回の試験で燃焼させた試料ガス量(10 L又は5 L)
F2 : 熱量への換算係数(4.186 05 J/g℃)
ガラス製二重管水銀温度計又は棒状水銀温度計の器差補正値は,基準温度計を用いて,JIS B 7410
の附属書に準じる方法で求められたものを用いる。ただし,電気的測定法を用いる場合は,JIS Z 8710
に示された校正を行ったものを用いる。
温度計の露出部示度補正値( 燿 は,表29によって求める。
c) 測定値の取扱い 同一人が引き続いて行った3回の測定熱量の値が次の式を満足しないときは,その
測定値を棄却し,新たに試験を繰り返すこととする。
――――― [JIS K 2301 pdf 93] ―――――
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Hjmax Hjmin
=3
≦ 0.010
Hj
j 13
ここに, Hjmax : 測定熱量の最大値(kJ/m3)
Hjmin : 測定熱量の最小値(kJ/m3)
Hj : b)で算出した測定熱量(kJ/m3)
d) 総発熱量の計算 総発熱量は,a)及びb)で求めたHj及びF1を用いて,次の式によって算出する。
Σ Hj 1
HG
n F1
ここに, HG : 総発熱量(kJ/m3)
ΣHj : 測定熱量の合計値(3回)(kJ/m3)
n : 試験回数(3回)
F1 : 発熱量の換算係数
注記2 真発熱量を求める場合には,次の式によって総発熱量及び凝縮水量から算出する。
lQ WC 1 000
HN HG
V0
ここに, HN : 標準状態における乾燥ガスの真発熱量(kJ/m3)
lQ : 凝縮水の凝縮潜熱(2.5 kJ/g)
WC : V0(L)の燃焼によって生じた凝縮水量(mL)
V0 : 凝縮水量測定のために燃焼したガスの箇条5 e)によって換算
した体積(L)
8.1.6 試験結果の表示
発熱量は,JIS Z 8401によって,十の位に丸めて表示し,また,試験方法を付記する。
8.2 計算によって求める方法(ガスクロマトグラフ法)
8.2.1 原理
箇条6によって得られた成分組成及びそれぞれの成分の発熱量を用いて,計算によって試料ガスの発熱
量を求める。
8.2.2 計算
総発熱量は,次の式によって算出する。
ΣCMiHi
HG
Z
2 2
Z 1 ΣCMibi .0000 5 2CMH CMH
bi=1−Zi
ここに, HG : 試料ガスの総発熱量(kJ/m3)
CMi : 成分iのモル分率。小数点以下4桁まで求める。
Hi : 成分iの理想状態における総発熱量(kJ/m3)。表30から求め
る。
Z : 試料ガスの圧縮係数
Zi : 成分iの圧縮係数。表30から求める。
ib : 成分iの圧縮加算係数
CMH : 試料ガス中の水素のモル分率。小数点以下4桁まで求める。
合算して類として表示した場合には,その中に含まれる成分のうち,代表成分の発熱量及び圧縮係数を
用いて計算する。
――――― [JIS K 2301 pdf 94] ―――――
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天然ガスなどに含まれることのあるC6以上の高沸点炭化水素を,バックフラッシング操作を用いて,一
括してC6+として定量した場合は,パラフィン類が主成分のときはヘキサンとみなし,芳香族炭化水素類
が主成分のときはベンゼンとみなして,計算する。
なお,体積分率からモル分率に換算する場合には,次の式を用いる。
CVi
Zi
CMi
CVi
Σ
Zi
ここに, CMi : 成分iのモル分率
CVi : 成分iの体積分率(%)
Zi : 成分iの圧縮係数
注記1 真発熱量を求める場合は,表30の総発熱量の代わりに真発熱量を用いて同様の計算を行う。
注記2 Z及びHGを求める場合には,表31を参照してもよい。
8.2.3 計算結果の表示
発熱量は,JIS Z 8401によって,十の位に丸めて表示し,また,測定方法を付記する。
8.2.4 その他の方法
附属書JC(規定)に“計算によって熱量を求める方法(実在状態における混合ガスの発熱量を計算する
方法)”及び附属書A(参考)に“計算によって熱量を求める方法(ISO 6976:1995の計算式)”を示す。
――――― [JIS K 2301 pdf 95] ―――――
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JIS K 2301:2011の引用国際規格 ISO 一覧
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- ISO 6326-1:2007(MOD)
- ISO 6327:1981(MOD)
- ISO 6974-1:2000(MOD)
- ISO 6974-2:2001(MOD)
- ISO 6974-3:2000(MOD)
- ISO 6974-4:2000(MOD)
- ISO 6974-5:2000(MOD)
- ISO 6974-6:2002(MOD)
- ISO 6975:1997(MOD)
- ISO 6976:1995(MOD)
JIS K 2301:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2301:2011の関連規格と引用規格一覧
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- 硫酸カリウム(試薬)
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- ろ紙(化学分析用)
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- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-2:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
- JISZ8710:1993
- 温度測定方法通則