108
K 2301 : 2011
附属書A
(参考)
計算によって熱量を求める方法(ISO 6976:1995の計算式)
A.1 要旨
箇条6によって得られる成分組成,及びそれぞれの成分の発熱量を用いて,計算によって試料ガスの発
熱量を求める。
なお,この計算方法は,天然ガスの場合に限られる。
A.2 計算
総発熱量は,次の式によって算出する。
ΣCMiHi
HG=
Z
Z 1 ΣCMibi
bi=1−Zi
ここに, HG : 試料ガスの総発熱量(kJ/m3)
CMi : 成分iのモル分率。小数点以下4桁まで求める。
Hi : 成分iの理想状態における総発熱量(kJ/m3)。表A.1から求め
る。
Z : 試料ガスの圧縮係数
Zi : 成分iの圧縮係数。表A.1から求める。
ib : 成分iの圧縮加算係数
なお,体積分率(%)からモル分率に換算する場合には,次の式を用いる。
CVi
Zi
CMi=
CVi
Σ
Zi
ここに, CVi : 成分iの体積分率(%)
CMi : 成分iのモル分率
Zi : 成分iの圧縮係数。表A.1から求める。
A.3 計算結果の表示
発熱量は,JIS Z 8401によって,十の位に丸めて表示し,測定方法を付記する。
――――― [JIS K 2301 pdf 111] ―――――
109
K 2301 : 2011
表A.1−純粋ガスの圧縮係数及び発熱量
No. 成分 分子式 分子量 圧縮 圧縮加算 総発熱量 真発熱量
g/mol 係数 係数 kJ/m3 kJ/m3
1 水素 H2 2.015 9 1.000 6 −0.004 0 12 788 10 777
2 酸素 O2 31.998 8 0.999 0 0.031 6 − −
3 窒素 N2 28.013 5 0.999 5 0.022 4 − −
4 一酸化炭素 CO 28.010 0.999 3 0.026 5 12 620 12 620
5 二酸化炭素 CO2 44.010 0.993 3 0.081 9 − −
6 メタン CH4 16.043 0.997 6 0.049 0 39 840 35 818
7 エタン C2H6 30.070 0.990 0 0.100 0 69 790 63 760
8 エチレン C2H4 28.054 0.992 5 0.086 6 63 060 59 040
9 プロパン C3H8 44.097 0.978 9 0.145 3 99 220 91 180
10 プロピレン C3H6 42.081 0.981 0.137 8 91 980 85 940
11 ブタン C4H10 58.123 0.957 2 0.206 9 128 660 118 610
12 イソブタン C4H10 58.123 0.958 0.204 9 128 230 118 180
13 1-ブテン C4H8 56.108 0.965 0.187 1 121 420 113 380
14 シス-2-ブテン C4H8 56.108 0.961 0.197 5 121 120 113 080
15 トランス-2-ブテン C4H8 56.108 0.961 0.197 5 120 960 112 910
16 イソブテン C4H8 56.108 0.965 0.187 1 120 670 112 630
17 1, 3-ブタジエン C4H6 54.092 0.966 0.184 4 113 510 107 470
18 ペンタン C5H12 72.150 0.918 0.286 4 158 070 146 000
19 イソペンタン C5H12 72.150 0.937 0.251 0 157 760 145 690
20 2,2-ジメチルプロパン C5H12 72.150 0.943 0.238 7 157 120 145 060
21 1-ペンテン C5H10 70.134 0.938 0.249 0 150 860 140 800
22 シクロペンタン C5H10 70.134 0.935 0.255 0 148 400 138 340
23 ヘキサン C6H14 86.177 0.892 0.328 6 187 530 173 450
24 イソヘキサン C6H14 86.177 0.898 0.319 4 187 190 173 110
25 3-メチルペンタン C6H14 86.177 0.898 0.391 4 187 300 173 230
26 2, 2-ジメチルブタン C6H14 86.177 0.916 0.289 8 186 750 172 670
27 2, 3-ジメチルブタン C6H14 86.177 0.910 0.300 0 187 100 173 020
28 ベンゼン C6H6 78.114 0.909 0.301 7 147 450 141 420
29 トルエン C7H8 92.141 0.849 0.388 6 176 350 168 310
30 空気 28.962 6 0.999 41
――――― [JIS K 2301 pdf 112] ―――――
110
K 2301 : 2011
附属書B
(参考)
計算によって比重を求める方法(ISO 6976:1995の計算式)
B.1 要旨
箇条6によって得られる成分組成,及びそれぞれの成分の発熱量を用いて,計算によって試料ガスの比
重を求める。
なお,この計算方法は,天然ガスの場合に限られる。
B.2 計算
比重は,次の式によって算出する。
ZairΣCMiS0i
S=
Z
Z=1 ΣCMibi
bi=1−Zi
ここに, S : 試料ガスの比重
CMi : 成分iのモル分率。小数点以下4桁まで求める。
S0 :
i
理想状態の乾燥空気に対する成分iの理想状態における比重。
表A.1から求める。
Z : 試料ガスの圧縮係数
Zi : 成分iの圧縮係数。表A.1から求める。
ib : 成分iの圧縮加算係数
Zair : 空気の圧縮係数
なお,体積分率(%)からモル分率に換算する場合には,次の式を用いる。
CVi
Zi
CMi=
CVi
Σ
Zi
ここに, CVi : 成分iの体積分率(%)
CMi : 成分iのモル分率
Zi : 成分iの圧縮係数
B.3 計算結果の表示
比重の測定は,JIS Z 8401によって,小数点以下3桁に丸めて表示し,また,測定方法を付記する。
――――― [JIS K 2301 pdf 113] ―――――
111
K 2301 : 2011
附属書JA
(規定)
ナフタレンの分析方法(ガスクロマトグラフ法)
JA.1 原理
試料ガスを氷冷したトルエンに通してナフタレンを吸収し,ガスクロマトグラフを用いて内標準法によ
って定量する。この方法は,試料ガス300 Lを採取し熱伝導度検出器を用いた場合,ナフタレン濃度が0.01
g/m3以上のガスの分析ができ,水素炎イオン化検出器を用いれば,0.01 g/m3以下のガスの分析もできる。
JA.2 試薬
試薬は,次による。
JA.2.1 吸収液 JIS K 8680に規定するトルエン。
JA.2.2 標準ナフタレン溶液 純度99 %以上のナフタレン0.300 gをはかりとり,ビーカ(100 mL)に移
し,少量のトルエンに溶かす。これを全量フラスコ(100 mL)に洗い移し,トルエンを標線まで加える。
JA.2.3 内標準物質溶液 n-ヘプタデカン0.300 gをはかりとってビーカ(100 mL)に移し,少量のトル
エンに溶かす。これを全量フラスコ(100 mL)に洗い移し,トルエンを標線まで加える。
JA.3 試験器
試験器は,次による。
JA.3.1 吸収装置
吸収装置の例を図JA.1に示す。吸収瓶には,JIS K 2839の図163に示す吸収瓶(ガラスろ過板又は球付
き)2個を用いる。試料ガス採取管から吸収瓶までの配管は,試料ガス中のナフタレンが析出しないよう
に保温する。
図JA.1−ナフタレン吸収装置の例
JA.3.2 ガスクロマトグラフ
JA.3.2.1 検出器
熱伝導度検出器又は水素炎イオン化検出器。検出器の所要感度は,熱伝導度検出器の場合には5×10−7 g
のナフタレン,水素炎イオン化検出器の場合には5×10−8 gのナフタレンを,それぞれ導入したときに,
クロマトグラムのピークの高さが10 mm以上でなければならない。
JA.3.2.2 キャリヤーガス
純度が体積分率99.99 %以上のヘリウム。水素炎イオン化検出器を用いる場合は,体積分率99.99 %以上
――――― [JIS K 2301 pdf 114] ―――――
112
K 2301 : 2011
の窒素を用いてもよい。
JA.3.2.3 カラム
内径3 mm5 mm,長さ2 mのガラス管又はステンレス鋼管に,酸処理した褐色けい藻土担体[250
590 60メッシュ30メッシュ)]にFFAP(Free fatty acid phase)を10 %含浸させた充剤を充す
る。
JA.3.3 記録計
6.3.3による。
JA.3.4 データ処理装置
6.3.4による。
JA.4 操作
試験の操作の手順は,次による。
a) ガスクロマトグラフを,次に示すように設定する。
カラム槽温度 200 ℃
試料導入部温度 250 ℃
キャリヤーガス流量 40 mL/min
記録紙送り速度 1 cm/min
b) 吸収瓶2個に吸収液をそれぞれ40 mLずつ入れ,吸収瓶を氷冷した後,パージ弁を開いて配管を試料
ガスで十分に置換する。
c) 試料ガスをナフタレン含有量に応じて熱伝導度検出器を用いるときはナフタレン量が3 mg30 mg,
水素炎イオン化検出器を用いるときは0.3 mg以上を吸収させるように,表JA.1に示す流量で吸収瓶
に通して試料溶液とする。ガスメータを読み,箇条5 e)によって採取した試料ガスの体積を計算する。
表JA.1−ナフタレン濃度と流量との関係
ナフタレン濃度 流量
g/m3 L/h
0.5未満 60
0.5以上 30
d) 第1吸収瓶の試料溶液を共栓付きメスシリンダ(50 mL)に移し,吸収瓶を少量のトルエンで洗浄し
てこれに合わせた後,試料溶液中の予想ナフタレン量の0.2倍量5倍量のn-ヘプタデカンを含む内
標準物質溶液をメスピペットで正確に加え,次にトルエンを標線まで加えてよく混合する。
e) この溶液5 mLをマイクロシリンジでガスクロマトグラフに導入し,得られたクロマトグラムからナ
フタレンとn-ヘプタデカンとのピーク面積比を求める。水素炎イオン化検出器の場合,5 μL以下の適
正量とする。毎回同じ体積を注入することが望ましい。
f) 第2吸収瓶の試料溶液についてd)及びe)と同様に操作し,ナフタレンがないことを確認する。もし,
ナフタレンが検出された場合には,e)と同様にピーク面積比を求める。
JA.5 計算
JA.4 e)で求めた面積比についてJA.6で作成した検量線からナフタレン量とn-ヘプタデカン量との質量
比を求め,試料ガス中のナフタレン濃度を,次の式によって算出する。JA.4 f)で第2吸収瓶の試料溶液中
――――― [JIS K 2301 pdf 115] ―――――
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JIS K 2301:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 19739:2004(MOD)
- ISO 6326-1:2007(MOD)
- ISO 6327:1981(MOD)
- ISO 6974-1:2000(MOD)
- ISO 6974-2:2001(MOD)
- ISO 6974-3:2000(MOD)
- ISO 6974-4:2000(MOD)
- ISO 6974-5:2000(MOD)
- ISO 6974-6:2002(MOD)
- ISO 6975:1997(MOD)
- ISO 6976:1995(MOD)
JIS K 2301:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2301:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISK0055:2002
- ガス分析装置校正方法通則
- JISK0088:1997
- 排ガス中のベンゼン分析方法
- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0512:1995
- 水素
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8032:2013
- アセトニトリル(試薬)
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8051:2010
- 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8124:2018
- 塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)
- JISK8142:2018
- 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8193:2020
- N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩(試薬)
- JISK8228:2020
- 過塩素酸マグネシウム(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8295:2020
- グリセリン(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8374:2007
- 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
- JISK8500:2007
- N,N-ジメチルホルムアミド(試薬)
- JISK8519:2016
- しゅう酸二水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8568:1957
- 焼石コウ(試薬)
- JISK8568:2011
- 硝酸マンガン(II)六水和物(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8622:2007
- 炭酸水素ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8638:2011
- チオ硫酸ナトリウム(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8722:2019
- ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8798:2012
- フェノール(試薬)
- JISK8840:2014
- ブロモクレゾールグリーン(試薬)
- JISK8844:2012
- ブロモフェノールブルー(試薬)
- JISK8848:2012
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- JISK8858:2007
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- ほう酸(試薬)
- JISK8866:2008
- 四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬)
- JISK8896:2012
- メチルレッド(試薬)
- JISK8897:2012
- メチレンブルー(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8920:2008
- よう素(試薬)
- JISK8922:2008
- よう素酸カリウム(試薬)
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- 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8953:2008
- 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
- JISK8960:2008
- 硫酸アンモニウム(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK9005:2006
- りん酸(試薬)
- JISK9501:2019
- アジ化ナトリウム(試薬)
- JISK9551:2020
- 過塩素酸バリウム(試薬)
- JISK9703:2013
- 2,2,4-トリメチルペンタン(試薬)
- JISK9704:1994
- 2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(試薬)
- JISK9808:1996
- 生化学試薬―2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(ビス-トリス)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-2:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
- JISZ8710:1993
- 温度測定方法通則