9
K 8005 : 2014
ラメータを示し,分析値に付記される。不確かさの値は,分析値の小数点以下と同じ桁数にJIS Z 8401
によって丸める。
不確かさには,大きく分けて次の三つの由来があると考えられる。
1) 分析値由来の不確かさ
2) 容器(瓶)間の不確かさ(容器間の不均一性)
3) 経時変化から生じる不確かさ
b) 合成標準不確かさ(要因の定量化) 抽出した各要因の不確かさを,要因の特性値,校正の許容差など
から定量化し,合成標準不確かさを求める。
要因のタイプを判別して,実験標準偏差又は要因に適用する確率分布[正規分布,く(矩)形分布
(一様分布),三角分布,U字分布など]を考察し,標準不確かさ及び感度係数を求める。
標準不確かさに感度係数を乗じたもの(測定量)を二乗和の平方根で合成し,合成標準不確かさを
求める。ただし,合成標準不確かさへの寄与率が小さい要因は省略することができる(ISO/IEC Guide
98-3参照)。
c) 拡張不確かさ 合成標準不確かさに,95 %の信頼の水準を示す包含係数を乗じて,拡張不確かさを求
め,JIS Z 8401の2.(数値の丸め方)によって分析値の小数点以下と同じ桁数に丸める。
10 純度以外の項目の分析値
純度以外の項目(不純物)の分析値は,計算して得られた分析値が定量下限以下の場合は,その定量下
限をもって分析値とする。
11 試験成績書
純度,不純物,乾燥方法などを記載した試験成績書を製品に添付する。
12 保存
製品は,各附属書に規定する容器に入れ,室温で保存する。
13 表示
この規格の全ての要求事項に適合した容量分析用標準物質の容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格(日本産業規格)番号及び規格名称
b) 品目の名称[例 亜鉛(容量分析用標準物質)]
c) 化学式及び式量又は原子量
d) 純度(規格値)
e) 内容量
f) 製造番号
g) 有効期限の年月
h) 製造業者名又はその略号
――――― [JIS K 8005 pdf 11] ―――――
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K 8005 : 2014
附属書A
(規定)
亜鉛(容量分析用標準物質)
Zinc (Reference material for volumetric analysis)
Zn AW : 65.38
A.1 性質
A.1.1 性状
亜鉛は,灰色から銀白色の金属で,削状又は粒状のものである。塩酸,硫酸及び水酸化ナトリウム溶液
と反応して水素の泡を発生する。
A.1.2 定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料0.3 gに塩酸(2+1)10 mlを加えて溶かし,水10 mlを加える(A液)。A液5 mlに水酸化ナト
リウム溶液(300 g/l)3 mlを加えると,白い沈殿が生じる。さらに,水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)
3 mlを加えると,その沈殿は溶ける。
b) 液3 mlにヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム溶液[ヘキサシアニド鉄(II)酸カリウム溶液](50 g/l)
1 mlを加えると,白い沈殿が生じる。
A.2 品質
品質は,A.4によって試験したとき,表A.1に適合しなければならない。
表A.1−品質
項目 規格値 試験方法
純度(Zn)a) 質量分率 % 99.990 以上 A.4.2
銅(Cu) g/kg 0.010 以下 A.4.3
カドミウム(Cd) g/kg 0.010 以下 A.4.4
すず(Sn) mg/kg 5 以下 A.4.5
鉛(Pb) g/kg 0.020 以下 A.4.6
鉄(Fe) g/kg 0.010 以下 A.4.7
注a) 純度は,不確かさをもつ分析値として報告する。
A.3 サンプリング
サンプルの大きさ(抜取り本数の合計)は,3本以上とする。
A.4 試験方法
A.4.1 試料の前処理
試料の前処理は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(99.5) JIS K 8101に規定するもの。
2) ジエチルエーテル JIS K 8103に規定するもの。
――――― [JIS K 8005 pdf 12] ―――――
11
K 8005 : 2014
3) 塩酸(1+3) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積3とを混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 平形はかり瓶 箇条8 a) 1)による。
2) 減圧デシケーター JIS R 3503に規定する上口デシケーターに,JIS Z 0701に規定するシリカゲル
A形1種を乾燥剤として入れ,減圧が可能な附属品を付けたもの。
3) 減圧ポンプ 密閉容器から気体を排出することによって,密閉容器を減圧にするためのポンプ。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試験に必要な量より少し多く試料を平形はかり瓶にとり,塩酸(1+3),水,エタノール(99.5)及
びジエチルエーテルで順次洗浄する。
2) 直ちに,洗浄した試料を減圧デシケーターに入れ,減圧ポンプを用いて,デシケーター内圧2.0 kPa
以下で数分間吸引した後,減圧デシケーターのコックを閉じて,減圧下で約12時間保つ。ただし,
減圧デシケーターは,試料をひょう量する室内又は恒温の装置内に置く。
A.4.2 純度(Zn)
純度(Zn)の試験方法は,差数法による。差数法は,次による。
この場合,純度(Zn)の分析値は,質量分率100 %から亜鉛中の不純物の分析種の含有率の総和を差し
引いたものを示す。
なお,差数法に必要な亜鉛中の不純物の分析種は,銅,カドミウム,すず,鉛及び鉄とする。
a) 計算 計算は,次による。
1) 純度の分析値 純度の分析値は,次の式(A.1)によって算出し,小数点以下4桁目を切り捨てる。
n
P 100 Xi (A.1)
i1
ここに, P : 純度の分析値(質量分率 %)
n : 不純物の分析種の数
Xi : 銅(Cu),カドミウム(Cd),すず(Sn),鉛(Pb)及び鉄(Fe)
の各含有率(質量分率 %)
2) 不純物 不純物の各分析種の含有率は,次によって求める。
2.1) 分析種の計算値 不純物の試験方法に基づき,計算して得られた値を計算値とする。ただし,得
られた計算値が定量下限以下の場合は,その定量下限をもって計算値とする。
2.2) 分析種の含有率 得られた計算値を測定回数で平均し,JIS Z 8401の2.(数値の丸め方)によっ
て小数点以下5桁に丸めた値を含有率とする。
なお,不純物の計算値が定量下限以下の場合は,定量下限を対応する分析種の含有率とする。
b) 不確かさ 不確かさは,箇条9(分析値の不確かさ)による。
A.4.3 銅(Cu)
JIS H 1110の6.(原子吸光法)又は7.(誘導結合プラズマ発光分光法)の試験方法において,亜鉛地金
中のカドミウムに準じる。ただし,銅(Cu)の原子吸光法の測定波長には,324.8 nmを,誘導結合プラズ
マ発光分光法の測定波長には発光強度と濃度との直線性などを考慮して適切なものを選び,3回以上の測
定を行う。
なお,検量線溶液の調製に用いる銅標準液(Cu : 1 mg/ml)は,JCSSに基づく標準液又はJCSS以外の
認証標準液を用いる。
――――― [JIS K 8005 pdf 13] ―――――
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K 8005 : 2014
A.4.4 カドミウム(Cd)
JIS H 1110の6.(原子吸光法)又は7.(誘導結合プラズマ発光分光法)による。ただし,検量線溶液の
調製に用いるカドミウム標準液(Cd : 1 mg/ml)は,JCSSに基づく標準液又はJCSS以外の認証標準液を
用い,3回以上の測定を行う。
A.4.5 すず(Sn)
JIS H 1111の6.(ケルセチン抽出吸光光度法)又は8.(水酸化鉄共沈分離誘導結合プラズマ発光分光法)
による。ただし,検量線溶液の調製に用いるすず標準液(Sn : 1 mg/ml)は,JCSSに基づく標準液又はJCSS
以外の認証標準液を用い,3回以上の測定を行う。
A.4.6 鉛(Pb)
JIS H 1108の8.(水酸化鉄共沈分離原子吸光法)又は9.(水酸化鉄共沈分離誘導結合プラズマ発光分光
法)による。ただし,検量線溶液の調製に用いる鉛標準液(Pb : 1 mg/ml)は,JCSSに基づく標準液又は
JCSS以外の認証標準液を用い,3回以上の測定を行う。
A.4.7 鉄(Fe)
JIS H 1109の8.(原子吸光法)又は9.(誘導結合プラズマ発光分光法)による。ただし,検量線溶液の
調製に用いる鉄標準液(Fe : 1 mg/ml)は,JCSSに基づく標準液又はJCSS以外の認証標準液を用い,3回
以上の測定を行う。
A.5 容器
容器は,気密容器とする。
――――― [JIS K 8005 pdf 14] ―――――
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K 8005 : 2014
附属書B
(規定)
アミド硫酸(容量分析用標準物質)
Amidosulfuric acid (Reference material for volumetric analysis)
HOSO2NH2 FW : 97.094
B.1 性質
B.1.1 性状
アミド硫酸は,無色の結晶又は白い結晶性粉末で,水に溶けやすく,エタノール(99.5)に溶けにくい。
B.1.2 定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かし,沸騰するまで加熱後,塩化バリウム溶液(100 g/l)5 mlを加える
と,白い沈殿が生じる。
b) 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数3 152 cm-1,2 453 cm-1,1 542 cm-1,
1 450 cm-1,1 318 cm-1,1 069 cm-1,690 cm-1及び545 cm-1付近に主な吸収ピークが認められる。試料調
製をJIS K 0117の5.3 a)(錠剤法)によって行い,錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸
収スペクトルの例を図B.1に示す。
図B.1−赤外吸収スペクトルの例
注記 図B.1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。
B.2 品質
品質は,B.4によって試験したとき,表B.1に適合しなければならない。
――――― [JIS K 8005 pdf 15] ―――――
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JIS K 8005:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8005:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7411-1:2014
- 一般用ガラス製温度計―第1部:一般計量器
- JISH1101:2013
- 電気銅地金分析方法
- JISH1111:2014
- 亜鉛地金分析方法
- JISH6201:1986
- 化学分析用白金るつぼ
- JISH6202:1986
- 化学分析用白金皿
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0126:2019
- 流れ分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8012:2006
- 亜鉛(試薬)
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8103:2013
- ジエチルエーテル(試薬)
- JISK8107:2017
- エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8136:2017
- 塩化すず(II)二水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8201:2006
- 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8247:2015
- 過マンガン酸カリウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8359:2006
- 酢酸アンモニウム(試薬)
- JISK8374:2007
- 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
- JISK8397:2019
- サリチル酸ナトリウム(試薬)
- JISK8519:2016
- しゅう酸二水和物(試薬)
- JISK8533:2012
- ビス[(+)-タルトラト]二アンチモン(III)酸二カリウム三水和物(試薬)
- JISK8536:2017
- (+)-酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8548:2007
- 硝酸カリウム(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8580:2011
- すず(試薬)
- JISK8588:2011
- アミド硫酸アンモニウム(試薬)
- JISK8603:2011
- ソーダ石灰(試薬)
- JISK8622:2007
- 炭酸水素ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8722:2019
- ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8736:2018
- エリオクロムブラックT(試薬)
- JISK8777:2017
- ピリジン(試薬)
- JISK8780:2019
- ピロガロール(試薬)
- JISK8798:2012
- フェノール(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8810:2018
- 1-ブタノール(試薬)
- JISK8842:2012
- ブロモチモールブルー(試薬)
- JISK8844:2012
- ブロモフェノールブルー(試薬)
- JISK8885:2018
- 二酸化けい素(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8905:2019
- モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK9502:2020
- L(+)-アスコルビン酸(試薬)
- JISK9512:2013
- N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬)
- JISK9902:1994
- 高純度試薬―塩酸
- JISQ0030:2019
- 標準物質―選択された用語及び定義
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ0701:1977
- 包装用シリカゲル乾燥剤
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8802:2011
- pH測定方法